斎木楠雄
アポート!? あの能力はアポートっていうのか! 今までずっと「ドラえもんのとりよせバッグ的な……」って言ってたけど、これからはアポートって言えばいいのか……!
「つまり、アポートですよ」
「アポート……??」
「えっと、その、ドラえもんのとりよせバッグ的な……」
「ああ」
↑うん、まあ、結局、こうなりそうな気はしているのだけれど。
等価交換が必要なテレポート能力って、確かに現実的に考えたら面倒くさいんだろうけど、斎木くんが100円とノートを入れ替えるシーンとかすごいカッコ良かったし、能力バトル物として見るとむしろ面白い制約の付いた良能力ですよね。しかし、この漫画は僕に大切なことに気付かせてくれたんだけど、「適切な制約のついた良能力」に僕たちは慣れっこで、それが良いものだと思っているけれど、よく考えたらそんな制約なんかない方が日常生活で便利なのは当然であった。
めだか
「すばらしい宝物」がド直球すぎて、あまりにド直球すぎたのでツボにはまっちゃって爆笑しちゃった。
善吉くんはてっきりオチに使われるんだと思っていたら、こっちでオチがついちゃって、むしろ善吉くんの方は新展開への布石だった、だと……。これはあれですかね、安心院さんによる「善吉くん主人公化計画」なんですかね。一度挫折した後で復活とかまさに主人公だもんな。同時に今週の善吉くんを殴っためだかさんの行動は主人公らしからぬ行為で、主人公補正にマイナスが掛かった感じ(もちろん「女子高生から理不尽な暴力を受ける」ことに多大な喜びを感じる人が多数いることは理解しており、そういう人にとっては今週の内容を読んでも何らめだかさんの主人公ポジが揺らいでいないことは前提の上での話ですよ)。安心院さんは「若造ひとり誑かす」と言ってるし、ここから善吉くんが安心院さんに弟子入りとかするんだろうか。
ところで、善吉くんはよく訳も分からないままに殴られたわけだけれど、実際のところ、球磨川さんもよく訳の分からないままに殴られている(?)ので、めだかさんが善吉くんを殴ったことは特に驚くべき点ではないような気がします。めだかさんは理不尽に男子に暴力を揮う子なんだよ(もちろん「女子高生から理不尽な暴力を受ける」ことに多大な喜びを感じる人が多数おり、そういう人たちがこのことに興奮しているのは理解していますよ)。
バクマン
どうでもいいっちゃいいんですけど、ちょっと前までサイシューたちは、ロートル漫画家がジャンプで活躍することの良し悪しを言い合ってたのに、今となっては「東さんたちも立つ瀬ができて良かったですね」的な結論に落ち着いて、攻撃対象を七峰くん一人に絞っちゃってるなぁ(シュージンとか福田さんとかは中年の連載自体に反対してたはずだが……)。あの訳の分からん文句の付け所が消え去って、今は分かりやすい悪役の七峰くんの問題に集中しているわけだから、やっぱガモウ先生はあんまり整合性とか考えずに、とりあえず話題になるネタをその場その場で提供する作風なんじゃなかろうか。いや、もちろん「東先生たちはどうせ独力では連載まで漕ぎ着けれないだろう」とシュージンが見くびりきってる、という脳内補完は可能ですが。
「Q、ストーリーを作る時に気をつけていることを教えて下さい。」
「入りやすい入り、話の山をハッキリ、印象に残る終わり方、は気をつけてるかもしれません。あまり深く考えてはないです。」
あ、うん……。P356でまさに明言されていた……。
「伏線でもなかったことを伏線に仕立て上げる」は、実際多くの作家がやってると思うので(某先生も「このキャラが犯人とは(自分でも)思わなかった」「でも、読み返したら伏線が張ってあったので、『やっぱり犯人はこいつだったんだな』と思った」とか言ってた)、面白いところを暴露?してきたなあ、という感じ。全部計算づくで話を進めることばかりがスゴイ作家の条件とは限らないので、巧く辻褄を合わせて伏線っぽい箇所を伏線にしちゃうのも力量ですよね。
ぬらりひょん
「エスカレーターがウォータースライダーに!」で、すっごいバブルボブルを思い出した。懐かしい!
エニグマ
相変わらずの粗い話ですが、それでも今週は(幾多の点に目をつむれば)なかなか良かったんじゃないでしょうか。囚人全員を使って赤目さんを追い詰めるなど、話がダイナミックだったので。……圧倒的多数で取り囲まれても平気で逃げ出す赤目さんとかホントどうかと思うけど。キリオも無能力者のはずなのにどうやって赤目さんと位置好感して制服を手に入れてんだよ、って感じだけど。
今週の内容は「明らかにミスリードと思われた赤目=カニバルが、裏をかいて実は本当にカニバルだった!?」という話に読めるけれど、「でもやっぱりカニバルではありませんでした」展開なのかな? なにせ他人から奪った才能とか変身能力とか全然使わなかったんだよなぁ。しかし、キリヲまで赤目=カニバルと認識してるっぽいので、そこはどうなのだろう……??
ST&RS
ああ、やっぱり火星が出てくるとちょっと面白いですね……。作者も「ヤバイ、そろそろ火星を出さなきゃ……」という感じだったんだろうか。集団面接も志望動機などにフォーカスするのではなく、ユーモアを前面に押し出してきたのは良かったです。いまさら主人公側の「硬い決意」とか滔々とやられてもねえ、って感じだったし。しかし、結局、めぐるは志望動機をどう答えたんだろう。正直に記念受験と答えたのだろうか?
あと、この試験、明らかに土神くんがアウトだったと思います。ユーモアとは言ってるけど、ここで重要なのは「この人と一緒にいたい」と思わせる力ですよね。うん、土神くんはアウトだな……。この試験をするまでもなく、彼はチームメイトから「一緒にいたくない」と思われていた程なんだから。この最終面接で彼が盛り返せる要素はなかったと思うので、これで土神くんが試験に合格してたら、まあST&RSはその程度の漫画ってことでいいんじゃないかしら。読者を納得させられるまで根拠を描かず、ご都合主義で漫画を進めちゃうってのは、僕の中ではかなり評価低くなっちゃうな。逆に、めぐる、土神くんを当たり前のように落としていたらグッと評価が上がる。
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