【1/25】チェストバスターまんが
朝:和風ツナスパゲティ
夜:メンチカツカレー
・文字起こしをカリカリやったり。
・文字起こし……マジで時間かかるな……。ようやく半分終わったが、くそう、本当はもう文字起こしを終えて執筆に入ってるくらいのイメージだったのに。
・音声入力を駆使する方法(録音ファイルを聞いて、その通りに自分で発声して音声入力する)をコメントで教えてもらったが、聞き取った内容をタイピングするのと、口に出して音声入力するのと、どちらがラクかは微妙なところである。
・あと、週末のマンガ新連載研究会の月例勉強会に向けて新連載漫画をカリカリ読んでいます。
いろいろ読んでいって思うのが、「これ、一話だけ読んでも続きが読みたい気にならんだろう」という作品が散見されること。「一話を読んだだけではなんとも言えない、特に感想もない(そして面白くもない)」みたいな。二話以降を読めば話は別だと思うんだけど、作家も媒体も「一話で惹きつける」ということを全く意識していない気がする。
・しかしこれは一概に否定できるものでもなく、というのは「一話でどういう話か分かってしまうと、それはそれで続きを読みたくなくなる」可能性があるからで、程よく分からせつつ、程よく分からせない、この塩梅が必要になってくるのだと思う。
・いま話題になってるらしい『地獄楽』なんかは、どういう話かは一話でしっかり伝わるんだけど、主人公の能力の底知れなさ、次回以降出て来るであろうおもしろ死刑囚たちへの期待感、暗黒大陸のミステリー感などが程よく謎めいていて、次への期待を持たせている。
・あと『地獄楽』は処刑のグロうんちくを交えてるのも地味に強い。人間はこういう好奇心に弱い。
・話はガラッと変わるけど、いまのところ読んだ中で、一番頭をガツンと殴られた新連載漫画は『レギオン』であった。
「レギオン」https://t.co/nkadL31U8n
な、なんだこれ……すげえ! クソ漫画なのか、すごいシュールギャグなのか、エイリアンの良質なパロディなのか、まったく…分からん! 分からん!!#マンガ新連載研究会— 架神恭介 (@cagamiincage) 2018年1月25日
「レギオン」https://t.co/nkadL31U8n
家族間トラブルを匂わせる土曜ワイド劇場めいた不穏な立ち上がりから突然のチェストバスター! 急にSF! 怒りのあまり鉄パイプで無関係の従業員を殴打する主人公! 終盤、唐突なエイリアン3のパロディ!!#マンガ新連載研究会— 架神恭介 (@cagamiincage) 2018年1月25日
これが本当に微妙なところで、マジでやってるのか、ギャグなのか分からない。当研究会では「マジなのでは?」という意見が優勢だが、個人的にはこれはギャグ、それも映画『エイリアン』シリーズのパロディギャグだと思う。
・見た目のフォルムや設定なんかがまさに『エイリアン』なのだけど、この作品はおそらく、
「もしチェストバスターが家族愛に目覚めたら」
というパロディだと思うんだよな。あ、チェストバスターって、エイリアンの幼生体で、お腹を突き破って出て来るやつね。
・この辺を見ると、やっぱり狙って作ってるギャグだと思うんだけどなぁ。
チェストバスターが「僕はキミのお姉さんの子供だよ!」と証明しようとする時のコマ。「いや、人間と掛け離れた形状の生命体に突起物があったからって何の証明にもならんだろ!」と思わずツッコミを入れてしまう。ちなみに本家エイリアンのチェストバスターにもへその緒があるらしい。
「じゃあ、姉さんを殺したのは地球侵略を企む一話ボスなのか!」という主人公に対して、「いや、ボクはチェストバスターだから、母体から飛び出した瞬間に殺しちゃったんだ」という下りも、やっぱりエイリアンのパロディなんじゃないかな~~。
・そして最後に、チェストバスターが溶鉱炉に落ちて自殺しようとするシーンがあるんだけど、これなんかは完全にエイリアン3のパロディ。本編の方だとリプリーが自分に宿ったチェストバスターが孵る直前に自分で溶鉱炉に身を投げて自殺する(エイリアンを滅ぼす)んだけど、こちらの漫画では生まれた後のチェストバスターが自分で身投げしようとする。
・だからこの漫画は『エイリアン』シリーズをヒューマンドラマ的にパロディ化した作品、と判断するのが妥当だと思うんだけど、でも、ちょっと分からん。あまりにもツッコミ不在だし、狙ってパロディを作ってるのだとしたら、作品的にはよく出来てると思うけど、これが売れる気は全くしない。あまりにも必要とされる前提知識が多すぎて理解できないんじゃないかなあ。
・しかし、ガチの可能性もあって、このへんは特に判断に迷う。
敵ボスは正体を隠して人間として生活してるんだけど、その会社の部下(おそらく事情を知らないただの人間)に対して、唐突に鉄パイプで背後から殴り掛かる主人公。完全にヤバい奴である。こういったタガの外れた暴力描写によって全体の読み味がすごくスラップスティックになっている。チェストバスターがヒューマンドラマをしたり、主人公が無関係の人間を鉄パイプで殴ったりと、物語の起伏が躁鬱気味に激しい。結果、すごい読み味となっている。狙ってギャグでやっているのだとしたらすごく成功しているが、狙ったのならかなり高度だし、しかし、この高度さは全く売上に繋がらないと思うので、単に素なのかもしれない。
・幾つかの点から総合して判断するに、おそらく狙ったギャグ(少なくとも狙ってギャグでやっている箇所が3~5割はある)と思うのだが、完全にガチの可能性もあり、後者だとしたら奇跡の産物ということになる。しかしまあ、作者の過去作を見るとエイリアンのドタバタコメディも描いてたので、やっぱり意図してギャグでやってるんじゃないかなぁ。
・この漫画のスゴイところはまだ幾つもあるんだけど、
この不穏さの表現とかもすごくない? 全力で「この義兄は不穏なやつです」というのを示していて、わずか4コマで不穏さが分かる。こういった過剰な表現もスラップスティックなんだよな。しかもこの段階では、読者はこの話を、弟(主人公)、姉、義兄の間で生じる家族間の確執とか、そういうドロドロした家庭的問題の話なのかな?くらいに思ってるのに、この姉ちゃんの腹を突き破ってチェストバスターが出てきて、義兄がエイリアンに変身するんだから、いや、本当にすごいよwww なんなんだよwwwwww