【8/25】2012年38合のジャンプ感想(『るろうに剣心 第零幕』掲載号)


ナルト

「今週はトビさんのよく分からない術とカカシ先生の神威に関する謎を岸本先生が説明する回か……。謎自体は読んでれば大体分かるんだけれど、岸本先生の解説が理解できるかどうか……うぐぐ、今週は試練か……」などと戦々恐々としながら読んでみましたが、あ、意外と全然大丈夫だった……。敵の面前での8ページに渡る作戦会議は相変わらずどうかとも思いますが、説明が理解できるレベルだったことにすごく安心。なんかもう、そこにすごくホッとしたので、その後の戦場のボーイズライフの話や、九尾さんのナルトプッシュなんかは、もういいやって感じになっちゃったくらい。いや、なんかひどい感想だな、これ。言い換えれば、「説明が思ったよりわかりやすくてホッとした」以外に、特に思うことのない回だったということか。


ワンピース

 ああ……キラーさん……。あなたも苦労人陣営だったのね……。覆面のせいもあって今まで何を考えているのか分かりづらかったキラーさん、名前からして一番ヤバイ感じがしてたキラーさん、そもそも話が通じるのかどうかも怪しい人だったキラーさん。そんな彼のイメージが今週で、一転、苦労人に……。

「うちのキャプテンさ……。ホント手が早くって……同盟のことも前々から話してたのにスッカリ忘れてるし……。呼んだ奴らもまるで話を聞かねえし……」
「お前も大変だよな……。俺も最近、麦わら屋と組んだが……ううっ……くっ……苦労させられっぱなしで……うっ、ううっ……」

 ルーキーたちの同窓会が開かれたら、暴れる皆を横目に居酒屋の隅っこでローさんキラーさんは二人で酒飲んでそう。ウルージさんは「ぐはは、悩みがあるなら聞いてやるぞ」とか言って寄ってきて、二人から揃って無視されてそう。

 キッドさんの左手が大仰な義手になってるのは、新世界の苦労が偲ばれていい感じ。「ライバルポジションのやつらにとっても新世界はヤバイ世界でした」というのが伝わってくると新世界に箔がつくね。

 ローさんの脱出手段はちょっと微妙。「普通の鎖をすり替えておいた」って、うーん、あんまりスマートじゃないというか。すり替えておいた鎖がルフィにあてがわれたらどうすんのさ、とか思っちゃう。この鎖でローさんを縛ったのは実はローさんの仲間でした、ということなら話は別だけれど。

 たしぎちゃんの股間描写は良かったですね! 大切なのは恥じらいだって、言葉ではなく心で分かりました! それまで大股を広げていても全く何も思わなかったのに、「はっ!?」のコマでの大股開きの素晴らしいこと! なんということでしょうか。

 茶ひげさんが本格的にピンピンしてるあたりは、ホント「殺し屋()」だなぁ、と。はは、は……。


リボーン

 むむーん、復讐者しょぼい……。いやまあ、爆発して「やったか!?」はまんまやってないフラグなので来週ピンピンしてる可能性もあるとは思いますけど。でも、別に敵を倒さなくても時計を壊せばいいだけだからなぁ。あんだけ爆発してりゃ時計くらい壊れてそう。復讐者の皆さんはヴェールを脱いでから格段に威厳が失われちゃいましたね。ビッグピノさんとか、ただのうどの大木だし、スモールピアさんも何やら変なこだわりを持ってて、「おまえら復讐の一念だけで生き続けたんじゃないのかよ」と思わざるを得ないし。キャラ造形も戦い方も微妙である。骸さんを有無を言わさず捕えてた時のあなたたちは輝いてたのに……。

 あ、でも、巨大フラッシュだけは面白かったです。ビッグピノさんが背負ってるアイテムの中で一際目立ってて、アレなんなんだろうとは思っていたけど、まさかフラッシュとか……。いや、武器の中に耳かきがある時点でこのくらいのことは予想すべきだったのでしょうか。あと、フラッシュで視覚をやられ、そのまま突っ込んでぐったりしているツナに、壁にぶつかってリタイアした山本くんを思い出してほっこりしました。この漫画、視覚系の障害を誤魔化さずに描くところはいいよね。目が突然見えなくなったら、そりゃこうなるわな。


斎木楠雄

 すげえ、斎木くんがハラハラドキドキしてる! テレビってすげえなあ。

 この漫画は読切の時の然堂くんのホームランといい、登場人物たちは意外と頑張れる人たちで、気持ちよく読者を裏切ってくれるのがいいなあ。「なかなかイリュージョニストが板についてきたじゃないか…」がすごくよかったです。

 ちなみに、エレベーターでジャンプは、あれは実は助からないらしいですよ。落下速度を超えるスピードでジャンプできなきゃダメなんだとか。


トリコ

 いまいち緊張感のなかった四獣戦に「黒幕」の存在が示されたことで、前線で戦うトリコたちにも「時間制限」が生まれて緊張感が出るぞう…………と、思っていたら、食儀の成果をお披露目するための前哨戦扱いで終わっちゃったよ。しかし、人間界の中央部にはマンサム所長に膳王ユダ、さらに鉄平までいるのか……。こちらもこちらで緊張感ないなあ。いや、でも、マンサム、ユダ、徹平あたりが「黒幕」に敗れるような展開となれば話は別か。トリコたちの戦いも前哨戦だったけど、マンサムたちの戦いも「黒幕」にとっての前哨戦となるのかな?


黒子

 これだけ宮地さんのキャラを立てて、対立する五将の強さを強調してもなお、ラストページの緑間&赤司に全部持って行かれてる気がする……。キセキの存在がデカすぎて、今週くらいのキャラ立てをされても(特に宮地さん辺り)、誤差の範囲内というか、キセキ以外の残されたメンツの中でほんの少し背伸びしましたね、くらいの印象に終わってしまうというか。実際、今週のキャラ立ても来週以降に活かされる気があまりしないのだよ。


ブリーチ

 ああ、うん、やっぱりブリーチ面白いな……。最初の更木さん無双は、わずか1ページ弱の短い説明ながらも、それぞれの戦闘がちゃんと脳内でビジュアル化される良い感じの端折りっぷり。中でも特に群を抜いて個性際立つのがベレニケ・ガブリエリさんで、「長々と能力説明をしてたけど、相手はよく聞こえてなかったので殺される」という、なんというか、すごいキャラですね、彼。時代が時代なら一世を風靡したのではないかと、いや、今から風靡しちゃうんじゃないかと、そのくらいのポテンシャルを感じるキャラクター。これからいろんなキャラがいろんなひどい目にあっても、「まあ、ガブリエリさんよりはマシだよね」と思えちゃうんだろうなあ……。

 しかし、ロイド・ロイドさんも何気に不憫だよな。ただでさえ相手の能力を奪うテクノロジーを全員が標準装備してる状況で、「相手に化ける(能力封印効果はない)」ってのはなあ……。基本的に死神勢は自分たちより弱いわけだし。この人の能力が最も活躍できる相手は、地力が強くて、奪う能力のない剣八さんだったとは思うんだ。その考えうる限り理想的な相手にあたって、でも、「真似たオレより強くなればいい」という、よくよく考えれば何ら理屈が通ってない理屈で負けちゃうんだもんな。これ、似たような相手に一護がいると思うんだけど、むしろ、一護が相手だったら、「俺…だと…」とか言ってくれて、もっといい結果が出たんじゃないかなあ。不憫だ……。

 次週、雀部さんの能力が再利用されるという展開にはちょい驚き。あれっててっきり「もう殺すことにしたから卍解使えたことにしちゃおう」くらいのノリだと思ってたので(いや久保先生のことだから今週の展開もノリで、あの時は考えてなかった可能性大だけど)。しかし、どうなるんだろうなあ。相手はいかんせん総隊長だからなあ。これで雀部さんの能力を使ったベルチさんがボロ負けしたら、やっぱり雀部さんの立つ瀬がないような……。といって、あんまり前線されても総隊長の格が下がるし、うむむ……。


るろうに剣心

「サムライ」に対するドリーミングとオリエンタリズムは良かったです。後はまあ、普通かなあ。話の流れも、エルダーさんのキャラクターも、仮面の謎も、敵キャラのキャラ立てや悪党っぷりなんかも、ベテランらしく実に安定感のある作りではあったけれど、ま、そんなに面白いものでもない。でもまあ1話限りの読切で、映画の宣伝も兼ねて初見の人にあらましを伝える意味もあるとすれば、こんな感じかなあ、というなんかそんな感じ。「和月先生はさすがはプロだなあ。商業的要請に応えて出版社が求める仕事を安定したクオリティでこなしたなあ」と、そういう感想が出てくる、そんな感じの読切でした。


こち亀

 ぱらっとジャンプを開いたら、手榴弾をパターで打とうとしている場面が目に入って「ぶふっ!」と吹いちゃったんだけど、いやはや、今週のこち亀は面白かったー。冒頭の軍隊ゴルフのノリが最高だったけど、平賀源内の広告チラシのそれっぽさとか、和風ゴルフコース、芸者キャディなど、秋本先生の「それっぽい方向性での過度な描写」が久しぶりにまとまりのある形で表現されてたなあ、と思いました。クリーンヒットした回だっただけに、オチももうちょっと頑張って欲しかったけど、まあまあ、これだけ満足できればいいや。こち亀が面白いととても得した気分になれるね。


べるぜバブ

「もらすぞ」

 いろいろ置いといて、すごいなこの脅し文句。確かに冷静に考えてみれば、「もらすぞ」というのはかなり破壊力のある脅し文句ではあります。たとえ少女のおもらしであっても継続して興奮できるのは一部のハイレベルな人間だけであって、ごくノーマルな善男善女であれば一度は興奮するものの、繰り返されれば「うわあ、片付け面倒くさい」となってしまうことでしょう。しかし、このような屋外で、自分とは何の関わりもない少女がもらしたところで、残るのは少女のおまたの不快感だけで、そんな状況にもかかわらずこの脅し文句が成立するのはあれですかね、海馬社長の「お前がゲームに勝ったらオレは自殺する」的なアレなんですかね。「もらしてみなさいよ」と言われて、実際にもらしたあとの、微妙な空気感のまま流れる数瞬に思いを馳せたい。


めだか

 何が何だかさっぱり分からない。本気で匙を投げたくなるくらい分からない。このしりとり対決は一体何が面白い点だったの? 補足でまとめるので、皆さんの意見をどうぞよろしくお願いします。僕にはお手上げです。なにこれ。
 
 
 
 …………と思ったけど、悔しいので「一体何が面白いことになっているのか」を真面目に考えてみた。そしたら、一応理解できた。

 これ、もともとはあの幼女が「時間を忘れさせる話術」を使ってたのだけれど、めだかさんはそれに対抗して「文字を忘れさせる話術」をその場の全員に使ってて、幼女はなんか知らんけど、「アタイの話術よりスゴイわー」となって心が折れて負けたってことか。「降参」だの「公算」だの「高山」だのは関係ない。途中でのたびたびの離席は単にフェイントで揺さぶってただけ。小細工だけれど、大筋の「話術で勝つ」という点ではストレートだったから「戦いに誠実」と、そういう話らしい。これがさっぱり面白いと思えないのは明らかに「時間を忘れさせる話術」と「文字を忘れさせる話術」に具体性がないからで、「イヤ無理だろ、それ」って感じ。無茶な話なら無茶なりに理屈を付けるか「そういう特殊能力です」ということで読者を騙して欲しいんだけど、「そういう話術です」とだけ言われたら、「うん、無理だよね」で終わっちゃう。

「うわぁー、今までの会話は本当に全部「う」「さ」「ん」が使われてないぞ~! こんなプロットを書くなんて西尾先生はなんてスゴイんだ~~!!!」と思えた読者のみが今回の結末にビックリできたんじゃないかなあ。僕にはとてもそうは思えなかったし、そこに「驚いてくれる」と望みを託したのは、ちょっと西尾先生、甘甘じゃないかなーと思うけど。なんというか、漫画の面白さじゃなくて、「おれはこんなところに時間をかけて偏執狂的なプロットを書いたんですよ、どうです、すごいでしょう、びっくりしてもいいんですよ」的な。西尾先生のこういう企みは、いつも失敗してるとは言わないけど、今回は見事に滑っちゃってるなあ。

 今回のシリーズ、冒頭の安心院さん無双が一番輝いてた印象。安心院さん参戦の瞬間から思っていた、「安心院さんいるから楽勝じゃない?」が最後までその通りだったという。まあある意味ウソはついてない展開ではあったけど、盛り上がりはしなかったな~。


バルジ

「まじで侵略者全部倒して…、なぁ姉ちゃんもよ!! 敵討ってくれるぜ、きっと!!」
「(それで私は…素直にありがとうって笑えるか?)」

 普通の漫画であれば、「私のお父さんが殺されたからって、誰彼となく虐殺していいはずがない!」「それでは侵略者たちと何も変わらない!」「彼らを止めないと!」となるところだろうけど、バルジだから「私も一緒になってブッ殺さないと!」っていう展開だろうなあ、という謎の信頼感。


★宣伝:DVDになっとったんか。


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