【3/15】2016年15号のジャンプ感想(完)


ジャンプ感想も今週で最終回なので、最後にまとめ的なやつをやります。題して「あなたがジャンプ感想を書くべき8つの理由」 

①言語化能力が発達する:感想は「面白い」「面白くない」だけでは成立しません。なぜそう思ったのかを言語化する必要があります。「明らかに異様で何と言えばいいのか分からないが確かに面白い」もの、例えばテニスの焼肉回などは言語化努力の格好の題材でしょう。

②論理的思考が育つ:「面白そうな気がするのに、うまく言語化できないけど、なんか面白くないもの」は「演出はよくできてるけどロジックがおかしい」ことがよくあります。その面白くなさを言語化しようとすると、必然的に論理的思考を要求されます。(ただし、これをやってると、「たかが漫画にグチグチ言ってる人」「重箱の隅を突付いてる人」みたいに思われたりもしますが)

③自分の中で基準が出来上がる:「面白い」「面白くない」をえんえん言語化し続けると、自分はどういうものを面白いと感じ、どういうものを面白くないと感じるのかが明確になってきます。つまり、創作上の芯が出来上がります。

④意見の多様性を知る:③で培った自分内基準は大きな武器ですが、それが常に世の中で通用するわけではありません。他者のジャンプ感想を読むことで、自己の基準が相対的なものであることを自覚し、自己を保持しながらも他者のセンスを受け入れる姿勢を作ります。

⑤コネが増える:そうして交流した人々が知り合いになっていきます。

⑥作品を作れる:①から⑤までを活用することで自己の作品を作れるようになります。自分内基準での面白さを具体化し、論理的に物語を構築し、知り合いの意見を聞き入れます。自分の中に基準があれば他者の意見を聞いてもそうそう迷走しません。

⑦仕事が増える:長年やっているうちに知り合いたちも社会へ出ていき、似たような業界に就職していきます。すると、そこからいろんな仕事が流れてくるようになります。

⑧彼女ができる:なぜか彼女もできます。ジャンプすごい。

このようにジャンプの感想を15年書くだけで、簡単に仕事と友達と彼女が得られてリア充化するのです。スゴイすぎる。まるで進研ゼミだ。さあ、きみも今日からジャンプ感想にトライ!(チャンピオン感想でもいいぞ!) 


サモナー

左門くん、女性の身支度を三時間待てるんだ…。ぜんぜんそんなキャラに見えないけど、言われると待ちそうな気もする(追記:サキュバスを待ってた時の話らしい)。董卓が好きというのは非常によくわかる。

九頭竜くんがまだマシな部類…だと…。嫌田さんと嬉村さんに関しては、てっしーが日頃から甘やかしてたのが悪いんじゃないかという気すらしてくる。

ソロモン72柱、家庭教師系の悪魔多いからなー。意外とあいつらをバトル文脈で使おうとしても、「こいつの能力、戦闘で使えないな…」となるので、今回の使い方は実は非常に正しい気がする。

左門くん、当初は九頭竜くんのことなんか生き死にすら関係ないオモチャみたいな扱いだったのに、いまや平手打ちされるような関係性になっちゃって…。初期の左門くんはあれだな、高校デビューみたいだったな。。


暗殺教室

100億、なんとか使って欲しかったなー。返金はなんかストイック過ぎて共感できないぜ。ジャンプ漫画は手に入れた大金をあんまり使ってくれない気がする(両さん除く)。

いや、磯兵衞は使ってたか。

返さなくても、持ってりゃ何かできる気がするんだけどな。磯貝くんとか、それで家庭状況を立て直した方がいいんじゃねえの。


ワンピース

ラオモト・チバを見ていると、しっかり者の跡取り息子もどうかと思わなくはないですね…。実際、モモの助がチバ=サンだったらルフィ喧嘩してるだろう。


ブラクロ

ライアさんって、そういう経緯で生まれたキャラだったのか。「アラサーのニートみたい」って前に書いたけど、平丸を演じた役者ということで、あながち間違ってはいなかったのだな…。

てか、ライアも新井のアナグラムか! 「ジャック・ザ・リッパーといい、ライア(Liar)といい、ネーミングの中二力がど真ん中ストレートで潔いな」と思ってたのに! 

リヒトさまの格もそこまで落とさずに、幹部たちが撤収する流れも自然で、風呂敷広げまくったのに綺麗な締め方だったと思います。この世界、確か石像化した魔神みたいなのがいるんだっけ? あの人ってのはあれのことだろうか。


アカデミア

青山くん頑張ったけど、これ、下手したら、かっちゃんと常闇くん、ビームで爆散してたんじゃ。

敵側の言う「信頼の揺らぎ」はもっともだよなー。いかなエリート校とはいえ、入学しただけで犯罪結社からたびたび襲撃を受けて優先的に殺すリストに名を加えられるような学校に子供を通わせたくないよな。それはひいては現行のヒーロー制度の崩壊に繋がりかねない。


すじピン

宮大工くんのあれがヒントになるのか。結論としては最初に動く、だったけど、途中で止まる、ってのはどうなんだろう。

ところで、最初に動く、って、何をもって最初なんだろう。音楽が始まるやいなやみんな動き出す印象なので(一度見たことあるけど実際のところは覚えてない)。音楽が始まる前に動き出したらフライング的な事になんのかな。


トリガー

前回の時点では問答無用でレギーを切り捨ててチーム入りかと思ってたけど、この漫画、そこまでウェットではないか。ロジカルだなあ。

レギー、陽太郎が殺されたのを見て「クソ野郎」って言ってるあたりに人の良さが透けて見えるな…。これ、芝居じゃなかったら、帰りの船の中で「お、おれがあんな駆け引きをしたばかりに、ミデンの子供が…」って思い悩みそう。


ものの歩

これ、信歩くんからしてみれば、強敵相手にいつも通り真剣に指してたら、相手が急に葛藤を始めて、扇子を捨てたり髪を掻きむしったりして、最後は妙に吹っ切れた笑顔でありがとうとか言ってきて、さっぱり意味分かんなかったのでは。

読者的には最初から結構どうでも良かった謎の美学を巡る葛藤を延々とされて、なんだか岬さんと周りの数人だけでめちゃくちゃ盛り上がって、置いてけぼりのうちに終わっちゃった感じの話でしたね…。もうちょっと美学を掘り下げて描いてくれていれば…。


ゆらぎ荘

霊子線…そんなスピリチュアル用語があったのか。これは不勉強であった。孔雀王の時からのみんなの疑問であった「なんで真言僧が手からビームを出すんだよ」がこれで解決された…?? 


相撲

うおお、めちゃくちゃ面白いな! 冒頭のマジ通報は一発ネタとしても面白かったけど、それだけじゃなくて、今回の金沢北の「真剣ゆえの拒絶」を象徴してるんだよな。

メタ的に言うと、「主人公たちをナメた相手の発言や、実力差の見せびらかしにより、主人公たちが発奮して本戦でリベンジする」展開を巡る攻防だったと言えなくもない。

本気でトップを目指してるから、勢いで勝ち上がってきたダークホースも無視しないし、全力で研究してるのもいいですね。少年漫画では「明らかに無視して良いはずがない主人公勢力の実力を何故か周りが軽視する」ってよくあるんだけど、きちんと評価してる方が面白いと思う。

まあ、やる前から相手がビビりまくってて、「主人公どもに勝てっこねえ!」ってなってる相手を倒しても漫画的に盛り上がらないしね…。でも、バビル2世とかはヨミ様が一生懸命努力して凶悪を極めた主人公に立ち向かってるのすごく良かった…。

金沢北は道理が通ってて、真剣で、格下にも全力で、それでいて血気盛んでお茶目なところもあって(お茶目要素は主に竜二さんだけど)、メインテーマを描きつつもキャラクター描写もしっかりやっててマジすげえな。典馬くんが生意気盛りなキャラなので周りはこのくらい真面目でいい。


こち亀

仕事とプライベートの切り替えがモットーの有栖川教授が仕事ほっぽり出しちゃったぞ…。そして、雑学くんは本当に何なら知っているんだ。

自衛隊機とエンカウントするところが面白かったですね。これ、明るみに出たら、両さんたちよりも現役自衛官のサーフ仲間の皆さんが大変な気がする。


鬼滅

地味だけど丁寧…だとは思うけど、相変わらずケレン味が全くない。武器と言える武器がない。そして、「地味だけど生き残って欲しい」と思う程には面白くもない。

この丁寧な感じをウリにするんだったらバトルじゃなくて日常系の方がまだ良かったんじゃないかなあ。ギャグが冴えてるわけでもなく、女の子が可愛い訳でもなく、主人公の活躍にわくわくできるわけでもない。ただ、主人公が強くなっていく描写が地に足がついてて丁寧なだけだ…。

決定的なマイナスはないけど尖ったプラスもなくて、「面白かった上位3つの漫画」を答えさせるアンケートシステムを考えると生き残れる気がしないし、今のところ生き残れなくても別に惜しくないと思ってしまう、そんな漫画だ…。

幼女の口にギャグをかまして連れ歩くところだけは尖ってたんですけどね…。


ニセコイ

るりちゃんが舞子くんを好きになったことに1ミリも共感できないし、舞子くんが羨ましいとも思わないし、そもそも舞子くんがるりちゃんに好意を寄せられて嬉しいのかどうかも甚だ疑問。「僕、沸点低くてすぐに人を殴る女の子と付き合いたいと思わないんだ」で終わりじゃねえの。

ここで車が無から急に湧いて出てきて幼女を轢き殺しそうになる辺りに大宇宙の意志の働きを如実に感じて、実にニセコイである。通行人が車に轢かれそうになるシーンとか人生で一回しか見たことねえぞ。物語を動かすために、必要なイベントが進行上に配置されている。

凄く頑張ってもう一度今週のニセコイを読みなおしてみたのだけど、「軽薄で不快で生理的にムリな男子」をなんで好きになったのかさっぱり分からない。「どうして気に食わないのか分かった気がする。嫌いだからだと思っていた」 いや…うん。嫌いだからじゃないの? 

「軽薄なように見えて実は舞子は頑張ってもがいていることを、るりは深層心理では理解しており、無意識下で舞子への好意が育っていたのが今回で顕在化した」ということなの??? 

「あなたのような生き方をしている人がそばにいるだけで不快になる」って女子から言われたらトラウマものだよな…。苦手意識が爆裂しそう。そんな相手に好意を寄せられても困るよ…。

「楽ならもう半歩早く動けてた」 機を逃さず主人公アゲをねじ込んできたのに、「えっ!?? そ、そうなの…???」となるだけという。楽がなんか凄いやつだとか、親友の範になるような人間だという印象が一切ないし、補強されてもなお一切そういうイメージが刷り込まれない。

どれだけ描写を重ねられても楽がすごいやつだと思えないし、舞子が楽を範として実は頑張ってるやつだと思えないし、そんな頑張りをるりちゃんが認めて好意を持ったと思えない。ある意味、すごいまんがだ。

今週のニセコイのような「作者がどれだけ頑張っても読者の共感を得られない」ジゴクみたいな状況が僕にだけ発生しているのか、広く読者一般に発生しているのか知りたいし、後者だとしたら何故こんなジゴクが招来されてしまったのか、メカニズムを知りたい。


ブリーチ

れ、霊圧(を使った物理攻撃)には耐性ができるけど、物理攻撃は耐性ができない?? 一瞬で心臓を抉ったら解決?? 死神じゃなくて虚だから倒せる??? 凄い霊圧攻撃で心臓を抉れば倒せてた??? わ、分からない…。


★宣伝:数日遅れになりますが、チャンピオンも電子化したようです。僕の「放課後ウィザード倶楽部」は16号からスタートです。


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