【12/11】2015年2号のジャンプ感想(読切『もめるひと』掲載号)


 ツイッター版はこちらから。(推奨)

 諸々の都合上、今回のブログ版ではスポーティングソルト感想は疑問点の列記のみとなります。感想補足の方でまとめる予定。詳細なスポーティングソルト感想はツイッター版をごらん下さい。

 
 
スポーティングソルト

<今週の塩の魔>

・ボクシングで倒れて、女子剣道部員に負けただけの内柴くんが何故噂に……?
・「起きたか内柴」の意味
・保健委員の顧問??
・幼女の「苦手なこと」とはなにか?
・保護者の逆上がり成功の意味とは?
・嵐さんの「うちのものが世話になった」の意味
・後頭部を殴るのは卑怯??
・「女は斬らんが足を潰すくらいはいい」


ニセコイ

 大宇宙の意志が存在するこの漫画において、ランダム要素(クジ引き)とは、ほぼ必然と同義である。偶然的に見える結果が出たとしても、遅刻など他の要因を見ていけば最終的に必然となる。

 E班男子たちは、自分たちの班に女子が誰も来なかったのだから、ニッコニッコしてられる立場ではないと思うんだが。男子同士で気楽だという思いは実際あるのかもしれないが、だとしたら、「楽と一緒に男同士で気楽に楽しく~」と考えていた彼らの期待は裏切られるかもしれない。

 E班男子が楽と一緒に班別行動できなかった場合、彼らが「楽と一緒に回れなくて残念だな」or「俺たちのことはいいから楽しんで来いよ」あたりを発言したら、古味先生のことを大いに見直します。


ソーマ

 よ、幼女の犬に……(ゴクリ 普通に羨ましいのと、幼年時代の勝負の積み重ねが血肉になっている展開の熱さが、幼女時代の可愛さと現在の女子高生の可愛らしさで包み込まれ、つまるところ、カラー佐伯絵の力は尋常ならざるものがあると思うのです。


ヒーローアカデミア

 堀越先生、本当に上手くなったな……。職員会議での分析と敵組織の間接的紹介、次シリーズのメインイベントの重要性を社会状況と絡めてリアリティを伴って説明、メインキャラを無理なく好感度を保ったままキャラ立てし、主人公だけの特別な動機の付与……。いい仕事だ……。

 敵主犯格(?)を「子ども大人」「無邪気な邪悪」に設定したのも巧い。ジョーカーとか、アメコミのヴィランってそんな一面あるもんな。生徒・教師関係を仮設して、主人公側、敵側で同じ構図を作り出してるのも見事だ。アカデミアである意味が映える。

 個性の登場により旧来のオリンピックが意味を失い、代わりに雄英体育祭がビッグイベント化したというのは、「個性を用いたスポーツイベントを高校体育祭に限らなくてもいいんじゃ」とやや引っかかりを覚えるものの、管理体制などまで考えれば概ね納得はできる。

 そんなことよりも、次シリーズ「体育祭編」の意味合いを強化したのが大きい。ここを疎かにすると、「このシリーズで主人公たちがやってるこれって、そんな頑張る程のもんなの?」ってなりかねないんだよな。しかも将来設計に関することなので、妙に世知辛いリアリティがある。

 「飯田ちゃん、独特な燃え方ね、変」このコマもすげえ巧いな。飯田くんの独特の個性をカエルちゃんがツッコンでるんだけど、二人のどちらのキャラも立てつつ、飯田くんは痛い子になってないし、カエルちゃんも嫌な子になっていない。セリフの一つ一つの語彙のセレクトゆえだろう。

 キャラが培って来たものも大きいんだろうな。カエルちゃんからこの指摘を受けても、飯田くんはこのキャラを崩さないだろう、という信頼感がある。しっかり己を持って立ち続ける強さが飯田くんのキャラクター性にはある。こんなことで凹んだりしないって、安心して見てられる。

 「生活の為に目標を掲げる事の何が立派じゃないんだ」堀越先生、本当に上手くなったな……。「お金目的」で意外性を出しておいて、実はこういう理由です、で読者を納得させるのは作劇としては常套手段だけど、そこに至る以前に生真面目キャラが「お金目的」を肯定している。

 「お金目的は不純」と言われると大人読者としては辛いんだよな。飯田くんの一言により読者側のストレスをグッと軽減し、さらに「お金目的だけど実はこんないい子なんですよ」というあざとさも軽減している。「落として上げる」ではなく「落として、普通にして、上げる」というか。

 「お茶子にハワイ連れてってもらえるしなー!」ここでハワイを出す語彙選択センスも高く評価したい。総合的に言えば、娘が会社を手伝ってくれた方が楽になるに決まってるだろうけど、ハワイというドリーム単語を出すことで、娘の気持ちを軽くして背中を押そうとする親心が伝わる。

 体育祭の重要性(社会への架け橋)、ヒロインキャラの個人的動機を描いた後で、主人公の動機をきちんと用意してきた。主人公って意外と動機を持たせにくいんだよな。デクくんの動機は特にふわふわしてて、「オールマイトを継ぐ」も抽象的なんだけど、ここでグッと具体化してきた。

 上手いですねー。実に上手い。一つ一つの要素に流れがあり、密接に繋がり、世界観を広げ、無理なく主人公の動機に着地している。読んでいてストレスを感じさせない展開で、キャラ立てもこなしている。凄まじい情報密度。本当に堀越先生上手くなったな! 男子三日会わざればだよ。


学糾法廷

 表紙の足なっが! でもまあ、これはそんなおかしく思えないので、スポーティングソルトの足が長いのも表現技法っちゃ技法なのかな。

 なんか……。話もちゃんとできてるし、絵的なハッタリもあるのに、なんか評価したくない…。もっと言えば触れたくない…。後期のバクマンのような、生理的嫌悪感に近い何かがある。子どもたちはこれを見て「主人公カッコイイヤッター」と楽しんでいるのだろうか…。

 学糾法廷のこのえもいわれぬ嫌な感じ、なんとか言語化したいな。「こういうの描いたら面白いんでしょう?」感というか。ほんとにサイシューがやりそうな感じなんだよな…。なんて言えばいいんだ、これ。…こしゃく?

 「よくできてるし、作者の努力も伝わるけどあまり面白くない」って、後期のアイシールドもそうだったんだけど、そこにこしゃくさが加わったというか。あまり面白くなくても嫌いにはなれなかったアイシールドとは真逆な感じがある。


トリコ

 ゼブラさんは果敢に真っ先に向かっていったけど、実はそれはダミーで本体は微動だにせず観察してましたってこと??? ゼブラさん、どこにいたんだよ…。なんじゃそりゃ感がすごいけど、でもまあトリコは基本そういう漫画だしな…。

 死ぬ死ぬ詐欺であることは先週から分かっていたことではあるし、説明に大分無理があったことはマイナス点だけど、その分、バンビーナの強さ演出には成功してたと思うので、まあいいんじゃないですかね…。納得はいかないが、そもそも読者を納得させるような漫画ではない。

 バンビーナは目の前で人が瞬きするごとに山に隠れに行くのだろうか…。


ハイキュー

 ビジュアル的にはダサ坊の山口くんがスゲーカッキェー。相変わらず感想は書きにくい漫画だけど今週の緊張感はすごいなあ。


エロボット

 無数の致命的な性癖、ジャンルがある中で、熟女で済んだのはまだしも幸運だったのではないだろうか。田中君が切腹フェチとかでなくて本当に良かった。


ワールドトリガー

 ひどいチートwww 狙撃シーンで爆笑しちゃったよ。相手側の知恵や工夫を嘲笑うこの感じイイねー。

 ところで、こないだサバゲをしたんですが、「あー、おれ、ボーダー入っても一生C級だわー」と強く思いました。まる。


もめるひと

 あたまわるいなこれwww 冒頭部分が分かり辛かったことを除けば、このあたまわるい感じ嫌いじゃないです。なんでメリーさんの胸揉んだのとか、メリーさん電話してないで早く助けに行けよとかいろいろツッコミどころはあるけど、そういうのはいいです。じつにあたまわるい。


相撲

 こんな仕上がった精神性の中学一年生いやだよwww あーでも面白いです。強いやつと強いやつがぶつかるぞー、ってだけで面白いです。この漫画の面白さって要はずっとこれだよな。


磯兵衛

 もっかい寝たら続き見れるかな!で見れた試しがないよぉ…。


アゲハ

 スポーティングソルトよりも説明が分かりやすいというべきか、スポーティングソルトの予習効果が活きたというべきか。


斉木楠雄

 照橋さんはかわいいなあ。内面がとてもかわいいぜ。海藤くんの選んだ服でさえ似合ってて可愛いのには素直にびっくりしました。試着室で遊んでる問題を地味に解決してくれる辺り、麻生先生は気配りのできる作家。


ブリーチ

 流石はそのセンスだけでここまで連載を続けてきた作家だ。特に序盤の絵的なセンスが素晴らしい。論理能力バトルも何がなんだか分からんがスケールがでかいぜ。セリフが墨塗りされたところはアツかった。瞬間、瞬間を楽しむ漫画としてはやはりブリーチはひとかどの作品だ。

 ただ、塗り潰したものから名を奪うのと、名を奪われたものに力がないのと、黒を支配下に置く?能力の黒の意味がよく分からんのと、色々あやふやな点は残るなあ。しかしまあ、特に序盤の優れたセンスと相殺してもプラス評価できる一話だと思う。

 おれがこんなにブリーチを楽しめてるのも明らかにスポーティングソルトのおかげだ。かつてのおれはブリーチのこういうよくわからないところが大嫌いだった。だが、スポーティングソルトに出会っておれは変わった。論理的にあやふやなところがあろうとも、上回る美点があればそれで良いのだ、と。(※人から「かがみさんはスポーティングソルトをセラピー化している」と言われた。


ジュウドウズ

 ライガーを叩きつけなかったところ良かったです! 動物愛護的な面というよりも、本当に子猫なんなんだろうな、という感じがして、強者の格が出てた。要人のペットでなくともそうしただろうと思わせるものがある。

 殺人ライガーが実際に人を殺しながら暴れてるのに、大きく距離を取ろうとせず、「ヒゲを! 正気か!」とか実況ツッコミしてる金持ちたちにも「正気か?」と言いたい。


ハイファイ

 もはや作者すら完璧に忘れていると思われた「バイザーにラベルを貼ればぺーたくんでも使えるようになる」設定が生きていたとは…。しかし、ぺーたくんは運転ラベル貼ってるからいいとして、幼女に走行中の車からバイクに飛び移れって、そりゃ泣くだろ。おれでも泣くわ。

 タクシーがボンってなったのはなんなんだろう。いや、起爆なのは分かるけど、才能であるからには無から爆破はできまい(たぶん)。泣き声が電気系統に謎の干渉を引き起こしてエンジンが爆発したのか?? それならぺーたくんのバイクにやれば良かったのにな。


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