【2/17】2012年11号のジャンプ感想(『鏡の国の針栖川』最終回号)


ハンター

・「読みをはずしたのはアイツの責任だ」

 久しぶりにハンターっぽい台詞を聞いたなーって感じ。ハンターの世界ってこういうドライさが魅力だと思ってたので嬉しかったです。弟子の生死が掛かった場面でさえも(そしておそらく息子でさえも)、本人の判断ミスなら本人の責任と割り切れるドライさが実にハンターっぽい。しかし、この説教シーン。ジンはなんだかんだ言って、ちゃんとオヤジっぽいことしてますねえ。どう解決するのかと思われていたゴンとの邂逅も、巧く昇華できた気がします。

 というか、ジンも周りの声に影響とかされるんだな。周りでヤジを飛ばしてた有象無象のハンターたちも、なんだかんだでゴン一家の家庭円満に協力してんだよね。ちなみに「ジン最低!! ジン最低!! ジン最低!!」を連呼してたのはツェズゲラさんだと僕の脳内では補完されています。


・気狂いピエロ

 ああ……。あれ、ジンが教えたのか……。あの……。あなたのお弟子さん、能力に対して不満たらたらでしたよ……。

 でもまあ、ジンが教えたと言われれば、「なるほどなあ」という気はする能力ではある。応用範囲は広いけど、各武器ごとの技の修得に手間が掛かり、狙って武器を選ぶこともできない困った能力だもんな。実にジンらしい。

 ところで、「ゼッテー死んでたまるかと本気で思わないと出ない番号がある」の下りがよく分からなかったんだけど、これは何なの? カイトが生きてるということは、「ゼッテー死んでたまるかと本気で思ってた番号が出た」? ピトー戦で使ってた、あのマラカスみたいなのがそうなの?? よく分かんないなー。
 

・「またぶっとばされっぞ!!」

 これって、第一話の時の話だっけ? 直接に見ていた、もしくはカイトから話を聞いたということ? まあ、なんにせよゴンのことはちゃんと気にかけてたんですよ、ということか。


・「ハンター試験と十ヶ条の改正はお早めに…」

 パリストンさんは要は嫌がらせがしたい人なのか……。この人、トリプルハンターのはずだけど、よく偉業を成し遂げて弟子も育成したもんだな……。しかし、協専の問題とか、ハンター協会を骨抜きにするシステムを作っちゃったわけで、嫌がらせにしては極めて悪質だけれど。モラウさんもゴン復活を喜んですっかり協専やパリさんに対する不満を忘れてるけど、おいおい、あの時の気持ちを忘れないでくれよ。

「本気でおちょくる」の話と合わせると、やはり今度は繭から孵化した蟻兵をハンター試験に送り込んで何かしよう、という話なんでしょうか。蟻編でちょろっと出てきたジャイロなんかと絡むんですかね? 正直、蟻編はもうお腹いっぱいなので、あんまり引きずらなくてもいいかなーという感じなんですが。


ブリーチ

 久保先生は、こういうハッタリじみたカッコイイ演出はやっぱり巧いなあ。冒頭のカラー3Pと見開きカラーまでのカッコ良さは流石ですね。「境界侵度を〇・二四度矯正します!」とか冷静に考えると何言ってるのかさっぱり分からないハッタリ台詞なんだけど、よく分かんない専門っぽいカッコ良さがある。この導入は中学、高校生辺りはすっごいドキドキするんじゃなかろうか。「パターン青、使徒です!」とか、リアル高校生の時、すごくドキドキしたもんな。

 そして、人事面に関して魔法律協会並の酷さを見せた今週の瀞霊廷。「あそこは何か問題があるようだから人員を二人に増やそう」までは良いとして、なんで車谷さん以下を派遣してくるんだよ……。しかし、空座町もあれですな。コナンと共に行く旅行先みたいなもんで、一護がいるからこそ危険度が跳ね上がってるわけで、そんなところに派遣される死神はそりゃあたまったもんじゃないよな。むしろ、車谷さんはよく今までこの過酷な労働環境に耐えてきたもんだよ。


ナルト

・「それ以上言うな! 余計むなしくなる!」「それでこそガイだ」

 いや、カカシ先生、それ、ガイ先生はまだションボリしたままですからね。何を「それでこそガイだ。まだ目の輝きは死んじゃいないな」みたいな感じになってるんですか。励まされてもむなしいままの気持ちなんですよ、彼。ただ、岸本先生が何をやりたかったのかは分かるわけで、ここの代わりの台詞が難しいのも確か。代案としては何がいいかなあ。ちょっと考えたけど分からなかった。


・「それが…お前の想いの強さだ」

 士気を上げるための情報伝達にリソースを使うのはアリだとしても、いのいちさんは過剰にリソースを使っちゃったんだから、それを美化するのはどうかと思うな。ここは本人が言ってるように、ただ単に口下手だったと思うんだ。だって、これで今後、必要な情報を伝達できずに大打撃を受けたら、「クッ、オレが口下手で20秒もかけちまったばかりに……!」ってなるんだぜ。

 しかし、あれだなあ。状況的にも流れ的にもここはナルトマンセーで何ら問題のないシーンなのに、それにもかかわらず、みんなが主人公を一生懸命にヨイショするシーンはどうにも受け付け難い。

 あと、

「その皆の強い想いが…………、この戦争の勝利への予言だ!!」

 ってなんか変な表現。「予言の子」と何とかして絡めたかったんだろうな、というのは分かるけど、強い想いが予言ってなんだ?? 「勝つぞ」という強い想いをナルトたちが持ってるとして、他の皆の「勝つぞ」という強い想いがそこに加わると、その強い想いが勝利へと繋がるであろうから、みんなの強い想いは勝利の予言のようなものなんですよ、ということ?? 雰囲気的には分からんでもないけど、やっぱり変な話ー。「オレたちみんなでこの瓦礫を押し上げれば下敷きになった子供が救える! 一人一人が力を振り絞ってくれたら、それが救助成功の予言なんだ!」みたいな?


ワンピース

 ドラゴンが喋っていると思ってた時は、「このドラゴンさんを殺すのはどうなんだろう」と思ったものだけど、喋ってたのが袴の人だと知ってからはドラゴンさんが首ちょんぱされても何も思わなくなるふしぎ! 喋れるって大変なことなんだね。

 袴の人はバラバラにされちゃったのかな? ということは、ひょっとしてバギー船長? 七武海に就任したバギーさんが、新たな応用力に目覚めて他人の体をバラバラにしたのだと考えれば夢は広がるけど、しかし、ここでバギーさん再登場は、せっかく七武海の話が出てきたのに閉塞感を感じるし、それにあのバギーさんが新世界に乗り込んだなんて、いまいちイメージできないな……。


バクマン

 うおぁ……。おそろしくどうでもいい展開だ……。おそろしくどうでもいい……。しかし、ひょっとするとハンターが選挙編に入った時にも「おそろしくどうでもいい」と思った人も世の中にはいるのかもしれないなあ、とふと思いました。まる。


P122 読者プレゼントページ

 この3コマ漫画すげえな。これ、明らかに姉に足コキされる情景を意図した描写じゃん。誰が描いたのか分からないけど少年ジャンプで挑戦的なことしてくるよなあ。これって担当さんに黙って仕掛けたのかな? それとも一緒になって悪ふざけ?? なんにせよ、こういう不敵な試みは大好きです。


銀魂

 現将軍がアレなので将軍職のイメージは今までアレだったけど、今回の定々さんは仮にも国のトップに立つ男の凄さを滲ませてくれたのが良かったです。「形骸化した幕府にしがみつき」なんて評されてるけど、それでもトップの地位にまで登り詰めた男の実力をちゃんと見せてくれたというか。この漫画、基本ギャグ漫画だから、立派な立ち位置にある人物は大体オトボケキャラになっちゃうので(ギャップネタ)、立ち位置そのままに本当にすごい人が出てくるのは新鮮だなあ。


リボーン

 すげえ。ヴァリアーなのに頑張ってる、すげえ。マーモンさんの幻術もクリーンヒットしちゃったよ、すげえ。しかし、幻術のタイプからして、次からは効きそうにないなあ。今回ので仕留め切れなかったのも残念。巧く決めないと効果がない類の能力なんだから必殺級の威力でも良さそうなもんだけれどね。次はなんだかんだで、「馬鹿な! まさか***が***なんて!」とか言って回避されて負けそうな気がします。しかし、一方で風の方も奥の手は見せちゃったわけだから、どちらもカードは切り終わってるんですよね。ひょっとするとヴァリアーが勝利してまさかの大物食い展開になったりするんだろうか。ここで雲雀さんを倒せたら大金星だよなあ。

 なんにせよ、キン肉マンの王位継承編みたいなもんで、非主人公勢同士の戦いは先が読めなくて面白いですね。


クロガネ

 この不良たちは命拾いしたよな。今回こそ手は出さなかったものの、この場には生身の首を正確に突いてくる、シドウくんなぞ比べ物にならない危険人物がいたんだぜ……。おまけに辻斬り幽霊に憑依されているという……。「辻斬り幽霊に憑依され、生身の首に突きをしかけてくる男子高校生」って、なんだかぬらりひょんやぬ~べ~の一話完結モノに出てきそうなキャラだよな。


パッキー

 今週はちょっとイマイチだったけど、キタキタオヤジポジションのティラノブナリくんが可愛かったので良しとしよう。


いぬまる

 ニュートリノ先輩は、どちらかと言えばこぎつね幼稚園にいそうな人材だと思いました。あのムキムキの園児たちも卒園したのかなあ。


マジコ

 なんというリア充魔法……。リア充な思い出を犠牲にしても、「これからまたリア充な経験ができるからいいさ」と思えるリア充の中のリア充、真のリア充にしか使えない裏魔法。これが例えば触手魔法の神父さんとかだと、「ああ、でも少女を触手責めした記憶は捨てがたい……。これからもう二度とあんな触手責めはないかもしれないし、ウググ」とか言ってる間にやられちゃうわけですね。「つくってけばいんだ、これからいくらだって」という台詞も、展開するなら「初キスか……。まあ、キスは毎晩してるしな。これからもするぜ」みたいな話ですよ。なんというリア充か。くそが。


針栖川

 な、なんだと……。先週で実質終わっていたのか……。

 えー、先週、「総評的なのは来週」と言いましたが、こうなってしまうともう総評だのなんだの言う感じではないですね……。


 しかし、すげえなコレ。アニメ版のこいこい7みたいだ。こいこい7も終盤ギリギリまでずーっとお色気バカコメディをやってて、終盤に入ってから突然にシリアス展開に移行しつつも、しかし、すべての伏線を投げ捨てて最終回はお色気温泉バカ話をやって終わったという清々しい作品だったんですが、それに通じる心意気を感じました。「真面目な恋愛話とか本当はあんまり興味ねえんだよ。ToLOVEるみてえなエロコメが描きてえんだよ」という叶先生の心意気が伝わってきた気がします。有終の美を飾るどころか、先週の爽やかな読後感をブチ壊して締めようとした男気には敬意を評したいです。

 ……けどなー。困ったことにエロコメとして見ると、あんまり面白くないんだよなあ。そう考えると、やっぱりToLOVEるのリトくんはすごくよくできたキャラクターだったんだな、と思うんだけど。今回で言うと、危ない店だと知っていながら好きな女の子含むクラスメイト3名を、主に自分のバイト代のために店に案内する辺りがやっぱり針栖川に好感が持てないよ。いくら頑張ってガードしていたとしても、カネに心が動いちゃった辺りがなあ……。あと、ガチ性犯罪ってのはやっぱりエロコメにしては若干重いというか。今回に限らず、針栖川のエロコメ方面はあんまりピンと来なかったです(エムゼロはもっと面白かった気がするんだけど)。とはいえ、恋愛方面もやっぱりピンと来なかったんだよなぁ。うーむ……。


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