【3/30】2012年17号のジャンプ感想(読切『ロック・リーの青春フルパワー忍伝』掲載号)


 そういえば、来月からビッグガンガンで拙著「よいこの君主論」が漫画化します。リンク先の上の方にある「次号予告」からイラストが見れるよ。


ナルト

 えっ、香燐ってうずまき一族だったのか……。というか、そもそもそんな回復能力の高いキャラだったっけ……?? 感知タイプだったような記憶はあるんだけど。……ああ、そういえば香燐を噛んだら回復するんだっけ? 

「うずまき一族は赤い髪が特徴」と言われても所詮モノクロなので良く分からないけれど、ナルト、香燐、長門と、「うずまき一族は性格に難のある者が多い」と言われたら、なるほどなあ、と思ってしまいそうな、そんなメンツ。ていうか、長門はうずまき一族だったのか。この情報って初出だよね……??

 そして、尾獣合体により、すっかり産廃化したと思われた仙人モードに、蛙叩きに続き再び脚光が当たったのは良かったです。良かったね、仙人モード。まだ息してる。


トリコ

 食の礼儀作法を心得てないとダメなのに、トリコたちは「なんかのおまじないか?」とか思いながらやった礼儀作法でクリアーしちゃったのか。飲食店に入る前に合掌して一礼ってのは小学校で習ってるのかしらね。ていうか、そんな飲食店なんかイヤだな。

 今週のトリコは色々とハッタリが効いてて面白かったけれど、しかし、やっぱり20分かけた挙句に飲めない食前酒はいらないなあ。裸の王様みたいな話だ。「10分ごとに10cmずつ持ち上げてから飲んで下さい。食儀を極めていればできるはずです。どうです、美味しいでしょう?」「う、うん。旨いな、なあ、おい……」「お、おう。旨いぜ、うん」みたいな。しれっと鬼ころし出してもバレないんじゃなかろうか。他のはともかく酒くらい適当に飲みたいもんだぜ。だって、酔えねえじゃん、こんなの。

 食の礼儀作法を極めていれば、珍師範のように一見乱暴に見えても平然と食べれる、というハッタリは面白くって、なんというか、カッチリした作法の決まっていることでも、それが体に染み付いていれば自然かつ効率的にできるみたいな、そういうニュアンスだと言うのはよく分かるんですけど、面白いなとは思いながらも、この食材だとやっぱりそういう食い方は無理だろうとも思ったり。昆布酒とかどうやってもそんな風には飲めないだろうに。あと、米粒は茶碗に残すなと言いたい。


ワンピース

 ボスの足元にいる女の子のケンタウロスがかわいい。この子の登場はこの1コマで終わりなのだろうか……。

 ローの能力はえらい強くて範囲も広いなあ。しかし、「オペ」の概念で考えると、体を切ったり繋げたりはともかく、電伝虫没収はよく分からんぞ。「手術にケータイ持ち込んじゃダメって言ったでしょ。終わるまで預かっておきますからね」っていうノリなのだろうか。


ブリーチ

 どうしてだろう……。助けに行く気はなくパンを食い続けていた石田よりも、助けに行く気はあったけど今なおパンを食い続けているチャドの方がよりチャドに見える……。万一、一護に何かあった場合は、石田は「バカな、一護がそんな……。あいつなら大丈夫と判断していた僕のミスだ」って後悔するだけだけど、チャドは「一護がやられるなんて……。助けに行かなきゃと思いながらも、のんびりパン食っておかわりとかしてたオレのばかやろう」って、思いながら生きていくんだよな。うん、チャド……。

 ネルはなんで幼児体型に戻っちゃったんだろう? そもそも大人バージョンと幼児バージョンがどのように切り替わったのかさえ、あまり記憶にないのだけれど。あれ? そもそも大人に戻ったんだっけ?? 回想シーンで元は大人であったことが示唆されただけ?? あの辺のことさっぱり覚えてないけど、あれってもう4年前の話なんだなぁ……。

 そして、見えざる帝国サイドのコントはすごいな。「見えざる帝国」ってのは、「こいつらこのままほっといたら内輪揉めで全滅しますよ」というのを暗示しているのではないかと疑ってしまう程。リューダースさんは、これ、何て答えれば良かったんだろう。あれかな、「『ブッ殺した』なら、使ってもいいッ!」っていうノリなのかな。というか、イーバーンさんが特に良くも悪くもなくとも処断されたことを考えると、結局、何をやって何を報告してもリューダースさんの結末は同じだったのではなかろうか。あれだな、ブラック企業に就職してはいけません、という教訓だな。


ロック・リーの青春フルパワー忍伝

 明らかに子供向けなんだけど、意外と面白かった……! 袖が破けるてんどんが普通に笑えたんだけど、子供にとっても面白いネタなんだろうか、あれは。レトロ的な感覚がないと笑えない気がするんだけど。

 リーのトリオは、あれ、人気があるんですかねえ? 昔は「子供たちは小難しいワンピースよりも、単純で大技がバンバン炸裂するナルトの方が好き」みたいな話も聞こえてきたけど、最近はナルトも十分小難しいからなあ。小難しいというか、岸本先生の独特な言語感覚で描かれるキャラクターの心情描写が掴みづらいというか。そんな中では、リーの思考法は比較的理解しやすい……のかもしれない。好きな女の子(サクラ)がいて、ギャグ的な熱血志向で……。ツッコミ役のテンテンもいるし、ネジも本家との確執うんぬんを除けば分かりやすい実力者キャラだから、扱いやすいトリオなのかもね。


パジャマ

 ストーリーパートやら恋愛パートやらには既にほとんど興味が持てなくなっちゃったこの漫画だけれど、「幽霊がうどんを食べる」という構図にかこつけて無理矢理に尺八と飲精を再現した辺りは高く評価したいです。僕はなんというか、こういう作者の「がんばり」が好きなんだよな。露骨であればあるほど好感が持てる。廊下で女の子とごっつんこしたら、謎の宇宙パワーにより女の子の股間に顔が埋まってるくらい強引なのが好きだ。


バクマン

「台本を見ずに演技」までは読者はみんな予想してたことなので、その一歩上を行って、台本の間違いまで修正する、という辺りは作劇として上手かったなあ、と思います。


 思うんですけどねえ……。そこまで巧いことやってても、投票結果を見ての感想は「はあ、よかったですね。セックスできますね」っていう感じ。じゃあ、僅差で勝ってれば良かったのか、というと、それはそれでご都合主義な感じがするし、負けてれば良かったのか、っていうと、負けたらまたこれが続くのかー、とだるい気持ちになる……。まぁ、これが最善なのかなぁ……。総じて今回の一連のエピソードは「ガモウ先生は最大限がんばったけど、『いつかは消化しなければいけないエピソード』止まりであって、『面白いエピソード』ではなかった」という感じでしょうか。面白く描くのが非常に難しい主題を扱って、最大限に頑張ってはいるけど成功したとは思えない。そんな感じ。
 
 とりあえず、「私とは到底競えないわよ」とカッコイイ台詞を吐いておきながら、この結果になった郷田夫人は今頃ものすごく恥ずかしいんじゃないかと思います。5番の郷田夫人は一応見えてる範囲では亜豆姐さんに続く二番手ではあるのだけどね。

 しかし、穿った見方をすると、これ、102801票のうち90000票くらいはたぶん番組を見ずに投票してるよなあ。声優の名前まで知っているファンはそこまで多くないだろうから、「新聞で話題になってたあの人」という知名度だけで投じた人がほとんどな気がする。投票者層をコアな声優ファンだけに絞れば亜豆姐さんは苦戦したかもしれないけれど、声優の名前も知らない一般層まで巻き込んだ時点で、実は勝ちが確定していたのではなかろうか。


リボーン

 ええええ、骸さまがショボーイ。強敵とのタイマン中に後ろを向いて喋ってたら捕まっただなんて、あんまりにもあんまりなやられ方だけれど、さすがにこれは幻覚だと思いたいな。

 一方、ヴァリアーはいつも通りにショボかったけれど、こちらはむしろ安心感や安定感を感じさせるショボさで見ていてホッとするのでとてもよかったと思います。「ページを開いたら半壊している」いつも通りのヴァリアークオリティ。


クロガネ

 番田くん……www

 あー、でも、なんかちょっと残念だなあ。「ザコなのに、なんだか一番えらそう」という番田くんのキャラクターは新しかったし、面白かったし、今回も一応そのキャラクター性は保ってくれてるんだけど、なんかちょっと違うというか、微妙にズレてしまったというか。思うに僕が番田くんに期待していたのは、「(なぜか知らないけど)ザコなのに、一番えらそう」という不思議なギャップであって、彼の内面が描かれて、若干、番田くんの心情に手が届くようになってしまうと、その魅力がなくなってしまったのかもね。人物をしっかり描くことで魅力が下がるというのも、なんとも悲しい話だけれど。彼には最後まで、よく分からんけどザコいくせに偉そうな人でいて欲しかった。まあでも、そうすると大抵の読者には「よく分からんキャラ」で終わっちゃうよなあ。ジャンプの作家は新人でも全体的に巧くなってきてると思うけど、それゆえに小さくまとまってきたというか、不思議なキャラクターが少なくなってしまったというか。そう考えると岸本先生の亜空の言語センスは貴重なのかもしれない。


こち亀

 最初の4ページがえらい面白かったです。これ、ギャグ漫画らしいムチャクチャなギャグ描写ではあるけれど、実際問題として、契約先の企業の社長がヘリで現れ、空中ウン十メートルの細い足場を側転しながら窓を破って転がり込み、目の前で契約書を破かれて恫喝されたら、そりゃあ相手もどうにもできないよなあ。唖然としている間に中川はさっさと去っちゃうし、どうしょうもないぜ。演出と考えれば、契約条件の変更を相手に迫る上で、有効なテクニックと言えなくもないかもしれない。あれだな、亜豆姐さんもオーディション会場にヘリで乗り込んで側転してから演技に入れば、あの結果も文句なく飲み込めたんだよ。


パッキー

 後半はともかく序盤のコンセプトラッシュがすごく面白かったんだけど、どう考えても子供に伝わる気がしないなあ。ずーっと心配してるんだけど、パッキーは絵柄やらノリやら基本的には子供向けだと思うんだけど、センスは大人向けなんだよな。大丈夫なのかね。その後の頭突きまんじゅう路線は子供にも伝わるだろうから、大人にも子供にも受けるようバランスは考えてやってるのかな。


ぬらりひょん

 思った以上にメドローアでした。しかし、土蜘蛛たち(種族名?)が土蜘蛛(固有名?)に対して、「土蜘蛛ヨォ」というのはなんだか違和感があるなあ。


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