【11/15-16】まいどお馴染みの問題

   

【11/15】

朝:ツナサラダ
昼:フルーツ
夜:ソーセージ、サラダ、味噌汁

・小説とネームを交互に書くことで集中力を持続させるライフハック。

・ネームは描き始めは結構楽しいのだが(絵を書くという行為がまだ私の中で新鮮なので)、だいたい3時間ほど描いた辺りから新鮮味を疲労が上回り始めて、「もうやだー」となりながら描くことになる。

・小説の方は、なんかいま何故か知らないけど、「自分が書いているものが面白いと思えない」気持ちに取り憑かれており、集中力は持続していても、気持ち的に辛くなるのであまり長く書けなかったりする。しかし私もいい加減キャリアが長いので、「書いてる時はあれでも、実際後で読み直したら意外と面白い、というケースが大半なので、とりあえず辛くても黙々と書く」という対処を取れば良いことが分かっている。

・小説が「書いててなんだか面白いと思えない」場合は、たぶん地の文に苦労してるんじゃないかなあ。地の文が上手く決まらないとか、話の流れがスムーズに展開しないとか。ただ、そういうのは書いてる時程には読んでいる時は気にならなかったり、後で推敲する段階で適切に調整されたりするのだと思う。

【11/16】

朝:カレーうどん
昼:フルーツ
夜:チキンソテー、豚肉、味噌汁、サラダ

・数日前からせっせと書いていた読切用のネームが、なんとか間に合ったので担当に見せてみたが、あまり良い感触は得られなかった。

・ううううむ……。これちょっと私の中で、「毎度お馴染みの問題」と化しつつある気がするぞ。どうも私は思いついた「面白いこと」をやろうとすると、簡単に漫画作品のテンプレから外れてしまう傾向があるようだ。脱臼癖が付いた肩のように。で、ちょっと外れるのだけど、「それでも面白いから、まあ何とかなるだろ」と思って作り上げるのだが、いかんせん外れているので、実際に人に見せてみると、思ったよりも「外れている」ことの問題が大きいことに(相手の反応で)気付く。しかし、私の地力が中途半端に高いものだから、やっぱり面白い部分は面白くて、自分も相手も何を直せばいいのか良く分からなくなったりする。

・で、そこからそれを何とか修正するターンになるのだが、これがクソのように大変で四苦八苦する……という流れが既に今のうちから見えている。この癖は直すべきなのか、それとも今のうちにがんばって苦労して、テンプレから外れても毎回無理矢理成立させる程の腕力を身に付けるべきなのか。

・菩薩丸も(プロット段階では然程意識してなかったが)かなりテクニカルな作品になってしまったので、成立までの紆余曲折が凄まじく大変で、作画の厳男子先生には延々と修正に付き合ってもらったし、私も梨状筋症候群になったしで、費用対効果が悪すぎた。読切一本のために体を壊しててはプロとしてやってられん。

・しかし、逆に言えば、テンプレから外れていても、頑張ればいつかは成立するんだよなー。

・ただ、テクニカルなことをやったからって、テクニカルであることで読者の評価が得られるわけではないので、頑張り損な気がしないでもない。テクニカルっていうと、なんか良いことみたいだけど、「成立させるために作家側の努力、技術力が無駄に必要とされる」と言い換えてもいい……。

・けど、気持ちとしては、やっぱり思いついた「面白いこと」はやりたいので、例えば人から「普通はそういうことはしないから、やめた方がいい」と言われても、それでも思いついた限りはやりたいのだ。だってそれをやるために書き始めたのだから。なので、そういうことを言われるとかなりゲンナリする。「普通はそういうことはしないから、やめた方がいいんだけど、承知の上でどうしてもそれがやりたいんなら仕方ないから、やった上で成立させる方法を考えよう」とアドバイスされると嬉しい。私も人の創作相談に乗ってる時は、その人の「どうしてもやりたいこと」だけは否定しなかった。まあ、考えるだけ考えて、それでもダメだったら流石に諦めるけんど。

・やっぱり「やりたいこと」って創作の原動力なので、そこを否定されると、何のためにやるのか分からなくなってくる。「やりたいこと」はそこはもう心中するものであって、それがダメならもうダメで良くて、そこを直す必要があるのかどうかは疑問だ。直すなら「やりたいこと」を成立させるために直したい。私が偏執狂的に作品を修正する(修正できる)のは、「やりたいこと」だけはキープされているからだと思う。やりたいことをやれずに何とか成立だけさせた作品は金にしかならない(素晴らしいことに私は今までそういう作品を書籍では一つも出していない! 菩薩丸はギリッギリで何とかなった)。

・しかし、これにも幾つか例外があって、やりたいことが複数あって、どれをも実現させることができない場合は、本当にやりたいことを一つ残して他は諦めたりもする。esさんはアドバイザーとしてここの能力が非常に高くて、私が本当にやりたいことと、そこまででもないことを峻別して、後者をザクザク切り捨てて、成立する形を目指してくれる。

・あと、上記の話は「私の友人でアドバイスをくれる人」の話であって、要は「きみたちは俺の味方なんだから、俺の本当にやりたいことに関しては味方してくれよ」という話で、編集者の場合は「いや、それに付き合ってるとコストが悪くて商売にならないのでやめて下さい」はアリだと思う。

・妻は非常に微妙なラインで、心情的には味方して欲しいんだけど、実際問題として菩薩丸では体を壊したし、そんな悠長なことを許して家計が逼迫してもアレなので、「やめて」と言っても良いような気がする。でもそれは理屈上のことで、やっぱり心情的には味方して欲しぃ……。「金にしかならない」と言ったけど、生活する上では金は実際大事なんだよな……。

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