ブリーチ
ちょっと……これは……いくらなんでも……どうかと……。
まあ、確かにこれまでも一護には博愛主義的な傾向があったし、そうしなければ、ここで「ドンドチャッカを助けにいく」という行動に説得力が生まれないというのは分かります。にしても、これはさすがに、なぁ……。ドンドチャッカは過去に一度共闘したことがあったから（したよね？）まだギリギリ分かるにせよ、一護が今から助けようとしている虚たちは、彼らが人間界に来たら一護は何も考えずに斬り捨てるんでしょう？って思っちゃう。そもそも根幹において、「死神は虚を救うために倒している」というのがなあなあになってるのもあって、今回の一護の行動はブレブレに感じちゃうな。ついこの間まで敵だったというか、理屈的には今も敵なわけで、さらに言えば、彼らを自分自身の手で切り伏せることが最善の選択肢のはずなんですが、そのへんはまるっと無視されてるよね。
しかしまあ、主人公というのは面倒臭い立ち位置ですよね。ある程度までは読者の代弁者でなければならないので、そんなにまで超然とした立場は保てない。血も涙もない冷血漢ではいられないわけです。今回の一護なんかはその辺りが足かせになって、こういうよく分からない行動に駆り立てられてる気がします。そんで、そのへんをもうちょっと練って、もう少し共感できるように描けばいいんだけど、久保先生はそのへんの努力は放棄しちゃうから、今週みたく「ええ……。それはどうだろう……」という読後感になっちゃう。ただ、これも意図してやってることだとしたら、ある意味では正解かもしれない。ブリーチの愛読者の多くは、たぶん、ここに説得力を持たせることを大して重視してない気がするんだよね。そのへんの描写に手こずって、今週後半みたいな久保先生の持ち味が活かせない描写が続いてしまうと本末転倒ではあるんだよな。まあ、そういうわけで、前半はどうにも納得しかねるものでしたが、後半はとってもブリーチらしいブリーチだったと思います。
トリコ
あー、デスフォールの時のあの巨大な山は珍師範の手によるものだったのか。トリコたちがたまたま行った時に、たまたまあんな巨大なモノが落ちてくるとか、トリコたちどんだけ運が悪いんだよと思ってたけど、そういうことなら納得だなあ。しかし、万物に対する感謝ねぇ……。あれもあれで相当な自然破壊だと思うんだが……。というか、トリコたちの命には特に気を払ってないよな……。「万物」には含まれていないのだろうか。
ところで食林寺は寺自体が刻命館なのと、修行が厳しいのはそうだとして、メシはどうなんすかね。厳しい修行でも、耐え抜けば寺内では旨いメシが食えるんだろうか。食えるのだとすると、グルメ時代においては、そんなに待遇の悪い刑務所ではないのかもしれない。
ナルト
「イタチの真実を知ったはずのサスケがなんで木の葉への攻撃を考えてるの？」という、本作最大のよく分からんポイントが今週でそれなりに説明されたんですが……。しかし、だるい……。長いのと、あまり説明が効果的でなく心に響かないのとで、「ああ、うん、やっと説明してくれたってのに……頭に入らない……」という感覚。
頑張って言語化すると、「イタチ兄ちゃんは自分の身を犠牲にして木の葉のために尽くしたのに、あいつらさっぱり理解せずに裏切り者よばわりしやがって、ぶっ殺す！」という辺りでしょうか。うん、まあ、大体想像通りだった。……だったのに、なんでだろうなあ。なんでこんな何も思わないんだろう。カブトさんのお話がまったく面白くないのと、その全く面白くないお話でサスケの心情を逐一確認していく下りがだるすぎるせいだろうか……。
バクマン
作家が終わらせたいタイミングで作品を終わらせるという、これ自体は間違いなくいい話なんですけど、これまたちっとも乗れないのは、やっぱり、「いつ終わるか」論争は既に一悶着あって、サイシューと服部さんの間では解決済みの問題だからだろうなあ。「その件は以前に揉めたんだから、もういいでしょう」っていう気分になる。まあね、リアルだとは思うんだけどね。担当レベルまではオッケー出ても、その上がうまく行かないとかさ。リアルではあるんだけど、読んでる方からすると「またその大して面白くない問題を蒸し返すのか……」といううんざりムードが強いのも事実。
そして、残念ながらREVIRSIのラスト４Ｐは今週のアレだけ見ても何がすごいのかさっぱり分からんですね。もうちょっとキャラクターとか、ヒロインとの関連性とか見えてれば、すごいエンディングだな！って思えたかもしれないけど、今週のアレだけではいかんせん情報量が少なすぎて脳内補完もムリだなあ。「あ、また必殺暗黒流れ星だ」って思うくらいしかなかった。
めだか
すげえ……。めだかさんに対する「がんばれ！」という気持ちがまるで沸かない……。これはあれだな、結婚したいかと聞かれた鴎くんが即座にNOを返したのと同じで、まったくもって、めだかさんを「守ってあげたい」気持ちが沸かないんだよな。だから、今回のシリーズが「めだかさん自身が幸せになること」と言われても、本当に微塵の興味も抱けない……。今までのシリーズでは、めだかさんからそういう方向性を意図的に跳ね除けていたわけで、その結果として現状がこうなってる感じ。でも、西尾先生のことだから、ここまでは自覚的にやってんじゃないかなあ。今シリーズが経過していくにつれて、「めだかさんガンバッテ！」という気持ちになれるんだろうか……。
そして、食育委員長の二人はアレだよな。先週、「スモーカーさんはよく頑張った。世の中にはカマセにすらなれないキャラだって多いのだから」と言われていたけれど、彼らは別の意味でカマセになれない二人だったよなあ。だって、彼ら武闘派じゃないもんな。特に戦闘力のないキャラクターをボコボコにしたところで月氷会の株が上がるわけでもなし……。何のために二人はボコボコにされたんだろうか。雲仙委員長と同じで、こういうよく分からないボコボコ行為は何の意図があって何を狙ってやってるのかよく分からないや。誰彼構わずとりあえずボコボコにするヤバイ団体だ、というニュアンスを出したいのかな。残念ながら、だとしても不気味さよりも、話の構成のよく分からなさの方が目立っていて、成功しているとは言いがたいのだけれど。委員長クラスではなくて本当に無力な一般生徒をギタギタにしてれば、もっと危ない感じが出た気がするんだけどね。
DOUBLE BALLET
弾丸のこと、最初は女の子だと思ってたので、レズの乳揉みいいなあ、と思ってました。勘違いでした。
他は本当に思うことがないや……。及第点には達してるけど、まさに及第点に達してるだけ、という感じで、キャラクターも好きになれないし、ドキドキするシーンや設定もない。あえて言うなれば、漫画に説明役が必要だとはしても、全体の状況を監督しなければいけない署長が、緊急事態の只中でたった一人の新人警官に逐一状況を説明してあげるのがものすごい不自然だなあと思った、そんくらい。
★宣伝：ボトバイさん赤いな！
集英社 (2012-04-04)
