【11/23】2011年50号のジャンプ感想(『斎木楠雄』掲載号)


ハンター

 巧え! なんだこの漫画、巧え!! いや、最初読んでる時はですね、あー、冨樫先生、困ってんなー、レオリオ出したはいいけど、キャラが動きすぎてめんどくせーことになってんなー、とか思ってたわけですよ。ゴトーの提示する条件の話とか、最初からモラウ先生が聞いてればサクサク進んだじゃないですか。でも、レオリオをここで出しちゃったから、話がこじれるわけですよ。レオリオがそんなサクサク話を進められるわけないからね。モウラ先生の「代わってくれ」の辺りも、レオリオだから「引っ込んでな」と言ってしまう。否、言わせざるを得ない。だから、この辺りはスピード感に欠けてしまい、まあ、それでもこのやり取りは十分面白かったんだけど、「レオリオを久しぶりに出したせいで面倒くさいことになってんなー」とか思ってたわけですよ。

 それがラストであの展開でしょう? 「あー!!!」って感じ。前半のウダウダは、あれ、「レオリオを出したから面倒臭くなった」わけじゃなかったんだ、って。レオリオのキャラの再描写だったんだな、って。なるほど、確かにあのノリならジンを一発ブン殴ってもおかしくない。これまで「物分りの悪い直情的なレオリオ」をずっと描いてきたから、確かにすらりと繋がる。それでも最初は「ここでレオリオの能力お披露目かー。へー」くらいに思ってたけど、最後の最後でレオリオが会長候補急浮上っていうね。キメラアント編以降、平行して描かれてきたゴン復活の流れと選挙の流れがここで絡んでくるのか!っていう驚き。こんなの想像もしてなかったよ。あと、ジンを一発ブン殴った後の、「レオリオの人気急上昇」への繋ぎ方がすごく巧い。大興奮のハンターたちと拍手喝采、ピヨンのアナウンスだけで、ジンの立ち位置がいくらでも想像できちゃう。「圧倒的な実力は認めるけど、とにかく鼻持ちならない。機会があれば一発ブン殴りたい」的な? ジンがブン殴られた映像を拡散できるということで、ピヨンもとっても嬉しそうだしね。

 いやー、今回はホント圧倒的に巧かった。何が巧いか分かっても、とても真似できそうな気がしない巧さ。序盤のスローペース展開から、終盤のアクションへと繋ぐカタルシス。そこにレオリオの能力お披露目という新要素を挟んでから、「でも、こんなことしちゃってレオリオどうなるの!?」という読者の不安を、「拍手喝采」という展開で思わぬ方向に導き、ジンの立ち位置を想像させる情報を与えつつ、物語に大きな動きを与えて締める。すごい。だめだ。これは勝てる気がしないわー。素直にすげえ。むり。


・レオリオの能力お披露目

 あとはちょっと細かい感想など。レオリオの能力は、これ、なに? 放出系?? てっきり強化系だと思ってたんだけど、まあ、性格的に放出系でもおかしくないわな。手を(衝撃を?)遠くに飛ばすという辺りから、遠隔外科手術を可能にする能力なんでしょうか? まあ、レオリオのことだから、「まったく医療に関係のない念を覚えちまったぜ!」とか言いそうな気がせんでもない。


・「3位 レオリオ 55票」

 今週のハンターで一点(二点?)難点があるとすれば、あの一発で55人ものハンターが思わず票を投じちゃったこと。劇場型政治! ハンターがそんなんでいいのかよ、という気はせんでもない。まあ、拍手喝采はしても、そのまま票を投じちゃったのは55人止まりということで、本気でレオリオに未来を見た人が20人、うっかりノリで入れちゃった人が35人とか、そんな感じでしょうか。この漫画のことだから、このままレオリオが順調に会長就任という流れにはたぶんならなくて、今回のレオリオイベントは投票率95%をとりあえずクリアするところまでで終了なんじゃないかな? 上位16名ということでギリギリでジンまで入るわけで、こっからが本番という流れなんじゃなかろうか。


・ジン

 微妙に難点(?)なのは、レオリオの能力をジンが普通に一発喰らっちゃったことで、この流れでは喰らうのがもちろん正解だろうけど、ジンのカリスマが薄れた感もなくはなし。ただ、ジンのことだから、選挙を進めるためにあえて喰らったのではないか、くらいの脳内補完はしてしまうね。でも、実際はきっと「おーいてー、くそーあのやろー」とか思ってるんだろうなww あえて喰らったと思わせて、実はガチで喰らっていた展開を予想しておきます。でも、ガチで喰らってたとしたら、やっぱ株下がるよなー。念能力って一発当たったらオワリの能力が結構多いしなー。


めだか

 今週のめだかさんはすごくおぱんつを見せてくるなー。始まってまず1みせ。ラストにもう1みせか。僕は女子高生好きにもかかわらず、めだかさんにはあまり興奮するところはなくて、今回のおぱんつにもあまり思うところはないんですが、カラー扉でのめだかさんの胸は「カラーで見るとすげえ露出だな」と思いました。そりゃ風紀委員も注意するわ。リアルで女子高生がこんな格好してたら、僕は相手を見ているふりをして、いや、ふりさえ忘れて、常に胸元を凝視しているだろうよ。

 内容的には、相変わらずメタメタしい感じですが、僕には面白い。今週のなんてまさに「能力バトルの主人公の能力を考える回」ですしね。これ、難しいんだよなー。強すぎてもアレだし、弱すぎても困る。ダンゲロスも主人公の能力があんなだけれど、あれに決めたはいいが、どうやって活躍させればいいのか、しらばく分かんなかったもんな。いや、話考えてから能力決めろよ、って言われそうだけど、うん……まあ、それは正論だ……。あ、戦闘破壊学園ダンゲロス、来月から月刊ヤンマガで漫画が連載ですー。描いてくれるのは「競技ダンス部へようこそ」の横田先生。お楽しみにー。僕も楽しみー(宣伝)

 ところで、善吉くんの求めるスキルってなんなんだろう? 「実現可能か分からず」「安心院さんの思惑から少しズレてて」「頭おかしい」からすると、女子高生の尿を満たしたプールの中を自在に泳げる能力とかだろうか。


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 こんなかんじ? うん。これは頭おかしいわ。


ワンピース

 微妙な敵集団の微妙な敵幹部たちが当然の結果として敗れただけなのであまり言うこともないんですけど、頭突きで対抗しようとした相手にレーザービームを喰らわせるフランキーさんの図はすごく面白かったです。江戸時代の名剣士がSF世界に紛れ込んで光学兵器喰らったみたいな残酷無惨。む~ざん、むざん~。


リボーン

 ヴァリアーは「どんだけ強いの、アルコバレーノ!!?」と必死に持ち上げてるけど、いかんせん言ってるのがヴァリアーだし、スカルもFFで言えば召喚獣ゴーレムだし、そのゴーレムも2/3消費しちゃったという、どう考えてもスカルチームの厳しすぎる状況。しかもシモンファミリーって強いイメージのあるヤツいないんだよねー。鈴木さんは今度こそ本職マフィアに取り囲まれて、氷の中で「出るに出られないよぅ~」とか言いながら、おもらしすると思うんだ。


ニセコイ

 いや、そりゃあ読んでも羨ましくないようなデート描写を狙ってしてるんだろうけど、本当にまったく羨ましくないし、何も憧れがないし、ちっとも楽しいとも思えないんだけど、いいの? これで?? なんつーか、漫画としての狙いは分かるが、漫画として面白くないといいますか。


スケット

 面白い……ww 

 昔っから薄々気付いてたけど、僕は「漫画的に誇張された不良表現」が大好きなんだなー。「殺すぞ」が挨拶とかすげえ面白かった。クロマティ高校でクラスの不良がいきなり鉛筆を食べ始めて、「すげえ悪(ワル)だ!」ってのも面白かったし。でも、こないだ人から聞いた話では、金属屋さんにマンホールの蓋を売りに行って店の人に咎められ、「地面に落ちてた」と言い訳した不良とかいるらしいし(周りの不良は「あの人マジ気合入ってんぜ」とか言う)、不良文化はリアルもフィクションも僕達の想像を超えた世界で花開いてるんだろうなーと思います。


クロガネ

 久しぶりに生身の人間を竹刀で殴りかかったと思ったら寸止め…だと…。というか、意図して気持ち悪く書いているであろうキャラが寸止めなのに、主人公チームのキャラはガチで当てに行くとか一体どういうことなんだ……。今ではなんだかいい先輩ぶってるアフロさんとか、初心者の一年生の後頭部に水の入った竹筒を食らわそうとした人なんだぜ……。

 内容の方は、白麗をイケてるライバルキャラ連中にしたことで、落葉の方をステロタイプな「序盤の嫌味なライバル校」にしながらも、テンプレを脱却し、関係性を描いて内容を豊かにしてる辺りが巧いなと思いました。ただ、そのために主人公チームよりも白麗チームの方が魅力的に感じられちゃうんだけど、それはまあ致し方ないことか(相手にナメられて三人で掛かられるとか、通常は主人公チームのポジションだからね)。練習試合なのに大将戦を捨ててくる桜花に対して、「まあ慣れっこだけどよ」とか「今年は本気のようですね」とか、相手の作戦を相応に認めている辺りも、また白麗の株が上がっちゃうよなー。


斎木楠雄

 燃堂さんマジぱねー! ちょっと考えれば読めそうなオチだったけど、流れに呑まれて全然そんな発想なかったわー。燃堂さんマジぱねー。

 ところで、冒頭の「相棒!」で気付いたんだけど、この漫画って今流行りのバディものなんじゃねーのか? こりゃあ本が薄くなるな!!


ブリーチ

 たぶん僕が忘れてるだけだと思うんだけど、白哉さんってそんなに一護のこと買ってたっけ??? よく分かんないなー、これ。確かに白哉さん、昔は組織の命令のためなら私情を捨てる(妹ルキアの捕縛)人だったけれど、それが今では私情A(一護との関係性)のために、私情B(恩人を斬れる)を犠牲に出来る人に変わったってこと? 「確かにルキアは私の妹だ。だが、ルキアは黒崎一護の敵だ。殺すに些少の躊躇いもない」も成り立っちゃうんだろうか。


こち亀

「捕獲ではなく自分の意志」っていうアンサーは巧いなあ。久しぶりにこち亀に感心しちゃった。ペンギンとの意思疎通を2ページで納得させるスピード展開にも久しぶりに秋本先生の技量を感じちゃったぜ。昔の漫画は展開早くって、幾つかのコマだけで話を動かしちゃうんだよな。ドラえもんとか今読んだらびっくりするけど、「そうだ、しずかちゃんに(道具を)見せに行こう」から「***だった~」の動機と結果までをわずか2コマで描いたりするからね。


いぬまる

 浅野犬壱、子持ち……!!? これはさすがに確定ではなかろうか。まさか、いぬまるくんに繋げずして、このネタだけで一話引っ張ることもないだろうし……。いやいや、しかし、ここまでしてミスリードの可能性もあるか……。「『ほらね』って思われる推理ドラマってなんなんすか」が裏メッセージと考えるのはさすがに読み込みすぎであろうか……?


「自分もインターハイ出場、MIT主席卒業、超絶イケメンの大石先生の漫画が読めるのはジャンプだけ!!(※多少の経歴詐称があります)」

 担当、いい仕事してんなーw


★宣伝:というわけで、漫画化なのです。

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