【12/4】高度に様式化された文学
朝:とろろ、味噌汁、生卵、米
昼:焼肉ランチ
夜:ざるそば
・今日読んでたご本。『ティルックラル―古代タミルの箴言集』
インドのドラヴィダ語族に属するタミル語の古代詩なんだけど、これの恋愛文学に関してはアハム文学に影響を受けている。そのアハム文学には「五つのジャンル一覧表」というのがあり、「クリンジ」「ネイダル」「パーライ」「ムッライ」「マルダム」という五ジャンルがあって、例えばクリンジであれば、
場所:山地
季節:寒気・冬前期
時間:真夜中・日中
動物:猿、象、虎、蜂、コブラ
植物:竹、パラミツ、ヴェーンガイ、サンダル
鳥:クジャク、オウム、フクロウ
主題:出会い
結婚の前後:結婚前
といった形で決まっているのだという。なので、仮に「出会い」の話を書こうとすれば、自動的に舞台は山岳地になり、季節も冬になり、動物が出てくるとしたら猿とか虎とかになるんだそうな。
・解説には「様々な約束ごとの上に成り立った高度に様式化した文学」と書かれている。しかし、思うのだが、これは古代の文学を現代的な視点から見た場合に、こういった様式に「異文化・過去遺産への憧憬」が加わり、「なんだかイイな」と思うのであって、同時代的にはどうだったんだろうか。例えば、こうだ。
場所:ハイファンタジー世界
種族:人間、エルフ、モンスター、妖怪
獲得する力:鑑定
関係:複数異性からの求愛
主題:異世界転生
1000年後くらいの世界から見れば、「古代なろう文学においては、異世界転生、悪役令嬢など、いくつかのジャンルに別れ、高度に様式化された文学が華開いた」みたいな感じになるんじゃないだろうか……。
・古代インド思想関係で、ついでにこれ。『黄昏のブッシャリオン』。
アイデアは抜群に面白いが、話の筋運びにはやや緩さがあり、少し残念な作品である。しかし、それはそれとして「みんなが真面目に仏教をやれば世界は滅びる」という、自明の理でありながらも学者も僧侶も表立っては言えないことを、SF的な世界観のオブラートに包みながらも表現しており、そこはすごいなと思いました、まる。
・今日のせっかくだから自著宣伝コーナー。
『もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら』。タイトル通りの仏教入門書。当時もしドラが流行ってたので、ややアクセルふかし気味に流れに乗ってみた。軽薄に流れに乗っていくのが結構好きです。
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<今後の活動予定>
12月5日 ディライトワークス・ボードゲームパーティ
12月6日 取材
12月8日 マンガのハナシ vol.3 味漫皇決定戦
12月16日 西山田先生『さくらのはなみち』発売記念イベント
12月18日 取材
12月19日 ナンバーナイン忘年会
12月20日 ヤンマガ忘年会
12月23日 マンガ技術研究会・定例研究会
※10月25日~11月30日 クラウドファンディング
※毎週金曜夜:ダンゲロス・ボードゲーム会(in東中野ディアシュピール)