火ノ丸相撲
特に捻りのない、よく言えばストレートな作品ですね。捻りはないんだけれど、主人公のキャラ造形が真っ直ぐで気持ちいいので十分面白い作品になっていると思います。読切に出てきた校長とかヒロインとかの要素を取っ払ったことで第一話としてかなりスッキリしたのではないかと。僕の好みの作風とは大分違うけれど、これはこれでお手本となる第一話なんじゃないかなー。
ところで相撲ですが、僕も昔は何が面白いのか分からないし、見た目がアレだしカッコイイとも思えなかったんですが、通常の人体を遥かに超えた巨躯で、エネルギーの増大だけを狙って鍛えた人たちが真正面からエネルギーをぶつけ合う競技だと思うと、なかなかすごいものだなと思うようになりました。相撲技術は実際あるんだろうけど、技術面に目を向けちゃうと他の格闘技やスポーツの方がスマートでカッコ良く見えてしまうのでエネルギーの衝突という点に着目するといいかも。
ソーマ
んー、こづゆね……。この感覚はあれだ、「知らない名前が出てくるとすごいグルメマンガっぽい」感じがするアレだな。ほら、みんなもちびっ子の頃はミスター味っ子見て「ア、アルデンテ!? 一体なんなんだそれは!!」「なんて高レベルな料理対決なんだ!」って思いましたよね。しかしこれ、僕らは「こづゆ」を知らないからそれなりに感心できるかもだけど、会津地方のジャンプ読者は「えっ、こづゆをそんな改めて解説とかされても……」みたいな感じなんじゃないかな。
黒木場くんのラーメンを食べてビクゥとなって腰が抜けそうになる田所さんの描写は、なにげに今までの料理対決描写と比べてもすごくいい感じだったと思います。「料理を食べて腰が抜けそうになる」って普通に考えて尋常じゃないのに、演出が普通だから実際にありそうで、でもありえないから、あっさりしたコマなのにすごく異様。ソウルキャッチャーズのような得も言われぬ感じを受けたんですが、この「食べて腰が抜ける」ニュアンスを次ページから「スタンドバトル」で描いちゃったのはちょっと残念かな。パロディだからね。「食べて腰が抜ける」はオリジナリティを感じたので、安易なネタに流れちゃったな、と。こっちのパロディに焦点をあわせるにしても、そこまでの流れでもっと上手くこのパロディに繋げるべきだったのでは、と思ったり。今回のスタンドバトルは寒いとまでは言わないけど、やや突飛な感が否めないか。
ワンピース
ダガマさんのキャラがすごく良かったです! なんつーんすかね、この「安易にカネに流れようとしたけど、それさえもできない」感じのへっぽこっぷり。ちょっと賞金を提示されたくらいで目の色変えるだけでもへっぽこなのに、そこまではよくある残念キャラなのに、そんなへっぽこ行為さえも貫徹できないへっぽこっぷり。一周回って人として愛らしい。その次のコマの「アブドーラ&ジェット」の心変わりが唐突なのに比べてダガマさんの心境変化にはへっぽこなりのドラマと流れがあって、この人見てて楽しい。
磯兵衛
想像して下さい。あなたが10歳の少女だったとして10歳から20歳までの間、人並みの恋愛も経験できず、職業訓練も受けることなく、ひたすら若年春画家としての名声ばかりが高まっていき、そして、20歳になって春画の才能までパッと失われたら、これはもう大変なことではありませんか……。「ほら、エロい絵を描く女の子……」「あの年で……。きっと私生活もぐちょぐちょなんだろうな……」とか言われるんだぜ。実際、もう描けねーのに。
斉木楠雄
ついに斉木くんがダークリユニオンの存在に気付いたか……。
ナルト
「シノ…月だ! 月を見てみろ!」
キバ、見ちゃダメー!!! ……まあ実際、見ても見なくても変わらなかったみたいですけど。キバって月の眼計画のこと何も知らないんだっけ? 幻術にかけるとか……。
影連中がグルグルおめめになってても全然危機感は感じないけど、大蛇丸さまがグルグルおめめになってたら、「大蛇丸さまでも否応なしか!」とビックリできたので、大蛇丸さま何気に格保ってるよなあ、とちょっと感動。
ニセコイ
前半までは「自分に適正があり、条件も整い、周りからも属望される現実的な未来が目の前にありながら、他の可能性をぼんやりと探し求める」という、ニセコイとは思えない程に情感豊かな思春期少女の心情が描かれているのに、後半で恋愛要素が横滑りしてきたことで、なんだかいつものノリでまとまっちゃってちょっと残念。
「まあ家業継げよ」としか思えんのは実際あるけれど、この「ばっちりなものが目の前に用意されていると、ばっちりなはずなのに本当にそれでいいのかと疑ってしまう」感じは良かったです。「許嫁」とかもそんな感じになったりするんじゃねーかなー。まー、でも小野寺さんは家業継ぎなよ。
ワールドトリガー
ウオー、面白い!
良かった点は二点。まず、東さんのポジション。A級B級といった垣根を超える東さんのリアルな立ち位置。普通に緑川くんとかに行動指針を示せるくらいの立場なのね。これまでボーダーで積み重ねてきたであろう実績と経験を感じる……。ソンケイを獲得しているのだね。この東さんのポジション描写一つで、ボーダーの歴史といいますか、脈々と続く流れのようなものを感じられるんだよな。
そしてエネドラさんの本丸侵入! こうなると緊張感がダンチですね。ゴールに設定されたはずの基地が一転して危険地帯になったのもそうだし、城戸指令始め、非戦闘員(?)の重要人物多数で、さらにエネドラさんは非戦闘員だからって手加減しそうな気がまるでしない。さらにここにはおそらくベイルアウト後の生身の風間さんなんかもいるはずで、彼が生身で参戦とかしたら遂にこの漫画で命の危機が……。基地が危険地帯になるとしたら、オサムくんもベイルアウト後に基地の方でピンチになったりする可能性も出てくんのかな。オサムくんってベイルアウトした場合、本部と玉狛とどっちに飛ばされるんだろう。とまれ「陽動としての本拠地攻撃」ってのは王手飛車取りな感じでイイですねー。
ブリーチ
カラページのゾンビの子、ちょっと目が近すぎやしないか……? やや地獄のミサワを感じる。
敵組織が現状分析して珍しく組織的に行動しているのに(言ってるだけな感が正直強いけど!)、空から急にチートキャラが降ってくるとか、あの女の子四人組の慌てように少し同情的な気持ちになったり。いやでも彼女たちは少年漫画の敵キャラにありがちな「瀕死のキャラになかなかとどめを刺さない」をやってたんだから自業自得な面もあり……。
トリコ
オクトパスイカすごいな……。階段があるとか、案内図があるとか。案内図で操縦室が分かるってことは案内図には言語も書かれてたんだろ。一体どういうことなのか。どのような進化をするとこのような生物が生まれるのか。……以前にオクトパスイカを使っていた人が自分用の備忘に残していたのだろうか。いやでも操縦室の様子とか見るに、椅子とかモニターとかあるし、たぶんもうそういうことを気にしていてはいけない漫画なんだ。
イリーガルレア
「狩られてないか心配でな……」
「ヴァンパイア・コレクション」
「今、再びコンプリートを目指す奴がいる」
あなたがけしかけたせいでね……! あの自己アピール(「ブラック・ヴァンパイア生きてますよー」)は己の身を危険に晒してでもハンターを炙りだし妻(?)を取り返すための英雄的自己犠牲精神だと思ってたけど、他にも生きてるヴァンパイア仲間がいるとなると何だか傍迷惑に思えてきたぞう。
銀魂
銀魂、もう全然面白くなくなっちゃったなあ……。昔は「ギャグは面白いけどシリアスになると……」だったのがもうギャグも面白くないや。シリーズボスが螢というのも非常に安易な「驚きの真犯人」で、ビックリというよりは「どうでもいいよ」感が先立ってしまう。すごく手抜きして作った「驚きの展開」っていうか。篠原先生のこないだの読切で感じた「よく出来てるんだけど手なりで作ってませんか?」感のアレに近いものがある。アレから「よく出来てる」感を全部取っ払った感じ。
今回のシリーズは全体的に惚れ薬の効果があやふやで、誰が誰に惚れているのかも分からないし、どのくらいハッキリした効果があるのかも分からなくて、しゃんとしてない感じでした。そのへんの関係性がフワフワしてるから、真犯人が螢でしたーって言われても、フワフワの上にフワフワを重ねられた感じで面白いと思えなかったのもあるのかな。
P394 Gカップ合宿レポート
このクソみたいな企画www いやでも、こういうの嫌いじゃないんだよな。この4ページでジャンプ読者の誰が喜ぶのか全く定かでない企画なんだけれど、なんだろうな、なんか楽しいな、こういうの。電子だとこういうのが全部オミットされちゃうのがちょっと悲しいな。
こち亀
昔のこち亀のノリだ……! 「『5年間ゴネ保証』があるだろ!」「なにムリ!?」の流れがリアルすぎてヤバイ。「ヤバイ会社だから潰れたらタダでもらえる」とか、「ホントにヤバイから保証が保証にならない」とか、ヤバイ会社のヤバイ面をガチで取り上げまくって互いに化かし合ってて結構ハードテイストな一話だったと思います。オチはもうこれ月の眼計画じゃん。
ステルス
今のところスライスさんは全く強そうに思えないけれど、これまで出てきた全組織を全部相手取るつもりでいる意気や良し。少々の武力ではどの組織相手でも勝てる気がしないけど、そこをこう、グッと全部やっちゃう感じがいいですね。ドフラミンゴさんも国民、リク王軍、麦わら一味、ロー、大会参加者、海軍、オモチャ化してた海賊たち全部を一度に相手取って圧倒するくらいの力を見せて欲しかった。
★宣伝:フィクションにおける忍者研究。ちょっと興味が。