すぎ恵美子先生の「東京☆エロガンス」を読んでみましたよ。少女漫画は本当にすごい。気が狂ってるとしか思えません。
『東京☆エロガンス』
主人公はいつもレイプされる妄想をしては、パンツをビショビショにしてる16歳の女の子。彼女は「強引に嵐のように処女を奪われたい」という妄想に囚われており、せっかく男の子に告白されても、
「ぱんつだって濡れないよっ」と拒絶するほどクレイジーです。
そんな彼女がいつもの如く学校で妄想中にパンツをずぶ濡れにして慌ててトイレに駆け込むと、イケメンが女子トイレで女の子とキスをしていました。主人公は「この人が私の求めていた人・・・!」と思い込み、その場でぱんつを降ろして告白します。
気が狂ってるとしか思えないこの行為ですが、その理由は・・・
「先輩を見てたらぱんつの中がビショビショになったの。だから、ぱんつの中を見せれば私が本気だってわかってもらえると思って・・・」
と、いうことだそうです。色情狂ここに極まれり。
そんな主人公とお付き合いすることになったイケメン。そのイケメンの口癖は「犯すぞ!」。街中でも事あるごとに「犯すぞ!」「犯すっつってんだろ!」と連呼します。高校生にしてもイタすぎます。
まともな神経の女の子であれば、こんな男の子には関わりたくもないと思いますが、主人公も並のクレイジーではありません。男の子の「犯すぞ!」に対し、「犯して! 今すぐ奪って!」と応えます。なんなんだ、このカップル。世も末だぜ。
結局、二人は街中の狭い路地でセックルに及ぶことになりましたが、なぜか途中で男の子が逃げ出します。実はイケメンの男の子はインポだったのです。
インポを告白したイケメン。しかし、相手はセックルしか頭にない色情狂の女の子。当然、嫌われるのかと思いきや・・・
男の子「――ったく、何でこの俺がおまえ相手に振り回されてんだか、初めはからかい半分の"お試し"のつもりだったのに・・・朱莉(主人公の名)の笑顔見てるうち、大事にしてやりてーとか妙な気分になって、女相手にこんな気持ち初めてだぜ」
インポのくせにすごく偉そうです。そして、なぜかこれにときめく主人公。二人の心情の動きが一切読み取れません。一体、彼らに何が起こってるんだ・・・
そして、謎のグッドエンディング。これはひょっとしてシュールギャグなのか?
なお、この単行本には他にも二篇の短編が収録されています。
『vibration・age』は、レイプされる想像をしながら家でオナニーしてる女の子が主人公で(こんな女しか出てきません)、彼女がいつものように家でオナニーをしていると、男に覗き見され脅されます(犯罪者は男の方なのになんで脅すんだ)。そして、男の目の前で強制オナニーをさせられるのですが、主人公はそれが癖になってしまい、普通の一人オナニーでは満足できなくなってしまいます。そんな自分が許せない主人公はムキになってバナナオナニーに挑戦しますが、バナナが中に入って取れなくなり、男に取ってもらってるうちに欲情して相思相愛グッドエンド。何を言ってるのか自分でも分かりません。
もう一つの『蜜恋』は、冴えないめがねっこの主人公をなんとかしようと、主人公の友達が男友達に頼んで、彼女をたらしこんで色気づけようとするお話。清純な女の子を他の短編の主人公のような色情狂に変えようとするわけで、やめてあげればいいのに。しかし、よその高校の男の子が、その男友達を階段から突き落とし大怪我を負わせて、その役を成り代わります。そして、替え玉の男の子は茂みから突然現れて主人公をレイプ。すると、相思相愛になってグッドエンド。異次元過ぎてまるで付いていけません。
つまり、まとめると「イケメンならインポだろうが覗き魔だろうがレイプだろうが許される」というわけで、「イケメンなら何をしても許される」の少女漫画テンプレートに沿った、まったく標準的な少女漫画というわけですね。