【5/3】士魂魔道&バタリアン2

   

朝:カレー
昼:天麩羅そば(@富士そば)
夜:豚のしょうが焼き、サラダ、味噌汁

・世間はまだGW真っ最中であろうが、金曜日に〆切りの仕事があるのと、重篤ソルティストが今日からもうお仕事なのとで、私もそろそろ仕事を始めることにする。

・今日一日のんびりやって7000字程書いて、それで大体半分ほど書き上げれたので、明日で残りを仕上げて、木曜は休みにすれば良さそうである。フィギュア塗りに行きたい。

・なお、仕事の関係で『坊っちゃん』を読んでいたのと、熱海旅行の際に駅のホームの立ち食いそば屋からの香りのダブルパンチを受けていたのとで、どうしても天麩羅そばが食いたくなり(坊っちゃんは天麩羅そばを4杯食ってる)、昼は駅前の富士そばに行ってみた。くっそ、あんなに食いたくて仕方なかった天麩羅そばなのに、いざ食ってみると別にどうってことねえぜ。まあ富士そばだもんな。ごくふつうだぜ。

・仕事の関係上、色々なものを消費しているので、その感想なども書いていこう。

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 南條範夫先生の『士魂魔道』。レイブンさんに「小野忠明を描いた良い小説を」と教えを乞うたところ、返ってきた答えがこれであった。大阪城落城後の落ち武者たちの運命を描いた群像劇である。

・中盤までは「まあ面白いかな?」程度でフーンという感じで読み進めていったのだが、気の狂った老剣客こと小野忠明が出てくると話が俄然面白くなる。50点くらいだったのが120点くらいになる。シグルイの虎眼先生もだけど、気の狂った凄腕老剣客が出てくると話が面白くなるのかなぁ…………なーんてほんのり考えていたのだが、いや、まさかこれって……
 
 
 虎 眼 先 生 の モ デ ル じ ゃ な い の ! ? ? ?
 
 
 と、ふと思い立つなど。シグルイの原作である『駿河城御前試合』も南條範夫作品だし(『駿河城御前試合』の虎眼先生は別に気は狂ってない)、山口先生が『士魂魔道』の方から虎眼先生のキャラを引っ張ってきたとしても不思議はない。気の狂った老剣客というだけなら他にもモデルはいそうなものだが、小野忠明が弟子の女をレイプしようとしたくだりで何だか強烈な虎眼臭を感じてしまったのだ。

・この作品は群像劇であり、主人公格の侍が5人程出てくるのだが、中でもとりわけ主人公格である深見重兵衛の禅寺修行シーンも良かったですね。主人公が禅を学んで強くなる描写は良くあるのだが、とはいえ、剣と禅の関係性など実際よく分からんのである。よって説得力のある描写をするのも難しいのだが、この作品はそこがよく出来ていて、「あっ、なるほど、禅を学んで強くなってる」と頷ける感じになっていた。

・で、落ち武者ども5人のうち3人が本当にどうしょうもないクズ揃いなので、彼らと対照的に真面目に武士を貫いている深見がすごくかっこよく見える。3人のクズがどうクズなのか内訳を書くと……

1、ゴミ系クズ。胆力も知恵も剣術も足りず、悪人になろうとしてもなりきれないが、女を売春宿に売り払うなど、シャレにならないレベルでのせこい悪事もやるので可愛げもないクズの中のクズ。

2、狂人系クズ。剣の腕が立つだけ1よりマシだが、それでやることと言えば辻切りだの女を攫ってレイプだの概ねロクでもないクズ。左腕をぶった切られ、右腕も不自由にされて、それでもなおクズを貫く精神性は一周回って清々しさがある。

3、悪人系クズ。知恵と胆力を備えているが、根っこがクズの中のクズ。世話になった商人から店、女、跡継ぎのすべてを奪い取って後釜に座った。全く可愛げのないクズの中のクズだが、上の1、2のクズどもがさらにどうしょうもないクズどもなので、「なんのかんの言って奪った店では真面目に働いて店を切り盛りしている」という一点だけで相対的に大分マシに見えるクズ。

 さらには美少女剣士クズだとかストーカークズだとかクズ忍者だとか色んなクズが出てくる。周りがこんなんばかりだから、真面目に武士を貫いた深見が、禅を学んで強くなり、小野忠明に気に入られ、小野の道場を継いで、ヒロインの小里と夫婦になって、クズ1とクズ2が「あいつ立派だなあ」「ムカつくなあ」と言ってるだけで読後感は大分良いのである。いやー、まじめに頑張るって尊いことですねえ。

・ちなみに残りの一人の鷲見十太さんも深見さんと同じ方向性なので、こいつも見てて気持ちがいい。あの3人のクズのおかげでこの2人が清涼感マシマシに見えるのであろう。

・はい次。バタリアン2見ました。

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 めちゃくちゃ面白かった。作業の合間にちょいちょい30分くらいずつ見ようかな、と思っていたのに、なかなか止められなかったくらいだ。バタリアンは1と3の評価が高くて、2と4と5はそうでもない。4と5は確かにそうでもなかったような気がする。1はマスターピースで3もなかなかだった。今回なぜかスッポリここだけ未見だった2を見てみたのだが、いや、これは1よりも素晴らしいぞ。

・方向性としては「死霊のはらわた3」や「REC3」と同じで、コメディタッチの強いホラー。それもドリフ的なニュアンスのホラーである。私の一番大好きな映画である「HOUSE」もドリフ的コメディホラーなので、結局、私はこういう作風が大好きなんだろうな。

・ドリフ的な……というのは、例えば車内にゾンビの千切れた腕が入ってきて(ちょっと動く)、それを乗客7人がきゃあきゃあ言いながらゾンビ腕をお手玉して、隣のやつに押し付けまわった挙句に、ゾンビ腕が男のキンタマを掴んで男が悶絶するとか、そういうノリである。

・初代バタリアンも確かにホラーコメディではあるのだけど、あれはゾンビが強すぎ&賢すぎたせいで、下手な純粋ホラーより大分怖くなってしまっていて、コメディ要素は言うほど強くないんだよな。ホラーコメディとしては2の方が大分好きだ。

・それに加えて、今作では主人公が小学生の男の子でありジュブナイル的な楽しさもある。ちびっ子が大人顔負けの大冒険をして成功を収めるこの感じは、私が小学生の時とかに大好物だったやつだ。子供はよ、成功してえんだよ、子供のままでよ。

・悪く言えば非常にありきたりなストーリー展開で、ピンチになり、子供が活躍し、いじめっ子のゾンビを倒して、大団円を迎える。すごく普通なんだけど、でもそれがいい。もちろん初代バタリアンの核ミサイル全滅エンドも素晴らしいと思うのだけど、こっちの何の変哲もない大団円エンドもこれはこれでグッと胸に来るものがある。平和だ。

・いや~~、素晴らしい映画だった。「REC3」とか「HOUSE」とかも好き嫌いの分かれる作品だと思うけど、これもなあ、せめて分かれて欲しいなあ。こぞって低評価で「大好き」という人が他にいない感じだ。もっと評価されていい映画だと思うんだけどなあ。

 - 日記