【9/28】2011年42号のジャンプ感想(『斎木楠雄』掲載号)


ハンター

「メルエムとコムギ」エンドはとりあえず大方の予想を超えるものではありませんでしたが、予想通りに期待以上だったので満足。

 狐狐狸固に関してはいかんせん6年以上前の話で、僕もすっかり忘れてググった身ですから恥ずかしくて解説できませので、こちら辺りを参照して頂ければ。これを記憶に留めて読むのと読まないのとでは全然読後感が違ってきますね。しかし、コムギも一度は死んだ我が子(狐狐狸固)が生き返って(=死路じゃなくなって)、その新しい一手を国の最高権力者が目の前で超真剣に検討して回答してくれたんだから、軍儀バカとしては冥利に尽きる思いだったんじゃないでしょうか。……ま、というのも僕の勝手な想像ですが、コムギが泣き出すところをあえて説明不足のまま唐突にすることで、読者に色々なことを想像させるテクは上手いですね。盗みたいですね。

 薔薇の毒の件も諒解。メルエムがどこまで正確に薔薇の特製を理解できているか、という問題は置いておくとして、おそらく作中での設定は「伝染するけど、しばらくはオッケー」というものなんでしょう。しかも、その「しばらく」というのは、僕たちの想像以上に長い期間の様子。正直、「それって兵器としてどうなの?」と思うけれど(生物兵器の弱点は遅効性であることと影響範囲を推定し辛い点)、ともあれ作中の疑問点はこれで解決かな? 個人的にはこのままの流れでコムギ死んじゃってもいいと思うけど、メルエムさまはなんだかんだでコムギを助けそうな気がする。


クロガネ

 この世界では市松人形が人間の子供に見えるのか……。一体、どういうことなのだろう。

1、人形がしゃべるはずがない、しゃべるからには人間だ、という先入観。
2、黒鉄家の市松人形はオリエント工業製。
3、実はクロガネ以外全員の目が悪い


 今週のポイントは「目が良いので死角から飛んできた竹をかわせた」でしょうか。後は、力を加えなくても人体に痣を残すほどの重量の竹筒を、思い切り後輩の後頭部狙って投げ放った先輩くらい?(しかし、今までの登場人物たちが生身の人間の喉を突くことばかり考えてたことに比べると同じ殺人系スポーツマンとしても断然キチガイ度が低い)

 ところで、今週の情報により主人公は「目が良いので」「四方八方から飛んでくる竹を最小限の動きでかわせる」ことが判明したわけですが、同時に第一話の情報からすれば「目が良くても飛んでくるボールを止めれない」わけで、総合すると大分スペックが見えてきた気がします。つまり、「対象の動きは補足できても、体の動きが間に合わない」ということか? 今回の竹筒は全て「見えてさえいれば体が間に合う」ものだった?? 主人公の感覚からすれば、目が良いというか、世界の全てがゆっくり動いて見えて、その中でも自分の体は他人よりもさらにゆっくり動いている感じ?(相手はゆっくりだが自分はもっとゆっくりなので見えていても間に合わない?) そして、同じ理屈で言えば、さゆりさんの辻斬りは主人公のゆっくりした体捌きでもかわせる程度のスピードだった? 少なくともクラスの男子高校生が蹴った球が主人公に届くよりも遅い程度の斬撃速度??

 ……と、ここまでをまとめるとこうなる。

級友の蹴ったボールのスピード>さゆりさんの斬撃スピード=都大会覇者の斬撃スピード≧竹筒の自然落下スピード

 こうして見ると結論は明らかですね。クロガネくんは運動音痴ではなかったのです。ただ、級友のサッカー技術が超人的だったのです。ひょっとすると、クロガネくんの周りには常に超人たちがひしめきあっており、彼らに囲まれていたせいでクロガネくんが必要以上に卑屈になってしまったのではなかろうか。(ただし、今週の内容により、「目が良いので死角から飛んできた竹をかわせる」ことが判明したため、そもそもクロガネ世界での「目」は現実世界の「目」とは全く別の器官という可能性も考慮しなければならない)


 ***

 あと、どうでもいいけど、吊竹地獄って実際にやってみたら31回も人体に当たる前に自然停止するんじゃねえかな。竹筒同士が2~3回当たった辺りで止まると思う。


ナルト

 火力高すぎの土影さまの活躍をセーブしようとする岸本先生からの逆補正をビシビシと感じますが、それでも土影さまがちゃんと自分の仕事を果たした辺りは良かったと思います。あれで、チャクラ切れだのぎっくり腰だので蛤攻略さえできてなかったら土影さまの威厳も影の意味合いも台なしだったもんなー。

 土影さまが死んだ時は一瞬「やるじゃん、岸本先生!」と思ったけど、これはまあ、相変わらずの幻術展開でした。まあでも、今回はちゃんと騙してくれたんで良しってことで。昔の幻術展開は何が起ころうと「どうせこれも幻術だろ」で盛り上がりもクソもなかったもんなあ。や、もちろん、それでもここで死んでた方が良かったとは思いますけどね。実力者が持病の腰痛が原因で戦場で死ぬって、とってもいいと思うな。


ワンピース

 うーん……。結局、幹部同士のタイマンバトルか……。幹部同士のタイマンバトルはワンピース最大の鬼門なんだけれど、それでもスリラーバークの時には大分良くなってたので、今回もそれほどひどいことにはならない……と、思いたい……。

 しかし、それでも幾つかの戦闘は今週で終わっていて良かったのでは? そんなだらだら戦うような相手でもないし。たとえば、フランキー将軍vsイカロス・ムッヒはあの一撃で勝負が付いててもいいと思うし、ウソップ&チョッパーvsダルマ&ドスンなんかはあれで勝負が付いているべき。特にダルマなんかは大爆発してるんだから、あそこからさらに戦闘継続しちゃうのは尾田先生の悪いクセだよなー。あと、タイマンではなく乱戦の中でリタイア者が出て欲しかった。個人的な好みで言えば民衆によってたかって殴られて幹部が一人くらい落ちる描写が欲しい。


黒子

 青峰くんがとっても楽しそうなので、読んでる方もなんだか楽しいですね! しかし、ホントこの漫画はこの試合でネタを幾つ使うつもりなんだろうか。イグナイト廻とバニシングドライブとオーバーフローを使い終わって、まだ青峰の方が強いとかどうやって勝つんだろう。そして、次の試合からどうするんだろう。


ブリーチ

 ちょっと一角さん。色々置いといて、あなた、一般的な高校生相手に普通に背後を取られるってまずくないですか? これ、月島さんが相手だったら一発で挟み込まれて終わりでしたよ?

 ダーティーブーツの人は、今までうんこを踏んだら強くなる能力だったのが、うんこを頭からかぶったら強くなる能力になっちゃったんですね。なんて可哀想なんだ。そして、そこまでしてもこの体たらく。時の神うんぬんの人もそうだったけど、フルブリング勢の「最強になった」「汚れれば汚れる程強くなる状態で汚れ切った」という論理能力的なアレコレは全く字面どおりの効果を発揮しませんな……。


 そして、檜佐木先輩wwww なにやってんの、あの人ww なんで怒られてんの、あの人www バイク代とかガソリン代とか一体どうしてんのwwww


トリコ

 大竹さんはワイロを渡す側なのに、なんでリポーター相手にあんな偉そうな態度なんだろう。よくわかんねーなー。

 小松のテーブルに二人分の料理とお酒が用意されていたことを考えると、そして、超高級食材をふんだんに使った料理を振舞ってるところからすると、大竹さんとしては小松が訪ねてきてくれたことが本当に嬉しくて二人で祝杯を上げようと思ってたんだろうな。言い分としてはやっぱり小松側が正しいんだろうけど、そのあたりのことを考えるとちょっと大竹さんがかわいそう。100位以内にランクインしためでたい日に旧友とケンカ別れとかなー。それでも小松に対しても悪い印象を持たないのは、「グルメGメンが動いたら、竹ちゃん捕まっちゃうよ!!」と友人の身を案じている感じが出ているせいか。大竹さんも食材の声を聞いた描写が入ってるし、この手の「昔仲よかった友人が変節して敵対関係に」描写としては、今週のトリコはバランス良かったと思います。


リボーン

 白蘭さんが参戦…だと…。しかし、リボーンはどのキャラの格も低いなあ。スカルがシモン・ファミリーに泣きついてた時は、改めてシモンの連中を見て、「どれも頼りにならねえなあ」と思ったものだけど、今回、白蘭さんと真・6弔花を見た時は、なんだか言いようのない憐れみさえも感じてしまったよ。憐れみの理由は、たぶん半無限のクソゲーに挑戦し続ける白蘭さんのせいだろうな。真・6弔花も残念に残念を積み重ねたような人たちばかりだったし。今のところ、「こいつは強敵だな」と思えるのは本当に骸さんしかいない。後のキャラは全て雲雀さんに勝てる気がしない程度の格付けだ。


斎木楠雄

 アポート!? あの能力はアポートっていうのか! 今までずっと「ドラえもんのとりよせバッグ的な……」って言ってたけど、これからはアポートって言えばいいのか……!

「つまり、アポートですよ」
「アポート……??」
「えっと、その、ドラえもんのとりよせバッグ的な……」
「ああ」

↑うん、まあ、結局、こうなりそうな気はしているのだけれど。


 等価交換が必要なテレポート能力って、確かに現実的に考えたら面倒くさいんだろうけど、斎木くんが100円とノートを入れ替えるシーンとかすごいカッコ良かったし、能力バトル物として見るとむしろ面白い制約の付いた良能力ですよね。しかし、この漫画は僕に大切なことに気付かせてくれたんだけど、「適切な制約のついた良能力」に僕たちは慣れっこで、それが良いものだと思っているけれど、よく考えたらそんな制約なんかない方が日常生活で便利なのは当然であった。


めだか

「すばらしい宝物」がド直球すぎて、あまりにド直球すぎたのでツボにはまっちゃって爆笑しちゃった。

 善吉くんはてっきりオチに使われるんだと思っていたら、こっちでオチがついちゃって、むしろ善吉くんの方は新展開への布石だった、だと……。これはあれですかね、安心院さんによる「善吉くん主人公化計画」なんですかね。一度挫折した後で復活とかまさに主人公だもんな。同時に今週の善吉くんを殴っためだかさんの行動は主人公らしからぬ行為で、主人公補正にマイナスが掛かった感じ(もちろん「女子高生から理不尽な暴力を受ける」ことに多大な喜びを感じる人が多数いることは理解しており、そういう人にとっては今週の内容を読んでも何らめだかさんの主人公ポジが揺らいでいないことは前提の上での話ですよ)。安心院さんは「若造ひとり誑かす」と言ってるし、ここから善吉くんが安心院さんに弟子入りとかするんだろうか。

 ところで、善吉くんはよく訳も分からないままに殴られたわけだけれど、実際のところ、球磨川さんもよく訳の分からないままに殴られている(?)ので、めだかさんが善吉くんを殴ったことは特に驚くべき点ではないような気がします。めだかさんは理不尽に男子に暴力を揮う子なんだよ(もちろん「女子高生から理不尽な暴力を受ける」ことに多大な喜びを感じる人が多数おり、そういう人たちがこのことに興奮しているのは理解していますよ)。


バクマン

 どうでもいいっちゃいいんですけど、ちょっと前までサイシューたちは、ロートル漫画家がジャンプで活躍することの良し悪しを言い合ってたのに、今となっては「東さんたちも立つ瀬ができて良かったですね」的な結論に落ち着いて、攻撃対象を七峰くん一人に絞っちゃってるなぁ(シュージンとか福田さんとかは中年の連載自体に反対してたはずだが……)。あの訳の分からん文句の付け所が消え去って、今は分かりやすい悪役の七峰くんの問題に集中しているわけだから、やっぱガモウ先生はあんまり整合性とか考えずに、とりあえず話題になるネタをその場その場で提供する作風なんじゃなかろうか。いや、もちろん「東先生たちはどうせ独力では連載まで漕ぎ着けれないだろう」とシュージンが見くびりきってる、という脳内補完は可能ですが。

「Q、ストーリーを作る時に気をつけていることを教えて下さい。」
「入りやすい入り、話の山をハッキリ、印象に残る終わり方、は気をつけてるかもしれません。あまり深く考えてはないです。」

 あ、うん……。P356でまさに明言されていた……。


「伏線でもなかったことを伏線に仕立て上げる」は、実際多くの作家がやってると思うので(某先生も「このキャラが犯人とは(自分でも)思わなかった」「でも、読み返したら伏線が張ってあったので、『やっぱり犯人はこいつだったんだな』と思った」とか言ってた)、面白いところを暴露?してきたなあ、という感じ。全部計算づくで話を進めることばかりがスゴイ作家の条件とは限らないので、巧く辻褄を合わせて伏線っぽい箇所を伏線にしちゃうのも力量ですよね。


ぬらりひょん

「エスカレーターがウォータースライダーに!」で、すっごいバブルボブルを思い出した。懐かしい!


エニグマ

 相変わらずの粗い話ですが、それでも今週は(幾多の点に目をつむれば)なかなか良かったんじゃないでしょうか。囚人全員を使って赤目さんを追い詰めるなど、話がダイナミックだったので。……圧倒的多数で取り囲まれても平気で逃げ出す赤目さんとかホントどうかと思うけど。キリオも無能力者のはずなのにどうやって赤目さんと位置好感して制服を手に入れてんだよ、って感じだけど。

 今週の内容は「明らかにミスリードと思われた赤目=カニバルが、裏をかいて実は本当にカニバルだった!?」という話に読めるけれど、「でもやっぱりカニバルではありませんでした」展開なのかな? なにせ他人から奪った才能とか変身能力とか全然使わなかったんだよなぁ。しかし、キリヲまで赤目=カニバルと認識してるっぽいので、そこはどうなのだろう……??


ST&RS

 ああ、やっぱり火星が出てくるとちょっと面白いですね……。作者も「ヤバイ、そろそろ火星を出さなきゃ……」という感じだったんだろうか。集団面接も志望動機などにフォーカスするのではなく、ユーモアを前面に押し出してきたのは良かったです。いまさら主人公側の「硬い決意」とか滔々とやられてもねえ、って感じだったし。しかし、結局、めぐるは志望動機をどう答えたんだろう。正直に記念受験と答えたのだろうか?

 あと、この試験、明らかに土神くんがアウトだったと思います。ユーモアとは言ってるけど、ここで重要なのは「この人と一緒にいたい」と思わせる力ですよね。うん、土神くんはアウトだな……。この試験をするまでもなく、彼はチームメイトから「一緒にいたくない」と思われていた程なんだから。この最終面接で彼が盛り返せる要素はなかったと思うので、これで土神くんが試験に合格してたら、まあST&RSはその程度の漫画ってことでいいんじゃないかしら。読者を納得させられるまで根拠を描かず、ご都合主義で漫画を進めちゃうってのは、僕の中ではかなり評価低くなっちゃうな。逆に、めぐる、土神くんを当たり前のように落としていたらグッと評価が上がる。


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