【1/22】2013年8号のジャンプ感想(読切『アルベリーとアワレな悪魔憑き』掲載号)


 まずは宣伝。パソコンかiPadかiPhoneでしか読めねーんですが、僕の新作『天を衝く』が発売?中です。どういう紹介の仕方をしてもネタバレになっちゃうんで上手いことアピールできないんですけど、なんといいますか、大変僕らしい作品だと思うので通勤中とかヒマな時間にでもどうぞご一読ください。iPadとiPhoneの方はこちらから。パソコンの方はこちらからお求めくださいませ。書店に並ばないもんだから、宣伝しねーと読んでもらえねーんじゃねーかと必死です、はい。

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ナルト

 表紙にサクラが出てくるとどうしてもビックリしちゃうな……。「な、なんだこの新キャラは!?」って思っちゃう。着物が桜柄であっても全く気付かせることのないサクラのモブ力よ。

 本編は、前回の引きで「すわ、石破ラブラブ天驚拳か!?」と読者を驚かせていましたが、そういうわけでもなく、全員にパワーを分け与える展開でした。日向優遇=ヒロイン確定ってわけでもないのね。

 増援として登場以来、まるで使う素振りを見せなかった心転身と影縛りを今回メインに持ってきたのは良かったです。「あの術つえーから岸本先生もう忘れたことにするんだろうなあ」って本気で思ってた。格上のボスにも効く強い術をちゃんとみんなで使ってる(奈良一族みんなで影縛り)のは能力バトルに誠実な感じがしていいですね。そこまで良かったんだから、動きを止めたチャンスに(何をするのか分からないけど)ちゃんと有効打を叩き込むところまで今週やって欲しかったなあ。動きを止めたはいいけど、その後タラタラ話してるせいで緊張感がない。

 でも、アニメのジョジョ二部見てて思ったけど、一刻を争うはずの大切な場面で(シュトロハイムの足を切り落とすところとか)大仰な会話の応酬を繰り返していても、あれはあれで(たぶん会話が大仰すぎて現実味がなくなってるのもあって)ああいうもんだと思えば微笑ましくて見てられるので、今回のもナルト様のお説教を「おおおカッコイイ」と思える人なら問題はないのかもしれない。


ワンピース

 ドフラミンゴ配下の幹部を麦わら一味幹部が圧倒できるバランス感覚は「やっと二年間の修行期間の成果が見えてきたな」って感じで良かったです。うん、こんくらいの強さは見せて欲しかったんだよな。相変わらず敵がタフすぎる気がするけど(ガオン砲で沈んでても良かったと思う)、その後のナミ&ウソップ追撃で落ちることを考えればアリなレベルかと。「フランキーの火力がショボイ、ではなく、敵幹部の執念がすごい」と受け取れるレベル。これでまだ次回でも元気に動き回ってたらどうかと思いますけど……!

 そちらよりも面白かったのは「ドフラミンゴがローのために幹部の席をまだ残していた」と読み取れる描写。どうもドフラミンゴの部下思いというか部下との信頼関係などはホンモノっぽいですね。にもかかわらずローが裏切るに至った理由などを想像すると、ここがいまワンピースで一番気になっちゃうポイントかもしれない。


トリコ

 美食會って意外と大組織なのね。あんなにわんさか兵員がいるとは思わなかった。一体美食會のどの辺りに魅力があるんだろう? グルメ界入りを促進させるために配下にセンチュリースープを分ける描写もあったし、武力さえあれば旨いものが食える、ということなのだろうか。ああいや、でも、武力があれば旨いものが食えるのは美食屋だって同じだよなあ。もっと将来的なビジョンの問題で、アカシヤのメインを獲得すれば世界が取れるとか、そういうところに期待をかけてるのかな。

 ジェラフバードはキリンさんなのに鳥でもあって、なのに肉食動物でもあるとか意味がわかりませんね! キメラすぎるだろう!

 そしてここまでスルーされると怪しさがガツンと増してくるなあザウスさん。まさかスターさまと同一人物とかいう展開はないと思うけど、でも、既にやられてるとも考えにくいしなあ。いま何してるんだろザウスさん。


ソーマ

 話自体は大したことなくて、「身近で気さくなあの人が実は実力者の幹部でした」展開ですが(そして一色さんはそのうち更なる上位幹部のかませになるのだろう)、料理を振舞う一色さんが常に裸エプロンである辺り、この漫画もまだまだ捨てたもんじゃないなと思いました。ラストの大ゴマで「遠月十傑 第七席 一色慧」とかデカデカとやってんのに隣のページだとケツ丸出しなんだぜ。少なくとも次回は裸エプロンのままソーマ君の料理を食ってリアクションまでやって欲しいな。願わくば今後、あらゆる登場シーンに裸エプロンで出て欲しいな。


P162 ジャンプNEXT宣伝

 この1カットとタイトルとわずか2行のテキストだけで、「うわああ、きっとつまらないんだろうなああ」と心の底から思わせてくれる秋本先生は一周回ってすごい。何一つ読みたいと思う要素がない。いや、あえて言うなら「軍艦島」というターム一つだけは期待できなくもないので、「廃墟化した軍艦島で野生児同然に育った少女が、ふとした弾みで"歌"という概念を知り、歌手になるために東京に行く」という話なら、もしかすると面白いのかもしれない。……って、書いてて思ったけど、これ、画太郎先生のラーメンバカ一代じゃん。


ブリーチ

 今まで引っ張りに引っ張ってきた卯ノ花さんのキャラ設定の開示方法としては、なかなか思い切った壮烈な方法だなと思いましたけど、しかし、これから一大決戦を控えておきながら、実質上ガチの殺し合いを部下に許すってのはどうなんだこれ。なんかうまいことまとまってパワーアップして戦力が増えるという目論見あってのことなんだろうか。下手したら共倒れして戦力ダウンするだけじゃねーの? それなりに「巧くまとめあげるビジョン」があるか、もしくは「この戦いでの覚醒に賭けるしか手段がない」的な、そういった何かしらの合理性がないと、「今度の総隊長もボンクラだな~」って結論になっちゃいそう。「やってみたらたまたまいい感じになりました」じゃボンクラのイメージにしかならないんだよなぁ。


ニセコイ

 先日、ふと興が乗ったのでニセコイの二次創作書いてみました。今までだったら舞子くんが大声出して阻止したのが大宇宙の意思の仕業でなく、舞子くんの主体的行動だということで評価すべきところだったのが、これ書いた後で今週のを読むと、「ああ、舞子くんは既に大宇宙の意思に絡め取られて……」って思うようになっちゃった。

 まあ、それは置いといて、僕がこの漫画を下手くそだなあと思うのが導入部でして、今週もメガネがなくてあわあわするシーンとか、メガネを探してあわあわするシーンとかは悪くないと思うんですけど、どうにもメガネをなくした理由が頂けない。メガネが汚れたからって、あんな場所にメガネ置いてメガネ拭きを取りに行くか? まともに歩けないくらい目が悪いのに?? どっちかっていうと、メガネ外して手に持ったままメガネ拭きを取りに行くんじゃねえの?

 いやまあ、そういうことをする人が世界に一人もいないとは言いませんし、微塵のリアリティもないとまでは言いませんが、こういうところで「なんじゃそりゃ」と思わせちゃうあたりがどうにも下手くそだなあと思うわけです。スーツケースの時と同じですね(あれより断然マシだけれど)。確かにメガネなくてあたふたする後の展開は悪くないし、そこがいいんだから導入なんてどうでもいいじゃん、そんなの重箱の隅じゃん、って思う読者も多いとは思うけど、読者がそれを許したからって作者がそれでいいやと甘える姿勢が好きになれない。「こんなところにメガネを置くか? ありえるか? 普通そんなことありえるのか??」となぜ自問しないのか。

 百歩譲ってあそこに置いたとして、それがなくなっていたことにもまたリアリティがない。そりゃまああんな不安定な場所に置いてるんだから、誰かが当たったりすれば落ちるかもしれないけど(だからあそこに置くことにまたリアリティがなくなる)、にしたって、その人は廊下の端っこを、窓枠にほとんど肩をこすりつけながら歩いてたことになるんですかね。まあ、友達とふざけっこしながら歩いてたら、たまたま窓の方に体が寄ることがあって、その時にメガネに当たって気付かなかった、くらいまで想定するならありえる話ですけど、こうやって不自然に不自然を重ねた形が今回の導入なわけですよ。

 窓からメガネが落ちたことにリアリティがないんなら、リアリティのある解決を導けばいいんですけど、それもしない。今回のだと人為的な仕業だということにすれば解決するわけです。例えばるりちゃんの自作自演。例えば舞子くんのちょっとしたいたずら。人為的な理由にすると少し嫌な感じになるけど、そこは描き方次第で読み味との両立は可能でしょう。せめて、るりちゃんに一言、「不注意だったわ」くらい言わせれば、ああ不自然だけどまあそういうウッカリは人間だからあるよね、ってなって、まだアリなんですけど、それもないしなあ。だからもう、本当に「導入なんて適当でいいじゃん」っていうノリで描いてんじゃねーの、と疑っちゃう。

 繰り返しますけど、今回そんなに悪くないんですよ。ラブコメのコメの方はかなりよく出来てると思う。それだけに導入のテキトーさが惜しい。導入の不自然さをなくせ、というだけでなくて、もうちょっと考えれば、そこからもう一歩物語に深みを持たせられるとも思うんです。手を抜いてるのか、できないのか分からないけど、こういうところがどうにも気になっちゃうから僕はこの作品を高く評価できないや。


斉木楠雄

 うはwwww 麻生先生も人が悪いなあwww でも、よくやってくれた、という気持ちにならざるを得ない。ギャグ漫画だからギリギリ許されるレベルのかなり痛烈な皮肉だよなあ、これ。

 しかし、斉木くんは天使照橋さんの後頭部すらバールのようなもので殴ってるのか……。描かれてないだけで想像すると絵的にはなかなか凄まじいぞう。マジで容赦ねえな。そんな照橋さんは、今週も動機はともあれ人間不信のクラスメイトを救おうとしており、まったくもって天使でした。


アルベリーとアワレな悪魔憑き

 ガチャアイテムのセンスはいい感じ。ミツちゃんの「信仰心の失わせ方」もなかなか説得力があったけど、もうちょっと見せ方を工夫して欲しいかなー。神全裸はネタ自体は良かったから、見せ方次第でもっと面白くなったと思うんだけど。

 悪魔はアレだし、日本の神もアレなので、「どっちに転んでも神々に言いように翻弄される人間」という感覚をしっかり出して、もっとピリピリした雰囲気にも出来たと思うんですけど、あえてしなかったのかなあ。ミツちゃんの人身御供とか、あれ、相当に壮烈な覚悟だと思うんだけど、なんか軽いよね。基本ギャグテイストのまま、もっと「神々の得体の知れないヤバさ」みたいなのを演出できたと思うんですけど、まあ、ちびっこにはこのくらいの雰囲気の方がライトでいいんだろうか。


銀魂

 これまた「言いたいこと言ってるなあ」という感じ。麻生先生といい、空知先生といい、新年から「ギャグマンガだからギリギリできるレベル」に果敢に踏み込んでるよな……。

 でも、すごろくゲームを作るにしても、キャラが常に緊縛されたおっさんを引きずってるようなゲームにした方が確かに銀魂らしいとは思いました。


ハングリージョーカー

 本当にどうでもいいレベルの能力バトル漫画になったなぁ……。なんちゃって神速(カンムル)と理屈のよく分からん合体攻撃、か。神速の方は、まあ、神速とかぶったこと自体は別にいいんですけど、かぶったならハンターを超えるか、もしくは別のベクトルで面白味を出さないと、実際に影響を受けたかどうかは別として「劣化ハンター」のイメージ以上にはならないですよ。なのに、「筋肉を電気で刺激したらすごくなる」という説得力の薄さ。合体攻撃の方もだけど、重力と音を合わせたら重力攻撃範囲が拡大するという理屈もまたよく分からない。

 いや、どちらも「感覚的には」伝わるんですよ。でも、この漫画は一応科学を題材としたバトル漫画ということになってるんですから、「感覚的に」伝わればいいや、というのは違うと思うんですよね。そこはもうちょっとうんちくなり駆使して、科学原理を使って戦うバトルをちゃんとやって欲しい。それができないなら、本当にどうでもいい、そこらにあふれた、一山いくらの能力バトル漫画でしかない。だって今は科学知識と偉人の名前を"借りてきてるだけ"の能力バトル漫画だもん。設定の時点でちゃんとした武器を持ってるんだから、それをもっとしっかり活かせばいいのに。


伊達先パイ

「私のカレ余命一週間」のタイトルを見て、あー、愛さんってそういう映画見る人なのかー、と思ったけど、な、なるほど……日本刀を持った甲冑高校生がラブストーリーの主人公とか、そういう作品が好きな人なのね……愛さんとはいい酒が飲めそうだ。最終的に出来上がった愛さん主演の映画は、愛さん含む最上ファンの間では「売れ筋に走った凡作」呼ばわりされると思うなあ。常識的人物である片倉くんの意見を実際に聞き入れてたら、彼が最初にタイトルを見た時に感じたであろう、死臭を放つ作品以上にはならないと思う。


めだか

 ずっと前からそうだけど、「半袖が言彦になる」という現象がまったく想像が付かないので、彼らが何のために戦ってるかもさっぱり分からずどうにもノレない。かよわい一族を犠牲にしながら生きながらえてる悪霊的存在……みたいな話だったら、話は簡単なんだけど、実際は影武者の一族で、主体的に言彦を保存(この時点でよく分からない)してて、だけれども保存したくなくて……というのが、何か分かるような分からんような。「不知火」という一族に縛られた哀れな少女、というわけでもないんだよな。ああ、言彦による物理的な強制と、一族の定めに縛られている感じがどっちもあるのがミスマッチなのか? ともかく、さっぱりノレない。


クロスマネジ

 あれっ!? 今回普通の漫画だ。相手側7番の事情をだらだらやらなかったのが良かったですね。7番の事情説明は来週やんのかなー。

 小松さんはちょっと可愛かったです。この点は良かった。


クロガネ

 先週、皆の失笑を買った「現代剣道用にアレンジした桜一刀流」ですが、あれやったのは刀条くんだったのか……。それの出来栄えはともかくとして、そんなことをやってながら人のことを「二流三流の見苦しいアレンジ」と言い切るってのは、なかなか根性の据わったヤツだ。「俺のアレンジは一流だけどな!」が裏にあるわけだよね……。


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