【9/30】2014年44号のジャンプ感想(読切『テラフォーマーズ』『ジェントルくん』掲載号)


【宣伝】DMMのニュースサイトで連載を始めました。ジャンプの分析記事とかも書いてますんで良ければー。ジャンプ持ち込み用に「かっこいい主人公類型」を分析していた時の副産物です。

少年ジャンプを100倍楽しむ方法!「ドライ系主人公」を考察


ワールドトリガー

 オサムくんは明らかに敵を惹きつけるためにアステロイドしてるよなあ。……その間に米屋先輩が、ということかと思ったけど、でっかいキューブ抱えてるしそういうことでもないのかな。あのキューブ、敵の能力で生まれたやつを代わりに持ってたりするんだろうか。いやでもそんなことしてたら、どのキューブがなんなのか、分かんなくなっちゃいそうだ。


ナルト

 サスケの真意が分からないので、今はまだ何も思うことはないかな……。「サクラはいつも変わらず元気にサクラだな」とかそのくらい。サスケの真意を焦らしたい気持ちは分かるけど、「サスケはなぜこんな行動を!」「サスケの真意は一体なんなんだ!」みたいな気持ちにはならないや。せいぜいが「毎度のことながらよく分からないことを考えているようですが、とりあえずサスケ君の話を聞いてみましょうかねえ」くらい。サスケがなに考えてんのか、ずーっとよく分かんないからな……。途中で説明があったような気もするけど全く覚えてない。岸本先生ごめんなさい。


ハイキュー

 この試合はおそらく青城の勝ちで終わるんだろうけど、得点係のモブが「やっぱ青城かー」とつぶやいた瞬間に、「ハッもしかしたら……」と思えるくらいに、良い意味で古館先生に信頼がある。なんかの弾みで伊達工業を勝たせる展開もありうるんじゃあないか、これ……。でも、伊達工業と白鳥沢が戦っても盛り上がらないだろうしなあ。これで伊達工業が白鳥沢まで食ったらジャイアントキリングにも程があるし。

 ハイキューは主人公チームの戦いもちゃんと面白い漫画だけど、やっぱり脇役同士の戦いは先が読めずにもっと面白かったりしちゃう。


スポーティングソルト

 ウーン……。

 なんかまあ、やりたいことは分かるんだけれど。ちょっとしたウンチク+オーバーな表現=少年漫画ってことだよね。あとドタバタして学園。主人公は無理を押し通してでも(医学免許特例!)読者層に共感をもたれやすい高校生に設定。狙いは分かるんだけど、まあ面白くないなぁ……。

 これ、主人公がスポーツ医学的な活躍をするじゃないですか。で、それが結果に反映される。1話の時は「そんな分かりやすい結果が出るかよ」ってなったし、今回は「その結果は出るのかもしれないけど、みんなで大騒ぎするほどのことか?」ってなっちゃった。「少年漫画らしいオーバーな表現」が二通りの意味で裏目に出ていると言いますか。一話目は「オーバーな表現」がリアリティの欠如に繋がったし、今回はリアリティはあったけど(もともと強かった人が姿勢矯正で足の痛みが取れて普通に試合に勝てるようになった)「それはまあそうなんじゃない?」くらいで特に驚くところもなく、周りの人たちが驚いてるのを見て、フーンってなっちゃう。

 いやー、やりたいことは分かるけど難しい題材ですね! スポーツ医学の効果が劇的でもダメだし、効果がおとなしくてもいけない。少年漫画の題材として厳しいものがあると思います。でも、それは僕は大人だからリアリティを気にしちゃうだけであって、ちびっことかは「スポーツ医学スッゲー!」って普通になってるのかもしれない。ならないかもしれない。

 あと、「大会20連敗で廃部」というのが意味分からなかったです。何をもって敗北とするのか。全国優勝できなければ敗北なの? それとも一回戦負けが20回で敗北なの? それは誰の一回戦負けをカウントするの? 個人戦に出てる部員のうち一人でも一回戦を勝ち抜けば勝利扱いなの? それだと「昔勝てていた」西松くんがそれから20連敗したことになり、どんな頻度で大会やってんだよって話になっちゃう。このへんを詰めずに「大会20連敗で廃部」という表記をする辺りに手抜き感を感じちゃう。まあ、そこの説明とか始めちゃうと大筋の流れを阻害するだけだし、なんとなく伝わればいいやでこういう表現したくなるのも分かるんですけどね……。


暗殺教室

 あ、これは死神ワナビー確定ですな……。しかし、「見えない鎌」はメンテナンスと装弾が大変そうですね。あと、銃弾が検出されないとか銃声がしないとかはいいんですけど、あんなこれみよがしなポージングの後で、正面に立ってた人が突然血を噴き出して倒れたら、とりあえず疑われそうな気がしないでもありません。


相撲

 半裸の男たちの中に、ホットパンツ姿のレイナさんがいるだけで、なんだかとてつもなくエロい。

「じゃあの、大河内! お互い頑張ろう!」

 ややウザ系かませ犬キャラの大河内くんが長広舌を始めて、普通なら愛想笑いで流すなり無視するなりするところを、チームメイトから呼ばれたので離脱&前向きで明るい一言をかける。この1コマ、この一言だけで主人公の株が爆上げですよ。あるべきところで当然あるべき言葉が出てくるだけでこの好感度! すごく気持ちがいいぜ。


 ***

 そういえば、この漫画の冒頭に付いてる1ページ相撲解説ページは担当さんの仕事だそうで。それはスゲエなあ。編集者なんかやめてライターに…………と一瞬思ったけど集英社でリーマンやってる方が明らかに実入りが良いのであった。そして、僕は今週から電子(ジャンプ+)定期購読に移行したので、あの秀逸な解説ページがもう読めなくなってしまったのであった。企業広告系の記事(JUMP英雄G+とか)はともかく、ああいうのは電子にも載せて欲しいのう……。


ハイファイクラスタ

「どうでした、学校は?」
「いつも通り寝て過ごしました」

 相撲の一方で、この1コマ、この一言だけで主人公の株をドカンと下げていくのがハイファイクラスタ。そもそも地を這っていた主人公株が、さらなる重圧を受けて二度と立ち上がれないまでに地面に押しつけられている感じ。

 ていうか、ほとんど行きがかり上とはいえ、放課後ライフの方でこれだけ大きな変化があったのだから、少しは学校の方にも影響が出ればいいのにね。「勉強も頑張ってみようとしたんですけど、やっぱり難しくて、……ハハハ」「ゆっくりでいいのよ」とか、こういうやり取りだけでも大分印象違うと思うんだけどな。この漫画の主人公の何がダメってとにかく気概がないことで、前進しようという気持ちが感じられない。利根川さんにファックユーと言われる類のダメ人間。まー、これも、もっと話が進んでから、主人公が公私共に奮起するための伏線なのかもしれませんが……。

 あとまあ、色々突っ込んでいくと、交通機動隊ですら追いつけない時速250キロで走っている犯人たちと同スピードで疾走する被害者のセダンとか、セダンを止めて襲ってたんだから、そりゃ後ろから追いつかれても当然だろうとか。そして、いまさら言ってもしょうがない気がするけど、ニュートンは重力を発見し、理論化はしただろうけど、その発見と理論化が才能だとしても、重力の演算をする才能ではないだろうと。まーでもソクラテスもなんかそういう扱いになったし、この漫画ではそうなんでしょうな。ニーチェのハイファイは神を殺したりするんじゃないの。

 そして絵草さんは今のところ好きになれる要素が1ミリもないのだけど、これから好感度が上昇することはあるのだろうか。主人公がクズなのがネックだよなあ。主人公がピンチに陥ってそれを助けたりするのが定番だけれど、主人公が窮地に陥ったりしても何とも思わないからな。スーさんでさえ結構心配しちゃうのにね。まあでも、まだ3話だ。スーさんが愛おしく思えてきたのもずっと後になってからの話だし、まだもう少しだけ時間はある。スーさん、ぺーたくんと違って前向きだし、自助努力するし、志高いし、何より、それなりに強いんだよな。


ソーマ 

 先週に引き続き、これもう完全に堂島漫画じゃないっすか。女性審査員たちは添え物に過ぎず、堂島さんがどんなリアクションをするのかってトコしか目が行かないよ! そして、リアクションは別としても、お前一人だけ座ってるそのゴテゴテした椅子は一体なんなんだ。

 最後のコマは普通にかっこよかったです。


ニセコイ

 なんという大宇宙力……。冒頭から猛威を振るう大宇宙の意志。もうここまで来ると普通に面白いんじゃないか……? いや、ハッキリ言おう。今週は普通に面白かった。


斉木楠雄

 今週はちょっとイマイチ……。捻りのない一話だったかな。まー、長くやってると波はあるよね。


ジュウドウズ

 受け身ってちゃんと取っても痛くね……? 高校の授業で柔道やってた時の感覚からすると、受け身って頭とか打ったりしないようにするためのもので、普通に痛ェーなと思ってました。受け身がまだ下手だったせいかもしれんけど。

 あと「解体者(バラモン)」の工藤権左さんって、たぶん昼間は普通に解体工事業者やってるんだよね……。ガチさん、なんかスゴそうなオーラ放ってるけど、昼間の姿を考えたら、きちんと手に職のある工藤さんの方が立派というか。そもそも、この現代日本で野生児ってなんなんだ。一応、服も着てるし村の風習にも馴染んでるし、文化的生活は送ってそうなのに、何を思って山中を徘徊しているのか。普通に「パークレンジャーです」って言われたらどうしよう。


銀魂

 フーム……。ガチバトル描写も空知先生は巧くて面白い気はするんだけど、しかし、やっぱり納得いかないところも……。

 夜兎に勝利するための説得力として、主人公側は数の力で対処してることになってるんですよね。攻撃する→効いてない→反撃を受けそうになる→仲間がフォローに入る、という流れで。これで個体としての夜兎の強さを保ちながらも、なんとか勝利していることになってるんだけど、しかし、実際の所、数の力も今は夜兎の方が多いんですよね……。そこがちょっとなー。他の夜兎たちは仲間のフォローに回ってやれよってなっちゃう。


トリコ

 シビアといえばシビアなんだけど、正気に戻った途端、無限に腹パンを叩きこまれた上に野生生物に食われるとか、茂松さん、救いがねえな……。まあここで正気に戻って味方陣営に加わっても、それはそれで緊張感が失われるけど。


ブリーチ

 これはOSR的に妙手では……。相手の衣服を武器化するのであれば、相手は全裸になるしかなく、しかし、全裸になってはもはやOSRは枯渇……。

 でも剣八さんなんかだと上裸はよくあることだし、下半身をグサグサしたくらいじゃ、あの人、全然死にそうにもないよなー。ところで、剣八さんってどんな怪我を負ってもヘラヘラ楽しそうに笑ってるけど、きんたま潰されたらどうなんだろう。痛みに耐えれるかという意味ではなくて、どんなに男らしくバトルマニア気取ってても既にタマナシなんだけど、どうなんだろう。


テラフォーマーズ

 まあ、出張版ゆえのイントロダクション回ですねー。状況説明、見せ場、キャラ紹介、危機感、背後に漂う陰謀などをバランス良く配置し、丁寧な良い仕事だとは思うけれど、所詮はインストラクション。これ単品で見て、面白いと言えるものではなかったです。


こち亀

 面白かったです! まじめに考えると色々怖い話だけど(京華さんは多分ロクな死に方をしない)、ま、まあギャグ漫画だし……。「身内にヤクザがいるとダメ」とか、まさかそんな現実的なところを秋本先生がフォロー入れてくるとは思わなくてちょっとビックリしました。

 ちなみに、新葛飾署においては刺青程度は隠す必要もないと思われます。だってほら、戸塚巡査という大先輩が……。


ジェントルくん

 あー……。とんかつDJアゲ太郎の人か。こっちは微妙だけど、アゲ太郎は面白いですね。


三ツ首コンドル

 ウーン、今週は面白いところがなかった。


 と言って意味するところは、今の私はすっかりコンドルに「なにか面白いものを」求めてるということ……。ハイファイとヨアケモノによる橘効果はあるにせよ、もうすっかり「普通に楽しめる漫画」として認識してしまっている。その上で、今週は特に見るべきところが何もなかった。残念だ。


ヨアケモノ

 やっぱり前回で斬った顔の傷は何の意味もなかった。あれで勝負ついててもいいのよ?

 炎の中に紛れるまで、岡田さんはかすかな体温を捉えて市村くんの移動を悟れなかったの?とか思うけれど、体温を下げられる市村くんが炎の中に隠れていたのは良かったような気がしました。たぶんそれで大火傷を防いだんだよね? 明らかに大ハズレの獣刃を掴まされた割には頑張ってるよ。最後、刃朗に刀をパスする理由はさっぱり分からんかったけど。なんとかして主人公を活躍させなきゃいけなかったんだろうけど、刀をパスする意味はホントないよなー。てか、市村くんのその刀、真ん中に切れ込みが入ってた(or岡田さんに刀身を斬られた?)変な刀だよね。なんでそんな変な刀(or損壊品)をあえて使うの。


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