【11/10】2015年50号のジャンプ感想(読切コラボ『キセキの待ったなし対決』掲載号)


相撲

今週の相撲はすげー迫力を感じました! そも大関さんが「戦力として安心して頼れる先輩」の格を手に入れたこと自体が嬉しいんですが、その安定感とあのガタイで潮くんと組み合ってると、非常に「揺るがない強さ」を感じるんですね。

ユーマさんとかは空手がバックボーンなんだけど、飛び道具的というか奇手というか、それで勝っても揺るぎない強さという気はあまりしないのだけど、部長はフィジカルの強さで普通の相撲が強いのですごく安定感がある。潮くんもそっち側なのでそんな二人の正面対決は迫力がでますな。

こういう相撲勝負が見たかったんだぜ的なところある。


キセキの待ったなし対決

こういう企画は作者がどれだけ自キャラのイケメンを崩せるかで作品の価値が決まると思うのですが、躊躇いなくキセキ連中のふんどし姿を描いた藤巻先生の好感度は否応なく上がりました。変顔表紙の時にガチの変顔してた越前リョーマを彷彿とさせる思い切りの良さ。

潮くんとか真面目な性格だから、相撲練習の合間に至極真面目にバスケの特訓もしたんだろうなあ、と自然に妄想させられる。

ふんどしじゃないや、まわしだ。失礼しました。

でもこうして落ち着いて見てみると、まわし姿は言葉のインパクトが強いだけで、露出度的にはビキニタイプの海パン姿とあんま変わんないよな。

「先を見るまでもない。相手は相撲で手を開くクセが付いているだけのこと」今週のジャンプで一番面白かったのはこの台詞で、「おまえおすもうさんのこと何だと思ってんの」感が凄まじかったです。

「特殊能力をいくつも持つ相手の方が有利なのは百も承知」この台詞も凄かったですね!!! 火ノ丸相撲の世界に異質な何かがぬるりと入り込んできた印象を受けた! 

しかしこれ、相手がまだキセキだから良かったものの、仮にテニスプレイヤーだったりしたら未来予知程度で負けられるのはむしろラッキーなレベル。互換剥奪や場外ホームラン、建築物倒壊の末に下敷き、額の上に焼けた肉が乗って退場などもありうるぞ…。

勝負の土俵がテニスなら当然ひどい目に遭うし、仮に相撲になったとしても大して差がないレベルで酷い目に遭う未来しか見えない。幸村がまわし姿で相撲を取る姿を想像すると、大関部長レベルにも一指も触れさせず勝つ姿が自然と浮かび上がってくる。


ソーマ

い、いや、だから、強制退去の根拠は…。部下の人たちたくさん来てるけどどうすんの? 寮生たちが中にいたら暴力に訴えるの?? そんなことしたら別の問題になっちゃうよ。漫画だからと気にせずに読む…にはちょっと厳しいレベルで論理的に未整備すぎる…。


すじピン

「そりゃ土井垣くんみたいなのがキレッキレで踊ってたら誰でもつい見ちゃうよ」 この台詞の説得力凄まじいな! 前フリで先生の「いまだに勝敗基準分からないけど」を挟むことで読者視点まで落としてからのこれが非常に巧いですね…。

土井垣さんや金龍院さんの異様な存在感(イロモノ感)は読者も承知のところであって、彼らがキレッキレで踊ってたら、そりゃなあ。見るわ。「動けるデブ」みたいな感じだよね。

あと、実力者ポジションでクールに解説を挟み続ける金龍院さんがカッコ良くて仕方ない。おれ、この人が一番好きだな。まだ内面とか実力とか全然描かれてないのに、凄まじく好感度が高い。

金龍院さんは競技ダンスの世界で凄いだけではなく、人生という舞台においてもすごい男だと確信できるオーラがある。あんなネタみたいな体格でも、世の荒波に対して小動もせず、物怖じもせず、絶大なる自負と共に颯爽と人生を駆け抜けていく、そんな力強さを感じる。

こないだうちの担当と、どういうキャラクターが好きか、みたいな話をしている時に、「なんだか分からんがすごい自信に溢れている人」と答えたんだけど具体的なイメージが沸かなかったんだよな。今ならはっきり言える。金龍院さんだ。

ルンバ踊ってる見開きですけど、なんか思った以上に女子の肌と密着しててすげえなと思いました。いや、密着するのは知ってたんですけど、改めてすげえな、と。やっぱえろいぜ。

先輩たちがガチってるのなんかすげえいいな。土井垣先輩が引退した後も、あれだけガチってた八巻先輩がいるから安泰だろうという安心感がある。…いや、実力的にはですよ? 後輩指導面ではひたすら不安だけど…。


トリコ

RPGの、「なになにのためにはこれこれに行く必要があり、そのためにはなになにが必要で、それを守るこれこれを倒すにはなになにを取ってこなければいけない → 最初の目標を忘れる」みたいな感覚である。これは図とか書かないと整理できないな…。

たとえ物語の謎の核心に触れる話であっても、このレベルで説明過多だと読めたものではないという一例として記憶しておこう…。どちらかと言えば真面目に漫画を読んでる(ペラペラっと読まない)僕が理解を断念するレベルなので、少年読者には無理なのではないかなー。


ニセコイ

これ、最後のキャッチに失敗して落下死してたら洒落にならんな。花嫁は結婚式に乗り気でなく、止めに来た男にも特に恋愛感情はなく、本気で逃げたい訳でも、匿いきれる見通しがあるわけでもない状況で命懸けのスタントめいた逃走劇。これ、ラブコメで良かったね。本当に。

失敗してマリーが墜落死して、ワイドショーで事の顛末が報じられたら、なんでそんなフワフワした状況でこいつらは命懸けの脱出劇したのか、視聴者みんな理解できずにポカーンとしそう。


ものの歩

「誰も"俺を"見ていない」ってなに??? ここ、ちょっと雰囲気で作劇してない? どういうこと?? 

えっと、格ゲーで十歩くんが強すぎるために対戦相手が十歩君のことを対戦相手と認識せず、観客はプレイヤーとしての十歩君ではなく、画面だけを見ている??? だめだ、ぜんぜんわからん。

ふらっと町の大会に参加したらネットで晒されてコメントでキチガイ扱いされるとか、撮影許可した大会責任者のウカツはキツく責められるべき。

MPと書いてこころと読ませるのはイタイというか、センス的にキツイな…。MPってゼロになっても発狂しないじゃん。でもまー、SAN値は子供には分かりづらいか。

「おしまいだ。…キミも、将棋も」 勝手に期待して、相手がヘマしたから失望して、さらに相手だけじゃなく競技にまで失望するメンタリティの面倒くささを思うと、やはり彼の感じていた孤独感の原因はゲームが強すぎることではなく、人間的な問題に起因するものではないかと…。

「十歩が強すぎて対戦してても面白くないから相手が離れていく」これは全然分かるけど、相手が自分の期待に応えられないからって十歩くんが相手のこと侮蔑してたら、それで離れていくのは十歩くんの人間的問題だよ。


斉木楠雄

ほぼ顔芸回なのにその顔芸がめちゃくちゃ面白くて一話として見てもすごく面白い!!! 普段論理性で描いてる作家なだけに、初めて使ってきた飛び道具のインパクト勝ちでもあった! 

ダメだwww 斉木楠雄、何度見ても絵だけでおもしろいwwwww


ブラクロ

めがねっ子、研究者キャラとは思えない程の高い露出度だな…。その高い露出度は一体なんの研究に利するんだ。

敵ボスと部下の間に信頼関係があったり、魔法帝が右腕奪ってて格を保ったり、アスタさまの活躍が正当に評価されていたりと、なんかここ数週で突然良い漫画になってびっくりしてます。


トリガー

主人公勢力を敵側が評価するシーンは大好物です。ハイキューの序盤の気持ち良さも変態速攻に慌てふためく敵の描写にあったからなー。

今週の、アフトクラトルの思惑とガロプラの処世法とかめちゃくちゃ面白いんですけど、次の戦いでボーダー側に人的被害が出ないことが明らかになって危機感がなくなったのは、なんつーか、すげえ?というか。

漫画的には普通に考えて悪手だと思うんだけど、実際問題、ガロプラ一行はぜんぜんオーラがなくて、たとえ彼らが殺る気まんまんでも別に危機感は出なかったと思うんだよね。そして、殺る気なくても面白くなるだろうという気はする。

普通に考えて悪手なんだけど、それをサラリとやっちゃって、実際に読者としては別に不安ではないこの感じがすごい?ような気がする。

「実地調査で前情報との照らし合わせ」をしている段階で捕縛されて捕虜にされそうな未来が見える…。


ベストブルー

メジロくんは、普段の練習以上の力が出せたから勝てて(目標達成できて)、ジンベエさんは普段の練習通りの力が出せたから勝てた…。なんじゃそりゃ。

つまりジンベエさんは普通にすごいってこと?? 


カガミガミ

あーーー。必然性の全く感じられなかった序盤の高校生活描写とかの意味合いがついに明らかに…! なるほど、もともと為すべき使命があって、それは少なからず自己犠牲的なもので、嘉神くんは何のために自己犠牲するのかよく分からないけど言われるままにそうしてたのね。

それがマコさんとか学校生活を通して、今までふんわりしてた「自己犠牲しても守るもの」が明確になった、と。なるほど、やりたいことは分かったし、必要なことは必要な描写だったんだなあ。

退屈極まりなかった謎トーナメントも最後の決戦で総登場バトルをするためのキャラ付けとしては必要だし、なんというか、「それをやる意味は分かった。楽しくはなかったが、必然性は理解できた!」的な。

迷走していた訳ではなく、きちんとビジョンを持ってやってたことが分かっただけでも大分好感度は上がりました。問題は、読んでいる最中に必然性が理解できないのと、できないのは仕方ないとしても、その描写を楽しませることに成功してなかったことですかね…。


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