【芸術新潮】仁義なき聖書ものがたり
「芸術新潮」2016年6月号(5/25発売)にて、特集「仁義なき聖書ものがたり」の第一部「ザ・旧約聖書ストーリーズ」を執筆しました。
概ね、僕の著作「仁義なきキリスト教史」(新約聖書~近代までのキリスト教史をやくざ抗争に見立てて描いた小説作品)の旧約聖書版と考えて頂いてOKです。
違うのは「仁義なきキリスト教史」が小説部分メインであったのに対し、こちらは小説部分自体は短く、代わりにそのシーンを描いた宗教画が大々的に掲載されていることで、「ストーリー性のある画集」といった感じになっています。僕が取り扱ったテーマは以下の20点。
1、天地創造
2、アダムとエバ
3、カインとアベル
4、ノアの箱舟
5、バベルの塔
6、ソドムとゴモラ
7、イサクの犠牲
8、ヤコブとエサウ
9、ヨセフの出世
10、モーセの召命
11、出エジプト
12、エリコ攻略戦
13、サムソンとデリラ
14、ダビデとゴリヤテ
15、バト・シェバ
16、ソロモン王とシェバの女王
17、アハブ王
18、バビロン捕囚
19、エステル
20、エズラ
付録として旧約聖書登場人物のざっくりとした系図(これは僕の仕事ではない)が、五月女ケイ子さんのイラスト付きで掲載されています。
↑五月女さんのイラスト。なんだかすごいロトと娘たち。確かに聖書でも飲酒してセックスしてるけど……
かがみによるまめちしき:新約聖書と旧約聖書ってどう違うの?
キリスト教はユダヤ教の一派だよ。ユダヤ教は「メシアっていうすごい指導者がそのうち現れてオレたちはメチャクチャ成功する!」と思ってたよ。そのうち、「イエスって人がそのメシアなんだぜ」と言い出す人たちが現れたよ。それがキリスト教だよ。旧約聖書はユダヤ教で昔から受け継がれてきたテキストの集まりで、新約聖書はイエス以後の「イエスがメシアだと信じてる派閥」の人たちのテキスト集だよ。
その他の旧約関連テキストとしては、聖書学者の加藤隆先生による「教えて旧約聖書!」コーナーや、美術史学者の池上英洋先生による聖書と美術に関する解説があります。ギリシャ正教の聖地アトス(知ってる人は知ってる、ある意味有名なアレ)の巡礼写真集も。
加藤先生には僕も昔、キリスト教の勉強を始めた頃にお世話になりました。教祖マニュアル執筆時だったので、もう7~8年も前の話ですねー。
A:神は全能で恵み深いというのは人間側の勝手なレッテル貼りで~(略)
といった感じで、編集部の質問にざっくばらんな回答で応えられています。
*
僕が言うのもなんですけど、芸術新潮ってば、ポップさと知的好奇心と芸術的感興のバランスの取れた良い雑誌だと思いますね!!