【10/10】日本の首領と7500見た

   

昼:シーフードドリア、サラダ
夜:豆腐サラダ、鶏肉丼、餃子、味噌汁、酒

・今日はオフ。

・オフなんだけど、今週のスケジュールとにらめっこしてみたところ、どう考えても今日もある程度働かざるをえないことが判明し、資料など読むことにした。「ま、まあ、読書はオフのようなものだから……」と自分に言い聞かせる。

・というか、それ以前に昨日のタコパとかもオフってたからいいんだけど。

・あと掃除もした。「せっかくのたまの休日なのに部屋の掃除で半日潰れるってなんなの?」問題ですが、昨日テレビで新垣結衣が「休日は寝てるか掃除か……」と言ってて、「ああ、新垣結衣レベルでもたまの休日に掃除せざるを得ないんだ」と思って、なんかホッとした。

・『幸福の「資本」論』読了。

 得るところの多い本だった……。

・人生において重要な資本を「金融資本(所持金)」「人的資本(自分の労働力)」「社会資本(社会的つながり)」の3つに分類してるんだけど、こうして並べられるとコネ(社会的つながり)の重要性が際立つ。コネって人生の三大重要要素ってことだぜ。

・本書に紹介されている「プア充」(金融資本を持たず、人的資本も脆弱だが、社会資本だけはある)の生活が何の問題もなく楽しそうでな……。つまり、貯金なし、月給10万、友達多い人の生活ね。まあ以前の私も似たようなものだったが、社会資本の重要なところは、結局のところ、社会的つながりさえあれば、人間はそれなり以上に幸福でいられるということだ……。

・だからコネってのは、仕事が貰えるとか、仕事に使えるとか(金融資本の拡大、人的資本の強化)だけではなくって、ダイレクトに幸福に繋がってくる要素なわけだ。

・マジで重要だぜ、コネ……。

・そんなとっても大事なコネに関する講座が、月末のマンガ新連載研究会の定例勉強会にて行われるので、みんな受講しようね!

・という、ここぞというばかりの宣伝はさて置いて……。ただ、本書で唯一納得できなかったのは、「金融資本を持つ人は無駄遣いしない」みたいな文脈で、ダイエーの社長か会長が、東京から名古屋へ移動する時に新幹線がいつも一般席だった。グリーン車を使わないのか、と聞かれて、「グリーン車だったら速く着くの?」って返した、って話なんだけど、これはあんまり納得いかない。いや、時間は変わらないかもしれないけど体力消耗は変わるんじゃないの? いや、私はグリーン車とか乗ったことねーから、どんくらい違うもんか分からないけど。移動に伴う体力消耗が10%でも抑えられるんなら、私が金持ちならグリーン車とかビジネスクラスとか当然乗るよ。

・映画も見た。

『やくざ戦争 日本の首領』。プライム会員ならアマゾンビデオでタダで見れるぞ。

・普通に面白かった。色んな形の交渉パターンを見ることができた。企業側がやくざにトラブル解決を依頼した時は、企業側の差し出した金をやくざ側が受取を断っている。これは「一回限りのはした金ではなく、もっとよこせ」ということだろうし(非常にコワイ!)、それに対し、企業側は毎年巨額のお金がやくざに流れるように設定する。これは「定期的に大金をやるから、これからも手足となって動け」ということだ。どちらもしたたかで、主導権を奪い合っている。

・企業側は毎年1億円がやくざに流れるように計らうんだけど、企業側からやくざへの依頼としては、3億円の借金の帳消しを1億円でやくざに依頼したりする。依頼を受けたやくざ側は金貸しに対して1000万で手形を買い取ろうと交渉に行く。そんなもん当然突っぱねられるんだけど、そこでやくざは交渉材料のカードとして暴力を使用することで、3億円の手形を1000万で買い取ることに成功する。

・つまり、

企業:ー3億円
金貸し:+3億円

 となるところが、

企業:3億円の損失が1億に。+2億。
やくざ:+9000万円 (ー 諸経費(暴力行使に伴う経費))
金貸し:+1000万(そもそも1000万貸したのでプラマイゼロ。経費分マイナス)

 という図式だ。ここでやくざは暴力行使に伴う諸経費、ならびに暴力によるリスク(警察に睨まれる、世評が悪化するなど)、若いモンの人的損失(逮捕や死。付随する見舞い金など)が9000万円以内で収まるなら、その分が組織の利潤となる感じか。当時の物価を考えれば、これはおよそ10倍の規模の話になる。

・企業側は毎年1億円の顧問料を払っていることを考えても、それでも+1億円になっており、企業側の費用対効果が最も高い。

・これ、金貸し側としては、1000万はともかく、交渉を行って3000万くらいでの買い取りを提案するのがベストだったんではなかろうか。やくざ側の暴力諸経費が2000万以上のコストであれば、3000万での買い取りなら乗ってくると思われる。それにしたって本来から考えれば2億7000万の損失だけれど……。

・そんな感じで面白かったです。

・寝付けなかったのでもう一本映画見た。

『7750』Huluで見た。

・「すっげー、清水崇、さすが! スッゲー!!」って感じの一本。いや、評価はなんかやたら低いけれど。低評価の理由も分からんではないけど、でも、これは良い作品ですよ。

・飛行機の乗客が突然一人死んで、その後、乗客が一人、また一人と機内で消えていくホラー。パニックもある。恐怖もある。謎解きもある。「こういうホラーが見たかったんや!」という感じのホラー作品である。

・全編通じてとにかく不穏であり、機内に発生した異常事態が何に依るものなのか、さっぱり分からない。そこを探索者ポジションの人たちが順次謎解きをしていくのだ。この謎解き要素が重要で、ホラーってのはミステリーでもあると、かねがね主張している通りである。

・評価の低い理由も分かる! オチもまあ「ああ、それね」って感じだし、「そのオチだとしたら、一体どういうことなのよ?」みたいなのもある! 分かる! 評価低いの分かる! 実際、私も途中まで「最初に死んだ不審な男は古物商かそれに類する商人で、呪われた品を運輸中に死亡。呪われた品の力により飛行機が異界へ引きずり込まれたんだな」って思ってた。私のこのアイデアの方が、正直、断然面白いと思う。けど、そういう「面白い話の可能性が頭の中で組み上がった」ということ自体を評価したい。それだけのインスピレーションを掻き立てる作品作りであったわけで、その点で私は本作を高く評価するのだ。

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