【4/23】2014年21号のジャンプ感想(読切『あばれ猿』掲載号)


 本誌にも紹介されてたニコニコのMAD企画。作品としての素晴らしさもだけれど、こうやって既存素材(漫画・音楽)を使って別の作品を作ることが、条件付きとはいえ公式にも認められ始めた風潮が大変嬉しいですね。


銀魂

「あっ、今回の人気投票って、オールスターと銘打ってるけど主人公は除外なのね……」

 なんて思ってたけど、えっ、ガチで27位なんすか……。ええっ、マジで……。主人公がお決まりのように1位を取るのも何だかアレだけれど、27位って、えっ……。空知先生、今のシリーズすぐに終わらせて急いでネタにしたいと思ってるんじゃないの、これ。ていうか、これネタ抜きなの? ホントに!?


 本編の方は、銀魂は最近あまりに過剰に詰め込まれたネタが辛く感じてきたんですが、冒頭の桂さんと新選組幹部三名の会話の辺りとか見てると、やっぱり巧いなあって思いました。こう、新参者に対して三者三様に言葉を掛けて、それに対して新参者が謙遜しながら返す、みたいな「それっぽい会話」をキチンと描く空知先生の才能はやっぱり大したもんだなと。これはネタの前振りなんだけど、この前振りの「それっぽさ」がないと、ちゃんとネタにならないんだよね。で、「それっぽさ」がちゃんとできてる。他の新人作家とかだとこれができてるだけで「地力があるなあ」と思うっちゃうんだけど、もう慣れっこになってたから評価対象に含まれてなかっただけで、空知先生はそれをさらりとやれてるんだよな。やっぱり凄いことは凄い人なんだよな、空知先生。


ナルト

「まだ回復が完全ではない……からか!?」って、エッ、あなた、あんだけガイ先生にやられたの、もうほとんど回復しちゃったんですか。エエエェ……。命を捨てたのにナルトに命を救われ、ダメージもほとんど回復されてるとかガイ先生がとんだピエロ過ぎてつらい。

 そして、輪墓とやらを交わしたのはいいけど、輪墓ってのがどんな技なのか全く記憶にないので、どういう状況で何がスゴイのかさっぱり分からないという。なんで僕は毎週読んでるのにこんなにナルトの何もかもを把握できていないの。輪墓! 輪墓ってなんなのホントに!! 一切記憶にない!!! 

 あと、これも過去に何度か言った気がするけど、螺旋手裏剣みたいなのが当たってるのになんか全然死ぬ気がしないマダラさんに萎えるー。どうなったら死ぬのかはっきり分からんので、現状がどのくらいのダメージ蓄積量なのか理解できない。これなー命が9個あるとかの残機制にしてくれればなー。


暗殺教室

 目標に向かってみんなでスキルを出し合って頑張る、というのが暗殺とかいろいろ置いといて普通に楽しそうで、良かったねと思いました。思い返してみると子供の頃に楽しかった瞬間ってこういう時間だよなあと。何かを目指してて自分がそれの何かに寄与してると嬉しいんだよな。爽快感のある一話でした。

 シロさんの方も、みんなが感じてた「そんなことやって、ターゲットに先生ごっこやめられたらどうすんのよさ」問題に触れてくれて納得。


P116トレジャー新人漫画賞大募集

 この「客観評価で格上げだ!!」はすごく有用なテク。ロブロ先生のあの時のあれで烏丸さんの格は確かに爆上げだった。

 あの時は「えー幾多の殺し屋を育ててきたロヴロ先生に狙われるのー」「烏丸さんどうするのー」的なのがあって、ただそれまでにも「でも日本政府に選ばれた人材だから烏丸さんも実はすごいんじゃ?」という思いはうっすらあったわけで、それが「実際に殺し屋の先生を寄せ付けない程に強いんだ!」で形になったというか。

 なので「他人が評価することで格が上がる」ってのは確かにそうなんだけど、それだけじゃなくて烏丸さんのケースは他のいろいろな要素が絡み合ってた気がするなあ。このテクはたしかに有効なんだけど、上手くやらないとナルトみたいに宗教じみてきたりするし……。


トリコ

 タコのケツ穴らしき部位からクインがギューンと伸びるのは、なんだかサナダムシみたいでした。

 トリコとココの方は千と千尋っぽいイミフ展開でなんかピンチっぽいけれど、でも実際ヤバイのは、まだまだサニーとゼブラの方のような……。いまだクインにぶら下がってるだけで、そのクインの周りには猛獣がうようよしてるのは変わらないんだもんな。地面があるだけトリコとココのがマシなような気がする。ゼブラさんのんびりしてないで、もうちょっとクインのこと気遣ってあげて。


ニセコイ

Q:「ん? なんだこの固いの……これって……!!?」

A:
本命:トカレフ。かわいい顔してやはりチャイニーズマフィア……。
対抗:ガチガチに勃起したチンコ。羽姉は実は男だった!?
大穴:謎のしこりが! 羽姉は末期癌であと一月の命。


 鍵という発想はなかった…………。


あばれ猿

 なかなか良かったです! もうね、主人公がイジメられっ子とか、打ち倒すべき相手が性根の曲がったクソとか、奮起して努力してやり返すとか、そういうのさ、見飽きてるんですよ!!! 今回のこれみたいに主人公が飽くなき暴力バカで、気に食わないヤツを思い切り殴りたい、そんなんでいいんですよね! まあ、全部が全部これだったらそれはそれでどうかと思うんですけど。

 最初に飛んでる鳥をブチ殺すところから始まって(一応「達人が後で美味しく頂きました」でフォローしながらも)、その後の暴力描写も不快感を招かない程度にガチで、そこらへん退かない辺りはとても良かったです。なんかちょっとバカにされたくらいで、同級生の前歯四本持ってくとかやり過ぎ感アリアリなんだけど、でもそこでビビらない作者の意気や良し。ただ、惜しむらくはその辺のアトモスフィアがあまりに刃牙っぽ過ぎることなんだよねー。いや、ジャンプにチャンピオンっぽい危険さを持ち込んだだけでも良しとしたい。


 あと、早稲田の武道家ね。いいよね。


ソーマ

 ク、クッキングレイプだ……! 演出以外で、初めてクッキングレイプを見た気がする……!! 観衆を前にしてひっくり返って泣き喚くとか、これはもうマジでクッキングレイプ……。「アリスだ……」「アリスよ……」「勝負に負けてひっくり返って泣いてたアリスよ……」←明日からこんな具合になるんじゃねえの。

 というか、あれは「子供のように泣いている」のではなく「見えない何かにレイプされている」ようにも見える。今まで僕たちが「クッキングレイプ」と呼んでいた演出上のアレとかも、演出の裏では実際にこの絵のように、見えない何かにレイプされている状況だったのかもしれない。肉魅さんのわ~~~~ん(椀)とかも、演出では丼の中で裸のアレだったけれど、実際には倒れてビクンビクンしてたのかもしれない。


ワールドトリガー

「逃げる頭が残ってたとはガキのくせに冷静じゃねえか」は、トレジャー新人漫画賞大募集でやってた「他人からの評価は嬉しい」のアレですね。いの一番にやられちゃった風間さんがむしろ格を上げるという。

 ベイルアウトのシステムは死んじゃう危機感が失われるのがネックだと思ってましたが、むしろキャラを殺せないせいで緊張感が失われるよりは、しばらくの戦線離脱というデメリット付きでキチンと勝ち負けが付くこのシステムの方がいい気がしてきました。死んだら生き返らないシミュレーションRPG(魔神転生)よりも、ステージクリアしたら死んだキャラが生き返る方(デビルサバイバー)がかえって戦闘がシビアになって面白かったりするみたいに。

 しかし、ベイルアウトあるのに、オサムくんが死ぬかもしれないってのは何でなんだろう。あと、「不確定な未来が幾つも見える」って、それ、サイドエフェクト(超能力)でなくても、想像力豊かな人なら同じ事出来るよね……って思ったりするけど、まあでも自分の想像が及ばない世界が見えるという点では意味あるか。


イリーガルレア

 亜種のチャバネとかしらねーよ!!! まだ蝋人形とかそういうのの方が素直に納得できたというか。「クロじゃなくてチャバネでした!」とか言われても客としても「しらねーよ」としか言いようがない。つうか、アクセルの言ってるのって「俺の彼女(?)の方がキレイだしー」ってだけじゃねーか。

 後半の展開は面白かったです。クソ胡散臭いフクメンさんたちが招待状も何もないくせにスルッと中に入ってこれた辺りにも良いアンサーになってた。ちゃんとピンチになって、ちゃんと強そうなのが出てくるだけで、結構面白くなるもんだなー。


ソウルキャッチャーズ

「止められない」
「掴めない」
「起こせない」

 ……ソウルキャッチャーズが完全にミステリー漫画になっている。いや、面白いからいいんですけど。


P352 X-MEN紹介記事

 この短い紹介を読んだだけでは、プロフェッサーXの無体な強さは全然分からないんだろうな……。このハゲ、こう見えてキューバ危機を止めるくらいの力があるんだぜ。テレパシー能力の一言でまとめて本当にいいのか怪しいぐらいの無体さがある。


 剛力ウイルスはついにX-MEN世界にまで侵食を始め、ミスティークの吹き替えに剛力さんが就任。われわれX-MENファンから吹き替え版という選択肢が失われたわけですが、そこまでの痛手を負ったからにはせめて宣伝には活用しろよ、このジャンプ紹介ページでもデカデカと「剛力彩芽!!!!!」くらい載せろよと思ったり、いやしかし、そんなことして調子に乗られてこれからも僕の大事なものが剛力に侵されていくのは耐えられないなと思ったり。誰かなんとかしろよこのクソみたいな世の中を!


アイショウジョ

 これ、たまたまスマホをいじられたから助かったけど、そうじゃなかったら一生女子高生のペットとして生きることになったわけか。それは羨ましいけど、でも、病気とかなったら医者に掛かるわけにも行かないし、遅かれ早かれ世紀の珍獣扱いされて然るべき研究施設に連れて行かれそうな気が……。いやまあ、筆談すりゃいいのか。


こち亀

 秋本先生がこの仕事で満足ってんなら、僕は何も言わないよ。


ステルス

 社長、なんでトロマさんたちも敵に回す気マンマンなんですか。強弁すれば自分も積み荷なんだから、積極的攻撃は期待できなくても、自分のガードに彼らを使いつつ機兵学舎と戦闘できたのに。柱に書かれてるようにこれで本当に主人公側が共闘するようならスーパーがっかり展開ですよ……。途中までは良かったのになー。まあ、来週でフォロー期待しよう。


トーキョーワンダーボーイズ

 冒頭の「俺達にはもう後がねぇ…全てをぶつけるつもりで戦え!!」に思わず爆笑。すごい。劇中の状況と紙面での状況が見事にリンクしている。

 さらに試合が始まってからも、試合中にタラタラおしゃべりをすることで緊張感を減じ、リアルでも「もう後がない漫画なのにまだ緊張感なくこんなことをやり続けるのか」と辟易させてくれます。これ、実はメタ漫画なんじゃねーの。プロ(ジャンプ掲載)だけど、二部リーグ(下位常連)で、一部浮上(打ち切り回避)が掛かった一戦にもかかわらず、たらたら試合(掲載)してお通夜モード、という、ジャンプの打ち切りクソ漫画をサッカーに喩えた作品と読み解けば、もしかして楽しむ余地が見えてくるのかも……。

 天河さんの件は何ら良い話でも無念さがあるわけでもなく、普通にテキトーなこと言っててテキトーに軽い気持ちで少年の期待をテキトーに裏切っただけの話だと思いました。「ちょっと頑張ってみたけどやっぱ無理そうだったから泥舟に見切りをつけて一人で新天地に行くことにしました」ってだけの話っしょ。今すぐ世界で戦わなきゃ娘が殺されるとかそういうのでもなくってさ。この漫画、天河さんのキャラ性がコレだから、土台が根本から揺らいでんだよな。


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