【5/11】2012年23号のジャンプ感想(『パッキー』最終回&『恋染紅葉』新連載号)


銀魂

 こういう形で主人公の過去や業と絡ませてエピソードを終えるととても大事な話だったかのように思うし、実際、終盤は楽しかったのだけれど、それだけに序盤の導入部が微妙だった気がします。良くも悪くも導入の動機がしょぼいんだよなあ。銀さんたちが今回の一件に関わることになった理由付けとしてもしょぼいんだけど、それ以上に、傀儡とはいえ大物であった定々さんが、あんなしょぼい、特にやる必要もなさそうな悪事を犯していたという辺りがしょぼい。

 ただ、良くも悪くもと言ったのは、実際問題、今の銀さんたちには、こういう政府転覆レベルの大事に自ら進んで関わる理由はないわけで、そう考えると、ああいうしょぼい導入で絡んでいくしかないんだろうなあ、とも思うんですよね。んー、まあでも、銀魂のシリアス編が基本的に苦手な僕でも、今回は抵抗なく読めるエピソードではありました。いつものあの湿っぽいの苦手なんだよね。序盤は湿っぽかったけど。……あれ? 僕は導入がしょぼかったことに辟易したのではなくて、ひょっとして、導入が(いつものシリアス編のような)湿っぽい話だったことに辟易してたのか??


トリコ

「だいぶリラックスしながら感謝できるようになりましたね」

 なんだろう、この苦味を含んで漏れるいやらしい笑いは。食儀というアイデアには最後まで慣れそうもないなあ。しかし、大男が周りにロウソク(のようなもの)を並べた真ん中で、頭の上にプリンを乗せてる絵はすごくシュールで面白かったです。

 バブルウェイの修行は、これ、単に「めちゃくちゃ腹が減ってたら、何食ってもうまいし感謝できる」っていうアレなんじゃねえの……?? 「食材への感謝」という今回のテーマが現れた時からしばしば出てきた意見だけれど、最後にこれをやんのかな。

 食林寺へ向かっている三人衆は、やっぱり美食會? 他に対抗組織がないし、その可能性が大かなあ。にしても全員がニューフェイスなんだが。美食會なら知った顔を一人くらいは付けそうな気がするんだよね(後は可能性としてはジョアの一派とか?)。真ん中にいる婆さんが、かつて師範代だったという千代婆なんでしょうか? まな板の上に乗ってる人を見ると、どうしても味船敏八を思い出してしまう。


ナルト

 相変わらず木の葉はロクでもないな……。先週ダンゾウさんが言ってた、「ウチにはロクな人材がいないから、かつてエースだったノノウさん頼むよー(´・ω・`)」ってのは、あれはノノウさんを引きずり出すための方便ではあるんだろうけど、「こんな使い捨て方してたら、そりゃ人材不足にもならあな」と納得してしまう。情報を集めるのが仕事の忍者に対して、情報持ちすぎてるので殺そうってスゴイ話だよな。

 あと、根の「時間をかけた洗脳」だけれど、これ、もうちょっと違う顔の人にしとかないとダメなんじゃね? 別人と思う程に顔が違うとは思えないんだが。下手したら「あら、カブトじゃない。あなた、写真写り悪いのね」で終わりじゃなかろうか……。それと、カブトさんって中忍試験の時は、確か木の葉の下忍として普通に試験に混じっていた気がするんだけど、あれはダンゾウさんが見事に気付かなかったってこと?? だとしたら、ノノウさんを洗脳うんぬん以前に、ダンゾウさんはちゃんと覚えとけよって言いたくなる。「洗脳とかされなくても普通に忘れてたぜ!」ってことなのだろうか……。ダメダメじゃないか、ダンゾウさん。


ワンピース

 ヤク漬けにされた上に睡眠薬か……。子供たちの将来が危ぶまれる……。マスターの研究は暴れまわるデカイ人間を作って軍事兵器化することなんでしょうか? しかし、ヤク切れにしないと暴れない、暴れたら見境ないということでは兵器としても運用できなさそうな……。コントロールの効かない兵器なんか作っても仕方ないだろうにね。まあでも、マスターさんは実用性二の次で「思いついたから作っちゃう」感じの人だろうしなあ。

 ゾロ、ブルック、おまけにサンジの実力者トリオ(ただしサンジは除く)が既にやられていたのには確かに驚きがあったけれど、これ、ブルックはともかく、七武海の下で修行をつけてきたゾロがやられたのは、ちょっと格落ち甚だしい気が。これ、三人とも生きてんのかな? 生きてたら、「なんでちゃんと止めを刺さないんだ」ってなるんだけど。びっくりしたけど、うん、微妙だ。


ニセコイ

 色々置いといて、主人公の友達のメガネくんが可哀想で見てられないよ! 女子高生と手を繋いで肝試しという、おそらく今後の人生で一度も訪れないであろう好機が、何らの過ちもおかしてないのに消えていったんだぜ……。家に帰った後、自殺してもおかしくないレベルの悲劇。


ハイキュー

 主人公がビビってて後ろ向きでウダウダしてる点でどうにも爽快感には欠けるんですけど、その分、田中先輩のキャラが光ってるのと影山くんの単細胞ぶりが際立ってきたのは良かったです。田中先輩、今回も喜怒哀楽を露わにして、後輩を元気付けたり緊張させたり、相手校を威嚇したりカッコイイ捨て台詞を吐いたりと色々やってるんだけど、そんな間もずっと股間のぱんつは日向のゲロで湿ってるんだぜ……。股間の湿り気と異臭を感じながらも頑張ってる田中先輩萌えー。


スケット

「舐めプレイしてないで、遠くからずっと狙撃してろよ」と思うと、今回の何度かのピンチも茶番にしか思えないですね。警察には流石に連絡済みだと信じてる。


恋染紅葉

「またラブコメかぁ~」と思いながら読んでみました。内容は悪くはなかったんだけど、読み終わった後にまず最初に思ったことは、「またラブコメかぁ~」でした。内容の多少の出来不出来よりも「またラブコメかぁ~」という嫌気が先立つんだよな。ラブコメは内容的に重くなりがちなので、あんまりたくさんあると気が重くなっちゃうぜ。

 で、内容。ん。まあね……。アイドルと突然出会えたらいいよね。いきなりデートに強引に誘われたいよね。あまつさえ身体を張ってピンチを助けたいよね。その結果、「彼氏になってくれない?」なんて言われたいよね。十代の男の子なら主人公に自分を重ねあわせてキュンキュンするのかもね。そういう意味では正しく少年漫画してるのかもしれないけど、それだけだなぁ。その点にキュンキュンできなければ、後は何も思うことはないや。そう考えてみると、ToLoveるは一話ではいきなりお風呂に全裸で現れたり、誘拐と思わせて家出ネタとか、恋愛要素以外でも読者が楽しめるようにちゃんと配慮しててくれてたんだなあと思ったり。


いぬまる

「バリアじゃなくパリィ」面白かった! 僕がはじめてパリィという言葉を知ったのは「世界樹の迷宮」だったけれど、最近ではデモンズソウルでも使われ始めて、子供でも分かる一般的な言葉になってるんですかね。

 しかし、この巻きっぽい展開はなんなんだろう……。いぬまる、終わるの? 終わっちゃうの??


パジャマ

 おぉ……、普通に主人公が重症だ……。前回、「これ、外傷はなかったとしても、楽しい合宿気分はぶち壊しですね」と言ってたけど、本当にぶっ壊れたな……。当の彼らにしてみれば、そんなこと言ってる場合じゃないんだろうけど、メタ視点から見れば、主人公の恋愛フラグのために周りの人たちが巻き添えになって楽しい合宿がぶち壊れた感じを受けてしまう……。


ブリーチ

 今週はちょっと面白いなあ。「石田雨竜の矢が弱いはずはない」という意外性に、メガテンの熾天使っぽい造形の変身形態も新しい方向性で目を惹きました。「冥土の土産にオレたちのことを一通り教えてやろう。ペラペーラ~」という敵が多い中で、「もう死ぬから知ってもしょうがないから教えない」というスタンスも新しい。久保先生の敵役には舐めプレイする人達が多いんだけど(だからOSR戦闘とか言われるわけだけど)、今回の敵役は今までと違ってキッチリ締めるところは締めてる感じがするので好印象。最後までこの調子でいて欲しいけど、まぁ、それはムリだろうな……。


めだか

 刀を持った人が異常な構えを取っていると伊良子清玄を思い出してしまう程度のシグルイ脳。

「フラスコ計画……、まさか、完成していたのか……」という感じですが、善吉もしっかり隠し玉を抱えてたんだなあ。めだかさん一強のイメージが強かった前生徒会よりも今の生徒会の方が総合的な戦力では上なんじゃなかろうか。しかし、虎居さんは絶好のかませ犬ポジションなので、今後の扱われ方が今から不安だぜ……。「まさか虎居さんが!」「フラスコ計画が生み出した、あの虎居さんが!」的なビジョンが今から見えてくるぞう。

 新しい婚約者にも、今のところ、安心院さんに勝てそうな雰囲気はないんだけど、これからまだなんかあるのかね。


ぬらりひょん

 羽衣狐さま復活は「ホホウ」って感じだけど、現状では何がなんだか分からないので素直に喜べねーなー。いまいち低迷している順位を気にしてのテコ入れのようにも感じてしまう。羽衣狐さま本人も「あれー?」って感じなのが救いだけれど。ただでさえ妖怪の死生観や死後の世界がよく分かってないのに、今回の蘇生でさらによう分からんようなった印象です。なんらか納得のいく理由を付けて欲しいものですね。

 そして、氷蛭子さんは、御門院最強から「自称最強」へと格落ちしました。大安定です。


パッキー

 うう~ん。終わるのか~~。面白かったのになあ……。

 売れる要素はしっかり詰まってる漫画だと思ってたんですけどね。絵柄は子供向けでキャッチー、内容は大人向けで深く、ギャグも平均点以上でまとまっていて、老若男女別け隔てなく楽しめる上品な漫画だったんですが……。これでもダメなのかぁ。足りない要素はなんだろう? 恋愛要素くらい?? 魅力的なヒロインかな? いぬまるとの違いはそのへんかな、とも思うんだけど。う~む。

 振り返ってみると、この漫画が優れてたのは異文化からの視点だったなあと思います。人外の目から見た人間文化の言語化。この点が非常に新しかった。特に「着心地」の言語化が素晴らしかった。「着心地」を言語化するという発想は、僕、30年生きててなかったもんな。ラストの「洗濯され心地」もなかなか考えさせられるもので、「着心地」は僕ら人間にもあるけど、「洗濯され心地」はないんだよね。でも、パッキーから見ると、両者は同様に「人間文化の体験」なんだよな。人外から見た人間文化のシミュレーション、という点で、やっぱりパッキーはよく出来てたなあと思うんです。

 あと、作品全体が上品なのも良かった。あんまり誰かがひどい目に遭うとか、そういう方向のギャグがなかった。タケル父は大抵ひどい目に遭ってたけど、あれはむしろ「世界がタケル父を中心に回っている」って感じだったしなあ。ハマーさんは無視される方向でイジメられてたからあんまり気分良く読めなかったけど、タケル父は皆が無視できないという形でああいう在り方になったわけで、そこで読後感がぜんぜん違った感じ。

 まー、しかし、打ち切りは仕方ないにせよ、ST&RSと同じで五巻くらいまでは様子見て欲しかったなぁ。クオリティはずっと安定してて失速はほとんどなかったと思うんだけれど。う~む……。今回は残念な結果になってしまったけれど、個人的にはレツ先生にはこのままのセンスでいて欲しいです。


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