角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-12-25)
売り上げランキング: 140,759
500ページ超の長編でありながら、忍者(特殊能力者)が3人しか出てこないディープな能力バトル。
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本作に出てくる忍者はたったの三人です(甲賀忍法帖なんて20人も出てくるのにね!)。その三人にはメインスキルとサブスキルがあり、ある意味タッグ戦、ある意味三つ巴の戦いを繰り広げます。
虫籠右陣
所属:根来忍組
メインスキル:忍法ぬれ桜(相手女性を舐めることで舐めた場所が女性器と同じ感覚となる)
サブスキル:忍法暗剣殺(相手の殺意をテレパシーにより把握し先手を打って逃走する)
筏織右衛門
所属:伊賀忍組
メインスキル:忍法任意車(セックスすることで相手女性に24時間乗り移る。本体は無防備)
サブスキル:剣豪(宮本武蔵の直弟子)
百々銭十郎
所属:甲賀忍組
メインスキル:忍法白朽葉(たまってくるとすごいムラムラして女の子も発情する)
サブスキル:忍法赤朽葉(射精後、賢者モードとなって性交相手の女性の乳房を切り取り、血飛沫を刃に纏わせて、血を飛ばして敵を斬る遠距離斬撃)
オプション:くノ一x3
パッと見で分かるとおり、まったくメインスキルが役に立ちそうもありません。筏の「剣豪」はさておき、他の能力でまともに戦えそうなのは百々の赤朽葉程度で、それさえも「セックスして女を殺して」ようやく遠距離斬撃が1~2発撃てるというコスパの悪さ。こんなメンツがそれぞれの忍組の代表選手として戦うわけで、こちらとしても読みながら「なんでこんなのしかいないの」「忍組どこもダメなんじゃ」と思ってしまうのですが、いや、彼ら頑張るんですよ……。
特にメインスキルの活躍ぶりが凄まじい。忍法ぬれ桜は「舐めた部分の感覚が女性器と同じになる」という設定ではあるのですが、「全身舐められたら全身まんこ感覚だから、女の子は衣擦れとかでもビクンビクンしまくるし男がいたら抱いて欲しくて仕方なくなるだろう」ということになって、実質、女の子を色きちがいに変える能力だし、「そんな全身まんこみたいな女の子がいたら魅力的に違いないから男はいてもたってもいられずセックスしてしまうだろう」ということで、実質、男を発情させる能力でもあるわけです。作中では将軍を絞り尽くして殺すための暗殺手段として用いられます。
任意車は、「で、それ、何の意味があるの?」という感じではあれど、女に乗り移った後も剣豪スキルは発揮されるため(女の筋力では無理だと思うんだけど……)、敵方からしてみれば「どの女が筏か分からず奇襲を受ける」上に「なんとか倒しても死ぬのは女だけで筏の本体は無傷」という、意外にも無体な能力だったりします。弱点は女に乗り移ってる最中、筏本体が無防備になることで、これを巡っての攻防も行われます。さらに「忍法ぬれ桜」とコンボすることにより(ぬれ車)、全身まんこの女の子を操って主体的に色仕掛けを行うことも可能。
白朽葉は、こちらはそれほど劇的な効果はないけれど、「すごいムラムラしてるからセックス嗅覚が鋭敏になって相手が女かどうか分かる」という謎の付加効果により、任意車に憑依されているかどうかをある程度見破ることができます。また、(効果的かどうかは別として)白朽葉がぬれ桜と激突すると、両者色きちがいになってるので情景が頭悪い。ぬれ車中の筏とかこの二つの能力に挟まれて百々とセックスしたりします。
頭の悪いセックス能力の三つ巴戦が500ページ超繰り広げられる凄まじい作品。こんなに馬鹿らしいのにみんな頑張ってる! 「シグルイ」と異なりイケメン炸裂の忠長さまも魅力的です。しかし、山風らしいといえばらしいけど、あまりに悲壮感漂うラストは胸に迫るを通り越してなかなか辛いものがある。
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おまけ:すごくグッと来たセリフ
右陣「しかし、考えようによっては、時間的連続のわざともいえるな。……これを空間的同時のわざというわけには参らんか」(意訳:筏さんの任意車を別々の女性に連続して用いているわけですが、二人の女性を同時に犯せば二人に同時に乗り移れたりはしませんか?」)
角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-12-25)
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