【12/3】2015年1号のジャンプ感想(『学糾法廷』新連載号)


 ツイッターまとめはこちらから。諸々の意見を鑑み、今週は試験的に従来版もアップします(後日、余裕が生まれ次第)。どちらでも構わない人はツイッターまとめの方を読んどいて下さい。

 →テキスト版をアップしました。スポーティングソルトだけ全文書き直してます。

学糾法廷

 ロリ松さん勝ち組すぎるだろう、オイ……。目隠しして全裸の女子小学生の頭を洗うのが仕事だとか、この男、前世でどれほどの功徳を積んだというのか。やつあたりで殴打されるご褒美っぷりといい、おそらくこの先この漫画で彼より幸せな者は出てこないであろう。


ワンピース

 今週のドフラさんの「おれは許す」カッコイイなー。久しぶりに大物感を感じた。悲劇とか失態とか言ってるけど、酷い失態を演じて格下に追い詰められ、ドレスローザという大出血を強いられたのはドフラさんだからなー。その認めたくもない失態を、現実だからと認めて「許す」。

 苦渋を嘗めさせた相手はもちろんブチ殺すんだけど、それは敵だから、障害だから始末するというだけで、悪である自分に対して手練手管をもって迫り苦しめてきた、ローの行動や動機自体は、積極的にとは言わないまでも、「それは事実だから」と認めている。

「なんでそんなことするんだよぉ!」的な女々しさがないんだよな。相手を殺すのは相手を尊重してるから、と言いますか。受け止めた上での自分の反応としての殺しであって。ドフラさん、もう親父のことも恨んでないのかなあ。

 一時期のナルトがたいへん苦手だったのは、ナルトが「だってばよぉ」とか言ってると、強固な信念を持ってるはずの敵がいつの間にか揺らいでナルト教に組み込まれていったからで、ただ敵を殺すだけではない、敵の中身をぐちゃぐちゃにレイプしてる感じがあったからです。

 ベラミーさんも良かったです。ルフィのベラミーさんに対する甘さは「それでも海賊かよ、ケッ」みたいな感じでしたが、ベラミー側からその甘ったるさを消しに来てくれた感じ。これにルフィも応えるならベラミーさんにはキッチリ死んで欲しいけど、多分死なないんだろうな…。


エロボット

 冒頭のボタン飛ばして「制服のサイズが〜」とかパフュームが実は飛散していたとかすごく分かり辛い(前者はロボットであることを隠していたための言い訳だと後で判明)。しかしそれでも、柔道部登場からのエロ部活わんこそば状態の勢いは良かったです。


ハイキュー

 田中さんの嬉しそうな腹パン! ふだん楽しんでいながらも感想の書きにくいハイキューですが、大好きな田中先輩が輝いた時だけは触れざるを得ない。


暗殺教室

「いやー、これだけ善戦しててもそれでもむりだろー」「飲食とイベントは相乗効果だしなー」「A組も実際すごく頑張ってるしなー」といった先週までに感じていたもろもろの気持ちを上手くまとめたてくれた結果に終わったと思います。

 ここで勝ってたら、「まあ騙されてあげてもいいんだけど…」みたいな読後感になるんだよね。勝てそうな要素はたくさん挙げてたし、勝ったってことでいいよ、みたいな。でもやっぱりA組勝利の方が自然な展開だし、余力を残した棄権負けというアンサーでよかったと思います。

 実際、A組が頑張ってたのは読者もみんな認めるところだし、浅野くんの態度にも清々しい物があって、読者の感情がきちんと作中に反映されて無碍にされてないのも良かった。ヒールである浅野パパが認めなかったとしても、作品の文脈ではA組の頑張りはきちんと認められている。


相撲

 素晴らしい説得力。負けて当然のキャラが一矢報いつつもやはり負けるという言葉にすればなんてことない展開なのに、引き込まれる。「人間である以上」「常に100点満点の相撲が取れるわけじゃない」の台詞でグッとリアリティを出して引き締め、緊張感と説得力を生み出している。

「人間だから常に100点ではない」でユーマさんの一撃が成功した理由に説得力を与えながらも、それでも僅かな失着に有効打を叩き込めたユーマさんの株が下がるわけじゃない。格上相手には失着に付け入るしかないわけで、実際それができるならそれは紛れもない実力だろう。

 で、常に100点ではないことに説得力があるから、劣勢から持ち直す確かな力を持つ草介くんの株も下がらない。たまたま彼が油断したのではなく、人類誰もが避けられぬリスクを彼もまた負いながら、それをリカバリする実力を示したわけで。

 とにかく今週は「人間だから常に100点ではない」この一言だよなー。この一言がなければ、「草介はたまたまヘタ打って」「ユーマはたまたまそこに一撃入れた」これだけの話になってしまう。一言の説得力で全体がここまで引き締まるのだ…。


アゲハ

 宮地先輩…。なんかこの、「一度戦ったんだからもう分かり合えたことにして入部でいいでしょ」感のテキトーさ嫌だなあ。最初に「嫌な先輩」として出てきたキャラが仲間になるのはお約束だけど、他のどの漫画よりも「お約束感」に頼ってる。こういう姿勢、好きになれないなー。

 一方で、「今週はおっぱいまくらをたくさん描かなきゃいけないから、宮地先輩の変節を丁寧に追う暇などないんです」「そんな紙幅があれば1ページ1コマでも下着の女子高生を描くんです」という差し迫った事情も感じられて、仕方ないにゃあ、とも思ったりする。


トリコ

 今週に限って言えば面白いんだけど、「うわぁ、死んだ!」→「なんか生き返った……」が過去にあれだけあったために、今回もなー、面白いんだけど、次週以降を考えて、「あー」ってなる。八王に会う度にこれを繰り返して「今週の四天王の即死芸」みたいになりそう。


トリガー

 相撲よろしく、こちらも無理の無い説得力ある展開。もっと大演説をぶつのかと思ったら、真摯に正直に向き合うだけなんだな。でもそれが説得力あった。ややマスコミ側の態度が鬼畜よりすぎる気はしたけれど、今回も丁寧な作りで、次週からの展開にもスムーズに繋げてて巧い。


ニセコイ

 あ、これ、「これはこれでうまい!」と思った翌日くらいに、「やっぱり普通の親子丼食べたい」って思うアレだ。

 各暴力組織の側近から、「結婚しないとタダではおかんぞ」と脅されている現状は、いかなコメディといえど笑えないものがあるなあ。この後、血で血を洗うやくざ同士の抗争になった時に、読者の心理的ダメージを増すためのハーレム描写にすら思えてくる。

 千棘やユイの亡骸を抱いて、この頃のことを思い出しながら号泣している楽の絵が脳裏に浮かぶ。


こち亀

 戦場で水着女性を見るとネネカ隊を思い出してしまい妙な気持ちになる…。スターライトスコープを付けているとはいえ、視認性の落ちる夜間にゴーグルもつけてない素肌の女性を歩かせるとか鬼畜度が高い。BB弾も素肌で受ければ痛いだろうし、ここムカデとかヘビとかいるんだろ。


ジュウドウズ

 いや、それはまあ、手を使った方が足払いは強いんだろうけど、足だけで足払いするから異様さがあって強者のハッタリになってたわけで、普通に足払いしたら普通だよね…。まあ、こっちの方が当然ながら柔道してる感出るんだけど。

 トッポさんあんまり強そうに思えないのは、いかに足払いが鋭くても、ノックアウトを要求されるこの祭りでは有効に思えないことだよなー。受け身でノーダメージの人とかと戦ったら負けるんじゃね。 今回は受け身封じもやってたけど、手を使うとハッタリがなくなっちゃう。


ハイファイ

 絵草さんがニヤってしてるコマなんかムカつくなwwww

 すげえ作劇上の都合を感じさせるカーチェイスだ。今回、運び屋の人、わざわざ警察を挑発して自分を見つけさせてから逃走してるんだけど、追われることになんか意味あんのかな。なーんもない気がするなー。「ラベルの力を試したかった」とかでいいからなんかあって欲しいな。


スポーティングソルト

※ツイッターは実況形式であるため、これだけ書き直し。

 様々な問題点があるが、全てを扱うことは難しいので今回は三点だけに絞ろう。


1、コマリン可哀想過ぎる問題

 本当にひどい話である。平日は狂人の世話を押し付けられ、狂人が問題を起こすと管理責任を問われて鉄拳制裁を受ける。あまりの理不尽さに部外者に泣き付いても、「たいやき200個」の経済的負担を押し付けられ、さらなる理不尽に苦しむ。

 そんな彼女が、「この後でたいやき200個を請求されるのだ」と覚悟しながらも、それでも今、目の前の安息に縋り、一息入れたのが冒頭の描写なのであった。そんな僅かな安息の一時まで管理責任を問われ、生徒会長の前で平謝りに謝る彼女の姿はあまりに痛ましい。なぜこんな目に遭わねばならぬのか……。

 この描写自体に謎はなかったものの、先週、先々週からのクズ描写の結実であるこれは重く受け止めるべきであろう。本当に嫌な学校である。なお、「くたばれ問題」と合わせて、「立花高校においては非スポーツマンには人権がないのではないか?」といった仮説も提出されている。


2、チーターと魚と島育ち問題

 一、要素の整理と大設問の提出

 読者を狂気へと導く塩節が炸裂した恐るべき2ページ。何を言っているのか全く分からない。一応、整理すると各要素は以下のようになる。

ⅰ)チーターが速い理由は背骨の柔軟さ
ⅱ)背骨の柔軟さはもともと魚のものだが、進化の過程で(チーターには残ったが)人間には失われた
ⅲ)数万人に一人「柔軟な背骨」を持つ人間がいて、太陽もその一人
ⅳ)ミレヤ・ルイスというバレー選手の高い跳躍力は、島育ちでによるものであり、ヤシの実を取ろうとジャンプし続けたから
ⅴ)太陽が島育ちであるのも天から与えられた才能

 ここの狂気の原因は「先天的要因である背骨の柔軟さと後天的要因である島育ちの関係性」が明示されていないことにある。ⅰからⅲまでは明らかに「先天的要因(努力によらず得られる肉体的性質)」について語られているが、一方でⅳからⅴは「後天的要因(努力により得られる肉体的性質)」の話となっている。結局、「太陽くんの凄さ」(この凄さが何なのかもよく分からない、後述)は、何によるものなのかが分からない。


 ニ、二つの小設問に関する考察

 よって、最も重要な設問は「先天的要因である背骨の柔軟さと後天的要因である島育ちの関係性」と言えるが、考えねばならぬことがこれだけに留まらないのが塩の魔である。この大設問に付随する小設問とでも言うべきものが存在する。

α)太陽は何が凄いのか
β)島育ちであることは太陽に何を与えたのか

 この二点である。

 αに関しては、作中で明言されていないので、これまでの描写から読み取るしかない。「敏捷性」「高所落下耐久」「ジャンプ力」「持久力(?)」などであろうか。「持久力」に「?」が付いているのは、相手校選手の謎ポエムが自身の身体的疲労を意味している可能性があるからだが(自分は疲労している=相手は動けている=相手の持久力がすごい)、いかんせん謎ポエムなので、本当は何を意図しているのか分からない。このように大設問に取り組む前に小設問が立ちはだかり、その小設問を解こうとしても別の大設問(問題3)が割り込んでくる。これが塩の魔である。

 話を戻そう。「敏捷性」「高所落下耐久」「ジャンプ力」「持久力」を「太陽の凄さ」であると仮定しよう。ⅰの「背骨の柔軟さ」からは「敏捷性」が導かれるだろう。だが、導かれるのはこれだけである。塩谷が説明しているのは、バスケ試合において太陽が見せた「敏捷性」だけだ。

「高所落下耐久」に関してはどうやっても説明が付かないので無視する。「持久力」は、そもそも「持久力」が本当に太陽くんの凄さであるのかどうか疑問符が付く(ポエム解釈次第→問題3参照)。「持久力」に関しては小設問βを考察する際に改めて見ることにしたい。

 問題は「ジャンプ力」だ。一般的な展開であれば、ⅳとⅴが太陽くんの高いジャンプ力の説明になるはずだが、ここでも塩の魔が立ちはだかる。今回それは当てはまらない。「島育ちであるミレヤ・ルイスがヤシの実を取るためにジャンプを繰り返し、高いジャンプ力を得た」ことから、「島育ちである太陽が高いジャンプ力を得た」という結論を引き出すには、「島民は全員木の実を求めて日々ジャンプを繰り返している」という前提が必要となる。その前提が常識から大きくかけ離れるのはもちろん、太陽くんが島でジャンプをしていた描写も一切ない。

 しかも、だ。ミレヤ・ルイスはキューバ内陸地の出身である。キューバは島と言えば島だが、かなり大きな島であり、キューバ育ちを「島育ち」というなら四国出身者も「島育ち」といわねばなるまい。「四国民は全員みかんを求めて日々ジャンプを繰り返している」。この暴論が通らねば、「島育ちであるため太陽は高いジャンプ力を得た」、この理屈は成り立たないのだ。

 そこで小設問βへと移る。太陽くんが「島育ち」で得たものは何なのか? いや、それ以前に太陽くんは島で何をしていたのか? 恐ろしく情報は少ないが、描写内容からして「水泳能力」であると判断するしかない。真摯に漫画を読めばそれ以外の答えはありえないのだ。しかし、「水泳能力」が「ジャンプ力」をもたらしたというのは理解に苦しむ。柔軟な背骨と水泳に何の関係があるのか? 分からない。塩の魔である。水泳が「持久力」をもたらした可能性なら十分考えられるのだが。


 三、作者の意図の推測

 果たして、「先天的要因である背骨の柔軟さと後天的要因である島育ちの関係性」はどう考えれば良いのか。既に様々な仮説が解析班から提出されているが、ここでは作者の意図するところを大胆に想像しながら、「作者が描きたかったもの」を再構成してみたい。

 まずミレヤ・ルイスだが、ウィキペディアにはこうある。

「0歳でバレーボールを始める。少女時代は家が貧しく、おやつは野生のマンゴーであった。兄や姉が採った後の残ったマンゴーを採るために必死になって高い枝に跳んでいるうちに天性のバネに磨きがかかり、11歳のときにはバスケットボールのリング(3m5cm)に手が届くまでになった」

 作者はこの記述を参照したと仮定したい(ヤシの実ではなくマンゴーとあるため、作者がこれを本当に見ていたかは大いに疑わしいが……)。これによれば、ミレヤ・ルイスは天性のバネ(先天的要因)を持っていた上に、マンゴージャンプによりジャンプ力を磨いた(後天的要因)とされている。「先天的要因(柔軟な背骨)」+「後天的要因(マンゴージャンプ)」の合わせ技が高い跳躍力をもたらしたのだ。これと同じ構図を太陽くんにあてはめる。

 すると太陽くんは、「先天的要因(柔軟な背骨)」+「後天的要因(水泳能力)」により、高いジャンプ力を得たことになる。われわれには到底理解できないが、作者の脳内では「ジャンプ力とはジャンプ練習や水泳(に伴う筋力の発達)により培うもの」なのだろう。どうにも首を捻るが、それでも「四国民は全員みかんを求めて日々ジャンプを繰り返している」に比べれば幾らもマシである。

 そして、作者の中では、太陽くんはネコ科動物のイメージであり、同時に水泳を得意とする魚のイメージでもある。太陽くんがチーターであり魚であるのは、両者に共通する「柔軟な背骨」によるものである。そして、島育ちのミレヤ・ルイスがマンゴージャンプにより「柔軟な背骨」に磨きをかけてジャンプ力を培ったように、島育ちの太陽くんは水泳により「柔軟な背骨」に磨きをかけてジャンプ力を培ったのだ。作者の思考では、魚は水泳をしているから、水泳は「柔軟な背骨」に磨きをかける運動なのであろう。


 四、結論

 これにより「先天的要因である背骨の柔軟さと後天的要因である島育ちの関係性」という大設問が解かれる。太陽くんは柔軟な背骨を持ち、また水泳により柔軟な背骨に磨きをかけた結果、敏捷性やジャンプ力を得たのだ。また、背骨とは全く関係なく水泳により持久力を得た可能性もある(ポエム解釈次第)。この理解であれば、意味不明なポイントは「水泳がジャンプ力を磨く」の一点だけとなり、かなり狂気の度合いを抑えることができるだろう。


3、謎ポエム問題

「くそっ、またしゃがみやがった
激しい動き…
まるで無酸素
まるで海の中
下から太陽の光
魚が登ってくるような

魚…
いや…

まさに海の力を宿した――
強靭な骨の力」

 一見しただけでは何を言っているのか全く分からない。この前に「何なんだこいつの動き」という言葉があるので、一応、太陽くんの挙動に関する感想ではあるのだろうが……。真面目に解釈の努力を行うと、こうなるだろうか。

「1、くそっ、またしゃがみやがった(2の「激しい動き」を説明する)

2、激しい動き…(「しゃがむ」のは「激しい動き」である。そう言われても全く納得いかないが、そうなのである)

3、まるで無酸素(無酸素運動を指すか?(仮説3-A) 100mダッシュのようなペースで常に試合をしているのだろうか? だとすれば太陽くんは「持久力が凄い」ということになる。一方、発言主が「まるで無酸素(のように苦しい)」と感じているのだとすれば、太陽くんの運動能力に付き合った結果のガス欠となる(仮説3-B)。ここだけ見れば3-Aの方が自然だが、4行目を考慮すると3-Bの解釈が優勢となる)

4、まるで海の中(仮説3-Bを採用する根拠となる。発言主が「海の中にいるように身体を重く感じている」という意味か?(仮説4-A) 仮説3-Aを取った場合は、「太陽が無酸素運動をしている」=「太陽が海の中にいる」という意味で解釈するしかないが(仮説4-B)、それを言うなら無酸素運動である100m走者に対しても「まるで海の中にいるよう」という感想を抱くことになり、明らかにおかしい。そもそも無酸素運動の結果現れるのは激しい動きであり、それを見て、動きが制限される水中を連想するのは奇妙である。ただし、発言主の疲労がピークに達しており、混乱のあまり自分の先の発言「無酸素」に引きずられて、「海の中」という感覚を覚えた可能性は僅かにある(仮説4-C)。それとは別に太陽くんの大ジャンプに関する感想かもしれない(仮説4-D))

5、下から太陽の光(不可解の極み。当然だが、海の中から太陽は登らない。作者が地動説を理解しておらず、素朴な自然理解をしている(太陽は海から登り、海へと落ちる)可能性はあるが(仮説5-A)、流石にその可能性は低いか? よりファンタジックな考え方になるが、太陽くんがその名の通りに太陽のオーラを身に秘めていたと考えるべきだろうか(仮説5-B)。一番現実的なのは発言主の疲労が極まっており、死の間際に見るという「光」を幻視した可能性だ(仮説5-C)。これならば仮説3-B、仮説4-Aとも繋がり一貫性がある)

6、魚が登ってくるような(太陽くんの島での生活を知るはずもない彼が「魚」を連想するのは異常である。その身体性から何かを閃いたとしても「チーターのような」であろう。「海の中」という感覚を前に覚えたことから引きずられて魚を連想したのだろうか。やはり彼の疲労は極みに達しているのではないか?)

7、魚…
8、いや…

9、まさに海の力を宿した――
10、強靭な骨の力(9と10は発言主の言葉ではなかろう。彼の発言は「いや…」で終わっていると思われる。9と10は様々な修飾節を取り除けば、内容としては「まさに骨の力」である。「魚…いや…まさに骨の力」では意味が通らない。発言主としてはおそらく「魚…いや…リヴァイアサン」と言いたかったのであろう。彼は確実に混乱している。このリヴァイアサンが魚と同様に強靭な骨の力(「柔軟な背骨」のはずだったが強靭になった)を持っていると作者は言いたいのだろう)

 結論としては、最もスムーズに話が通るのは「発言主が混乱していた」である。しかし、おそらく作者の意図ではないだろう。あえて作者の意図を推し量るとしたら、やはりポイントは「太陽の大ジャンプ」≒「水中での浮力補助による大ジャンプ(浮上というべきか?)」ではないだろうか? 太陽くんの運動量は凄まじく、まるで無酸素運動をしているかのようであり、また彼の大ジャンプは「海の中での浮力補助を受けた状態での大ジャンプに近く」、海の中で下から上へと移動するものとして発言主は「魚」をイメージする。だが、そのジャンプ力が余りにすさまじいため、「魚」どころか「リヴァイアサン」にすら思えた。その力を作者は地の文で「まさに骨の力によるもの」だ、と説明し、締めている。


 ***

 大掛かりな仕事となってしまった。これ以外にも今週のスポーティングソルトには

・「バスケ部エースのクズ問題」
・「バスケは知らないのにオフサイド知ってる問題」
・「会長の暴力未遂問題」(「いいとこもってかれた問題」にも接続する)
・「トラベリング問題」
・「くたばれ問題」
・「ブループレイヤー問題」
・「いいとこもってかれた問題」
・「怪我人が『オレもやるぜ』問題」
・「塩谷のヒントは何か問題」
・「素人の点は返す問題」

 と、作劇面に限っても、まだこれだけの問題が存在する(作画面においての諸問題も存在する)。本来はこの全てに対し議論と考察が必要となるのだが、筆者一人の力においてはその全てに取り組むことは不可能である。


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