【7/30】2007年34号のジャンプ感想(1)


テニス

・「き、来たぁ――っ!!! 『手塚ファントム』」

 あいも変わらず、ボールの軌道ではなく手塚部長の周囲に発生する現象から技を判断している観客のみなさん。本来は「手塚部長の周囲にボールが集まる」「リターンしたボールが手塚部長側のコートに入らない」という結果をもってして判断していた「手塚ゾーン」「手塚ファントム」が、竜巻発生と同時に認識されるようなってから久しいですね。

 しかも、今回は皇帝が林を使うことで、通常考えられる「手塚ファントム」の結果は発生しなかったわけです。結果を見てその存在を推し量るしかない「手塚ファントム」が、結果なしに存在しうるというこの矛盾! この矛盾を克服しうるだけのテニス眼力がなければ、二人のハイレベルな戦いは理解できないのです。何が言いたいかというと、コレ、素人が見ると、今まで「一方の選手がヘタクソで相手のコートに入らない」試合だったのが、「一方の選手が少しうまくなって、しょぼい球を相手コートに返せるようになった」だけなんですよね。


・皇帝「徐かなること林の如し」

 今まで謎に包まれていた「林」の能力ですが、どうも劣化版「蜉蝣包み」だったようです。しかし、劣化版といえど、テニスもこのレベルまでくると「回転無効化能力」は必須スキルといえます。豊富な攻撃手段に加え、回転無効化の林と、精神防御の陰を備えた真田は、攻守にバランスの取れたプレイヤーと言えるでしょう。本来のテニスには不要なスキルが多いけれど。


・「何が皇帝だよ……」「汚ねぇーぞ、真向勝負もしないで何が皇帝だ!!」

 久しぶりに皇帝がテニスをしたら非難殺到です。青学控え陣のみなさん、それはいくらなんでも言いがかりだw

 二人の戦いは既にテニスの域を超え、「手塚部長の手と真田皇帝の足、どちらが先に壊れるか」という我慢大会と化していたわけですが、それを皇帝が「テニス」に戻したらこの通り非難轟々なのです。ラリーなんて久しぶりに見たのになぁ。これって、「汚ぇーぞ、手塚部長は我慢大会を望んでるのに、テニスをするなんて!」ってコトですよね? おまえらそんなにテニスをしたくないのか。


・零式サーブ

 バウンドしない零式サーブを、どうやったのかしらないけどリターンした皇帝。そして、ラケットを弾かれながら、どうやったのかしらないけど回転まで掛けた手塚部長。一連の流れが何もかも理解に苦しみますが、これはテニスでは良くあること。

 しかし、今回は流石に手塚部長も負けたんじゃないでしょうか。皇帝の方はあと1ポイントで勝利だけど、手塚部長はこれを決めても、まだ勝負は続くんですよね。両者の疲労困憊を考えるに、これ以上、勝負が続きそうにないから、この一球で皇帝が勝利しそうな気がします。許斐先生にそんな常識的推測が通用するわけもないと思うけど、でも流石に今回はこれで終わりそうな気がするなあ。こういう考え方をしてるときが一番危ないんだけど。


ナルト

 表紙の「ナルト、死す」とか、巻末コメントの「ナルトが死んじゃいます。気になる方は是非、劇場へ」とか、ナルトが死ぬことについて色々と書かれていますが、主人公の生死ってあんまり気にならないんですよね。「ヘー、死んじゃうの。フーン」って感じ。

 というのも、主人公が死んだら作品終わりだし、終わりじゃなかったら何らかの方法で生き返るんだろうから、主人公の生死は逆に興味が持てないのです。そして、「ナルト」という作品において、主人公のナルトの存在感の薄さが、また気にならなさに拍車をかけています。僕の中で、死のうが生きようがどうでもいい存在の一人にナルトはカウントされています。


・かわいそうなさすけ

 ↑かわいそうなぞうの読み方で。

 デイダラとの戦闘で大怪我を負い、消耗しつくしたサスケ。彼が戦闘していた間、情報収集を受け持っていた仲間はクソの役にも立ちませんでした。そして、看病の最中、仲間3人のうち2人が意味もなく戦闘状態に入り、残り1人は特に意味もなく殺人衝動が発生してサスケは写輪眼を使わされることになりました。病人の周りで騒いで、病人に負担を掛けさせ、さらにクソの役にも立っていないわけです。なんて、かわいそうなサスケ。香燐もリンゴでも剥いてあげなよ。


・黒幕はトビ

 前回の描写でそれなりに予想されていた「黒幕はトビ」ですが、あんまり引っ張ることなく、今週でさっさと出してくれたのは良かったです。引っ張るだけ引っ張って、さぞ大事のように「ジャジャーン! 黒幕はトビでしたー!」とか言われても、「うん、そうだと思ってたよ……」ってなっちゃいますからね。このくらい控えめにネタバラシしてくれた方が好感持てます。さらに、「黒幕はトビ」だけでは弱いと思ったのか、「トビ=うちは一族」という追加要素まで加えてくれました。岸本先生がんばってるぜ。

 ただ唯一の誤算は、うちは一族のお家事情にあんまり興味が持てないことなんですが。「ハァ、サスケにはまだ他に肉親がいたんですか」程度にしか思えません。うちは一族が一人増えたことに対し、読者としてはどのような反応をすれば良いのかよく分からないのです。


ワンピース


↑お腰のあたりがエロス。童貞/非童貞の定義は難しいけれど、今週のウソップは童貞喪失といっても良いのではなかろうか。女体が気持ち悪いとか、まだまだ子供なのね。


・「もう死ぬ! 出血多量で死ぬ!!!」

 思わず笑ってしまったセリフ。出血多量で死ぬとか説得力ないなーw

 壁を砕く威力のあるゴーストラップを数十発喰らい、熊以上の腕力のクマシーにマウントポジションを取られても、まだまだ平気で動いてた今週のウソップ。出血多量はもちろんのこと、心臓を潰されたって死にそうな気はしません。前回のサンジも心臓の辺りを刺されたけど平気そうでしたし。「相手は攻撃できるけど、こっちは攻撃できない」という状況は確かに理不尽だけれど、いくら攻撃しても死なないってのも、やっぱり理不尽だと思うな。

 しかし、不死身っぷりは相変わらずながらも、今回のウソップバトルは良さげな感じです。力押しではなく、特殊能力バトルになったため、トリックを暴きさえすれば倒せる状況になったのが大きいですね。ウソップはバリバリの戦闘要員じゃないんだから、バトルをさせるならこのやり方(タネが分かれば勝てる戦い)が正解だと思います。力押し勝負でウソップが勝つと納得いかないものが残りますが、このタイプの戦闘であればウソップが勝利しても何ら違和感を感じませんし。

 それから、今週のウソップの不死身は(決して誉められたことじゃないけれど)スルーしてあげたいくらいの気持ちにはなりました。やっぱり、不死身なこと自体よりも、不死身のせいで戦闘が長くなることがネックだったのかもしれません。


エムゼロ

 九澄はすごいなー。信用されてるなー。誰よりも楽勝で透視できる(ハズの)九澄が、「九澄のことだからエロ目的ではないだろう」と、その信頼性だけで窮地を乗り越えましたよ。今回のオチは、タイムトリップ編終盤の「九澄を認める回りのみんなの図」がうまく機能してたと思いました。あれのおかげで、今回のオチはあまり違和感を感じませんでした。

 今回の九澄は、元々下心で潜入したわけだから、「エロ目的じゃないんだろう」と判断され許されるオチはちょっとどうかと思わなくもないけど、九澄だからまあいいや。僕も九澄には好感持っているし、あんまり責める気にはなれないな。これが真中なら、集英社に苦情の手紙でも送りつけたくなるところですが! 日頃の行いは大事ですね。

 ところで、九澄が女子の短パンを履いていることは、精査した結果、それほど変態行為ではないとの結論に至ったわけですが、それはそれとして、彼が女子の短パンを履いていることに、みんなもう少し疑問を持つべきだと思う。


 ***

ニャン美「うわーん、うわーん」

愛花「事件のようねー。どうしたのニャン美ちゃん?」

ニャン美「私の短パンが盗まれたのー、えーんえーん」

九澄「なんてハレンチな! 許せないね、柊!(ああーっ、柊の目が鋭くなったー。これは柊のインスピレーションが働いた印だ。この特徴から、柊は別名「柊、目つき悪っ!」と呼ばれている。あの鋭い目から逃れられる犯人は一人もいないんだ! さあ、始まるぞ。柊の名推理が――!)」

ファンファンファンファン……


銀魂

 一瞬、本当に60年後の話になったのかと思い、「ヤベー、銀魂ヤベー」と感動しかけましたが、冷静になって「夢オチだよな」と思い直したらやっぱり夢オチでした。何をやっても次回予告で解決できるカブトボーグ(※1)と比べたら、銀魂でさえ自由度が落ちるんですね。カブトボーグなら躊躇いなく60年後だったよ。あと、新八生還の報を伝える新聞が、新八をGRAY扱いしてたのが面白かったです。

※1……ex.「悪の秘密結社に世界征服されたけど次回予告で解決」「メインキャラクターが死んだけど次回予告で復活」
 
 


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