【8/15】2015年37&38合併号のジャンプ感想(読切『クラマの閃』掲載号)


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トリガー

ふおおお、こう来たか! 東さんのキャラ格をどう表現するのかと思ってたけど、修行を重ねた主人公を初っ端に落としてくるとは…。誰もが取りたい点数(オサム)を取っただけなのに、修行シーンがあったおかげでオサムへの期待感が集まり、それが衝撃と格の高さに変わっている。

しかし、これメタ的な話をすると今回勝てないのでは? 勝ったら勝ったで、「やっぱオサムいらんのでは?」となってしまうし。今振り返れば唯我道場も完遂してないし、修行もまだ途中経過なのだから、この結果は順当といえば順当か。

この漫画、本当にブラクロと対極的な漫画だな…。修行した主人公がなんらの成果も発揮できないままにやられるという。ブラクロは拾った剣で無双する。子供たちが主人公の活躍を望んでいるのだとすれば少年漫画的には悪手にも思えるが、今週とか実際おもしれーしなー。

そりゃちびっこ受け悪いよなと思う一方で、ブラクロとトリガー、どちらも連載を続けられるジャンプの懐が深いなあ、という感もある。


相撲

相手が姑息な搦手を使ってきたのに対して、憤るでもなく、それも策と物分り良く割り切るでもなく、相手が自分を互角に見ている証拠と捉えて自信に変える展開が爽快感ばっちりでした。誰の格も落とさず気持ち良い。川田先生、読者を上回ってくれるなあ。


絵日記

ワンピース、ルフィの直筆ということで汚い字まで再現してる辺り尾田先生が芸細。同じバカ主人公枠でも、アスタくんはもう少し綺麗に字が書けるのも納得。アスタくんの方は曲がりなりにも宮勤めだしな。純然たるアウトローであるルフィと違って、書類仕事もあるだろう。

佐藤たかしくんという劇中外キャラを出してきた横田先生も面白い角度から抉ってきたなー。絵日記に血を飛ばす古味先生のギミックもなかなか…。

トリコ、「天然のカキ氷を発見」って、それは氷塊であってカキ氷ではないのでは。氷塊をかいたらカキ氷なわけで…。


ワンピース

すごいパンチ王から「滑稽」と言われていますが、ドレスローザの国民性は結局なんなんですかね。これは状況に動かされやすい大衆の愚かさを尾田先生が狙って描いているのだという説もあるものの、どうなのかなー本当なのかな―という感じ。

ドレスローザの国民性問題は、個人的にはあんまり興味が湧かなくて。たぶんちゃんと流れを覚えていないからだとは思うんだけど。一応、尾田先生も、彼らのことを「滑稽だけど笑えない」と認識はしているとのことで、来週でなんかあんのかなーこれ。

これで来週、国民が海軍相手に立ち上がって、「暴力で俺達を支配する海賊を暴力で打ち倒してくれた恩人に感謝し、平和に生きていくことを誓った俺達は恩人のために暴力で海軍に立ち向かうぜ、イェーイ平和!」とかやりだしたら、確かに意図的なんだろうなと思う。


すじピン

先輩ズの放つオーラすげえな。そして胸の谷間もすげえな。女子高生の谷間ドレス…。

咲本さん、どんなイケメンキラキラ王子が出てくるのかと思ったらスゲエのが来た…。横から見てる驚き役たちも「やっぱどっちもすげえ老け顔だ」とか言ってるし。そこは普通「すげえオーラだ」とか言うところでは…。競技ダンスのトップクラス=老け顔という謎の説得力よ。


斉木楠雄

これ、最初読んだ時はよく意味が分からなかったけど、途中まで空助が普通に電車賃を借りようとしているという流れでオレオレ詐欺っぽい会話が普通に成立してるんだな。すごいな、と思う半面、空助の「悪ふざけ」をオミットした方が話の流れは綺麗だったのでは、とも思う。

「スマホゲーで使い込んでお金がない」→「電車賃をおじいちゃんに借りたい」→「ついでに詐欺対策に一芝居」という流れ? ついでに、おそらく一枚噛んでくるであろう楠雄と遊びたかった、という感じなら今回の状況も理解できる…?? 


クラマの閃

主人公のキャラはかなり良かったです。やっぱり常識人キャラは読んでて安心感があるな…。スポーツ漫画は頭のネジの外れた主人公が多いので、肉親の乱暴狼藉を普通に恥じているというキャラは意外性もあった。

一方、残念なのは実力者らしき部員たちが、公式戦0勝という情報だけで突然見くびりだす下り。主人公は常識人なのに、こっち側が非常識になっちゃった。戦績とかいろいろ置いといて人のことを笑うなよ…人間として…。

「イチコロイチロ」というアダ名もよく分からんよね。全部強豪相手に接戦で負けてたならイチコロじゃないじゃない。ダークホースだとか無冠の強者とかそんなアダ名が付くんじゃねーの。イチコロはねーよ。

後は…なんかとにかく地味でしたね…。「20年掛かってもおかしくない太刀足をひたむきな努力で10年で得たのはすごい」的なのも…地味ですね…。まさに「地味な練習が時間をかけて頑張るのが大事」という話だから、そうならざるを得ないんだけど、爽快感が薄い…。

とまあ、後半は残念な点が目立ってましたが、それでも主人公のキャラが良かったのは事実だし、地味なのもなー。そういうテーマだし、もうどうしょうもない気もするなー。それが作者の描きたかったことなら仕方ないよなー。


ソーマ

なんか勝因が良く分かんないです。料理の工夫? 並んでる客を奪えたから? 実力者が揃ったから、は、あの従業員数の差を覆す理由としては説得力が弱い気がします。最後に勝ってたのは総合成績? 4日目の成績? 後者ならまだ分かるけど前者だと言われたら納得できないよ。

久我さんの弱点(?)は、客が多すぎて行列待ちで脱落する人が出たのと、食事に制限時間を設けたことだけど、ということは、店自体はぎゅうぎゅうに客詰まってるんだよね。クオリティにも問題無いと。ソーマくんはなぜ勝てたんだ? 屋台の方が回転率が高いとかそういうこと? 


ベストブルー

競泳って、格上描写や強者描写の難しい題材ですね…。誰がどう凄いのか全然分からないよ…。


ブラクロ

おお、ついにこの漫画で「実力者の魔法の方がそうでないものの魔法より強い」ことが分かったような気がする。状況把握の精度が違うのだな。まあ実際これはとっても便利よね。

しかし、アスタさまは絶対に指揮官に就くべき男じゃねーよ。戦況把握と用兵をなおざりにして白兵戦に向かうとか、魔法帝は確実に向いていない。叩き上げの下士官として小隊指揮しながら前線でバリバリ戦うのが向いてんじゃねーかなー。

チャーミー、まじハンパねえレベルで無礼だな…。受勲者+招待客のみのパーティーにメシのために潜り込むとか、ちょっとハンパねえ。他団員からの暴牛の扱いの悪さ、汚物を見るような眼差しも故無きことではないぞ、これ。

そういえば昨日のオフ会で「子供の時は戦隊物とか戦闘シーンしか見てなかった」「ドラマパートは何のためにあるのか理解できなかった」という話をしていたのですが、今週のアスタさまもそんな感じだったのかもしれませんね。「戦況把握とか何のためにしてるのか分からねえ!」

メタ的に言うと、戦況把握とか子供たちには「なんのためにやってるのか分からない」ので、とりあえず突っ込んでいって戦う感じの作劇は、子供たちには良いのかもしれない。こういうところが受けてる理由なんだろうか。

ちなみにあのシーンは、他の人たちがちゃんと用兵してたのもあって、そんな悪くなかったです。「アスタさまは絶望的に指揮官に向いてないな」と思ったけれど、まあ、みんながみんなあんなじゃないしな。主人公体質ということでアスタさまはああなんだろう。


カガミガミ

先週の棄権展開は「これマジでヤベエ」と思いましたが、今週はそんなに悪くなかったです。読者が思ってた、主人公の戦術が単純過ぎることや「これ白天丸のせいだろ」という気持ちが作中で代弁されたからだと思います。

しかしこう、ウォリアー型だとかウィザード型だとか、ゲームのタイプ分けみたいな分類が突然出てきましたが、こういうのされても式神使いたちが普段は何と戦っているのかよく分からないから、相手がどういうもので、どんな戦術を高める必要があるのかピンと来ないんだよな。

例えば式神使いたちが普段主に戦ってる相手が、スズメバチみたいなのだとしたら、ウォリアー型とかウィザード型とかなんやねん、ってなるよね。刺されない装備と一網打尽にできる戦術を考えようぜ、ってなって、そういう分類とか戦術の工夫はピントが外れてる感じになる。

普段何と戦ってるのか分からないから、あの分類にどのような意味があるのかピンと来ない。逆に考えれば、ああいう分類が意味を持つ相手(ある程度の知能がある大型の個体)と戦ってるのかな、とも思うけど。

ホローラビット一党以外の、式神使いたちが戦ってる相手ってこれまで描写されたことあったっけ? ホローラビット一党は普段の業務から考えるとイレギュラーな相手だと思うので、通常業務での相手がどういう類の敵なのかよくわからないぜ。


トリコ

他重力空間の中にある質量を減らすと、他重力空間の外にあるシーソーが傾く…?? なんか分かるような分からんような不思議なはなし。

食材を調理して盛り付けるスピード勝負をしているのに、他重力空間を除外して、調理以前に物理的に勝利するのってどうなんだ。(そんなことができればだけど)空間ごと持ち上げてジャンプして相手を殺した後に落ち着いて調理するのと何が違うんだろうか。


ブリーチ

扉絵カッコイイな! 笑っちゃうくらいカッコイイな!! このセンス一つで食ってきた作家だけのことはあって、今回の一枚絵の力は本当にすごい。3分位見ちゃった。

そして内容の方は完璧なATB(あいつら大した棒立ちだぜバトル)なのにハゲとマツゲが棒立ちしていても、「うん、お前らは棒立ちでいいよ、下手に手を出されると迷惑だからね」という納得感がすごい。マユリさまへの信頼感というべきか、ハゲたちの信頼感の無さというべきか。


デビリーマン

平和くん、ふつうに通行人を強請って小銭を稼いでるのか…。ガチの悪党だな…。イベントに乗っかってきてくれた気の良いお姉さんの一日が台無しだぜ。どういう脅し文句で脅したか詳細が書かれないのもあって、平和くんのガチ悪党っぷりが際立つ。


ジャスティス

これはユースティティアが火事現場に飛び込んだせいでバックドラフトが起こって爆発したのでは…。いや、結果的に子供も助かってますし、いいんですけどね。

「着るもの無くなったァ…」に1ページを使うセンスすごく良いです! そうだよ、この漫画はずっとこういうことやってりゃいいんだよ!! 

ユースティティアは設定的に超つよいんだから、ポッと出の超人なんかと戦ってなくていいんです! 常に己の羞恥心と戦っていればいいんです!!! 


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