【5/12】2015年24号のジャンプ感想(『背すじをピン!と』新連載&『学糾法廷』『改造人間ロギイ』打ち切り号)


 ツイッター版はこちらから。今回は他の人のレスも組み込んでおり、感想+他者からの補足をある程度行えるような形になっています。どっちでもいいやという人はぜひツイッター版をお試し下さい。

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さて、以前も書きましたが(togetter.com/li/811146)、横田先生の作品に関しては普通に読んで普通に感想書きます。そもそもおれは身内の作品でもリップサービスとかしない性質なので。まあ、おれも人間なので、やや言葉遣いは丸くなるかもだけど。

ただ、あんまり悪く言うことはないんじゃないかなあ。なにせ自分の作品のコミカライズですらほとんど文句がなかったのだ。


ダンス部

なんかユキミ先輩みたいなのがおる。

スポーティングソルトで松森会長がやってた、あの謎の胸元の開いてるアレ(パイズリ専用ジャージなどと言われてたアレ)、ドレスだと実在するのか…? おいおい、女子高生がこんなもの着るとかアリかよ…。「部活紹介正直たるい」とか言ってる場合じゃねえよ。

高校に入学したてで、女子の先輩の発育良すぎるおっぱいの隙間が拝めるとか、部活紹介がどうの、たるいがどうのという問題では一切ない。「高校に入ったらこんな素晴らしい日々が待っているんだ!」と胸を弾ませながら、男子生徒は帰宅次第おさるになる。

いま必死に、同じ形に胸元の空いたドレスを女子高生が着ている画像を探しているが、どうやって検索すればいいのか分からない。

「胸開きドレス」で、ドレス自体には辿り着けるが、それを女子高生が着ている画像となると…難しいな。…ハッ、いま横田先生の職場に行けば資料写真があるのでは…?? 

作中でも「スゴいカッコだ」って言われてるな。やはりすごい格好なのだ…。さらにその上から芋ジャージを羽織りつつも、出すべき部分は一切隠さない。高校生ってすごいんだ…! 

「なんか…夢広がるな、おい…!」 分かる。すげー分かる。最初のカラーページを見て思ったことそのままをモブキャラが言ってくれた。高校入学してすぐに上級生女子の乳チラですよ。そら、夢広がりますわ。高校ってすごいところだなって思いますわ。

新入生の高校入学時の未来への希望とか、当時の自分も抱いていた、あの漠然とした「次のステージに来た感」を、「高校生にもなると女子の先輩のおっぱい露出がすごい」で表現した横田先生、さすがだぜ…。

横田先生、初っ端からこんな気の狂ったテクニカル演出して大丈夫なの。おれは今すげー感心してるけど、みんなはおれじゃないよ。大丈夫なの…。

「決めただろ、土屋雅春…!! 高校生活こそは…!」→「女子とお近づきに」 うおお…何を決意したのかと思ったら、思いの外、直球だな…。

絵的にはこれだけカッコイイやまき先輩が同級生から煽られまくってんの、無駄にリアルだな…。いやまあそうなるよね。

密着度どうこうではなく、女子高生がミニスカでパンチラしながら踊るのはやばいのでは。高校って新入生にそんな性的サービスを行う機関ではなかったはず…。

あっ。あのデモンストレーション後だと、大量に新入生来ないとウソだと思ったけど、どうやって主人公をその他大勢からソロにするのかと思ったら、なるほど、集めておいて部長で散らすのか…。

うーむ…。問題なく面白かったしテクニカルだったけど、読切時と比べて、先輩たちのキャラ立ちが「かっこいい」「きれい」だけで、内面性にまで踏み込めてないのがちょっと怖いかな。やまき先輩とか、今週の描写だけだとちょっとイヤな人に見えなくもなし。部長も普通にコワイ。

まあそれは良し悪しではなくて、連載ゆえの「違い」なのだけど、そこの強みがないので、一話で問題なく票を取れるか、ちょっと怖くはある。デモンストレーションシーンで華を感じられなければ「薄い」と思われる可能性はあるなぁ。

極めて真面目な話、おっぱい、パンチラ、太ももなどがキーになってくるのではないか? 作中でも否定していないが、競技ダンスにはやはりすけべえな側面があり、漫画においても、そこが「魅力」としてのポイントになってくると思う。

ダンスデモンストレーションシーンで読者が魅力を感じるとしたら、ダンスの「動き」と、やはり「エロ」だろう。主人公が最初に目を奪われたのは女子の先輩の胸元であり、読者が第一話を楽しむための重要な要素にエロがあることも疑い得ない。

せっかく横田先生がフワフワさせてるのを言語化するのもややどうかと思うが、これは青春漫画だろうけど、しかし、青春の中に確実に含まれる性的要素を実は描く漫画なのではないか? 青春って言うとなんか爽やかだけど、実際は異性の身体に悶々としたりするのも青春なんですよ。

性的要素を描くといっても、初期ソーマのようなやり方とも違ってですね。ソーマがある種エロ漫画的な開放的エロだとしたら、こちらは現実的で生々しいエロと言いますか、むっつりスケベ的と言いますか。まあ横田先生はその力量で、おそらく生々しさを出さないと思いますが。

「あんなふうにかっこよくなりたい」は青春漫画の動機としてよくあるものですが、そこに些か堂々と「エロい」「触りたい」を加えてきている感じ。絵柄や雰囲気、キャラ造形でだいぶ薄めているけど、性的要素は確実にあるぞ、これは。

あと、個人的意見としてリオ先輩はめがねの方がかわいいです。

ちなみに、以前競技ダンスの先生から聞いた話では、競技ダンスにおける恋愛成就率は実際非常に高いとのことです。ペアの異性とそのまま交際するケースは非常に多いとのことで、と聞くと、恋人を作りたければ、競技ダンスをやればいいのか! と思うかもしれませんが… 

実際は、本当に非モテな人はそもそもペアを組むことすらできないという…。「ペアを組める」という時点で一定以上のモテ度であり、そういうやつが異性と日々密着していれば、そりゃカップルもできるよな、という話である。

なお、女子高生同士でペアを組む場合もあるらしく、競技ダンスが女子高生レズの普及・拡大に一役買っているなら、とてもいいのにな、と思いました。まる。


ワンピース

「ドンキホーテファミリーはこの国に居合わせた屈強な戦士達の手によって今や壊滅寸前!!」という言葉を見ると、本当にドンキホーテファミリーの杜撰で迂闊な経営が浮き彫りになるなぁ…。屈強な戦士を集めて、わざわざ敵に回して、まるでリスク管理がなってない。

獅子・バズーカが今までのゴム技と比べてどうすごいのかよく分かんないな…。分かんないけど…これで決着が着いて欲しい。まだ鳥カゴも制限時間に余裕があるし、更に長引きそうな気もするけれど、もー、ドフラ戦すでに長すぎるからなぁ。

ワンピースのバトル描写は、しばしば「どうでもいいから早く終わってくれ」を願うばかりとなる。

来週、「まだドフラ動くのかよ!!!!」ってキーッってなってる自分の姿が一瞬脳裏をよぎった。まあ、長引いても面白けりゃいいんですけどね…。面白けりゃ。

いかな鳥カゴがどうのこうの言ってても、傍目に見てて、もう明らかにドフラさん詰んでるんだよな。ドフラさんの立場って、個人の武力に加えて、組織がきちんと機能して初めて成立している感じなので、裸一貫になっちゃった彼はこのあと押しつぶされるだけだろうって気がする。

今のボロボロのドフラさんじゃ、仮にルフィに勝利して、藤虎倒して、バージェス倒して、ゾロ倒して、フランキー倒して、キャベンディッシュ倒して、破れかぶれで襲ってくる国民全員倒せたとして、廃墟と化したドレスローザの中で力尽きて脱出あたわず死にそうな気さえする。

というそんな状況なので、ルフィとの戦闘での勝ち負け自体は「いつ負けるか」というだけの問題に思えるし、そんな戦闘でまだまだ立ち上がったりしても、「もう詰んでるんだから寝とけよ」的な気持ちになるのである。

悪魔の実が覚醒したから、だから何なのだ感もかなりある。ドフラさんの状況悪すぎるよぉぉ…。


暗殺教室

おお、なんか思った以上に説得力を感じる展開。月面破壊は殺せんせーの謎デモンストレーションかと思ってたけど、なるほど、そういうことか。ただのハッタリじゃなかったんだなー。地球破壊の真意も明らかとなり、生徒たちが真面目に命を狙う必然性も生まれましたね。


ナルト

うちは一族、またなんかいらんことするの!!? 

この、何をやっているのかいまいち良く分からん戦闘シーンを見ると、ああナルトだなあ、って安心感を覚えるけど、それはこれがナルトだから何となくノスタルジーで許されるだけであって、岸本先生は新作に取り掛かる前にこの問題を検討した方が良いのでは…。

サスケがなんで逃げてく相手を見逃したのか、ちょっとよく分かんないですね…。あの遁走術が実はものすごい忍法なのかしら。

でも、この話の中にチョウチョウを入れてきたセンスは良いですね。のんびりした人が入ることで大分雰囲気が軽くなってる。


ソーマ

一色先輩と伊武崎くんの会話がよく分からない…。これはオマケ漫画とか外伝とかで補完されてる話なんでしょうか? 

極星寮の面々がスタジエールで一人も脱落してないの、「数字は変化してるけど結局モブが消えただけ」感あって、全然厳しさを感じないな…。でも、かといってネームドをここで一人二人減らせば面白いのかと言われるとそういうわけでもない…。難しいところである。

食戟って、相手がいるとはいえ基本は自分との戦い(料理)なので、こう矢継ぎ早に行われると勝負してる感が全然ないっすね。お題があって準備期間があって初めて、「創意工夫を凝らして」「対人している」感が出るんだなーって。

紅葉狩り会のポスターはとても良かったです…。犬と謎マシュマロの会話のそれっぽさがすごくいい。


P162 グッズプレゼント漫画

面白い。台詞多すぎなのに独特のリズムがある。懸賞で当たったカメラで乳首を隠す(股間は隠さない)という選択肢を採る時点でだいぶあれなのに、1つじゃ足りないから(なぜそんな選択肢を選んだし)もう1つ実費で買うのは本当に「こいつやべえ」だ。


ブラクロ

この漫画の過度な主人公サゲ描写はやっぱ苦手だなー。主人公が暴牛に入ってからは「主人公サゲ」が「暴牛サゲ」になった感じ。でも暴牛は新人たちを置いてった先輩も、弾切れトサカ先輩も、無能そうな団長もアレなので、やや頷いてしまう…。

勝負だ!とか言って分かれてるけど、前回で、確か主人公ペアは普通にトラップにかかって普通に死にかけたんじゃなかったっけ。別れた途端、また命の危険に晒されそうで見ててすごく不安である…。

そもそも「他国に先んじて自国で利益を確保する」という利害は一致してるんだから、勝負だなんて意地を張らずに五人で動いた方が…。これがあれか。ハンターのヨークシン編であった「褒美は逆効果」「功名心が先行して組織同士が連携プレイをしなくなる」というアレか。星め。

一部ではヨアケモノ2と呼ばれているらしき本作ですが、電気ビリビリ先輩が沖田総司ポジションなのかな。これで電気ビリビリ先輩がよく分からないうちに奈落さんに負けて、主人公が奈落さんを倒す展開になったら、かなりヨアケモノとのDNA一致率が高まる。


ハイキュー

面白いんだけど、最後のスパイクが決まった理由がよく分かんないなー。来週で解説あるんですかね。


アカデミア

ヒ、ヒエエェ…。デクくんの腕が…。絶体絶命の状況で敵ヴィランと戦ってのこれならともかく、就職に繋がるとはいえ学校の体育祭で、この一生モノの後遺症は重い…重いよ…。

しかしまー、確かにデクくんのパワーコントロールは急務かもですね。あんなバッキバキになりながら実戦の中でコントロール覚えていくよりは、コントロール可能になるまで実戦で使わないくらいの気持ちでいた方がいい気がする。授業のたびに指がバキバキに折れるとかおかしい。

ヒーロー殺しの件でトーナメント自体はうやむやになっちゃうのかな。飯田くんのお兄さんがやられたことで、彼らにももう他人事じゃないしなー。この手のトーナメントって大体途中でうやむやになるような気がする。

幽白とかハンターとかは主人公が負けた時点で後をぼかしてるんだっけ。アカデミアもそのパターンかな。大人読者的には脇キャラ同士の頂上決戦とかグッと来るけど、子供読者を考えると、長い期間、主人公が活躍しないのはリスキーなんかもなー。

ナルトの中忍試験もトーナメント途中でうやむやになっちゃったな…。ワンピのコリーダコロシアムもか。バトル漫画のトーナメントは最後まで進まない呪いでもあるのだろうか…。


トリコ

ペアの捕獲周りよく分からないな…。前提として、ちんこからもぎ取るのと木からもぎ取るのがあり、前者は踊った後に猿王とキス?(異種族可、性別不問?) 後者はキンタマントヒヒ同士なら異性とのキスだけでOK、異種族は食い合いが必須ってこと? 食い合いはよく分からない。

木にくっついてるのはこれまでのキンタマントヒヒが求愛のために付けたものか。上手く毒を抜く、とかなら分かるけど、その目の前で食い合いをするともぎれるようになるって分からんなー。どうやってそんなの発見したんだ。

ニトロは星を経巡りながら、その星のうまいものを食い歩いてんじゃねーのー、という説がありましたが、なるほど、星そのものを食う星喰らいだったか…。となると、三虎さまのメテオスパイスとかも、ひょっとしてこの絡みで追加説明されたりするんかな。


相撲

潮くんは本当にかわいいな。初日のモノマネを笑顔でやる辺りとか。ムキムキで大人びていてガチすぎて怖い高校一年生のはずなのに、なんかもう純真なかわいさがある。このキャラクター造形で同性から「かわいい」と思われるのはすごいことだと思う。


こち亀

まさか秋本先生が「中川の締める帯の位置が高い」ネタを覚えていたなんて…。確か昔は「バカボンか!」というツッコミが入っていたような。「だから帯が高い」と言ってるけど往年の読者以外は何が「だから」なのか分かんないだろうなー。


カガミガミ

なん…だと…。あれから協会が警戒態勢に入ってるけど何も起こらない…だと…。えっ、先週のあれから全世界的なクライシスに繋がってここから驚天動地の怒涛の展開になるんじゃないのか…。えええっ、先週のワクワク感返して欲しい…。

ら、来週から、カタストロフィなのかな…。かな…?(小競り合いの予感しかしない) 

カタストロフィを序盤でガツンとやったという点だけはハチのこと、評価してます。


UBS

三年の不良を蹴り倒したら女子が群がってくるあたりが、実に「底辺」って感じですごいな。

祭矢陣をサイヤジンと読む辺りもすごいな…。

そしてついにヒロインに対する恋愛感情らしきものの萌芽が。前に寄ってきた女子を祭矢くんが追い払ったのは、「寄って来なかったももっちに、むしろ祭矢くんの方が感情を寄せる」という伏線だったのか。その直後に下半身に抱き着くあたりあざとい、実にあざとい。

修行期間を一月にしたことと、パルクールの見た目の派手さで、実戦でのパワーアップにも説得力を持たせられそうな感じ。しかし、この一月のオーバーワークの間に誰かに挑まれてたらボコボコにされたのではなかろうか。ちゃらおかさんはリベンジの機会を逃したな。


斉木楠雄

うわあああ、ベタな話だけどアリだよ、アリ! 父が「しかし、あのフィギュアもあの時逃してたらー」と父らしからぬことを言ってるな、おやっ?と思っていたけど、なるほど、こう繋げるためだったか。麻生先生、小技効いてるよな。

あと、楠雄くんのマジビビり顔、初めて見た気がする。照橋さんのおっふすら及ばかなった領域に達した父の1/1フィギュア…。


法廷

お、屋上で子供たちが早朝野球…!!? フェンスもあって広さが十分…??? はあっ!? 屋上の鍵を盗み出す方が飼育小屋の鍵をどうこうするより難しいのでは…。

いやいや、危険だろ、遥かに危険だろ…。どう考えてもボールは屋上から飛び出るし、下の人たちは危ないし、現に事故ってるし…。いや、大人しく平地で野球しろよ。グラウンドでいいじゃん。屋上で野球すんなよ。

これ、おれは全然本気で推理する気なかったからいいけど、もしガチる場合は、子どもたちが大して広くもなく危険な屋上で大胆にも野球を始めた可能性を考えなきゃいけなかったのか。えっと、先週、推理を本気で頑張った人は感想をお聞かせ願えたく…。

植木鉢は普通数を揃えて並べる…。そ、そうなのかな?? いや、八つ分のスペースがあっても植木鉢が現に七つしかなければああなるんじゃ…? 

そもそも小学校で、あんな事故を誘発しそうな場所にわざわざ台座まで作って植木鉢置いてはいかん。5メートルプールもだけど、この学校は事故や犯罪を呼び起こすための蟲毒的施設なのか? 

そもそも飼育小屋に内側からかける鍵がある時点で意味が分からないが(ウサギはドアノブを捻れるのか?)、鍵を持たない白鳥さんは鍵を掛けた後、どうやって外に出るつもりだったんだ。後頭部強打した状態で鍵を掛けようとするのも、ギリギリ納得し辛い。

この手の「被害者自身が密室を作りました」でよくあるのは、犯人が追ってきてるから身を守るために内側から施錠、その後に死亡、なんだけど、この白鳥さんの動機まで見越して密室の謎を解け、犯人不在を見抜けというのは無理だろう…。

猿飛くん、先週、ニンニンニン!とか言いながら廊下を猛ダッシュしてたけど、犬小屋からボールを取ってきただけなのか。…こ、子供のお使い。いや、子供なんだけどさ。最後の見せ場がこれって…。

「鬼は俺達の心の中に」アッハイ…。

怖ろしくて悲しい犯人がこれか。いや、やりたいことは分かりますけど…。なんなのか、このなんとも言えぬ白々しさは。

先生の泣き顔がアップで出るだけで、すごい白々しさを感じる。恐ろしいことにおれの深層心理は、まだ第一話での彼女の所業を許していないらしい。

快気祝いで全員無罪ってなんだ、本当に。

 *

はい、終わりましたね。いや、榎先生は頑張っていたと思いますよ。毎回一生懸命よく考えていた。頑張っていた。ただ、面白さには繋がらなかったですね。

ネックになったのは、やっぱバランス感覚かなー。小学校を舞台にありえないトリック、ありえない法廷、だけども根っこは小学生の児戯で、刑罰も所詮は小学校レベル。そのバランスを巧く取れれば良かったんだろうけど、巧く言ってなかった。

動機は児戯じみてるのにトリックは大人顔負けだったり、明らかに作中で描かれている印象よりも悪質なのに刑罰が軽かったり。「読んでいて素直に飲み込めない」ことが非常に多かった。本来はそこがギャグになるはずだったんだけど、加減を間違えてたと思う。

絵が小畑先生なのも裏目に出た可能性があるな。榎先生本来の遊戯王的な絵柄だったら、受ける印象はまた違ったのかもしれない。

ただ、それら諸々とは別の次元でプール以降はダメダメでしたね。状況設定がまず異様だし、トリックにもかなりムリがあるし、まじめに推理してたら「いや、そんなのは現実味がない」で却下しちゃうような前提がいくつもあった。読者に本気で推理させたいならダメダメだよね。

いやでも、どうだろう…。榎先生の絵柄だったら、「少年探偵ダン」みたいな感じで、5mプールとかのムリのある設定もギャグテイストの中で誤魔化せてたのかな。

ともあれ最後の方でこういう無理のある作劇にならざるを得なかったのは、榎先生の頑張りは認めながらも、やはり力量不足、この題材を取り上げるにはムリがあったということで、別のテーマでリスタートするのがいいんじゃないですかねえ。推理モノって難しいよね。


ロギイ

ふぅむ…。まあ終わるべくして終わった感はありますが、考えさせられるところもありますね。少なくとも商業的には失敗だった、でいいんだろうけど。

この漫画、主人公が何をしたいのか全然分からなくて、でも、作者も分からないように描いてるんだよな。「精神性が幼いから自分が何をやってるのかよく分かってない」みたいな台詞もあったし、犬が何かを問おうとして結局やめるのも、そんな感じがする。

海賊王に俺はなるとか、魔法帝に俺はなるとかみたいに、主人公の行動動機をハッキリさせるのは少年漫画のセオリーで、いや意外とそうでない漫画もあるんだけど、ロギイは特にハッキリしてない漫画だった。

主人公の動機やキャラクターがハッキリしてないとダメ、というわけでは一概にないとは思うんだよね。とにかく面白けりゃいいんだけど、実際問題としてハッキリしてなさが面白くなさに繋がっていた。

ただ、こういう「ハッキリしない主人公」を描いた作品として、実験的な意味合いはあったと思う。結局、商業的には失敗だったので、少なくともジャンプで売れたいのであれば、主人公はもちょっとハッキリさせた方がいいという結論になるのだけど。

その辺は置いといても細かいところがいろいろダメな作品だったと思う。善悪も曖昧なんだけど、そこが魅力に繋がっていなかった。考えさせる作品までいかずに、単に読者をもやもやさせてしまっていた気がする。2話の「カネモチの専属医になり高給を貰う話」とか。

最終話でも、刺された人が「おれの財布だけど!?」みたいなことを言ってて、身体をデカイ刃物で刺されたのにその反応はなんなんだ、みたいな。あの女警官が被害者に淡白なのはまだ良いとして、刺された本人はもう少し慌てようよ。

ほとんど面白いと思うところのない漫画ではありましたが、主人公造形や話の作り方がセオリーをかなり無視してた点だけは覚えておきたいなと思います。でも、なんかすぐ忘れそう。


磯兵衛

なんかヨアケモノみたいなことしてる。重い木刀…。


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