【8/7】2007年36&37合併号のジャンプ感想(まとめ)


 ちょっと宣伝。ゴルゴさんとヤマカムさんの同人誌「ゴルカム燃王」にちょっぴり出てます。カフェオレライターのマルコさんと「テニスの王子様で最強の技はなにか?」という話をしてますので、コミケに行かれる方は良かったらチェックしてみて下さいな。



テニスの王子様

 赤也少年が林田くんに見えたのは僕だけではないはず……!


・なんなんだキサマは




 イヤイヤイヤイヤ…………!

 ここの描写はスゴイですね! やー、そりゃーそうですよ、小学生がいきなり光出したら、「なんなんだキサマは!?」ですよ。まったくその通りですよ!


 いや、そういうことじゃないんでしょうけどね。

 そういうことじゃないんだけど、ここの許斐先生は巧すぎるのです。ありていに言ってしまえばダブルミーニングなのでしょうか。ここでヤング真田が言ってることは、「準優勝するくらいTUEEEEオレよりTUEEEEキサマはなんなんだ」なんですけど、「小学生の手塚が無我っている」という異常事態のせいで、「ちくしょう、なんなんだキサマは!? 明らかに人外だぞ」とも読めてしまうのです。

 手塚が無言・無表情で黙々とオーラだけ発してるのがまた恐ろしいですね。皇帝が手塚部長に抱いていたのは、ライバル心ではなくトラウマだったのではないかと思えてくるほどです。


・真田「向こうに入らんか――っ!!」

 そして、今週の問題のシーンです。結局のところ、皇帝は精神論で手塚に勝利したのですが、「想いの力で勝利する」という悪手を用いたにも関わらず、この満足感はなんなのでしょうか。

 そこのところを分析してみると、つまるところ、「想いの力で勝利することが面白かったから」なのだと思います。悪手だろうが、論理的に問題があろうが、面白ければ文句を言う気にならないという、ひどくシンプルな理屈なのです。

 では、この見開きは何がそこまで面白かったのでしょうか? 今回の「向こうに入らんか――っ!!」に至るまでの真田皇帝の描写を振り返ってみましょう。まず第一に「中学三年生のくせに異常に偉そう」という真田のキャラクター(主に口ぶり)がありますよね。これは真田のもっとも基礎的で中核的なキャラ付けです。そして、今回の試合の終盤において、彼の異常な尊大さは「バカもん、動かんかーっ、この脚が!!」と、意のままにならぬ己の肉体へと向けられます。ここで真田は、「こんなに偉そうなのに、自分の肉体一つ思うままにできない」という、いわば「皇帝の落日」とも言うべき、悲壮感を漂わせはじめるのです。

 コートを這いずる真田には、既に皇帝としての威厳はありません。日頃尊大な彼が、急激にその権威を失墜させているのです。真田がただのイヤな人なら、僕たちは「ざまあみろ」と言って終わりですが、真田は決してそんなキャラではありません(彼は別に悪人というわけではないですよね)。僕たちはそんな弱りきった彼に、皇帝としての威厳を失った真田に、一抹の寂しさを覚えていたのではないでしょうか。

 そんな失われた真田の威厳が一気に回復したのが、問題の「向こうに入らんか――っ!!」なのです。これまで他人や、己の肉体に向けられていた彼の「尊大さ」は、ここに来てボールという無生物すら対象に含んだのです。ボールに対してさえ尊大に振る舞う彼の姿に、僕たちは失われかけていた「皇帝の尊厳」を再発見します。僕は「向こうに入らんか――っ!!」を見て、呼吸が出来ないほどに笑ったのですが、ここで巻き起こる「笑い」の感情は、皇帝が己の尊厳を取り戻した、そのカタルシスに因るものも大きかったと思うのです。(もちろん、「無生物に対し尊大に振る舞う」というピントのずれた「皇帝ぶり」も、あの見開きに激しいインパクトを加えたことは言うまでもありませんが)

 つまり、許斐先生は、真田が「皇帝である」という設定をフルに活用して、今回のラストを組み上げたといえるでしょう。皇帝が威厳を失い、地に這いつくばりながらも、最後にはその尊厳を取り戻す。そのカタルシスをもって、「想いの気持ちで勝つ」という非論理を力ずくで肯定してしまったのです。


 ***

 と、まあ、長いことダラダラと書きましたが、あの見開きには要するにスカッとしたんですよ。 「皇帝カッコイイ!」と迂闊にも思っちゃったんです。「どっちのコートに入ろうかな~?」などと優柔不断に決めかねてる軟弱者のボールごときは、皇帝の恫喝に屈して当然なんですよ! 

 しかし、テニス世界において「何一つ実現不可能なことはない」と思われていた万能技術「回転」が精神力に破れたというのは、これはテニス界における一つの革命なのかもしれませんね。逆境ナイン風に言うならば、「ついに、テニスも技術体力の時代から、魂の時代へ入るのか!?」ということです。これがドンドン進んでいったら、「貴様、まだ回転などという時代遅れの技術にこだわっているのか?」「飯匙倩など、ホレ、この通り、精神力次第でいくらでも撃てるわ!」みたいなことになるんじゃないかなー。


ワンピース

 素晴らしい! 

 今週のウソップバトルは10年間のワンピースの歴史の中でも、もっとも完成度が高い一戦であったとさえ思います。このクオリティなら、そりゃあワンピースはジャンプの看板漫画ですよ! 

 今回、素晴らしかったのが、ウソップの脆弱な腕力をカバーするアイテム(インパクト・ダイアル)を読者の納得のいく形で、極めて適切に用いてくれたことです。そしてそれ以上に、そのアイテムさえダシに使って、ウソップ固有のスキルである「ウソ」を十全に戦術に用いたことです。インパクト・ダイアルをうまく使うことは確かに素晴らしいけれど、それはウソップじゃなくてもナミでもチョッパーでも出来ることです。でも、インパクト・ダイアルを使って"ウソをつく"のは、ウソップただ一人の特権なのです。

 今回のウソップバトルは、ウソップの一手一手が全て次の一手へと繋がっており、彼の行動全てに必然性を感じさせる辺りも高評価です。敵の最大攻撃をインパクト・ダイアルで防御し、その力を利用してカバ紳士を撃破。これでペローナさまに「ウソップは実は力持ち?」との疑念を抱かせた上で、彼が「10トンハンマーを扱える東の海一番の怪力」であることを信じさせているわけです。その間にゴキブリ星を挟んだのは、(分かりやすいギャグ要素を入れて、ちびっこ読者に配慮したというのもあるのでしょうが)次の「ハンマーのウソ」に備えて、ペローナさまの正常な判断力を奪うという意味もあったのでしょう。

 今回のウソップには無駄がなく、完全にペローナさまを封殺していたと思います。僕は初めてウソップのことを「強い」と認識しましたよ。たとえ彼が非力とはいえ、持ちうる能力を十全に使って敵幹部を一人無力化したんだから、ウソップは戦闘要員として十分な戦力を備えた、立派な「強者」だと思います。

 これまでは(ルフィがどれだけウソップを買ってたか知らんけど)僕はウソップなんて別にいらねーじゃんとか思ってたんですよね。たとえ、Mr.4を倒したとはいえ、「Mr.4なんてゾロがいれば一瞬で勝てるんじゃね? やっぱウソップいらね」くらいに思ってたんですよ。でも、今回で認識を改めました。彼の存在には必然性がある! ゾロやサンジには代えられない戦力なのです! その認識を改めさせてくれた点でも、今回のバトルは本当に良かったと思うのです。やっぱりバトル描写も大切だなー。

 そして、ペローナさまとの決着は、「人死にを出さない」「相手の精神を折ることで勝ちとする」という尾田先生のポリシーが、もっとも美しい形で現れた結末だったと思います。尾田先生のポリシーは漫画を描く上でものすごい足枷となっていて、現にワンピースはかなりそれに足を引っ張られてる訳ですが、それが、今回このような形で昇華されるのであれば、これは本当に素晴らしいことだと思います。尾田先生はなんてやればできる子なんだ!

 ウソップvsペローナ戦はちびっこたちには少々複雑すぎる展開と思ったのか、今週の後半にはゾロの戦いも描かれており、バランスを取るためか、こちらはシンプルかつカッコイイ直球アクションとなっています。ちくしょう! 尾田先生、そんなトコまで配慮してんのかよ! カッコイイぜ、尾田先生! 惚れるぜ!! 今回のワンピースはケチの付け所がなかったです。素晴らしい。


 ***
 
 余談ですが、個人的には、ゴキがオモチャで本当に良かったです。今週のウソップはカッコ良かったけれど、しかし、船内でゴキを一生懸命かき集めて、いつもゴキを持ち歩いてるウソップとは、僕は友達になれそうもないのです。


ナルト

・香燐「重吾と水月が寝入ったら、寝込みのサスケを襲ってやるぜ!

 この娘はサスケにとどめを刺すつもりなんでしょうか(´・ω・`) 例えば、40度くらいの高熱にうなされて寝込んでいるときに、グラマーなお姉ちゃんが裸で布団に入ってきても、「いいから、帰ってくれ」って思いますよね。いくらサスケがやりたい盛りの若者とはいえ、怪我や病気で辛い時に色仕掛けされて元気に対応できるほど、思春期パワーは強くないのですよ(※)。香燐さんも、せめてサスケが元気な時に襲ってあげて下さいね。

※……横島忠夫を除く。


・サスケ「木ノ葉は放っておけ」

「暁にしろ、木ノ葉にしろ、イタチの情報を持っているかもしれないから、待ち伏せしておけばいいんじゃないの?」と提案する香燐に対し、「いや、たぶん追っ手は木ノ葉だから放っておこう」と答えるサスケ。


 あの、それ、理屈が通ってないんですけど……(´^ω^`)


 これは、たぶんアレですね。イタチの情報うんぬんはさて置き、サスケはナルトに会いたくないんだと思います。水月が「だとすると、待ち伏せしても時間の無駄になるね」と納得したようなことを言っているのは、たぶんサスケが以前に「実はオレ、木ノ葉のやつから、悪質なストーカー被害を受けてるんだ……」と彼に相談していたからでしょう。それで水月も事情を汲み取って、サスケが木ノ葉と接触しないよう話をあわせてくれたのです。

 では、なぜ香燐だけが、こんな空気の読めないことを言い出したのかといえば、彼女にはサスケも相談していなかったからだと思われます。なぜ、香燐だけがサスケの相談を受けていないのかといえば、彼女自身も悪質なストーカーに他ならないからです。


To LOVEる

・着衣消滅ガス

 なんなんだ、この漫画は……。

 特に何もしなくても、「大宇宙の意志」により全裸になるララに対し、わざわざ「着衣消滅ガス」などという全裸アイテムを取り出したルン。To LOVEるは、スケートで転ぶだけで女の子が全裸になる世界だから、「着衣消滅ガス」など使えば何の問題もなく当たり前に全裸になりそうなものですが、何故か今回に限り、ララは全裸の魔の手から逃れることができたのでした。

 つまり、To LOVEる世界では人間の悪意によって女の子を全裸にすることはできないけれど、「大宇宙の意志」はいくらでも女の子を全裸にすることができるということです。古手川さんの登場により、「エロを抑え付けようとすればエロい目に遭う」というTo LOVEる世界の法則が発見されたわけですが、「エロを促進しようとしてもエロいことにはならない」という法則も、また明らかになったわけです。(※)

 ですから、To LOVEる世界の一般的住人たちは、特にエロを抑えるでもなく炊き付けるでもなく、ごくごく普通に平凡に真面目に生きていれば、周りの女の子が何もせずとも勝手に全裸になるということではないでしょうか。大宇宙はそのような世界を望んでいるのです。なんて天邪鬼な世界なんだ。

※ラコスポのことは都合よく無視しました。


サムライうさぎ

 ああ、借金の件は忘れてなかったんですね。もう、なんとなく無かったことになったのかと思ってました。今までの伍助なら、「払えと言われても、無い袖は振れん」とヤクザな対応もできたのですが、今回で紋付袴一式に大小を貰って財産ができちゃいましたから、これを売却しないためにも何らかの金策をしなければならないという展開なのでしょう。これ、ちょっと巧いですね。

 確か、あの札差さんは武士に対しても、「刀売ればいいじゃん」みたいなこと言ってた気がするので、伍助が高価な贈り物を貰ったことを知れば、当然、「さっさと売って返せ」って言うでしょうし。金策シリーズに入るには良成さんの贈り物は良い導入です。

 ところで、「武士の家計簿」によると、当時、武士の借金先は(札差の他には)親戚や上司から借りることが多かったみたいです。だから、武士は同じクラスの武士の娘と結婚してたんですね。経済的相互扶助のためだったんです。同様に、この当時の「尊敬される武士(上司)」とは、単に清廉潔白とか、人が出来てるとか、剣が強いとかだけではなく、経済的に困ってる部下に金を貸せる人という意味合いもあったらしいです。

 しかし、伍助の場合は親戚は摂津さんだし、上司はあのボコーンと殴る人なので、なんら期待できませんね。あはは。


ネウロ

 アイ死んだ――! シクソンさん死んでた――!!!! さらにサイのルーツが次回あたりであっさり明らかになりそうで凄まじい展開の速さです。一話の密度が非常に濃いですねー。

 あと、表現的なポイントですが、「その場の空気がどろりと濁った」の後に、アイがグラッとなるシーン。ここの、どろり→グラッのリズムが非常に美しいです。シクソンさんが絶対悪だと判明するこの瞬間まで、ヘリが落ちるという大きなアクションを「タメ」ているのです。今週のネウロは、「アイが死んだ」「シクソンさんが絶対悪だった」という衝撃的な事実をただ羅列して面白くしてるわけではなく、それらの配置、リズム、展開の全てが高レベルで面白いのだと思います。今週は凄まじい漫画力だと思いました。同じものを作れといわれても、とても出来る気がしない。

 シクソンさんが、しばしば昔の事を思い出して口元を抑えてたのは、あれは笑いを堪えるためだったのでしょうか。でも、なんか嘔吐みたいなこともしてたと思うんだけど、あれは笑いを堪えすぎてて吐いてたのー? なんかそう思うと、絶対悪さんが急に可愛らしく思えてくるけど、まあ、きっと違うんでしょうね。

 絶対悪さんは顔の皮を剥がないと変装ができないみたいなので、より簡単に変装(?)をするために、サイのような特殊な細胞を実験的に作ってみたということでしょうか。となると、本城刹那との関係も想起されるところで、刹那の場合がテストケース1、サイがテストケース2ということなのかもしれません。

 良く分からないのが、シクソンさん(といっていいのかな?)の「かつて、サイのために、この顔は恐怖と苦痛と絶望に染まった」というセリフで、ここのサイは絶対悪さんのことなんだけど、ということは絶対悪さんも通称がサイなのでしょうか。シクソンさんの嘔吐と合わせて、単なるミスリーディングとも思えないので、なんらかの説明が入るとは思いますが……。


P2

 どんどんテニス化していくなぁ……。要するに秀鳳は縮地法が使えるという理解でOKでしょうか? ヒロムの相手がラケットをブンブン振り回しながら、「ぬぅーやがくぬぅちぃぴぃらーぐわーや!」と威嚇する姿が目に浮かびます。確かにヒロムもチビだ。


マディ

 クレイさんは頭が良いのか悪いのかハッキリせず、マディを連れ回して製作手順を思い出すというのも意味が分かりませんでしたが、そこらへんをスルーしたら、それなりに面白かった気がします。

 ……でも、改めて読み返すと、どこが面白かったのか指摘し辛いなぁ。読んでるときはそんなにつまらないとも思わなかったのだけど、読み返してると、「泥の中にも色々あるから、泥食っても細胞は不安定になるんじゃね?」とか、くだらねー粗ばっかり見つかってきます。我ながらダメな漫画読みだなー。

 あと、奇乳病気味のお母さんは秋本治とのキメラ人間かと思いました。


ムヒョ

 箱舟の人たちは、キッドといいエンチューといい、ちょっと敵の言うことを信じすぎな気がします。まあ、エンチューに限っては、元々訳の分からん思考過程から禁魔法律へと落ちたわけですから、同様に訳の分からん思考過程からティキを疑っても不思議はないといえばないのですが。それでいいんだろうか、西先生。

 まあ、とにかく人の言うことをホイホイ信じすぎだと思うんですよ。この勢いだと、エンチューはムヒョと会わずに無事に執行人になれたとしても、街角でキャッチセールスに捕まって騙されて高い絵画を買わされ、それを恨んで禁魔法律へと落ちたりしかねないんですよね。本当に世話の焼ける相棒だぜ。

 これで敵組織は見事崩壊したわけですが、後は、エンチューにきっちりオトシマエつけてくれればハッピーエンドでしょうか。第一話で「罪には罰だ」と言い切ったムヒョのことですから、ここは妙な仏心を出さずかっちりとやって欲しいところです。少なくとも以前と同じ関係に戻ることだけは避けて欲しいものですね。それは心情的にも納得できないし、第一、ムヒョ世界には魔法律協会という諸悪の根源があるんですから、協会に戻ったところでエンチューがまた不幸になるのは目に見えてます。協会のやつら、絶対エンチューを差別するよ。そんでまたエンチューは禁魔法律だよ。本当に世話の焼ける協会だぜ。


カトブレパス

 銀星の本当の能力は「どんな質量のものでも秒速350メートルで飛ばせる」でした。これって普通に考えて、物理攻撃系最強じゃないですか? トウテツさんは肉体を強化して、腕力で壁を破壊してキャッキャと喜んでいましたが、銀星なら同じことがいとも簡単にできそうです。今回はカブでしたが、刃霧要のようにトレーラーでもぶっ放せば、それであらかたの妖魔は倒せるのではないかと思えてくるほどです。七歩歩いたら死ぬ呪いよりも、秒速350メートルで飛んでくるスクーターの方が怖いですよね。

 あと、トウコツさんは秒速350メートルで飛んでくるスクーターに跳ねられなくても、時速80kmくらいの乗用車に跳ねられたら十分死にそうな気がしました。妖飼してない人たちは車に乗って跳ねればいいんじゃないでしょうか。


ブリーチ


   ∩___∩       一人だけで王になって
   | ノ      ヽ/⌒)  そんなもんの何が楽しいんだ…!
  /⌒) (゚)   (゚) | .|
 / /   ( _●_)  ミ/    ∩―-、
.(  ヽ  |∪|  /    / (゚) 、_ `ヽ
 \    ヽノ /      /  ( ●  (゚) |つ
  /      /      | /(入__ノ   ミ   良かった、いつもの黒崎くんだ
 |       /       、 (_/    ノ
 |  /\ \       \___ ノ゙ ─ー
 | /    )  )       \       _
 ∪    (  \        \     \
       \_)

 
 
 前回、一護は「グリムジョーを手始めとしてエスパーダ全員ブッ殺して、仲間はみんな連れて帰る」宣言をすることでOSRを高め、グリムジョーさんのデスガロンを砕き、大ダメージを与えました。

 本来なら、ここでグリムジョーさんにとどめを刺し、彼の虚としての罪をそそいであげることが死神の職分ではありますが、他のエスパーダを倒し、仲間を救出しなければならない一護にはそのような余裕はありませんでした。彼は落下しそうになるグリムジョーさんを助けて、緩やかに地面に下ろしてやることで、次の戦闘に備えて自己のOSRを高めておいたのです。一護には敵にとどめを刺すほどの余裕はなかったのです。

 グリムジョーさんとの戦闘を終えた一護は、ネルと織姫を連れて、チャドとルキアを助けに行こうとします。織姫を助けるという最優先目標は達成できたわけですから、ここは一度引き上げるべきだと思いますし、ルキアも「戦士への気遣いは侮辱でしかない」とか言ってたような気がします。だから、ここはチャドやルキアを無視して一度撤退するのが正解であり、彼らもそれを望んでいるはずなのですが、一護にもそうはいかない理由があったのです。

 というのも、織姫は彼らの誓いを知らないため、「ルキアのことはさておき一度撤退しよう」などと言い出そうものなら、「やっぱりいつもの黒崎くんじゃないわ」などと言われてOSRを下げられかねないのです。だから、一護はルキアたちとの誓いを破ってでも、彼らを助けに行くしかなかったのです。

 チャドとルキアを救出しようと思った矢先、瀕死のグリムジョーさんが立ち上がりました。これを見た一護は「しめた!」と思ったことでしょう。次のエスパーダに備え、OSRを稼いでおく絶好のチャンスだからです。スエルニーと喚きたい気分だったに違いありません。

 一護は「ヒャッホウ!」とばかりに嬉々として自分の刀を投げ捨てます。かなりOSRアップですね。そして、グリムジョーさんの振り下ろした刀を受け止め、「一人で王になって何が楽しいんですか?」「僕で良ければ何回でも戦ってあげますよ?」「だから、今はもうやめませんか?」などといって、哀れみの表情でグリムジョーさんを見下ろします。一護が何を言いたいのかさっぱり分かりませんが、とにかく彼のセリフがオサレであり、彼のOSRがグングン上昇していったことは間違いありません。

 そこにたまたま通りがかったのが、エスパーダの一人ノイトラさんです。彼は、一護がグリムジョーのばかちんを利用して、グングンOSRを高めている姿を発見します。「げげっ! グリムジョー、おまえ、なに敵に塩送ってんだよ! いらんことせずにさっさと死ね!」と、ノイトラさんが思ったのも致し方ないことでしょう。仲間を殺してしまうとOSRが下がってしまうのですが、事は一刻一秒を争います。このまま黙って一護にOSRを稼がせておくわけにはいかないのです。ノイトラさんは手に持った鎌を思いっきりグリムジョーさんに投げつけました。

 しかし、ここでまずかったのは、彼が「さっさと死ね」と口に出して言ってしまったことで、これはオサレではありません。かなりのOSRダウンです。思っていても口に出すべき言葉ではありませんでした。せっかくチャドに止めを刺さないことで高めておいた彼のOSRも、これで帳消しになってしまったのではないでしょうか。
 
 対する一護は、先週、「エスパーダ全員ブッ殺す」宣言をしており、殺る気も十分です。ノイトラさんとの連戦も「待ってました」といわんばかりでしょう(一護の目的はエスパーダ殲滅であり、カモがネギ背負ってきたようなものです)。グリムジョーさんを助けたり、説教をしたりしてOSRも十分に回復しているはずです。ダメージも織姫がいるから回復可能です(もちろんノイトラさんは治療中ぼんやり待ってくれます)。このように、状況はあるゆる点から見て一護が圧倒的有利ですが、果たしてここからノイトラさんは逆転可能なのでしょうか?

2007年36&37合併号のジャンプ感想(補足)


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