【8/22】2011年37号のジャンプ感想(1)


ハンター

 んあー。ここでウェルフィンさんに話が振れるのかー。まあ、これはこれで面白かったけど、僕たちが特に気になっている王の病状の進行やゴンさんのその後がノータッチなので、「早くしてー!」って気分になっちゃうのは否めないなぁ。

 しかし、休載の間のブランクはでかい……。かなり込み入った展開になってたから、今現在の人物相関図や関係性なんかが全然分からなくなってる……。単行本買うしかねえのかな? プフってメルエムに何を隠してるんだっけ? メルエムが一時記憶喪失になって、いまコムギを思い出そうとしてるんだっけ??

 そして、王から巧く逃れようと逃れられまいと、どっちにしろ薔薇の毒のせいでジャイロさんとは再会できないであろうウェルフィンさんがあわれ。


ブリーチ

・見開き

 カラーページ1P目の上半分はほとんど真っ白だけど、見開きの扉絵とか省エネしながら絵になる一枚を描けるのは流石だなあと思いました。フルブリング一護を見てから改めてつくづく思ったんですけど、やっぱり死神衣装は傑出したデザインだったんですね。素直にカコイイ。失って(フルブリングして)初めて分かる死神衣装の大事さ。


・もし一護が父親に相談していた場合

「なあ、オヤジ。銀城っていうヤツが死神の力を取り戻させてくれるっていうんだけど……」
「ん? いま浦原と一緒にお前の力を戻す算段をしてるからもう少し待ってろよ。変なヤツに付いて行っちゃダメだぞ?」
「そうだな。胡散臭いやつらだし、もう会わないことにするよ」

 オヤジたちがなんで一護に黙っていたのかは、まあ流石にそのうち説明があるかとは思いますが、とりあえず現時点では疑問が膨らむばかりですね。


・「今のは月牙天衝じゃ無え。"剣圧"だ」

 今のはメラゾーマではない。メラ(ry ……はともかくとして、銀城さん、なんでこんな硬いのー? フルブリングできたって肉体は生身のままだと思うんだけど。服をどうにかしたら硬くなるんかね? そして、一護が復活するとたちまち噛ませ化する銀城さんカコイイ。味方の時も決して頼りにはならなかったが、敵に回ってもまるで脅威じゃない。この人、デカイ剣持ってるだけだもんな。


ワンピース

 今回は修行成果のお披露目回? てっきりお披露目会は幹部とのタイマンバトルでやると思ってたんで(そして、それはやめて欲しかったので)、ザコ相手のお披露目展開は良かった? それとも悪かった……?? この後、結局、敵幹部とのタイマンバトル(しかもお披露目で終わらずに長引く)感じになっちゃうとヤだなぁ……と、思っちゃう。まあでも、とりあえず今回に限って言えばザコ相手の無双なのでテンポも良いし、アイデアがポンポン出てきてリズムも良くてなかなか面白かったです。しかし、僕はなんでこんなにワンピースの敵幹部戦を恐れてるんだ。


・黒縄・大竜巻

 これ、口に咥えて左側に構えた刀が次の瞬間、右側になってるんだけど、三刀流って一体どういう剣技なんだろうね。前々から思ってたけど三刀流の口の動きって実際はどうなってるんだろう。咥えたまま突進するくらいしか使い道が思い浮かばない。


・麦わら一味はレベルがあがった。

ブルックはレベルが上がった。メダパニを覚えた。
ゾロはレベルが上がった。バギクロスを覚えた。
ロビンはレベルが上がった。なんだかとてもいやらしい技を覚えた。

 ロビンさんの成長がいやらしすぎてけしからんすぎるんですが、なんですかあの技。ロビンさんの立っている位置を微妙に変えたら何が現れるというんですか。ハナハナの実で増えてる手足はロビンさん自身のものという情報を信じてもいいんですか。5万人を相手に自らの股間をおっぴろげたかったと考えていいんですか。いや、股間は置いといてもおみ足で踏んで頂けるだけでも結構幸せなんですが、まさかロビンさんがちょっと位置を変えたら雄々しくそそり立つ一物が現れるとかそんなオチはないですよね。…………ないですよね、尾田先生?


ナルト

 おっ、なんだかハデで面白いなあ。……相変わらずナルト自身はただの高威力遠距離砲台に過ぎないですけど。イタチとビーさま(ついでにナルト)で掛かってもキツイくらいなら、確かに木の葉の忍たちが長門にばったばったやられていったのも仕方ないかなあ…………と思ってたら、あの時とは「力も動きもケタ違い」だってばよ! まあ同じだったら「今回もナルトで勝てるんじゃん?」って気持ちになるから仕方ないんだろうけど、結局、木の葉のフォローにはならなかったな……。


・長門「二部作目ってのはたいがい駄作になる」

 ちょ、いまナルト第二部……!


トリコ

 ツイン釘パンチ、カッコ悪いな……。なんというかガンタンクに通じるものがある。いや、ガンタンクをカッコ悪いと言ってしまうと、一部の人々から叱られそうですが。これ、左右同時に撃たなくても右→左の二連撃で良かった気がするんですけどね……。

 フライ返しと釘パンチの合体技は先週か先々週あたりで「いつか出るんじゃね?」と予測されていましたが、今週で早速のお目見え。これで見事に窮地を脱したわけですが、しかし、考えてみれば、こんな巨大な山がこんなタイミングで落ちてくること自体、そうめったにないことでしょうから、彼らはものすごく運が悪くて、ものすごく無駄にエネルギーを消費しちゃったという、そんな話だったんではなかろうか。名探偵一行が旅行に行ったら必ず現地で殺人事件が起こる的な運命級のバッドラック。


バクマン

 七峰くんのサイシューへのライバル意識設定は後付け臭がぷんぷんするけど、そこさえ目をつむれば、なかなか面白い感じでキャラクターが深まったと思います。今まではただのサイシュー漫画のファンという設定だったのが、「この世は金と知恵」を実体験して、自分が変わった経験を元にサイシューを特別視していた、っていう設定に変わったわけです(それならTRAPにあのファンレターを出すのも違う気がするけど)。単純に「漫画のファン」ではなく、「自分の認識を変えてくれた相手」というか。ぶっちゃけ、これは論理的には微妙にズレてるんですけど(たとえば「ジャンプに変わった漫画が掲載されていてスゴイと思った」と「ジャンプに掲載されているスゴイ漫画のメッセージを実践してみたらその通りになった」にはごく微妙なズレがある)、そこらは読者が脳内で自然に補完できるし、補完することによってその微妙な不整合がキャラの奥深さを演出してる結果になってます。

 七峰くん自体も当初は明らかに「バイトして頑張って資金作って挑戦的なことをしている」感じだったのに、今シリーズから金持ち設定になって、にも関わらず、あの時、彼がバイトしてたのは「親に反抗してたから」。これも論理的には微妙に繋がってないんですが(親に頼んでお金を貰って認識変わったのに、親に反抗してお金を持たずに頑張って、でも「この世は金と知恵」の崇拝は変わらない)、しかしこれも、「そうは言っても子供は親に反抗したくなるもんだ」などの脳内補完が可能になって、すると七峰くんと七峰パパの関係も色々と想像の余地が生まれてきます。……とまあ、何が言いたいかというと、たぶんガモウ先生はそこまで計算してないし、たぶん後付けだけど、今週の話で七峰くんのキャラは深くなったなあ、と(※ちなみに僕も後付けは多いのでこの事自体は非難できない。やってると自分の中で想像が膨らんでどんどんズレていくんだよね。たぶんほとんどの創作者に起こりうる現象だと思う。ただ、書き下ろしは膨らみきってから細部を直せるけど、連載ではその点を修正できないのがネック。久保先生はこのノリに全部任せて描いてるらしい)

 感想の続き。個人的には七峰ドットコムは七峰メソッドよりも好感度が低いんですが(あれはやってて楽しくなさそう。でも、好きじゃないけど否定もしない)、しかし、今週の七峰くんは基本的に正論しか言ってないなぁと思いました。特に正論だと思ったのが、「何でそんなお金のことばかりにこだわるんですか、卑しいな~~」ってセリフ。掲示板の感想でも「会社としては成り立たない」と言われてたけど、それは僕たち庶民の考え方なんですよね。金持ちにとっては金があるのが当たり前で、手に入る金でやりたいことをやるのも当たり前。なのに、外部の人から「やってること」ではなく、「お金どうしてるの?」ばっかり聞かれたら、「卑しいな」と思うのも仕方ないことです。お金を「手段」と考えれないのだから、それはある意味、実際に卑しい。このお金に対する感覚は全くの正論だと思いました。(※たとえば、ある金持ちが詩集を自費出版したとして、内容の感想を聞きたいのに、「お金どうしたんですか?」ばかり問われることを想像すると分かりやすい)

 その点がさらに如実になるのが、「マンガ界への投資……ボランティアと考えればいいじゃないですか」「七峰くんがそんな事するのはおかしいだろ」の下り。いや、おかしくはないww 持ち出しでボランティアしてる人に「お前も貧乏だろうに、持ち出しでボランティアなんておかしいだろう」とか言ったら、そりゃ「卑しいな」って思われますよ。大成功した大金持ちのマンガ家じゃなければ後進のマンガ家の育成に金を使っちゃいけないなんて、そんな理屈があるはずない。

 まあボランティアうんぬんは七峰くんも「言ってみただけ」だから、あまり大事なポイントではないんですけどね。しかし、現実には、新井先生他、数人のマンガ家に再起のチャンスを与え、響先生には定額のサラリーを、マンガ家の卵たちも社員待遇なんだから(しかも実践的な授業でもある!)、これをボランティアと見るなら本当にすごいボランティアですよ。単にマンガ家に資金供与するだけよりも遥かに内容の伴った、実のある形での貢献だと思います。そして、今週を読んだ限りではほんとに非難すべき点がないんだけど、今回はどうやって彼を悪のマンガ家にするつもりなんだろうか。「作品に訴えたいものがない!」とかはサイシューも同じだしなあ。


 ***

 以下、ちょっと深読み気味な感想。

『この世は金と知恵』という作品に触れて、「この世は金と知恵」こそが真実だと思ってしまった七峰くんにとっては、七峰メソッドや七峰ドットコムなどの金と知恵を使った"売れるシステム作り"こそが「この世は金と知恵」の具体的実践形態だったんだと思います。だから自分に「この世は金と知恵」という認識を与えてくれたサイシューにこそ、七峰メソッドを認めてもらって、「お前のやり方はナイスな金と知恵だぜ!」と言われたかったのかもしれません。しかし、実際は、サイシューは「マンガ家は担当と二人三脚で~」という感情的な保守思想に走ってしまった。七峰くんがイラついたのはまさにそこなのかもしれません。

 元々サイシューも何か言いたいことがあって漫画を描いてるわけじゃなくて売れる物を描いてるだけです。なので、『この世は金と知恵』も別にそういう思想を持っていたわけじゃない。だから現実に、目の前に具体的な、「この世は金と知恵」を見せられたら、それを首肯できずに保守路線に留まってしまう。七峰くんからすれば、これは裏切りだったんじゃないでしょうか。「この世は金と知恵」という認識を与えてくれた本人たちが(ある意味、大恩人たちが)、実は彼ら自身はそんなことは考えてなかった。あの作品のメッセージはニセモノだった。自分はニセモノを信じ込んでいた……。とすると、七峰くんとしてはこう言わざるをえない。「あなたたちの言ってた『この世は金と知恵』は真実なんです! あなたたちからそれを教えられた僕が証明してみせます!」

 まあ、作家が常に自分のメッセージを作品に込めていると考えるのもナイーブな話なんですけど(七峰くん自身も今同じことをしている。七峰ドットコムの作品性は彼のメッセージとは関係ない)、しかし、そんなナイーブなところも含めて彼のキャラ性と考えれば面白いんじゃないかなー。


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