【1/20】2015年8号のジャンプ感想(読切『僕らは雑には学ばない』『駄々』掲載&『ジュウドウズ』打ち切り号)


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ジュウドウズ

王屋十折が私服で参戦してるのはイイですね。「柔道頭になるとみんな柔道着姿になってダサい」は結構な弱点だった気がするので…。

王屋十折がここまでのランキング上位者を打ち倒していく流れは、逆に上位者が十折の何人かを返り討ちにするような展開があればアツかったかも。しかしそうなると上位者のキャラをここまでで立てる必要があって、一敗で終了のこの試合システムとは馴染みにくいよなー。

というか、まだ話数的にも主人公以外のキャラを悠長に立てて行ける段階じゃないしなー。主人公と戦うことで一応キャラの立っていたガチやトッポさんは既に蚊帳の外だし…。

振り返ってみても、何が良くなかったのかよく分からない打ち切りですね…。明らかに何かは足りなかったけど、それが何なのか分からない。主人公の対戦相手を見てもガチさんはキャラ立ってたし、トッポさんも立ってた。トッポさんはちょっとショボさが先立ってたけど…。

群像劇をやるにはまだ段階が早いしなあ。立ったキャラを活かせない試合システムが問題だったのだろうか。話の構成的には間違ってないと思うし、キャラもそれなりに立ってたし、何だろう、何が足りないんだろう? パワーなのか? 画力なのか?? 


スポーティングソルト

表紙。もはや今更であるが、久保田先生は「布がたなびくと巨大化する」傾向がある。なんなんだこの白衣は。そして、なぜこんな傾向を得たのか謎すぎる。デフォルメの一環ではあるのだろうけど…。

「あの子、外面だけはいいから」 スポソル世界の謎の一つが不意に明かされた…。そして意外と合理的な理由だった…。生徒会長のクズっぷりを考えるに、この学校の生徒会長は選挙による選出ではないのでは?と考えられてきたが、そうか、外面がいいからか…。

弱小テニス部の練習環境改善を放置しておいて、優秀な部活に海外旅行を与えるなどの政策も「外面がいい」やり方と言える。

生徒会長が一般生徒からは概ね好意を持たれているのだとしたら、生徒会長に尻を叩かれた空手部はご褒美だったのではないだろうか。

「なんとかの部分が分からん!」なんだこの展開は…。

2話から張り巡らせてきた西本さんの伏線もここで急に消化するのか…。いやまあいいけど。

そもそも何があってどういう状況でレスリング部と合気道部が超競技的に試合をしているんだ?? 立選の順位決めシステムに関係したイベントなのか?? 

「松森、ボクとデートしてくれないか!!」 なんという綱渡りめいた展開。「中学生に負けた」→「デートを申し込む」の間の論理的接続のか細さがすごい。

そもそもこれは「息抜きが必要」で解決する問題なのか? ギャグめかして描いてるけど、「故事成語が思い出せずに中学生に負ける」というのは一体どういう精神状態で、それは息抜きで解決する問題なのか?? 

「女王」と書かれた腕章を付けている女の子をなぜ「やさしくおしとやか」と思ってしまったのか。

「分かったでしょ、私がアイツと仲悪い訳」 それやりたいんだったら比較シーンの氷菓ちゃんの方はホールケーキじゃなくて貧相な大福とかにすべきでは。これ普通の家庭だよ普通の。

二人家族でホールケーキ一つ食べようとしてる分、普通の家庭よりもやや奮発しているイメージすら出てしまう。

「こーいう時は恋にはアクシデント作戦」 ドン引き描写をサラッと描くなぁ。久保田先生の倫理観マジでヤベエんじゃなかろうか。主人公がこんなことをして読者の好感を得られるかどうか、なぜ分からないのか。ちょっと本当に怖いぞ。

このDQNの人たち、唐突に空き缶を投げつけられた上にボコボコにされて、えっ、何なの、本当に…。

作品批判をしても作者の人格批判はしない、がおれのモットーですが、今週のこの描写に関しては作中キャラよりも作者に恐怖を覚える。

いや。きっと、久保田先生も疲れてたんだ。久保田先生には息抜きが必要なんだ。でも久保田先生はバカに真面目だから…。

「アニメの主人公みたいにどこまでも突っ走っていくスーパーヒーロー」 アニメの画一的なイメージに文句を言いたくて仕方ないが流石に重箱の隅な気がするから自重する。

「負けたってカッコ悪くたって、ただぶつかってけば…」 これ、結局冒頭の疑問に戻るんだけど、彼に必要なのは本当に息抜きだったんだろうか? 故事成語が思い出せずに敗北したことも、ただぶつかった結果ならそれでいいのだろうか? 

「だいたいアンタにも責任の一端あるのよ分かってんの!?」 エッ、そこで責任転嫁…?? ていうか、心配して声をかけてくれた相手に対してこの言い草はなんだ。

なぜ合気道部とレスリング部が試合?をしたのかも分からないけど、なぜか西本さんのせいになり、なぜか会長に対して恩義を感じている。なんなんだ…。

生徒会長「下僕が欲しかった。子供にナメてかかったらやられた」三宅「敗北が続き意気消沈してたので息抜きにデートをしたところ、暴れる生徒会長を見て初心を取り戻した」西本「謎の試合の結果、三宅の自信喪失を招いたので責任を感じていた?」

「鬼かキミは」「なんなら私が」の、「なんなら」の意味もよく分からないな…。ここで生徒会長が子供を倒すことに何の意味があるんだ?? 

意味は特になくって、自信回復のために三宅をここへ連れてきたが、子供たちを見ていると自分でも踏みにじれそうな気がしたので踏みにじろうとしてみた、ということだろうか。生徒会長のクズキャラ的にはしっくり来る話ではある。

最後の「今回だけだからね」もよく分からない。なぜか西本さんのせいになっていて、なぜか生徒会長が意識的に尻拭いをしたという話になっているが、それなら西本さんのふっかけた?試合が何らかの過ちであったという描写がいるのでは。

序盤の「私も活躍するー」「それなら…」の接続もよく分からない。レスリング部に対して生徒会長がどのような貢献をすれば生徒新聞に載ると、この段階の塩谷は考えているのか。デートの話が出たのはその後の流れだしな。

「故事成語が分からなくて中学生に負けて落ち込む」というのはちょっと面白かったけど、そこが面白いだけで、全体の流れを見ると、解決に至ったポイント(初心を取り戻す)との整合性がグダグダだ。

今週のまとめ。激しく意味不明な点はなかったものの論理的な接続が全体的に脆弱で、ギリギリ理解はできる気がするが、ギリギリでしか理解できない。そして全体の意味不明度が下がったことで主人公のクズ描写が一際目立つ。

今週で明らかになったのは、久保田先生は本当にレギュラーメンバーのクズ描写を意識して描いてないんだな。「DQNに空き缶を投げつける」主人公をクズだと認識していない可能性すらある。


斉木楠雄

「あっ、私は照橋です」「知り尽くしてる」 全然そういう意味じゃないんだけどなんかえろいな! 今回、初めて意識したんだけど、麻生先生の描く女子って結構ガタイが良くて、スケットのコマちゃん的なえろさがある。


銀魂

前回のあれ、将軍やっぱり死んでたのか。ちょっと微妙な表現だったからなあ。そして、脳天気ゴリラキャラのせいで全くそんな未来図を思い浮かべたこともなかったけど、そうか、史実に沿うなら近藤さんもそうなるよな…。将軍死んだし、こりゃ近藤さんもガチでヤベエかもなー。


ヒーローアカデミア

前回の謎大爆発にちゃんとアンサーが。怪我しないよう殺傷力を落としてるのに、わざわざ掘り起こして大爆発させるとかドン引きな所業ではありますが、作中で「どういう教育してんだ」とツッコミが入ったことで大分軽減されてますなー。デクくん、ゴンめいたクレイジーさがある。

女子高生の尻にしがみつき、女子高生に何度も殴打され、好成績まで残した峰田くんの一石二鳥どころか三鳥ぶりは、主人公とは違った意味で人生の強者感ある。


暗殺教室

「寺坂くんが46位だから完勝だ!」は、読者への分かりやすさと、もはや空気の如き寺坂ディスを両立しており、松井先生ヒデェなと思った。


ワンピース

デリンジャーがちゃんと一回斬られて倒れたことにとてもホッとした気持ちを覚えたり。

グラディウスさん、自分は爆発してもノーダメージなん? 数少ないシリアスキャラのハクバさんもギャグ要員に使われてしまい、前回の引きで期待した程の緊張感はなく残念でした。


ハイキュー

うーん、今回はイマイチか。京谷くんの一時離脱のドラマ性の弱さはこの漫画の特徴でもあるから良いとして、そのドラマ性の弱さに対して、然程責られるような事でもなさそうな試合中の不調をチームメイトが責め過ぎな気がして、読者と温度差が生まれているような。

「チームが時に重圧」とは書かれているけど、泥を塗るなと強い言葉で言われる程にまずいことをしてるようには思えんのだがなあ。まあ、アツくなりすぎだし、先輩とコミュニケーション取れなくなってるし、まずいことはまずいんだろうけど。

学糾法廷

開いた瞬間に「よし、読むぞ」と覚悟がいる漫画。この感じはバクマン、クロスマネジ、表紙に関西人が出てきた時のこち亀に覚えるあれだ。

「人の努力の重みを胸に刻むように――」って、幼稚園児裁判官、おまえ、裁判の間寝てたじゃねえか。まあでも、今回は身構えていた程、読みにくい内容ではなく良かったです。


僕らは雑には学ばない

なんだこれ……。

何だろう…世にも奇妙な物語の一種なんだろうか…。ラブコメにしては不気味すぎるし…何だろう。


ソーマ

おお…!? すげえな。今までの理不尽なまでのソーマ下げ描写は伏線だったのか。この手の漫画にありながちな「なぜか主人公チームを下に見るマスコミ描写」の一環かと思ってたけど…。すげえな。ちゃんと意味あったのか…。なるほど、決勝戦のこのタイミングまで描けないわな。

しかし、このテクの技はめだかボックスでも顕著だったんだけど、一週一週ごとの読者の不信感が積み重なっていくんだよな。ステルスも通しで読めば効果的に機能していたけど、読んでる最中は「なんだこれ?」だったしリスキーな手法なんだよね。

そのリスクの積み重ねを鑑みると(実際、僕も「ソーマのこの点は何とかならんかな」ってずっと思ってた)、今週がキレイに見事に決まったとはいえ、そこまでのリスクを犯す必要があるのだろうか…という疑念を覚える。読者がもっと作者を信じるべき、という問題なのかな。

例えばこれが冨樫先生なら、少々不自然な描写があっても「何かの伏線かもしれない」と信頼して読むんだよね。今回ので附田先生も信頼される側の作家になったとは思うんだけど。うーん。


相撲

はー、ここでヒロイン(?)投入か。しかし、ヒロインとの交流により潮くんが如何なる奮起を見せようと、物理的に今後どうしていけばいいのか分からないのは変わらないからな…。今週のサブタイの「これ以上何を…」は読者も思ってることだよ。本当にどうするんだ。

バキならレイナさんとセックスすることにより謎のパワーアップを遂げても良いところだが、相撲にそれは許されない。


トリコ

三虎の依頼ってのは、空白期間に小松を美食會から取り戻した時の契約かなんかだろうか。なんにしても、自分の仕事、しかもクソおっかねえ仕事をブランチにマルナゲするのはどうかと思うぞー。ブランチに危険がないと判断してのことなら、三虎さん死にかけだったりするんだろうか。


アゲハ

別に全く高くない宮地先輩の株を「トーナメント運が良かっただけ」と更に下げる必要がどこにあったのか。ベスト8相応の実力者ということにしておけば今回も噛ませ犬として機能しただろうに…。格を下げられたキャラが何の裏切りもなく普通に負けた3ページは資源のムダでしかない。

スポソルの「女子を闇討ちして怒りを煽らなくても木刀持った狂人が襲ってきたら内柴くんだって本気出さざるを得ないだろ」と同じで、全力出さないとか言ってても試合で負けそうになったら出さざるをえないだろうから中盤の展開も不要では? 

この漫画に戦略や協力といった概念がないのは百も承知だが、スタミナに欠ける塔堂さんを三番手に配さない辺り、本気で勝つ気があまり感じられなくてマイナス点。副部長戦とかスタミナ負けフラグ立てただけじゃねえか。

スポソルや東京ワンダーボーイズもそうだけど、敵味方共にクズばかりなのは何故なのか。宮地さんも生来クズではあるが、そこまでされるいわれはない…。スポソルの迷言「スポーツやってるやつには嫌なやつが多い」はジャンプスポーツ漫画においては真理なのだろうか。


ワールドトリガー

ゴクリ…両手ショットガン…。ショットガンはそれ単体でも極めてボンクラな兵器なのですが、アンデッドのように3連装にしたり今回のように両手で扱ったりして瞬間火力を増したりするとさらにボンクラ度がマシマシになって、とてもロマンに溢れますね…。


エロボット

このクソみたいな話…キライじゃないですよ…!! キライじゃないけど明らかにダメなのは、要素は面白いんだけど、要素しか面白くなくて、技術の伴わないチャンピオンREDみたいになってるからだと思う。でもそのチャンピオンREDめいた姿勢はキライになれないんだ…。


駄々

あ、面白いな。ややクリシェのパロディ要素が小賢しいけど、そこを除いても台詞回しのセンスが良くて、駄々をこねるだけの内容でよくここまで繋げて広げたもんだ。オチも程よく決まっていて、全体的に高レベルの読切だったと思う。


こち亀

「カンタンに宇宙に来れたな!」「つーか命の大切さ考えてないですよね…」 ちょっと面白かったです。そうだよな、人命やリスクを考えなければ簡単になることってあるかもしれないよな…。「(人命を無視すれば)カンタンに宇宙に来れたな」ですね…。


ハイファイ

「間抜けだな…」が本当に間抜けでびっくりした…。この被ダメした姿が、じゃなくて、景観モグラさんは爆発に巻き込まれたら普通にダメージを受けるし、特に回避手段も持ち得ないくせに暴発能力者を引き連れてバクチに出て、挙句本当に暴発して死にかけてるのがすごく間抜けだ。

能登さんの処理も適当なものだけど、まあ次週打ち切りだろうし、仕方ないね。人めがけて都合よく倒れる柱がテニスめいていた。

前回の問答では未だにモグラさん側の意図がはっきり掴めないこともあり、今回の貫寺さんパンチも「目の前で人が死んだからとりあえずパンチ」くらいにしか思えなくて、せっかくの説教パンチなのに何を説教してるのかよく分からない。

説教が空回りしてて響かないのはよくあるけど、何を説教してるのかすらよく分からない説教はちょっと新しいな…。息子がよく分からないことを言って暴れだしたからとりあえず殴ってみた親父みたいな感じだった。


★宣伝:近藤先生おつかれさまでした。

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近藤 信輔
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