【2/10】「旧約聖書 歴史書」感想


 旧約聖書、歴史書の感想(ツイッターより転載)。読んだ本はこれ。

旧約聖書〈2〉歴史書―ヨシュア記・士師記・サムエル記・列王記
旧約聖書〈2〉歴史書―ヨシュア記・士師記・サムエル記・列王記旧約聖書翻訳委員会

岩波書店 2005-02-24
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ヨシュア記

【これまでの認識】:「ヤハウェは人に愛されたい神。とにかく愛されたい。愛してくれなきゃ殺す。愛されたいのに、みんなは自分を愛してくれないと思ってる可哀想な神。真に救われるべきは人よりむしろヤハウェ」 さて、この認識は今後もうちょっとポジティブになりますかねー。

・モーセの死後、ヤハウェに目を付けられたのはモーセの従者ヨシュア。モーセも何かと大変な一生だったが、ヨシュアはどんなムチャぶりをされるのだろう。

・おお、ヤハウェの皆殺し戦略が功を奏してる! 偵察に出た斥候が地元民に匿われたんだけど、その理由が「あんたら川は割るし、戦った相手は皆殺しにするし、マジこええから」というもの。助ける代わりに身の安全を求めたんだけど、ヤハウェは「カナン住民は皆殺し」主義だし、どうなっちゃうんだろう。

・予想しておこう。なんだかんだで彼らを匿った地元民も殺されると見た。

・出エジプトで海を割ったように、ヨルダン川も堰き止められて、ヤハウェ軍はその間に川を渡ったらしい。川や海を進軍できるというのは、ヤハウェ軍にとって戦略上大きなアドバンテージだよなー、とか考えてしまうゲーム脳。

・「よーし、今から戦争すっから、その前にお前ら割礼しろよ」ってヤハウェが言ってて、実際、この時点でのイスラエル人の成人男子は割礼してなかったみたいなんだけど、レビ記で「子供が生まれたら割礼しろよ」ってヤハウェ言ってたのに、みんな守ってなかったのかしら。

・ヨルダン川は平然と渡るわ、城壁は自然と瓦解するわ、ヤハウェ軍と戦うのは戦術的に極めて厳しいな……。そりゃ地元民もさっさと諦めてヤハウェ軍に身内を売り渡して正解かもしれん。相手側のエリコ軍はあいつらがヨルダン川を渡った時点でビビって戦意喪失してたみたい。

・驚くべきことに斥候二人を匿った現地住民は命を救われたようだ。冷酷非情なヤハウェ軍にもその程度の義理人情はあったか。しかし、ヤハウェの「皆殺しにしろ!」という命令に背いてるわけだが大丈夫なんだろうか。助命を勝手に約束した斥候二人なんかはヤハウェに殺されても良さそうなものなんだが。

・「兵士が戦利品の一部を私的に保有」→「次の戦争でヤハウェ軍が負ける」→ヤハウェ「てめーらの中にオレの言う事聞かねーやつがいるからな。見付け出して殺すまでは戦争勝たさねーから」。「オレに逆らう奴は殺す」じゃなくて、「オレに逆らう奴を殺さないとお前らみんな殺す」はヤハウェの基本方針。

・ヨシュア「お前がやったのだろう? 隠さず正直に話しなさい」→アカン「実は私がやったんです」→ヨシュア「よし、お前を殺そう。家族ごとな」 正直に言っても全く手心加えねえな、相変わらず。申命記で「個人の罪を集団に着せるな」って言ってるけど、ヤハウェもヨシュアも誰も守らねえ。

・【アイ攻略戦】①伏兵をアイの街、西側に配置 ②北側にヤハウェ軍主力を配置 ③アイ軍が北側を撃ちに出てきたところでヤハウェ軍主力が逃走 ④アイ軍が追撃に出たところで伏兵が街に火を放つ ⑤ヤハウェ軍主力が反転、伏兵と共にアイ軍を挟撃:マジックアイテムも控えめで三国志演義っぽい。

・「カナン人皆殺し」「カナン人とは和平しない」前提のイスラエル人に対して、ギブオン人はなんとか生き延びたんだけど、その方法は「私たちは遠くから来た民族です。あなたの属国にして下さい」だった。なるほど、この手があったか……。いったん神の名の下に誓約すればイスラエル人も彼らを殺せない。

・その代わりにギデオン人は騙した罰として下賤な労働に従事することになったんだけど、まー、殺されるよりはマシだよな。手元の注釈書には「ギデオン人は自由を得んとしてかえって奴隷になってしまった」「虚偽は決してその目的を達することはできない」ってあるけど、いやいやいやww

・カナン人たちが降伏せずに立ち向かってきたのは、相変わらずヤハウェによる操作能力のせいだったらしい(彼らの心を頑なにした)。それはまあ出エジプトの時からそうだったからもういいんだけど、じゃあなんでギデオン人だけ頑なにしなかったのかと疑問を持たざるをえない(ヨシュア11-20)

・うむ。とりあえず今日はここまで。やっぱ戦争シーンは男の子の血がたぎるな。戦術に加えてマジックアイテムも出てくるし。なかなか面白かったけど、ここから先は戦後処理の話になるのでしばらく退屈そう。

・ありゃ? 「彼らは**に住むカナン人を追い払えなかった」ってのがチョコチョコ出てくるぞ……。「追い払わなかった」なら本人たちの意志だけど、「追い払えなかった」だとヤハウェがちゃんと力貸してないせいじゃねーか。でも、ヤハウェは「なんで追い払わねーんだよ!」って怒るんだろうな、多分。

・ヨシュア15-63は岩波訳、口語訳、新共同訳のどれでも「追い払えなかった」になってる。新世界訳でさえ「打ち払うことができなかった」だ。

・イスラエル人が身内に「てめー、勝手なことすんじゃねー! ヤハウェが怒ったらてめーだけじゃなくて俺たち全員殺されるだろーが! ブッ殺すぞ!」って怒ってる(ヨシュア22-16~20)。「オレに逆らうやつを殺さなかったらお前らみんな殺す」のヤハウェの基本方針は見事に機能してるなあ。

・「ヤハウェがその周囲の敵から[救い出し]、イスラエルに安息を授けてから、多くの日が過ぎ去った」(ヨシュア23-1)。←「ヤハウェがその周辺の住民に侵略戦争を仕掛け、カナン人に地獄絵図を見せてから」の間違いだろ。

・ヨシュアしんだ。中間管理職としてキリキリ舞いで働いた挙句にヤハウェに捨てられた悲運の男モーセと異なり、後継者のヨシュアは特に下から叩かれたり上のムチャぶりにあったりもせず、戦争の中に身を置きながらもそれなりに安定して過ごせた印象。というか、モーセの一生が憐れすぎる。


士師記

・ヤハウェ「カナン人は皆殺しにしろよ」→一部殺さなかった→ヤハウェ「あっそー。殺さないんだ? へー。お前ら、殺さなかったやつらに影響されて異教崇拝とかするようになるかもしんねーけど、オレもう知らねーよ?」 後の北イスラエル王国の滅亡は皆殺しにしなかったことが遠因ということなのかね。

・冷酷な現実家と考えればヤハウェのやり方も頷けるかもね RT @Hkousun:日本でも温情をかけたせいでのちに滅ぼされた平家の例があるからあっぱりヤハさん正しいこと言っている気が一瞬したが、その直後にヤハさんが裏で糸を繰っている可能性にたどり着いたので考えるのを止めたくなった

・「バアル」はバアルという神もあったようだけど、元々は「主人」くらいの意味合いらしくて(アドナイと似たようなニュアンスか?)、バアル・ゼブブ(蠅の主)は有名だけど、バアル・タマル(なつめ椰子の主)なんかもあったらしい。なつめ椰子の主ってなんかかわいいな。

・世代交代してヤハウェを知らない世代になると、みんなヤハウェを無視してその土地の神に走ったのでヤハウェが怒って略奪者に攻めさせるんだけど、といって、昔の世代だってヤハウェのキレ芸にビビって従ってたわけだから、新しい世代が堕落したというよりは、いつも同じことをやってるだけな気がする。

・ちなみに新しい世代の人たちが従った地元の神はバアルとアシュタロト。「アシュタロトに仕えた」と言えば、なんか悪魔に仕えたみたいなイメージだけど、アシュタロトってヴィーナスやアフロディーテと同じなんだよね。「アフロディーテに仕えた」と言われて悪いイメージ持つ人はあんまりいないと思う。

・ヤハウェの言ってることが良く分からんぞ……。最初は「カナン人を皆殺しにしなかったお前らはダメなやつらだ」って怒ってたのに、「カナン人をちょっと残したのはお前らがオレの言う事をちゃんと守るか試すため」「戦争経験を積ませるため」とか言い出してる。何なの? どうしたいの??

・注釈書によれば「この部分が種々異なった資料から成っていることは明らか」らしい。

・士師記の流れは「みんながヤハウェを捨てる」→「ヤハウェが周辺住民を操りイスラエル人をひどい目に遭わせる」→「みんなが反省する」→「士師(英雄)がヤハウェから送られてイスラエル人が反撃する」の繰り返しなんだけど、これ、周辺住民はホント可哀想だ。ヤハウェは全員を不幸にしてる気がする。

・ヤハウェはAさんに愛されたい。Aさんはヤハウェを愛してくれない。ヤハウェはBさんを差し向けてAさんをいじめさせる。ヤハウェ、颯爽と登場、Bさんをボコボコにする。Aさん、ヤハウェのことが好きになる。これ、「泣いた赤鬼」じゃねーか。「泣いた赤鬼」から善意を抜き取ったら士師記じゃね?

・イスラエル人が戦車隊と戦う→敵の将軍が逃げる→以前から懇意にしてる一族の奥さんに将軍が匿ってもらう→奥さん優しく出迎えて、将軍が安心して寝込んだところで奥さんが暗殺→イスラエル人が奥さんを褒め称える。……うん、あんまり気持ちいい話じゃないな。敵将に感情移入してしまう。

・日本人的(?)な義理人情の感覚からすると、今まで仲良くしてた相手が困った挙句に自分を頼ってきたなら、ちゃんと命がけで守ってやれよ、って気がする。お布団かけてミルクあげて、ひょっとしたらセックスまでして、寝込んだところをこめかみに杭を打ち込んで殺すとか、うわーってなるなぁ。こわい。

・さっきの奥さんだけど、あれ、別にイスラエル民族じゃないみたい。ケニ人とあるけど、ミディアン人のことらしい。モーセの奥さんがミディアン人だったので、近しい間柄だけど別の民族。現にその直後に今度はミディアン人が襲って来てる。描写を見る限りではミディアン人の生態はモヒカンザコのようだ。

・ヤハウェ「てめーら、32000人もいたら、戦争で勝っても自分たちの力だと思っちゃうだろ? 300人に減らしていけよ」。出た! ヤハウェさんのムチャぶり! そのくせ、その300人は水辺で水を飲む時も片手で飲んで周囲の警戒を怠らぬいくさ人ばかりをセレクト。どういうことなんだぜ。

・ギデオン「なー、オレたちの軍隊、腹減ってんだよ。パンくれよ」→地元民「そんなこと言われても……。ミディアンの将軍はもう倒したの? あんたらにパンあげたら後でミディアンに報復されるんだけど……」→ギデオン「もういいよ、覚えてろよ、てめーら!」 戦後、地元民は殺された。ひでえ。

・「戦争に勝たせてくれたら、家に帰って最初に出てきた人間をヤハウェのために犠牲に捧げるますぜ」→娘が出てきた→「ゲーッ、でも仕方ないぜ!」。だから申命記12で「人身犠牲はすんな」って言ってんのに、なんで守らねーんだよ。ヤハウェもイサクの時は止めたんだから今度も止めろよ。

・注釈書によれば、(実際には自分たちもやっていたであろう)異教の儀式を伝説上のエピソードで説明しようとしたのではないか、とされている。でも、「周りの宗教はダメだ! あいつら息子や娘だって神の犠牲に捧げるんだぜ!」って言っておきながら、自分もやってるのはどうなのよ。

・おいおい、サムソン、ムチャクチャだな。①ペリシテの女と結婚式をする→②式の客人にクイズを出す。「正解したら晴着やるよ。わかんなかったらお前らの晴着くれよ」→③客人が嫁を唆して答えを聞き出す→④サムソン激怒、ペリシテ人の町を襲い住民を殺して衣服を剥ぎ取り客人に与える。

・ちなみにサムソンのクイズは「食べるものから食べ物が出た。強いものから甘いものが出た。いかに」というもの。これは道中、サムソンが素手でブチ殺した獅子に蜜蜂がたかって蜜が取れたことを指している。そんなプライベートクイズ解けるわけねーだろ。

・実際、客が正当したら、「こんなもん、オレの嫁に聞かなきゃ分かるわけねーだろが! ふざけんなよ、このクソアマ!」とか言ってブチギレるんすよ。ムチャクチャですよ。こいつ。 RT @nal_dal_dere:最初から解かせない気しかないw

・ところでサムソンとペリシテの女との婚姻だけど、申命記7には「ペリシテ人と婚姻すんな」ってあるんだよね。ホントにおもしれーくらい律法守らねーな、こいつら。しかも、サムソンがペリシテ女に惚れたのは、「ペリシテ人との戦争の口実が欲しかったヤハウェによる操作」らしい。ひどいはなしだ。

・①サムソン、キレて結婚式の途中で出て行く→②嫁は他のやつに嫁ぐ→③「おい、嫁とセックスさせろ! なに? 他の男にくれてやった? ふざけんなよ、てめえ」→④サムソン、ペリシテ人の畑を焼き払う→⑤ペリシテ人、嫁と嫁の父を殺す→⑥サムソン、報復に彼らを殺す→⑦ペリシテ軍登場(続く

・⑧ペリシテ軍に脅されたイスラエル人がサムソンの身柄をペリシテ軍に引き渡す→⑨サムソン単騎特攻。一人で1000人を殴り殺し快勝:結婚式でのちょっとした座興がここまでの大惨事に繋がるとか、マジでヤハウェには関わりたくねえ……。

・サムソン攻略戦は面白いなー。①サムソンがビッチに惚れる→②ペリシテ人がビッチに「サムソンの怪力の秘密を聞き出してくれ」と依頼→③ビッチが秘密を聞き出して実践してみるも、サムソンがウソをついてたので弱体化しない→④ビッチ「ウソばっかりついて、ホントは私を愛してないのね!?」(続

・→⑤「そんなことないさ、ハニー。実は髪を剃られると弱くなるんだ。ホントだよ」→⑥サムソン弱体化、ペリシテ人に捕えられ両目を潰される→⑦ペリシテ人、サムソンを見世物にしてキャッキャしてたら、そのうちサムソンの髪の毛が伸びてきて怪力が復活し、ペリシテ人多数を巻き添えにして死亡。

・しかし、ビッチに「どうしたらあなたを縛り上げて苦しめることができるのかしら?」と聞かれて、「これで縛ってみるといいんじゃないかな!」とか言ってるサムソンは、女王様に新しいプレイをおねだりしてはハァハァしてるマゾみたいだな。

・ダン民族の移動エピソードもひでえ。平和に穏やかに暮らしてる(と明記されている)異教の町を「占領しやすそうだから」という理由で襲うんだけど、その途中でヤハウェを祀ってるミカの家から偶像と祭祀を強奪するんだよね。偶像崇拝に関する警告かなんかかと思ったら何のフォローもないまま終わった。

・ミカの家からしてみれば、ヤハウェのために偶像作って祭祀を雇って毎日敬虔にヤハウェに従ってたら、それゆえに偶像と祭祀を奪われていったんだよな。一体、ヤハウェがミカに何をしてくれたというのだ。強盗を招き寄せただけじゃねーか。

・①レビ人が側女と一緒に旅をしていて、ベニヤミン部族の家に泊めてもらった→②その町のやつらが「ホモセックスさせろー!」と襲って来た→③側女を身代わりに差し出したところ集団レイプされて側女は死亡→④レビ人、側女の死体をバラバラにしてイスラエルの各部族に送りつける(続

・⑤各部族が怒りに燃えて対ベニヤミン制裁戦争勃発、ベニヤミンは男600人を残して全滅→⑥「よく考えたらやりすぎた。イスラエル民族の部族が一つ消えちゃうぞ、どうしよう」→⑦「そうだ、今回の戦争に参加してないやつらがいるだろ。あいつらを処女以外皆殺しにしてベニヤミンの妻にさせよう」(続

・→⑧「まだ200人女が足りねーな、どうしよう」「そうだ。祭りを開こう。浮かれて出てきた女の子をベニヤミンのやつらが勝手に略奪して結婚すりゃいいんじゃねーの」 ムチャクチャだwwww めまいがする程ひどい話だが、せめてもの救いは、聖書的にも良い方法とはされていないことか。

・士師記終了。士師記の後半のダン部族のエピソードやベニヤミン制裁戦争の下りは、「やっぱ王様いないとダメですね、各自が自分の良心で善かれと思って動くとこんなことになっちゃいますね、統率者は必要ですよね」という話なんだろうか。でも、ヤハウェは「王様作んな」って言ってた気がする。

・そういえばベニヤミン制裁戦争においては、ヤハウェの言うとおりに戦って最初二回はイスラエル連合軍がボロクソにやられてるんだよね。三回目で勝利したけど、ヤハウェの最大のセールスポイントは「戦争に強い」ことなんだから、そこはちゃんとやってやれよって思う。

・(補足)なんでヤハウェはカナン人をあんなに殺したくて仕方ないのか(イスラエル人も殺すけど)、どうも遡ってみるとノアの時代に原因があるようだ。カナン人の祖先であるハムが、親父(ノア)が泥酔してる姿を見てプゲラして、ノアがキレたのが大元だったみたい。1アクションが歴史的規模での命取りだなぁ。


サムエル記上

・ヤハウェ「サムエルよ、サムエルよ……」→サムエル「はい、ここにおります!」→サムエル、ダッシュ→サムエル「祭司さま、お呼びですか」→祭祀「え? 呼んでないよ。戻っておやすみ」→サムエル「はーい」→ヤハウェ「(´・ω・`)」←これを三回くらい繰り返しててヤハウェがちょっとかわいい。

・ヤハウェはお肉の脂身が大好きなんだけど、祭司どもに横取りされてブチギレしてる。しかし、昔は祭司の1ミスに対して手ずからブチ殺してたヤハウェが、戦争の中で死ぬまで待つようになるとは、寛容になったというべきか、より陰湿になったと見るべきか……。

・①ペリシテ人との戦争スタート、イスラエル陣営に契約の箱が届く→②イスラエル人士気高揚、ペリシテ人士気減退→③だが、それでもペリシテ人勝利! 契約の箱を入手!→④だが、ペリシテ人を疫病が襲う。契約の箱の呪いだ!→⑤慰謝料付けて契約の箱をイスラエルに返す:ヤハウェ、マジこええ。

・ちなみに、イスラエル陣営に箱が帰って来た時、ほとんどの人は喜んだけど、70人ほどは喜ばなかったのでヤハウェは直ちにそいつらをブチ殺しました(箱の中身を見ようとして殺された、という説もアリ)。ヤハウェさんは相変わらず敵にも味方にも容赦ねーなー。(サム上6-19)

・ホント、ヤハウェは息を吸うように人を殺すよな。契約の箱が帰ってきた時とか、「まさかここで殺すとは思わなかった!」ってタイミングでパッと殺すから読んでてビクッてなる。

・なお、契約の箱が奪われた時のショックで祭司(脂身を横取りしてた人)のオヤジが死んでる。ヤハウェいわく、「てめーは息子が脂身の横取りをしてるのに注意もしなかったからな」。うん、オヤジはちゃんと息子たち叱ってたけどね。

・サムエル「民が王を欲しがってるようですけど、どないしましょ」→ヤハウェ「はーん。いいんじゃん。王作ってやれば? あれだよね、オレが王だってのが気に食わないってことだよね? あいつらいっつもオレを捨てるよね? ま、いいんじゃん。後で泣き叫んでもオレ知らねーけど」。ヤハウェ拗ねたー。

・ヤハウェは王政をすっげー嫌がってんのに、神の言葉である聖書の士師記は「やっぱ王がいないとダメだよねー」で終わってんだよな。どういうことなの??

・確かに王政の下では国民は奴隷のようなものかもしれんし、エジプトの奴隷状態から彼らを解放したヤハウェからすれば、「何考えてんの!?」って思うかもしれんけど、でも、自分たちの意志で王を戴く場合は、その国民を奴隷と同一視してもいいものなんかね。

・ヤハウェさんはあれだけ王政にブツクサ言ってたのに、いざやるとなったら、自分でイケメンのサウルをセレクトするとか結構乗り気だよなー。ヤハウェさんが何考えてんのか、ホント分かんね。ちなみに王様は全人民の中からくじで選ばれたけど、ヤハウェさんが事前に選んでたからまあ出来レースだよな。

・「王制とか始めやがってよー。もう知らねーぞ、クソどもが!」という態度だったヤハウェが、「まあ、王も民も全員でオレに仕えるんなら王制でもいいけど」まで態度を軟化させた! ヤハウェの譲歩、久しぶりに見たなー。

・ところで、サムエルの育ての親の祭司は自分自身は何もしてないのに、息子たちがお肉の脂身をヤハウェから横取りしたせいで死ぬハメになったってのに、サムエルは自分の息子たちが賄賂とか受け取ってても、「僕には何の罪もありませーん」とか言い切っちゃうんだよな。不公平な話だ。(サム上12)

・サムエル上13-1は、「サウルは……歳で王位につき」となっており、どうも書き手が書き忘れた(?)っぽい。矛盾や設定無視は聖書にたびたび出てくるけど、書き忘れなんてのもあるんだな……。ちなみに新世界訳でもここは[?]になってる。

・サムエルが「オレが行くまで7日間待ってろ」っていうから、サウルは7日間待ってたのにサムエルが来なくって、仕方ないからサウルが自分で儀式やったらサムエルがやってきて、「なんでオレの言うこと聞かねーんだ、お前はヤハウェに逆らうのか!」とかって怒るんだけど、いや、それサムエルが悪くね?

・注釈書は「王権による祭司職への職権侵害」と捉えているらしい。とすれば、サムエルが王制に対してグダグダ言ってたのも全部、「祭司階級が(自分の指導的立場を奪った)王制に対して文句を言って抵抗している」のだと取れるなあ。

・サウルと子ヨナタンの件は良く分からないな。サウルが戦勝祈願のために断食を初めて、それを知らなかったヨナタンが蜂蜜を食べちゃう。ヤハウェからの神託が途切れたのはヨナタンが断食を破ったからだと知り、ヨナタンを殺そうとするが民の懇願により助命される。(続

・これ、いつもならヨナタンがヤハウェに殺される流れなんだけど、なんだか、「戦争中に断食とかするオヤジはアホか」的な流れになってる。正論っちゃ正論だけど、やっぱりこの後、ヨナタンはヤハウェに殺されて、息子を殺さなかった罪でサウルも殺されるのかね。

・「あー、サウルを王にしたのマジミスったわー」ってヤハウェが後悔してる。ところで、ヤハウェが皆殺しにしろって言うのに逆らって、サウルはヤハウェのために生贄用の家畜を生かしておいたんだけど、これってつまり、「自分の目で見て良いと思うことではなく、神が欲することをしろ」ってことだよね。

・しかし、後悔してることからも明らかな通り、ヤハウェは実際にミスする神なんだよな。「実際にミスする神」の命令を、たとえ「こっちの方が良い」と思うことがあっても、命令の方を優先しろってことか。ちなみにヤハウェはノアの洪水の後も後悔してる。

・うーむ、結局、サウルの落ち度はどこだったんだ?? 皆殺し命令に背いて家畜を取っておいたのは確実として、ケニ人を逃がしたことも入るんだろうか。息子ヨナタンの助命を聞き入れたことも? サムエルに代わって儀式を行ったことも彼の落ち度なんだろうか?

・ヨナタンの件は価値判断がやっぱり分からないな……。注釈書や軽くググったページでは「ヨナタンが正しい、サウロがバカ」っていう方向だけど、実際、ヤハウェが「ヨナタンに罪がある」って示してるんだよな。「ヨナタンが正しい」なんて、まさに人間側の判断じゃねーか。理解できないな。

・サムエル「ヤハウェよ、次の王はこの人ですか」→ヤハウェ「ちっげーよ、バカ。てめーら人間は外見で判断すっからホントダメだよな。オレくれーになると中身で判断すっからよー」。お前が中身で判断したサウルはダメだったじゃねーかwwwww ちなみに選ばれたダビデも結局イケメンだった。

・ヤハウェに捨てられたサウルだけど、ヤハウェは捨てるだけじゃなくて、サウルの下に悪霊を送り込んで苛ませたりしてる。自分に忠実な奴には目をかけてやる。でも、そいつが少しでも逆らったら捨てる。むしろ攻撃する。この流れにはヤハウェの性格が端的に現れていると思う。

・ああ、噂のBLシーンってサウルとダビデか。確かにサウルがダビデを「愛した」と書かれてるけど、ホモセックスな意味かどうかはハッキリしないな。ところでダビデがゴリアテを倒した後に、サウルが「あれ? お前だれだっけ??」とかダビデに言ってるのはなんなんだ? ボケたのか?(サム上17)

・あれ? ヨナタンもダビデに惚れてるっぽい。ヨナタンって「オヤジ(サウル)はマジ時代遅れだよなー」とか言って蜂蜜食ってた子か。サウルとヨナタンは親子でダビデのケツを狙ってたってことか?

・サウル「娘を嫁にやろう」→ダビデ「王族の娘に払うほどの結納金は持ってないぜ」→サウル「結納金の代わりにペリシテ人のちんこの皮100枚でいいぞ」→ダビデ「そういうことならやってやるぜ」。どうもちんこの皮は武士にとっての敵将の首みたいなニュアンスらしい。

・サウルがダビデを脅威に感じ、討とうとする→ダビデ逃亡→ダビデ「王の命令で急ぎの用なんです。パンと剣を下さい」→祭司「はいはい、どうぞ」→後日→サウル「おい、貴様! なぜダビデに味方する!」→祭司「そ、そんな! 知らなかっ……ウギャー!」なんでヤハウェはこういう時に助けねえのかな。

・ダビデが「食い物くれ」って言って、断られたら、ダビデのやろー、相手の一族を皆殺しにしようとしやがったぞ(相手の奥さんの説得により思い留まったが、結局、ヤハウェが相手を殺した)。食べ物あげたらサウルに殺されるし、あげなかったらダビデかヤハウェに殺されるとか、どうすりゃいいんだよ。

・サウルから逃れたダビデはペリシテ人の王に保護されて、王の下で多民族への略奪行為とかやってたらしい。ダビデほどのビッグネームが、ペリシテ人のところに身を寄せるとか、意外と物語に起伏が多くて面白い。ペリシテの王もすっかりダビデを信用してるけど、きっと裏切られるんだろうな~。


サムエル記下

・んー、一章からいきなり意味が分からん。戦場でサウルを安楽死させたアマレク人をダビデが怒って殺しちゃうのがまず倫理的にどうかと思うけど、そもそも、サウルは自殺したって話だったのに、なんで安楽死したことになってんだ? 辻褄を合わせるとすればアマレク人が偽証したってことになるのか?

・サウル王の死後、サウルの息子とダビデの間で王権争いの内紛が起こるんだけど、この流れはどこの民族も同じだなあ。息子側の将軍(ダビデに味方した)をヨアブ(ダビデの甥で将軍)が暗殺したのは、実際はダビデが王権を取った後に、サウル側の実力者を残さないための政治的判断と思われる。(続

・さらにダビデの命を受けずにヨアブが勝手に敵将軍を殺したとすることによって、ダビデが息子ソロモンに王位を継がせる時に、身内の実力者であるヨアブを排除する口実を、この時点でこしらえてるわけか。がんばって伏線張ってるなー。

・ヤハウェの障害者差別(五体満足でないものは祭司職を遂行できない)は、ソロモンがエルサレムの現地民から「お前なんか盲人や足萎えでも追い払える」と挑発されて、「街に入って盲人と足萎えを討て」と返したことから来てるらしい。といっても、時系列的にはヤハウェの差別の方が先のはずなんだが。

・逃亡時代に保護してもらってたペリシテ人をダビデが打ち負かしてる。まあ、この時はダビデが王になったことを知ったペリシテ側から攻めてきてるので、仁義にもとるとは言えないな。

・契約の箱を運んでる時に、牛がつんのめったかなんかして箱をひっくり返しそうになったところ、祭司(?)の息子ウザがそれを支えたんだけど、そしたらヤハウェが「てめえごときがオレに触れるんじゃねえ」ってウザを殺しちゃたよ。相変わらずムチャクチャだなー。

・流石にこれは作中人物にとってもムチャクチャだったみたいで、ダビデがヤハウェに対してキレてる。前にもサムエルがヤハウェにキレてたし、どうも完全に絶対服従という関係でもないらしい。ヤハウェもすぐに逆上してブチ殺しそうなもんだけど妙に大人しい。結局、三ヶ月後にダビデの方から仲直りしてる。

・おおおお、ダビデのやろー、今度はモアブ人に戦争仕掛けて、2/3を殺しやがった……。逃亡時代はモアブ王に両親を保護してもらってたというのに。戦乱の時代とはいえ、いやはや……。

・ダビデが傭兵ウリヤをわざと前線に出して殺して、ウリヤの奥さんを奪い、ヤハウェの機嫌を損ねたエピソードは有名だけれど、でも、妻を奪ったというだけで言えば、その前にパリティエルから妻ミカルを奪ってるんだよな。元々自分の妻だったにせよ、その後はセックスレスだし、完全に政略結婚っていう。

・このダビデの行為を見てヤハウェが叱ってる。正直、「おまえがいうな」という気がしてならないが、まあ強盗が言おうが殺人者が言おうがヤハウェが言おうが正論は正論だな。で、ヤハウェの懲らしめはウリヤの妻とダビデの間の子供を殺すことなんだけど、だから申命記で家族に罰を及ぼすなとお前が(ry

・現代の読者から見て納得できることをヤハウェがしたのはものすごく久しぶりな気がする。もっとも今回の叱責も、ダビデの非道やウリアの死を嘆いているわけではなく、「お前はオレのこと侮ってんの?」っていう、なんか明後日の怒り方なんだけど。(サム下12-5)

・この奥さんの息子が死んだ後、さらに同じ奥さんから生んだ子供がソロモンなのかー。

・ダビデの息子のアムノンが異母妹のタマルをレイプしてる。律法で「異母姉妹と結婚すんな」ってあるんだけど、どうもここでは婚前交渉だけが問題視されてるっぽい。物語の時系列的には律法の方が先なんだけど、実際、律法の成立の方が後付けで、編集者はこの辺の矛盾を解消する気がなかったんだろうな。

・ふむ。今度はダビデの子供たちの王位継承権争いか……。徳川家のお世継ぎ争いみたいだな。しかし、アムノンが急にタマルを捨てたり(セックス後に急に冷たくなるのは分からんでもないが)、アブサロムが突然クーデターを決行したりと、、キャラクターの心情描写が不足しており説得力がないな。

・なんだ?? ヤハウェが突然ブチギレたかと思ったら、ダビデを操作して人口調査をやらせた……? 動機も行動も意味が分からんが、後でダビデが人口調査を悔やんでることを見るに、どうも人口調査=悪らしい。国勢調査→徴兵はヤハウェに対する裏切りなのか? よく分からないが……。(サム下24)

・ヤハウェ「お前、人口調査したから(オレがさせたんだけど)罰与えるね。一、7年間飢饉。二、3ヶ月間、敵に追われて逃げ惑う。三、3日間、国に疫病。どれがいい?」→ダビデ「敵に追われるよりはヤハウェにやられた方がいいです。ヤハウェの憐れみは大きいから」→疫病発生、7万人死亡。

・ダビデはこれまでの何を見て、「ヤハウェは憐れみ深い」とか思ったんだ?? ただ、ヤハウェの御使が調子に乗ってエルサレムを殲滅しようとしたら、ヤハウェが後悔して止めたので(また後悔してる)、昔に比べれば憐れみ深くなったのかもしれない。前はノリノリで皆殺しにしようとしてたからなー。

・サムエル記下は全体的にヤハウェの干渉も少なめで、ダビデも結構人間的だし、感情移入できる話も多く、戦記物として読めるので、普通の意味で面白かったです。バランスを取るかのように最後にヤハウェがムチャしたけど。「お前らに下す罰を3つのうちから1つ選べ」ってのは新しいな。


列王記上

・ダビデがジジイになって、体が寒いよーとか言ってたら、部下が「これで暖かくなるでしょう」っつって添い寝用の処女を連れてきた。くそっ、生まれて初めて王になりたいと思ったぜ……。

・ダビデがクーデターに遭って逃亡中にダビデに付き添って歩いて呪詛を吐き、ダビデが勝利後は突然ゴマすって生き残ったシムイさんだったが、ダビデが死ぬ間際に「やっぱあいつ殺せ」って遺言してる。たまーに「おっ、今回寛容だな」と思っても、必ず非道なオチがつくなぁ……。

・しかし、さっぱり分からんのはソロモンが王位対立候補だったアドニヤを殺した件で、アドニヤが「ダビデ王の体あっため用の処女を嫁にくれ」ってソロモンに言ったら、なぜかソロモンがブチギレて殺したんだけど、一体どういう意味なんだ??

・どうも、王の妻や側室を嫁にするのは、王の座を受け継ぐ、といったニュアンスがあったらしい。アドニヤの真意は読み取れないが、処女はすげーかわいい子だったみたいだし、普通に惚れてただけなら可哀想な話だよなー。(王上2-12)

・創世記の時は「善悪を知る木の実は食うなよ。食ったら死ぬぞ」ってヤハウェ言ってたのに、ソロモンが「善悪を判断する能力をクレ」って言ったら、ポンとあげた上に「長寿や富じゃなくてそんなものを求めるお前はエライ!」って褒めてる。一体どういうことなんだぜ。

・ソロモンが大岡裁きやってる。子供を二つに切り裂いて、自分の子だと主張する二人に半分ずつ与えよ、ってやつ。旧約の話が日本にまで伝わったのか、それともたまたま同じような話が成立したのか。

・ソロモンの一日の食事量は三万人前だったらしい。なんだその意味不明な誇張は……。三万人前って24時間休みなく食い続けても物理的にムリだろう。いつ大岡裁きをしてる時間があったんだよ。(王上5-2)

・注釈書によれば、「善悪を判断する」ってのは、どうもヘブライ語の慣用句で「大人としての判断力を持つ」という意味らしい。しかし、だとするとエデンの園においてヤハウェは、「いつまでも子供のままでいなさい」と考えてたんだろうか?

・ソロモンが神殿建築のために異国と貿易やってるんだけど、自分のところの労働者を現地に遣わして森林伐採技術を盗もうとしたら、相手がやんわりと断って商品現物だけを輸送してくるとか、昔の人も色々駆け引きしてるなあ。(王上5-15)

・ソロモンが建てた神殿(第一神殿)の描写を読んでも、どんな建物だったかさっぱりイメージできないんだが、どうも全体的に金箔を張ってたらしい。金閣寺みたいなもんなんだろうか。(列王上6)

・ヤハウェのための神殿は七年半かけて作ったけど、ソロモンは自分のための宮殿は13年かけて作ってる。これ、大丈夫なのかな? ヤハウェがブチギレてソロモンを殺すには十分な理由だと思うんだけど。

・神殿はヤハウェのおうちではなくて、人が神に祈り、神が人に意志を伝える窓口のようなものらしい。しかし、相手は神なんだから、窓口なんかなくっても、どこでも祈りは届くだろうし、好きな時に意志を伝えりゃあいい気がするんだが。(列王上8)

・意外だったのは、イスラエル人以外の外国人がヤハウェを慕ってやってきた場合、そういった外国人の祈りにもヤハウェがリプライすることが期待されている点。ユダヤ教は閉鎖的で、キリスト教になってからオープンになったイメージだけど、やっぱユダヤ教の時点でもそれなりに開かれてた模様。

・ソロモンがヤハウェに見捨てられるのは、異国の妻につられて異教礼拝しちゃったせいか。「異国の女を妻にすんな」という辺りはやっぱ閉鎖的なのかなあ。しかし、「ダビデのように一途にヤハウェに向かわなかった」とか言って急にダビデを美化してるけど、ダビデもそんな立派じゃなかっただろうに。

・ソロモンには妻と側女が計1000人いたらしく、申命記に「王は妻をたくさん持って心を迷わせてはいかん」とあるから、ここらへんも関係してるのかもしれない。しかし、レビ記や申命記なんかヤハウェも誰も守ってねーし、いまさらそこを言うのもアレだよな。

・サウル→ダビデ→ソロモンは、ヤハウェが「こいつの方がイイだろう」と選んだ順に悪くなっていってるような気がする。サウルなんかは考えようによってはまだ過失といっていい部類だったのが、ソロモンになると明確な反逆行為だもんなー。

・ソロモンへの制裁措置は属国の離反、部下の反逆という形で行われたんだけど、ヤハウェはブチギレても良さそうなもんなのに、「オレに忠実だったダビデに免じて、ソロモンには12部族のうち2部族だけ残してやる」とか言ってるんだよね。いや、そのダビデを捨てたのはお前じゃねーか。

・ソロモンが20年かけて神殿と自分のおうちを作ったのは、さらっと書かれてたけど、実際は相当の重労働を民に課していたのね。で、ソロモンの息子、レハブアムが労働を軽くしなかったため民が反抗して、南北分裂の契機になった、と。で、レハブアムの頑なな態度も全部ヤハウェのせい、と。またお前か。

・描写されている北王国の問題点は、南王国にエルサレム神殿があって宗教的な求心力がそちらにあるから、新たに祭壇を作り、金の仔牛像(これは異教崇拝ではないという説アリ)を作ったけど、それがヤハウェの気に障った、と。政治的にはごく真っ当な手順なんだけどなあ。

・預言者がヤハウェに「パン食うな」って言われる→他の預言者が「ヤハウェがパン食えって言ってましたよ」ってウソつく→預言者がパン食ったらヤハウェがブチギレて預言者死亡。どうしろっつーんだよ、これ……。ヤハウェも殺すならウソついた方を殺せばいいのに……。

・ヤハウェ「ヤロブアムさー。お前、ムカつくから、お前の一族全員ブッ殺すね。死んだ後も墓に入れると思うなよ、犬か鳥に食わすから。……あ、でもお前の息子のアビヤだけはイイ子だったよな……。よし、じゃあ、あの子だけは特別に墓に入れてやろう。まあ皆殺しなのは変わらないけど」 マジ慈悲深い。

・南王国も南王国で異教崇拝してんのか。結局、ヤハウェが目をかけてやった王は全員ヤハウェを裏切って、ヤハウェが目をかけてやった民族もみんなヤハウェを裏切ったのか。こりゃあヤハウェがやさぐれるのも仕方ない気がする……。が、ヤハウェの自業自得のような気もする。卵が先か鶏が先か。

・ああ、なんで突然ダビデが美化されてるのかと思ったら、「部下の妻を寝取ったこと以外はヤハウェに忠実だったから」ということなのか。それは確かにその通りだなあ。まあでも、その一件のせいでダビデはヤハウェからこっぴどい目に遭わされてるんだが、確かに他よりはマシと言える。

・ヤハウェがバアシャに「てめーを王にしてやったのに、オレを怒らせやがってよー。ブッ殺すぞ」って言ってて、まあこれ自体はお馴染みの展開なんだけど、ブッ殺した後に「バアシャは自分の野心のために王位を奪ったからである」とか言い出した。ヤハウェが王にしたっつってたじゃん。どういうことなんだ。

・ヤハウェはバアシャが気に入らなくて、バアシャの一族をジムリが皆殺し。そのジムリも殺されたんだけど、理由が全部「ヤハウェに逆らったから」になってて、ジムリに至っては何をどう逆らったのかさえ書かれない。「北のやつらはとにかくみんなヤハウェの敵なの!」ってことか。なんという投げやりな。

・北王国の王権争いと、それにより不幸な目に遭う先王の一族を、全て「ヤハウェに対する罪」で説明しようとするから、先王の一族を「ヤハウェの意図により」討った人も、「ヤハウェに対して罪を犯した」ことになるという訳のわからん事態になってるのかと思われる。

・「ジムリについて、詳しくは歴代誌を見てね!」って書かれてるのに、歴代誌に載ってねーじゃん! なんじゃこりゃ? ……どうも注釈書によると、今残っている歴代誌とは違う、別の失われた歴代誌があって、そっちのことを指してるらしいが……。おい、しっかりしろよ、神の言葉。

・ヤハウェは自分で王を立てるたびに、「せっかくてめーに目をかけてやったのによー。てめーもオレを怒らせやがってよー」って言って酷い目に遭わせてる。ヤハウェに仕えるのは民の方からしてもクソゲーだけど、ヤハウェもヤハウェでクソゲーだと思ってるのかもしれない。
ソロモンって賢王のイメージがあったけど、実際やったことはデカイ神殿と自分のおうちを作ったのと、軍備拡張と、それに伴う重労働、重課税、セックス三昧、大飯喰らい、あと異教崇拝と意外とロクなことをしていない。良かったのは裁判だけか?

・ダビデの時はワンミスで(しかもヤハウェに明確に逆らったわけではない)あれだけ酷い目に遭わせたのに、ヤハウェに明確に逆らったアハブ(ヤハウェの預言者をほぼ皆殺しにした)は結構助けてやってんのな。どうもヤハウェの考えてることは分からん。(列上20)

・「イスラエルの王は慈悲深いと聞いている。降伏しよう」←一体、何を勘違いしたらそんな認識になるんだ。むしろ、どの民族よりも獰猛で酷薄苛烈なはずなんだが。ちなみに、こいつらに寛大な処置を施すと、ヤハウェが「オレはあいつら殺してーんだよ! ふざけんな、死ね!」って言ってキレてた。

・しかし、「寛大な心で敵を許してやったら、ヤハウェにブチ殺される」って、それ、イエスもヤハウェに殺されるんじゃねえの?

・おお! アハブが反省したらヤハウェが許した……! 信じられん。今までは反省してるやつも当たり前のように殺してきたのに、一体どうしちゃったんだ!? 「あいつ反省してるから、あいつは許してやろう。代わりにあいつの死後、あいつの息子たちを皆殺しにしよう」。まあやっぱ殺すんだけど。

・預言者が「ヤハウェに言われたんだ、オレを殴ってくれえ」って言ってきて、殴らなかったらヤハウェにブチ殺されるんだけど、現代に置き換えて考えると厳しい話だよな。こんな奴がいたらクリスチャンは殴らにゃならんのだろうか。実行してウソだったら逮捕だし、断ってホントだったらヤハウェに殺される。

・預言者の言う事を聞かないと殺されるのに、預言者はたまにウソついて、しかも、それはヤハウェがウソをつかせてるっていう。で、ウソに従ったらやっぱ殺されるんだ。ホント、ムチャクチャだな。どうにもならん。クソゲーにも程がある。ヤハウェに従って助かる道はない。

・というか、アハブは反省したから許してやったんじゃなかったのかよ。なんで預言者にウソつかせてまで殺してるんだ。もうホント呆れるなー。ヤハウェはどうしょうもない。

・ヤハウェがウソつく可能性もあるってことは、極端な話、「聖書は全部ウソでしたー! これに従ったやつ全員殺しまーす!」とか言い出す可能性だってあるわけだぜ? どうやってこんなもん信仰すんだよ。……いや、「ヤハウェは聖書に関してはウソついてない」と信じるのか?

・「ヤハウェはたまにミスをする」「ヤハウェはウソをつくこともある」。現状、この二点は一神教信仰の上で極めてクリティカルな問題だと僕には思われる。この二点を前提にした上で、「絶対に正しい生き方」をすることなんて出来ないと思うのだが?

・イスラム教の「聖書はダメなやつらが神の教えをねじ曲げてる」とか、バハイ教の「聖書も大昔のテキストだから破損があったりして使いものにならない」とかで、聖書自体の無謬性を否定するのが一番手っ取り早い気がする。

・問題は「預言者の言葉(ヤハウェの言葉)」の真偽を確かめる術が人間側にないことだよな。まず、ヤハウェから出た言葉かどうか分からない。次にヤハウェがウソを付いている可能性も捨てきれない。「敵を許すな! 皆殺しにしろ!」とか言う神だから、良心に基づいて内容から判断するわけにもいかない。

・ヤハウェは嘘だけはつくべきじゃなかったと思う。ヤハウェを信じるに足る最後の一線が崩れた気がする。ヤハウェは神だから何でもできるし、その場のノリで嘘とかついてもいいんだけど、神でも人でも、その行動の責任はちゃんと自分で引き受けなきゃいけないんだな、って思った。

・なんだかどんどんヤハウェのことが可哀想になってきて、気分が落ち込んできた……。全部自業自得だから弁護のしようもないんだけど。誰かヤハウェを止めてやってくれ……。イエス……早く来てくれ……イエス……。

・とはいえ、まだまだ旧約は半分以上も残っているのであった。列王記下に入ります。


列王記下

・アハズヤフがバアル・ゼブブに神託を求めに行ったら、ヤハウェが「なんでオレを無視すんだよ!」って怒ってブチ殺したんだけど、なんだかこういった横暴も、むしろ憐れみの目で見てしまう。ヤハウェは本当にみんなから愛されたいんだな。でも、彼にはこういう方法しか思いつけないんだ。

・エリヤフのマントで河をビターンって打ったら、水が左右に分かれて歩いて渡れるようになるらしい。RPGのイベントアイテムみたいだ。

・町の子供たちが預言者エリシャをバカにする→「やーい、ハーゲ、ハーゲ!」→エリシャ、キレる→森から熊二頭登場、子供たちを42人引き裂く : ホント、旧約の聖職者どもは、寛容とか慈愛とかの言葉から程遠いよなww 子供の悪口くらいスルーしろwww(列下2)

・まあでも、聖職者とかは悪い面ばかりがクローズアップされるものなんで、エリシャも子供をブチ殺す直前には、ちゃんと町の水を浄水してることを記してバランスを取っておこう。自分を慕うやつには恩恵を施し、少しでも逆らったらギッタギタというのは、ヤハウェの一貫した方針ではある。

・エリヤフも空飛んでっちゃったな。エノクが「天に引き上げられた」のは「死んだ」の婉曲表現だったのが後世に誤解されて、「生きたまま天国に行った」と解されたんだけど、エリヤフの場合はどうだったんだろう?? 列王記下は「エノクが空に引き上げられた」の誤解が成立した後のものなんだろうか?

・ありゃ、ヤハウェが異教の神に負けたぞ!!? モアブ人との戦争の際に、ヤハウェが完勝を約束したのに、モアブ人がケモシュに祈ったらイスラエル人はすごすご引っ込んでっちゃったよ。今までも「ヤハウェがわざと負けさせる」ことはあったけど、異教の神に真正面からやられることもあんのかよ。

・ヤハウェが普通に負ける、ってのはさすがにビックリだ……。ヤハウェはミスをする、ヤハウェはウソをつく、もだけど、聖書をちゃんと読むと今までなんとなく「こうだろう」と思ってたのが、意外とそうでもないことに気付かされるなあ。そうか、普通に負けるんだ……。

・信心深い女にエリシャがミラクルパワーで子供を産ませてあげて、子供が早死した後もミラクルパワーで蘇生させてあげるんだけど、この手の復活譚はどうしても「そもそも殺すなよ」って思わざるをえない。生き返らせるために殺した気がしてならんなー。

・アラム人の将軍がヤハウェを信じようとした時に、「でも、ウチの王様がリモン神にお祈りする時はお付き合いで一緒にお祈りしなきゃいけないからそれは許してね」って言ったらヤハウェが途端にブチギレて将軍を殺した……と、思うでしょう? オッケーだって。びっくりだね……。寛容になったなぁ。

・最近の注釈書によれば、この寛容さは列王記の読者が捕囚の運命にあったから、という理解をしている。なるほど、読者もお付き合いで異教の神を礼拝すべき立場にあった、と。一方、昔の注釈書は「別にオッケー出したわけじゃない。単にさようならを言っただけ」と解説してるが、こちらは苦しい。

・んあ? エリシャが捕虜にしたアラム兵を寛大な心で帰してあげるのはオッケーなのか?? こないだアハブが寛大な心で敵を許してあげたら、「殺せっつったのが分かんねーのか!!」ってヤハウェブチギレてたのに。一体何が違うんだ???

・イエフのクーデターで南北両王が殺されたんだけど、「ヤハウェが王になれと言ったのだー」でクーデターの大義名分が立つのは簡単でいいな。

・ヤハウェはダビデの頃は彼がワンミスしただけでギッタギッタにしてたけど、最近になると、誰も自分の言うとおりにちゃんとやってくれないと分かってきたのか、酷いやつでも助けてやったり、少々逆らっても褒めてやったりしてる。イエフとかベタ褒めじゃん。

・そのイエフのやったことといえば主君への裏切り(クーデター)と、王族、有力者、バアル祭司の皆殺しであって、非常に血なまぐさいのだけど、こんなことしてたらヤハウェが「お前はオレの言うことちゃんと聞いて可愛いやつだな」とか褒めてくれるわけだ。

・ウィキペディアソースだけど、聖書的に悪いとされてるアハブは政治的には名君で、良いとされてるイエフの方が政治的には暗君という評価もあるらしい。時流に沿った適切な政治を行うためには、元の宗教理念にいつまでもしがみついてはいられないわけで、この辺りカトリックと似たような問題だろうか。

・北王イエフと同時代の南王がイェホアシュ(ヨアシュ)。それでイエフの息子がイェホアハズ。イェホアハズの息子がイェホアシュ(ヨシュア)。まじ混乱する。かんべんしてくれ。

・お、ついに申命記の「罰を与えるのは罪を犯した本人だけ。家族に及ぼしてはいけない」を真面目に守る王様が出てきた。これ、ホント誰も守らねえし、言いだしっぺのヤハウェすら守ってねーからなー。ヘタすると初めてなんじゃなかろうか?(列下14-5)

・アマツヤは聖書的にも正しかったし、申命記の律法もちゃんと守ってたよ!と肯定的評価がされた直後に、アマツヤは敵を倒した調子に乗って北王国に戦争を仕掛けて、北の王様が「オレ達が争っても、その隙に外国に襲われるぞ」と正論言っても聞かずにボロ負けして最後は暗殺されてる。キャラが安定しねえ。

・ヤロブアムはヤハウェ的に見てよくなかった。でも、彼は戦争でボロ勝ちした。イスラエルの民が困ってるのを見てヤハウェが見捨てられなかったからである。←ヤハウェ的に正しかったアマツヤがボコボコにされて、正しくなかったヤロブアムが大勝利なら、ヤハウェに従う理由なくね?

・昔はイスラエルの民がワンミスするごとに、直ちに民族全滅させようとしてたヤハウェが(そのたびにモーセが必死に止めてた)、最近は民が恒常的に逆らってても助けてくれるんだな。根っこがヤバイのは変わらないけど、だいぶ丸くなってきたなあ。

・「王はヤハウェの目に正しいことをことごとく行った。ヤハウェが王を打ったので彼は死ぬ日までツァーラアトを患った」(列下15) 爆笑したwww 関係ねーどころの話じゃねー。これ、どうしろっつーんだよww

・どうも歴代誌下によれば、この王(アザリヤ)はある時から驕りたかぶって(祭司の職務である)お香を炊く仕事を奪おうとしたらしい。それでツァーラアトになったと説明されている。それならそう書けばいいのに、なんで列王記の編者はそこの理由をふっ飛ばしちゃったんだよww

・「王は父のようにヤハウェの目に正しいことを全て行った。ヤハウェは外国人を国に送りこんで攻撃を始めた」 ま た か www ヤハウェどうかしちゃったんじゃねえの? ヤハウェ的に正しくない奴には特に制裁しないのに、ヤハウェ的に正しい王にばっか苦難を与えてるぞ。ついに気が狂ったか?

・「北の王はあんまり良くなかったけど、今までの王に比べるとマシだった。アッシリアが攻めてきた。北王国は滅んだ」。まあ、考えてみりゃあ、ヤハウェの言う「悪いこと」って要するに異文化交流だろうから、他国との関係を閉ざせば(ヤハウェ的には良いこと)そりゃ周囲の反感を買って攻撃されるわな。

・北王国滅亡→他の国から植民してくる→彼らは当然ヤハウェを知らない→ヤハウェ「は? なんでお前らオレを崇めないの?」→獅子に襲われ植民者死亡→しょうがないので今まで拝んでた神と一緒にヤハウェも祀る→ヤハウェ「は? なんでオレの他に神を拝んでんの?」 タチが悪いにも程があるだろ……。

・つーか、ヤハウェはなんで異国人が自分を崇拝してくれると思ってんだ?? イスラエル人に関しては以前にエジプトから助けてやったんだから、まあ分からんでもないが、他民族には借りも貸しもねーんだから迷惑かけんなよ。植民者たちは「呪われた地に来てしまった……」と思ったに違いない。

・「今度の南の王はヤハウェ的に見てすごく素晴らしかった。こんな素晴らしい王はこれまでいなかった。ちょー素晴らしかった。王は先王がアッシリアに服従したのとは異なり、勇敢にもアッシリアに歯向かった。アッシリアが攻めてきた! 王は土下座して謝った」 なんだこれwww(列下18)

・さすがにこれで終わることはないよなー。これからアッシリアに反撃するんだよな?? どうも、アッシリア王の言葉からすると、この時期、エジプトが反アッシリアを扇動してたらしく、ヒゼキヤフ(南王)もそれに一枚乗った感じなのかもしれない。

・おお、ヤハウェが動いたー。アッシリアは18万5千人が謎の急死(ヨセフスは疫病と考えてる)、アッシリア王もクーデターで死んだ。イザヤはここで出てくるのかー(ヤハウェの言葉をヒゼキヤフ王に伝えた)。

・ついにヤハウェから「もうお前らみんな見捨てる!」宣言が! これで平和が訪れる!……と思ってしまうのは仕方ないことだなあw でも、まだ旧約も中盤だし、残念ながら(?)ヤハウェは本当にイスラエル民族を見捨てきったわけじゃないんだろうな、かわいそうに。(列下21)

・ヨシヤフが契約の書を発見して、宗教改革を始めちゃった。これもヤハウェがわざと発見させたんだとしたら、あのやろー、やっぱ未練たらたらだったのか。で、ヨシヤフが頑張って頑張ってヤハウェをヨイショするんだけど、結局、ここまでやらせてもヤハウェは許してやらねーんだよな。

・ヤハウェ「まーでも、ヨシヤフ、お前だけはイイやつだったから、お前だけは安らかに死ねるようにしてやるよ」→ヨシヤフ、戦場で殺されて死亡。ちょ、言ったことくらいは守れwwww

・ヤハウェが「もうお前らみんな見捨てる!」ってキレる→キレながらも反省を促すきっかけ(律法の書)を与える→それを見た王様猛反省→宗教改革を断行、異教の祭司を血祭りに→ヤハウェ「やっと分かったか。ま、何やっても許さねーんだけどな!!!」 うっぜーww まじ、うっぜーwww

・バビロンがエルサレムを攻めて神殿を破壊するシーンがとても清々しくて気持ちいいのは否定できないな……。なんというか、ホラー映画を見ていて、惨劇の舞台となった呪われた屋敷が炎上するラストシーンを見ているかのような。これでヤハウェの呪いから解き放たれるのか、という思いが。

・バビロニアのおかげでユダ王国は滅亡し、呪われしヤハウェの神殿も崩れ、イスラエルの民はヤハウェの呪いから解き放たれた。ここで終われば一応のグッドエンドではあるが、しかし、彼らはまだ自分たちの力でヤハウェの呪いを克服したわけではない。真の解決はイエス登場まで待たねばならぬのだろう。

・列王記下まとめ。やってることは基本的には普通の諸外国と同じ。外交、対外戦争、内紛、後継者争い。ごくごく当たり前の王国経営。ヤハウェから見て正しい王も、正しくない王も出てきたけど、特に優遇されるとか悲惨な目に遭うということもない。ヤハウェの存在意義はよく分からない。

・なお、時折、「ヤハウェから見てすごくいい王だった」ってのが出てくるけど、これって要するに国内の他宗教に不寛容で、異文化を排斥し、異教の祭司を殺戮したとかであって、現代的に見ると全然いいことじゃないんだよね。聖書はさらりと美化して書いちゃうけど、気を付けないとね。


旧約聖書〈2〉歴史書―ヨシュア記・士師記・サムエル記・列王記
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