【1/6】2016年5&6合併号のジャンプ感想(読切『前衛のアーチャー』掲載号)


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ワンピース

なんのかんので一味と一緒にシーザーさんが働いてるのがいいですね…。今回の話とかは最後のページ(ビッグマム勢力参戦)を除けば、ただの敗戦処理であり緊張感に欠ける話だったので、極端な話、シーザーさんの動向だけが見所だったと言っても過言ではない…。

主人公一味の中に本来敵であるシーザーという異分子がいたり、これまでずっとカイドウ勢力との交戦の話だったのがビッグマム勢力も絡んできたりと、ワンピースの構図を単純化しないセンスは良いですね。何が何やら分からんようなることもあるけど、今は上手く機能してる。


暗殺教室

傭兵戦のことを積極的に忘れたり、生徒たちの危険過ぎる行いを看過したりと言った点を横に置けば、とても良い一話だった気がします! 今回の暗殺計画に先生が敬意を払ってるところが特に。

生徒でなくても「自分を殺すためにしっかりとしたエネルギーを傾ける」相手を肯定的に認めることで、「生徒が自分を暗殺する」というルール設定が教育の方便ではなく本気だったことを再確認できると共に、元暗殺者の独特の価値観が感じられたので。

しかし、そうなるとサバゲ以降のファッション暗殺が本当に足を引っ張るな…。殺せんせーは「暗殺」という行為に対してこれだけの敬意を払っているのに。あの時の生徒たちはなんで本当に暗殺ごっこを続けたんだろう。まあでも本人も楽しかったらしいが…。

寺坂くんが言ってるのは「1%の判断は最終的に社会に任せるにしても、判断材料である自分たちの言葉にも耳を傾けろよ」ということか。まー、ストックホルム症候群扱いされてるもんな。しかし、気持ちは分かるが、たとえ耳を傾けようと、社会が下す判断は変わらんだろうな…。

「世の中そんなもんだ」かもしれないけど、しかし、「そんなもんだ」で親しい人が殺されてはたまったもんではないので、「激流の泳ぎ方」はこういう事態も回避できなきゃダメなんじゃないかな。

となると、生徒たちが培ってきた技術で殺せんせーに会いに来れたことは、彼らの成長の賜物であり成功なのだけど、一方で、この事態を前に(暗殺自体は止めれないとしても)自分たちの声を社会に届けられなかった、という点では失敗なのではなかろうか。

パッと読んだ感じだといい話だと思ったけど、よく考えると、生徒たちは何に成功して何に失敗したのか、殺せんせーはこういう事態において、彼らに何を為すことを望んでいたのか、あんまよく分かんなくなってくるな…。

結局、生徒たちに殺せんせーを助ける術がないとしたら、神兵さんたちは何のために山を守ってたんだろう。現実的には不確定要素の排除のためなんだけど、物語的に。生徒たちの成長の証を見せるための体の良いハードルとして設置されてた感がある。あまり効果的ではなかったけど。

生徒たちが殺せんせーに接触した際に考えられるケースとしては、生徒たちが人質に取られて無駄に殺せんせーに殺されることなので、神兵さんたちはむしろ生徒たちを守っていた形になるのではないか。となると彼らが生徒を殺したくなかったのも分かるな…。

自分たちを守ってくれている大人を寄ってたかって叩きのめしたんだとすれば酷い話になっちゃうけど。

考えれば考える程に、難しい漫画だな、と思う。この物語を過不足なく成立させるのはムリなんじゃねーかな。


前衛のアーチャー

なんだこれ…すごい奇妙な読み味の漫画だ…。変化球は見事にストライクゾーンに収まりながらも、あまりに多彩な変化球に目を取られている間にいつの間にか三振を奪われてたみたいな。

話はちゃんと成立してる。ヘタレも奮起したし、主人公(アーチャー)も活躍したし、ビビリ化した謎も説明されてる。予想を裏切りハッタリも効いている。だが、面白かった、というよりは不思議な気持ちだ。読み味が新感覚すぎる。

たぶん読者の感性を若干振り切ってるんじゃないかな。なので「面白い」ではなく「不思議」と感じてしまう。しかし、それは読者の不慣れな感覚を提供しているわけだから、新しいのであって、悪い訳ではないのだ。たぶん。

アーチャーの戦力が圧倒的すぎて相対的に敵がザコになり、問題の焦点が「リュウのビビリを解決できるか」という一点に集約されたのがポイントではないかな。冒険譚でもなくアクションでもなく、その実、純然たるカウンセリング漫画なのだ。

伝説の剣とかモンスターとかでファンタジーアクション要素を強く押し出しておきながら、そこをスカしているので不思議な読み味になってるんじゃないかな。読者が予想し期待する前フリを行いながら、そこは完璧に裏切りつつ、別のベクトルで完成度の高い物語を描いている。

実際問題として多くの読者は「予想からちょっとだけ外れる」話が好きだと思うから(僕ですらそうだ)、こういう「予想から大きく外れる」作りは完成度が高くても受け入れに一瞬の抵抗感を抱くのだが、つまらないと思わないのならば意識的に受け入れて行きたい。

「意識的に受け入れていきたい」はもう漫画の感想じゃねえな、とは思うけど。


相撲

この相撲バカ二人は、実際、前田慶次さん(役者)と相撲を取る時に、相応の手加減をするだけの良識を持っているのだろうか…。潮くんは、まあ、チヒロくんよりはマシだと思うが…。


・出稽古先の高校を間違える→国宝と対面
・柴木山部屋体験→国宝の妹と同席
・名古屋城観光→国宝と遭遇

あれだ、国宝同士は惹かれ合うってやつだ。

潮くん、熱血相撲バカなのに、意外と歴オタ趣味もあるんだな…。前田慶次とのツーショット写真とか、相撲の猛稽古後に家帰った後でニヤニヤしながら眺めたりするんだろうか…。いや、何か一つ趣味を持っておくことは非常に良いことだとは思いますが。相撲はもう趣味じゃねえもんな、あれ。


サモナー

左門くんはもう本当にかわいそうな子になっちゃってるな! 存在が!! 一話の時のキミはあんなに輝いていたのに…! いや別に負の輝きだったから今のままでええんやけど。


描き下ろし4コマ

こういう企画の時、久保先生が一番おもしろいのは毎回恒例みたいになっていますが、なんで久保先生、こういうの得意なんだろうな…。このセンス、本編ではそれほど活かされてないと思うんだけど、どこで磨いてるの、この技術は…。


アカデミア

唯ちゃん可愛いな…。能力的にはシャドウキャットなのかな…。

しかし、プロヒーロー、毎回さくっとやられ過ぎでは…。人数差もあるし、お守り役が健在だと緊張感出ないというのもあるだろうけど、みんな全然頼りにならないな…。オールマイトとエンデヴァーくらいしか頼り甲斐がない。トラの人は頑張れるのだろうか。

梅雨・お茶子組が出発してるので、スタート地点にいるのは尾白、峰田、飯田、口田、デクくん、プロヒーロー残り3人か。び、微妙に頼り甲斐がない! かっちゃん、轟くん、常闇くんいないとA組も結構戦力的に不安だな…。主人公補正抜きでもデクくんが一番頼れる勢いだ。


ブラクロ

ゴーシュさんの現状認識能力と優先順位の着け方、明確な割り切り方は悪くないぞ、これ…。実際、最優先事項をマリーの安全とするならここでの敵前逃亡は理に適っている。マリー抜きの別のミッションなら、ゴーシュさん、かなりクレバーに立ち回れるのではなかろうか。

しかしクローバー王国は下民も平民も貴族も、どの階層にも高い確率でクソ人間が溢れていて、やっぱり国としての民度が低いな…。怒りとかの刺激で魔法がパワーアップするため互いにディスり合う文化があるのではないか、との仮説もあるくらいだ…。


トリガー

ネームドが出てきて相応の実力で戦ってるだけで非常に面白い…。米屋さんはキッチリ敵の足を奪ってるし、三輪さんは防御無効バステを黙々と仕掛けてるだけ。そのキャラができることをやってるだけ、相応の結果を出してるだけなのに、それで十分楽しい。ネームドの魔力を感じる。

シューターはやっぱり華があるなあ。那須さんの射撃は板野サーカスのようだ。こういうのに憧れて凡人がシューターを目指したらオサムくんみたいな戦い方になって、「あれ…なんか思ってたのと違う…」ってなるんだろうな…。

あれ? アタッカー3位って小南先輩なの? 影浦さんだと思ってた。ポイント剥奪されたからだっけ? それと、玉狛の人たちって変わったトリガー使ってるからランキング戦出れないんじゃなかったっけ…。


こち亀

ジョニーこと有栖川教授ですが、いつも思うんだけど、この人、自分の研究はいつやってるんだろう…。

「ジョニー、ハイテクなんか使うなよ」はちょっと意味不明。海外で正月を過ごす=ハイテクと無縁で過ごす、ではないはずなのに。秋本先生、この辺、脇が甘くなってるよなあ。


すじピン

金龍院さん、ギャグみたいな体型ですごく身長低いイメージだったけど、踊ってる姿を見るとそれほどパートナーとも差がない感じだな。踊り続けるたびにシュッとしていくんなら大会でも最終的には土屋くんみたいな体型になるんだろうか。


ソーマ

食戟を生き返らせたのはいいけれど、結局、十傑クラスに勝てる一部の人間しか残らないわけで、そういう人たちは次期十傑候補(セントラル入り候補者)なのだろうから、結局、薊政権の掌の上のような気がしなくもなし。

完全実力主義の前政権とトップダウンによる愚民化政策の薊政権の戦いなわけですが、前政権のメソッドを出されたら文句言えないもんなあ。前政権だとえりなさまが腕力で強奪に来て、薊政権だと権力が潰しに来る…。まあ修羅の国だと知って入学してきてるんだから仕方ない。


バディストライク

然野球部員たちが暴れ始めた辺りを読んで、「あー」って気持ちに。なんなんでしょうね、この、「あー、打ち切りだ!」感は。すごい打ち切りを感じた。いやまだ分からんのですけどね。

「まだその時ではない感」なんですかね。キャプテンの胸ぐらを死神くんが掴むのは「まだその時ではない」を強く感じました。たぶん死神くんのキャラの描くべきところをもう少し描いてからでないと、こういう強い行動は唐突感だけを与えてしまうんじゃないかな。

キャラがこれまで積み重ねてきた情報に対して一段飛ばしの行動を取ると違和感と唐突感が生まれるんだけど、積み重ねが足りないのに行動に出ちゃうのは尻に火が付いている漫画が多いので、そういう意味で本能的に「スゴイ打ち切り感!」と感じてしまったのだろうか。

死神くん、人の胸ぐらに掴みかかるような「熱さ」はないキャラだったよなあ。もっと飄々としたフィクサー的なキャラだったのに。「そこに触れられると冷静でいられない」というキャラ設定だとは思うけど、もうちょっと前置き踏まないとキャラがブレたように感じちゃう。

「まだその時ではない」と言えば、死神くんの過去にまだそんなにまで興味が無いので、ここで身の上話が来るのもちょっと読者と温度差あるんじゃないですかね…。やはり尻に火が付いてるのだろうか…。


ニセコイ

二人の人間を好きになること自体を肯定したんなら、そこから一歩進んで二人の人間と同時に付き合うことまで検討すればいいのにと思う。一夫一妻など所詮は法的な問題に過ぎないんですよ…? ま、そのへんは如何せん高校生か。


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