【7/25】カガミガミは何故つまらないのか問題


 カガミガミがなんであんなにグッと来ないのかみんなで言語化してみる試み。

 
※コメントの全文は7/18-19の日記コメント欄を参照ください。


・1話冒頭で未来が明かされてるのが問題だよ説

>> 個人的にはカガミガミは一話で未来が明記されちゃってるのが
>> (ミスリードかもしれませんが)まずかった気がします。
>> ゴールが滅んだ世界なんですよね。で、多分滅ぼすであろう敵も出てきてるからまあこいつらがなんかするんだろうと。
>> どういうルートで一話の状況になるのかは分かりませんが、
>> どのルートをたどっても読者が予想している範疇からは逸れないだろうなぁという直感も根底にある。
>>
>> 犯人が最初から分かっているタイプの推理小説に似ているのかなぁ。ただ、推理小説の場合はどうやって殺したっていう限られた証拠からトリックを暴くパズルがあり(決められたルートじゃないと犯人が特定できない)カガミガミはぶっちゃけ世界観的になんでもあり。その辺が要因かなぁ。
(日記コメントより)

 僕はこれは全く逆で、むしろ1話冒頭のあの期待感だけでギリギリ今も興味を持って読めている感じです。街で数体の式神が暴れ始めた時に一気にあの状況にまで雪崩れ込むのかと思ったら全然小競り合いで終わっちゃってすごいガッカリした。


・縦軸がふにゃふにゃなんだよ説。

>> 今はまだ要素がバラバラなんですよね。ただでさえ式神:探偵:高校=7:2:1くらいで、各要素が薄いというのに、さらに式神編自体もまだまだ情報が繋がってないですからね。
>>
>> 自分が「そのうち回収されて繋がるはず」って思えてるのはPSYRENで築かれたものなので、結局ファン以外は「で、このエピソードはなんなの?」で止まってしまうという。
(日記コメントより)


>> ・いらない要素が多い
>>
>> 恭介くんには「式神使い」「探偵助手」「高校生」という三つの顔がありますが、ストーリーが反社会的式神使い勢力との戦いにシフトした今、後の二つはほとんど機能していませんよね。恐らくこの先も重要にはならないと思います。
>> 現在、恭介くんは同年代の式神使いたちと仲間になりそうな雰囲気ですが、彼を初めから式神協会との提携校に編入させ、そこで今の仲間たちと出会い、マコさんはその学校に通っている、式神のことには無知だけれど式神協会にとっても未知の能力を持った女生徒、ということにすれば収まりがよかったんじゃないでしょうか(高校にいた中二病ヒロインにその力を持たせ一本化してもいいかも知れない)。
>> 大事なはずの序盤で「なくてもよさげな要素」に話数を割いてしまったのはけっこう印象低下の要因として大きいのではと思います。
(日記コメントより)


>> ストーリーの構成要素が明白にツギハギになっていると感じます。いまいち面白くならないのも、大体はそのせいではないでしょうか。
>>
>> 面白そうな主人公とその能力、面白そうな家柄、職業×2、面白そうなライバルに仲間に、劇的な未来...と個々の要素が法則性もなくおざなりに組み立てられ、物語として背骨を持っていないように見えます。
>> 少なくとも、作品に作者の血を吐くような心や真摯な情熱(と書いてフェティシズムと読む)がまざまざと反映されている、という気はしません。私観ではありますが、これまでのところ、作品の根底を流れるものとしてのメッセージが、カガミガミからは全く伝わって来ていません。つまり、物語が読者に何を語りたいのかが皆目分からない状態です。例えメッセージの内容が狂ヒロインを崇めよ読者共、だろうと、世紀末ヒャッハー!!!!!!、だろうと、作者が本気で脳汁垂らして描いてれば、素養ある読者の脳汁もちゃんと垂れてくるはずなんです。でも、それが無い。本来なら作者の意図を代弁するべき主人公も、その機能を果たしていないと言わざるを得ません。彼は性格の善良さと実力の高さから滅多に渇望を抱くことがなく、物語上主体的なベクトルを持ちません。カガミガミと言う物語の不可解さに、さらに拍車を掛けている存在です。少なくとも現時点では。
(日記コメントより)

 縦軸があまり定まってなくても、一つ一つのエピソードが面白くて瞬間最大風速で楽しければいいんですが……。たとえば学校編でのザンとのやりとりなんかはクスッとできる面白味はあったので、あのレベルを全てのエピソードで保ってくれればまだ……。そこまで達してないエピソードがたくさんある気がします。


・主人公に目的がなくてキャラが弱いんだよ説。

>  うーん、架神君ってすごく中途半端な主人公だなって思うんです。
>> 最初から実力者ってタイプの主人公のようなカリスマ性や圧倒的な格の違いがあるわけでない。今はまだてんでダメなところから始まる成長型主人公でもない(むしろ、ある程度この漫画でのさばる実力があると描写されてるから勝ち負けにハラハラもできない)。
>> アゲハ君や雨宮さんみたいな頭がどっかイッちゃってる人たちとも違うから、コイツこんなこと言っちゃうのかよ、と驚くこともできない。だから、彼は不快感のないいい子ですけれど彼を見ているだけではなかなか面白さに直結しないのかなと。>
(日記コメントより)


>> カガミガミは1話の時点ではマコが主人公だと思ってたんですよね。
>> 最初の破滅した世界の語り。
>> 特殊能力を持ち探偵という特殊な職を目指す来歴が語られ、
>> ガンガン動いていく、動かしていく性格。
>> この時点では恭介はサイレンでいう雨宮さん的なバトル担当のパートナーだと思ってたのが、
>> どうやら恭介の方が主人公らしく、でも何か流されてるだけっぽくてイマイチ感情移入できない。
>> かといってマコさんはすっかり影が薄いしで、
>> なんか全体をふわ~っと俯瞰してる感じで焦点を定めてノれてない……
(日記コメントより)


>> ガガミガミは、主人公が何をしたいのかが分からないです。
>> そこからつながるのかもしれないですけれど、今お話が「どこ」に向かっているのかもよく分からない…。
(日記コメントより)


>> ・主人公の目的が分からない
>> 家柄だから、式神協会に所属しているから……というのは分かるが、それは表層であって彼自身の目的ではない。もし仮にただ流されているだけの主人公ならば、魅力が薄すぎる。(「流されていること」が彼の致命的な欠点だとしても、そうだと分かる描写が全くない)
(日記コメントより)

 主人公には一応「守りたい」みたいな目的が生まれたんですが、なんか……弱いですよね……。なんでその目的に至ったのかがピンと来ないというか……。いい子でクセがなくて、頑張り屋で普通に強くて……。ピンと来ないキャラクターだ。岩代先生もそれを自覚して、「カイトが貶されて怒り出す」という面を見せてきたんだとは思うけど……。実際、こっちとしては戸惑いしかなかった。


>> 自分はカガミガミに対して思う事はともかく「主人公に個が無い」事に尽きます。
>> 最初の(てか読み切りの)憑依合体の時から「ただでさえ薄そうな主人公のキャラに他の人格付け出したら何なのかわかんなくなるだろ…」と思ってて、読んでいく内に更に恭介君の存在意義がわからなくなった。
>> 途中カイト君との出会いの想い出シーンとかもありましたけどとってつけたというか「とりあえず主人公の過去書いておきました」というまるでエロゲの回想シーンのような感じで全然感情移入出来ない。
>>
>> 出来ないままこの選抜編に突入し、ぽっと出のキャラにカイト君を馬鹿にされたことでいきなりキレだしたのを見て「え?何?え、ええ?」とめちゃめちゃ戸惑いました。
>> マコさんも岩代先生の手に余ってる感が見え見えで全然「扱いきれていない」
>> 主人公という主軸がブレブレだから話に一貫性が出来てないんですよね。
>> 日常物やりたいの?バトルしたいの?探偵ものみたいなサスペンスなの?
>>
>> 最初の数話使ってこの体たらくだから未来が見えないんだよなあ…
(日記コメントより)

 他キャラとの関係性の中で、各々のキャラが深まっていくんですが……そのメソッドを使っているはずなのに、カイトにしても狗神さんにしてもすごい上滑り感があるんですよね。なんか、彼らの行動と主人公の反応に対して、「戸惑い」しかない。普通は「主人公はこういうことをされるとこういう反応をするんだー」となって、主人公への理解と共感が深まるはずなのに、理解にも共感にも至れずに「戸惑って」しまう。


>> ブラクロとカガミガミを比較すると、カガミガミの失敗がわかるような気がします。一言で言うなら「他人事感」でしょうか。
>>
>> ブラクロは主人公の造形だけは間違ってなくて(努力家・オンリーワン能力もち・天然系など、共感や応援を得やすい)、そこで興味を引けてるんだと思います。ちょうどハイキューの日向くんから「勝利への狂気」を引いたような感じです。
>>
>> 対してカガミガミは主人公兼読者視点であるはずのマコさんが完全にフェードアウトしており、普通に生きてきたマコさんが人外たちにどう関わって行くのか?という読者の興味に答えていません。
>> 一方、同じく主人公格である恭介くんはつかみにくい人格をしており(子供の割に式神の世界や自分の能力、親がいないことなどについて割り切りすぎている、能力的にへっぽこでもなければ天才でもない。共感も憧れも生まれない)、恭介くんが主体で動けば動くほど物語が他人事化する悪循環となっています(どうでもいい人間の友達はなおどうでもいい)。変身によるキャラの変化がありますが、単にチャラくなっただけで何のインパクトもなく、軽薄な印象を与えています。式神バトルについても「ルール」がわからないため何の痛快さもなく、展開が式神使い対式神使いになってしまったことで「他人事感」に拍車をかけています。
(日記コメントより)

 主人公が誰と絡んでも何の興味も沸かないのは、主人公自身に興味を惹かれないから? 本来は周囲との関係性でそれも補完されていくはずなんだけど……。


>> カガミガミは恭介くんみたいになりたい、と思わないんだよなぁ
>> ブラクロのアスタくんにすら、周りが魔力に全振りのところを力に全振りという一種のロマンがある
(日記コメントより)

 ロマン……ないですよね……。一般人には使えない式神という異能があって、いざとなったら合体してチート的な存在になれるというのに……それでも「僕もこうなって活躍したい」的なものがない。たぶん、式神バトルが僕達の日常生活とかけ離れ過ぎてるのも問題なんじゃないかなあ。探偵パートで式神を使ってちょっとした捜査をするくだりなんかにはむしろロマンがある気がする。そんな「ちょっと便利なワザ」を日常で使ってみたい気がするので。


>> 白天丸がもっと超然としたキャラクターだったら憑依合体による戦闘力強化に説得力が出るし、世界観も深みを増すのではないかなと思います(日記コメントより)

 ナルトに対するクラマや、ニンジャスレイヤーに対するナラクみたいな感じですね。妙に仲が良くてノリが軽い。ある意味新しい気もするけど、緊張感は確かにないし、「式神使いたちの中でも秘術とされるヤバイ技術に手を出している」感はない(世界観の深みに繋がらない)というのはあるかもしれない。


・作中世界での式神のことがよくわからないんだよ説

>> ・式神使いの強さがよくわからない
>>
>> 作中一人目の式神使いは恭介くんで、扱いを見るに相当な強キャラ。憑依合体という他の式神使いにはない異能を持っています。
>> それはまあいいのですが、敵方を除けば二人目に当たる獅土さんは実力者であろう触れ込みで登場しながら思い切りホローラビットの噛ませ犬になっており、そのホローラビットを恭介くんが圧倒してまるで立つ瀬がないのに彼はデカい顔をし続けています。今の試験編を見るに獅土さんは未だ強者の位置にいるらしく。この時点で式神協会のレベルはかなり疑わしいものとなっています。
>> 式神使いの操る式神や使う術など、技術体系が不明瞭なことも大きいでしょう。軽く説明があったような気もしますが、「並の式神使い」がどのような術を使い今回のような非常時以外は何と戦っているのか。そのあたりも描いた上でより上位の式神使いたちは強力な式神や術を使いこなすことを示し、それをも上回る恭介くんの憑依合体、と強さを際立たせれば「主人公は強い!!」とはっきり印象付けられたはずです。
>>
>> ワールドトリガーで二宮さんがぽっと出に関わらず格が高いのは、高度に体系化されたボーダーの戦闘がこれまでしっかりと描写され、飛び抜けたエースのいない中位チームでも十分に強い、上位チームは個々のスペックも戦術もさらに上を行く、というボーダーのレベルの高さを読者が信頼しているからではないでしょうか。この漫画で強いと言われているキャラは本当に強い、だから二宮さんのまだ見ぬ実力も射手1位の肩書に違わぬものなんだ、と。
>> カガミガミに足りないのはそういうところじゃないかなあ。
(日記コメントより)


>> 加えて思うのが、式神バトルというシステム自体の魅力や工夫のしどころが分からないっていうのが痛いかという点です。式神バトルならではルールやスケール、出来ることが分からないから、うおおっ!こんな式神の使い方があったかぁ!!という戦術型バトルマンガとして機能しない(そもそもやってることはただの力押しに近い戦闘ばかりなので戦術を組み立てたり、コンボを妄想したりできるような要素がない)し、凄い式神使いというのがよく分からない。
>>  というか、キツイいい方ですが、この漫画って別に式神ではない他の名前の能力でも代用できてしまうんじゃないかなと思うんですよね。式神を使う必然性というか、他の超能力では駄目なオリジナリティといいますか、式神使いってこんなことできるのね、夢あるじゃんと思えないというか(強いて言うならばいつだったか、カイト君が炎の精霊みたいなの呼び出して家事を収めて所くらいじゃないかなぁと思うのです)。
>> やっぱり読者としては、その作品にはその作品でしか描けない、必然を伴ったオリジナルの格好いい展開が欲しいですから。
>> 最後に、致命的な点として式神協会の凄さがよく分からないことが世界観を薄弱にさせてしまっているような気がします。これは特に初登場であっさりやられてしまった獅土さんと架神君の式神憑依に驚いてしまった烏丸さん(やっぱあの展開で驚かれても、カタルシスにはつながらず、えっそれって特別なの?ていうかできないの?ってなってしまいました)のせいがデカいかと。あの辺りで式神協会の底というか、凄みが一旦揺らいでしまったがためにその後出てきた式神協会のほんの一握りのトップはまだしも、その他大勢はいる意味ない程度の奴らばかりなんじゃないだろうかと思わされてしまうのです。
(日記コメントより)

 式神使いたちの立力関係は本当によく分からないんですよね。僕は嘉神くんは作中の式神使いの中でもトップ……下手をすれば他の式神使いに二馬身くらい差を付けての圧倒的トップだと思ってたので、今回の協会内ボス猿争い編が始まって、嘉神くんがそこまで強くない的な描写をされていることが未だに不思議で仕方ないです。今回はコダマを使った遠隔操作バトルだったからあの程度だったけど、憑依合体アリのテストになったら無双するんじゃないかと未だに思ってるし。「主人公が圧倒的に強い」という感覚は「他の協会員が大したこと無い」という認識の裏返しなので、たぶん初登場時の獅土さんが不甲斐なかったことが大きいんだと思う。


>> カガミガミは世界観の描き方に問題がある気がします。
>> 式神使いの存在を隠してきた理由、隠せた理由、式神使いを組織化する必要性、式神使いの飯種とか、どれもピンとこない。
>> 式神使いの存在を隠せてきた→平時は霊妖事件は小規模なうえ頻繁に起きないのでは?→組織をどうやって運営しているの?&式神使いの収入源は? など世界観に対する疑問が尽きない。
>> ホローラビットにスポットを当てすぎているせいで、世界観を描くのが疎かに、もしくは世界観の描き方が歪んでしまっており、それがリアリティにまで影響しているのではないでしょうか。
>> 確かホローラビット関連以外の妖霊がらみの事件って人体模型仲間入りイベント位ですよね?
(日記コメントより)

 あの世界での式神使いの立ち位置……よく分からないですね……。ワールドトリガーのボーダーの立ち位置もやや疑問に思うところはあるけれど(子供を戦士化している割には周囲の反応が弱すぎる気がするとか)、「まあ概ね面白いからいいや」で流せないレベルで色々な疑問が湧き出てしまう。組織にリアリティが感じられない。


>> ・式神の存在
>> 結局、幽霊なのか自然由来の精霊なのか……ぼんやりとしていてよく分からない。
(日記コメントより)

 僕はこの点は流してたけど……そういえば、ここからして説明ないような気がする。


>> ・強さの基準(比較対象)が不在
>> 1話からずっと式神などを相手取っていて、例えば現代兵器と比べてどうなのか(メリット・デメリットなど)が明示されていない。
(日記コメントより)

 確か、拳銃が効かない、みたいなのは最近出てきた気がする。でも、これ、言いたいことはよく分かって、この現代社会で「式神」というものをあえて使う理由というか、そういうのが感覚的に見えてこないというか。そもそも1話でマコさんが式神に対してロクに驚きもしなかった辺りから、なんか読者との感覚がずれてるというか。


>> ・読者視点のキャラが不在
>> マコさんが担う役割であるはずが、彼女自身のキャラクターの問題もあり、また何より「現場にいない(いなかった)」ことが拍車をかけて、上記3点を読者視点でフォローする人物がずっといない。(学校編で沙耶ちゃんが僅かにその片鱗を見せかけた)
(日記コメントより)

 式神という特殊性に驚く人がそんなにいないから、あまり式神をすごく思えないのはあるかも。


>> ・テーマ的な対立が生まれない
>> ホローラビット関係でようやく敵対組織の内情が匂わされて来たものの、まだ明確な目的が描かれていない。
>> 主人公は「何となく平和を守る」、対立すべき相手は「何となく世の中を引っ掻き回す」……くらいにしか読者は認識できないから盛り上がらない。
>> また、取ってつけたような内輪の揉め事を持ち出されても、主人公の主義主張が曖昧なので対立関係が生まれない(生まれたように見えない)。
>>
>> ヒロアカのように、主人公サイドが正義感に満ちたヒーロー的存在であれば敵サイドの目的が不明確だとしても問答無用で対立は起こるのでしょうが、式神協会や主人公の目的が曖昧な現状だと、どうにも対立構造が薄いように思います。だから緊張感が出ないというか。
(日記コメントより)

 この問題も社会の中での式神(式神使い)の立ち位置がよく分からないことに端を発する問題ですね。


・普通すぎるんだよ説

>> 前作のサイレンにはあった狂気がないですね。(日記コメントより)

 サイレンは主人公コンビの危うさが凄かったですね……。


>> 私もカガミガミはつまんないと思うけど、確かに言語化が難しい。
>> というか、そもそもあまり読む気がしなくて、毎週ちゃんと読んでないので自信がないけど、自分が感じてることをあえて言語化するなら、「普通過ぎる」と思う。
>> 何というか、正に「可もなく不可もなし」を体現してる。
>> 大きな減点はないが、特に加点もない。いい意味でも悪い意味でも期待を裏切らない。特徴が薄いので、他人にカガミガミがどういう感じのマンガなのか説明しにくい。
>> つまらない理由を言語化し難い理由もここにあるではないかと思う。
(日記コメントより)

 飛び道具的な要素も特にないんですよね。「ここが面白い」という点を人に説明できないし、自分でも「ここが面白い」と思えたところがない。あえていうならカイトくんの式神消火くらいだけど、そんな小ネタくらいしか思い浮かばない。


 ***

 なんか色々複雑にからみ合ってそうな問題ですね。まず、「物語の縦軸がふにゃふにゃ」というのは絶対あって、それは主人公の目的のなさにも絡んでる。目的さえあれば、そこに至るまでの道のりがふにゃふにゃでも読者は大丈夫なんですが、嘉神くんは「プロの式神使いになったから、毎日がんばるぞ」という状態。これ自体はスタートとしては自然だと思うんだけど、それならホローラビット周りが明かされた時に嘉神くんに無理矢理にでも目的を持たせるべきだったのかも?

 作中世界での「式神」のリアリティが薄い(現代兵器と比べてどうなのか? 協会の日々の活動は?等)ことから、ほぼ無色透明でクセのない主人公の唯一の特徴である「式神使い」もぼやけてしまい、主人公だけの特殊性が生まれず、結果として、「魅力のない無個性主人公」となり、そんな感情移入しにくい主人公と周りとのやりとりも興味が抱けない悪循環になっています。

 何が悪かったのか、あえてまとめるならば、まず式神周りのリアリティの強化。これが強化されれば、主人公の目的(「僕は式神使いとして**しなければならない」)だとか敵の企み(「愚かな式神協会め、式神の本当の使い方は~」)だとかも付随的に強化されるのでは? そして主人公の目的が明確化されて、組織にリアリティが生まれれば、組織内でのやり取りなどももっと芯に迫るものになるのではないでしょうか。というわけで、開始前に「式神」の設定と現代社会との関わりを十分に詰めなかったのが問題なんじゃないかなあ。


★宣伝:1巻時点では評価はなかなか良かったりする。

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