【4/23】2013年21号のジャンプ感想(読切『ぶらんにゅーSCHOOL DAY』『DARK PAWN 闇の質屋』掲載号)


こち亀

 こち亀が巻頭カラーで、しかも、動物などと触れ合う気配を見せると、「また愚にも付かぬ人情話を読ませられるのでは……」と体が身構えてしまい自然とこち亀を飛ばしそうになりますが、そうではなかったというだけでまずはほっと一安心。最近は秋本先生も自らの過ちに気が付いたのか、巻頭カラーでも普通の話を描くようになりましたね。

 内容はよくあるうんちく回で、「漫画の体裁を整えました」程度のものだけれど、途中で両さんが2ページごとに「えーっ」って驚いてるのに気付いて、数えてみたら3回も「えーっ」をやってて、なんじゃこりゃと思ってページを開いたら4回目の「えーっ」が出てきた辺りで爆笑しました。いやまあ、鳩山鳩夫くんがだらだらとうんちく喋ってるから両さんとしては驚き続けるしかないわけですが、にしても秋本先生もこれは描いてて何も思わなかったのか……? いや、逆に2ページに1度しか「えーっ」を書いてないのは努力の結果なのかもしれないですが。ともかくリアクション芸の工夫の無さが一周回って芸になっててちょっと面白かったです。そう考えると、「ゲーッ」や「な、なんだってー!?」はよくできてたな……。


黒子

 なるほど、ここで以前の読切(だっけ?)の話に繋がるわけか。しかし、あの時の黒子くんは既にレギュラーの座を確固としているかのような大物感を漂わせていたけど、実際はまだ試合に出たこともなくユニフォームももらったばかりだったんだな……。黒子くんは本当にいい性格をしている。

 そして、虹村さんのキャラが今週前半でさらに立ったこともあって、ここからは「虹村さんフェイドアウト」の顛末について読者の興味がフォーカスされていく感じですかね。ホントこの人なんで消えちゃうんだろうな。


暗殺教室

 鷹岡さんは「出てってやる!」とか公言してるけど、こんな現場レベルの判断で人事をどうこうできるもんなんだろうか。今回の鷹岡さん派遣ももっと上のレベルの人たちの決め事なんじゃねーの? まあ、本人がやる気を失ってしまったら上がどうこう言おうとできないものはできないのだろうし、殺せんせーも本人が口にしたことは守らせる程度の武力と恐怖は(鷹岡さんに対して)駆使するのだろうけど。今回は特に時間制限はないし、渚くんはやられてもやられても四六時中狙い続ける感じで頑張るのかな。


ワンピース

 ベラミーさんが大きくなって帰ってきた! ガタイも! 度量も!! でもベラミーさん、なんだかイモ臭い風貌になったな、と思って過去の画像を参照してみたところ、あんまり顔立ちは変わんなかった……。僕の中のベラミーさんが美化されていたのだろうか。

 しかしまあ、ルフィと同世代のルーキーたちもだけど、ベラミーさんにもベラミーさんの冒険があって、冒険を通して考え方も変わったという話があるだけでもグッと世界が広がっていい感じですね。ちゃんと端役たちもこの世界で生活してるんだなあ、っていう。扉絵連載もそんな狙いでやってるのかなぁ。

 バルトロメオさんは先週中将をかませ犬にしたり、バーソロミューくまとの関連が散々取りざたされていた割には、特に焦らすことなくあっさりと登場したし、外見も特に何か匂わせるところもなく普通に三下っぽくて色々と意外でした。単にミスリードだったのか、あんなナリだけど実際に何かあるのか。


DARK PAWN

 いったんゴミ屋敷から出ておきながら、もう一度空を飛んで窓から舞い降りるとか、「それ、その傘アイテムを使いたかっただけだったよね?」的な感があって、どうもどたばたしてる印象は拭えませんでした。が、それはそれとして、相手側の真のアイテムがオートマタで、主人公側のカムリ君もまた同じくオートマタという意外な展開を立て続けに出した構成は綺麗だったと思います。

 ところで主人公が仮面をかぶって、「素性を決してバラしてはならぬ…闇の交渉に出るということ…!!」というくだりは、「特に理由もないまま仮面をかぶる仮面キャラが多い中、きちんと理由があって仮面をかぶっているのはえらいなあ」と思いましたが、直後にカムリ君を素顔のまま引き連れ歩いてるのを見てなんとも言えぬ気持ちになりました。「えらいな」と思った僕の感心を返して欲しい。


ぶらんにゅーSCHOOL DAY

 導入の時点で、オチまで分かりきっていたストーリー展開ではあったけど、悪くはなかったんじゃないでしょうか。叶先生は「DQNに絡まれた時の処理」描写が上手いよなぁ。DQNを投げはするんだけど叩きつけはせずに、その後も慇懃な口ぶりでフォローして波風立たせないようにまとめる辺りに、非常に叶先生のテイストを感じました。こういうところは叶先生、変にリアリティあって納得できる感じでまとめれるんだよな。というわけで、話自体は普通だけどこの辺がとても良かったです。

 でも、最後の猫田くんの扱いはちょっと後味悪いか。まあ、彼を放置しておくのもどうかと思うけど、アレをオチにしちゃうと読後感がどうにも……。


トリコ

 え? なに……。冒頭のエルグさんのくだり、意味が分からんのだけど……。

 前回まで別にそんな顔じゃなかったし、包帯で顔も隠してなくて普通に整った顔を丸出しにしてたよね? 髪も前からフサフサだったよね? グルメ細胞が再生を諦めたから普段のイケメン面が保てなくなり素のあの顔が出てきたって話なら、それまでは包帯をする必要はないしなぁ。エルグ戦は最初から最後まで訳の分からん話だったな……。ちょっと島袋先生、いくらなんでもいい加減すぎじゃねーっすか。
 
 IGOは寝返り組が1人や2人じゃなかったのね。一龍さんも大変だなあ。いやでも、ここまで造反者を出して、さらには裏切り者か元々スパイなのか知らんけど、そんな人たちを重役に据えまくってたんだから、一龍さんの責任でもあるか。


ソーマ

 あれ? 前年も同じ50食作りの試練があったのか……。もしかして毎年恒例の試練なの? あの50食作りは、先週も書いたように料理技術というよりも効率的な手順をどう組み立てるか、という問題だと思うので、出題されることを予め知っていれば(たとえ料理がステーキではなくても)大分有利になる気がするのだけど。


ブリーチ

 石田ママの態度はなんだか冷たい気がするけど、竜弦くんが真咲さんを抱き上げた辺りからは正論な気がする……。「まちなさい」「やめなさい」「戻りなさい」だよ。おまえ、一体どこ行く気なんだよ。たまたま一心さんとか浦原さんとか出てきたから話が繋がったものの、特に意味なく駆け出しただけじゃねーか。


ハイキュー

 なんとか皆に近付こうとガラにもない努力を重ねる影山くんがいじらしかわいい! 最初の「にっ」がちゃんと決まってるんだから(やりたいことが表現できてるんだから)、古館先生も画力あるなあと思いました。


ワールドトリガー

 おおー、久しぶりに面白いと思えました! 実力派エリートがスペック的にも人柄的にも本当にエリートなだけで大分面白い。「いや~きついと思うぞ」の時点で、ああ、これからは散発的な遭遇戦に移行していくんだなあ、と思ったもんだから、迅さんの活躍で状況をこれまでどおりに戻した時にはしっかりカタルシスがありました。ハイキューの「変人速攻」もだけど、キャラが前評判に即した働きを見せるだけで面白くなるもんですなあ。


べるぜバブ

 この漫画は本当に「パワーアップ→ワンパン」の流れだけで事が進んでいくな……。茄子の時もそうだったけど、「互角の条件に立ったから、ここからは互角の勝負」と普通は考える場面で、なぜか常に一方的に勝利している。今に始まったことではないが不思議な漫画だ……。


クロス・マネジ

 うーん、ダメだな……。試合中にコミカルなキャラ描写をしているのが裏目に出ていて、まるでスピード感を感じないし、蝶蘭が延々と舐めプをしているように見えてしまう。主人公側がそれなりに善戦しているのも、主人公側選手(先日までほぼ素人)の成長が大して描かれていないため、絶対的強者であるはずの蝶蘭が大したことないチームに見えてしまう。例えば三森さんなんかも、「キレイなスプリットダッチ」を見せた後に、ちょっとガタイのデカイ女子が前に立ち塞がっただけであんぐりと口を開けてるけど、このへんがいらない。三森さんは百戦錬磨のはずなんだから、ガタイのいいディフェンダーが一人前にいたくらいであんな顔はしないでしょう。

 顧問が中二病なところに触れてくれたのは気が利いてたけど、試合描写はお世辞にも巧いとは言えないなぁ……。


ハングリージョーカー

 神(笑)

 いや、これはむしろホワイトジョーカー側のパワーアップがあんまりにもあんまりで唐突なのが問題なのか。氷を蒸気に変えるのはそれは霧じゃなくて熱なんじゃねーかとか、音を操るから音速で動けるってのは意味が分からないとか、まあその辺置いといても、打ち切りに迫られたあまりにも急すぎるパワーアップはマブロの格落ちも甚だしく、物語のショボさばかりが際立ってしまったと思います。そもそも何がどうなってパワーアップしたのか良く分からんしなあ。

 しかし、思い返せばマブロの皆さんは最初から最後まで一度も「スゴイ」と思えたことがない。にもかかわらず、彼らが恥ずかしげもなく自分を高く高く持ち上げるもんだから、一層空虚な雰囲気が漂っている。神(笑)。


キルコさん

 かたや、こちらも打ち切りは決まってるんだろうけど、ちゃんと最後までギャグとアイデアをしっかり詰めこんでて、巧いこと話もまとめてあって好感。ゲスタバ先輩が最後までちゃんとゲスを貫いてるだけでも評価できる。ここでウッカリ男気でも見せちゃったら台無しだもんな。自分のキャラクターにウソを吐かない辺りはとてもいいなと思います。


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