【2/9】2011年10号のジャンプ感想(読切『月・水・金はスイミング』掲載号)


【宣伝】

 拙著『戦闘破壊学園ダンゲロス』、アマゾンさんの方では既に在庫がないみたいですが、楽天にはまだたくさんあるので、買えねーよって人は楽天をオススメ。こちらも送料無料です。

 以下、ツイッターから感想をちょびちょび引用。

>> ダンゲロスまだほんの序章だけどとりあえず頭悪いな。もう文章のそこかしこから頭悪さが滲み出してる。素晴らしい。

>> カレーを辛くする能力とか、金玉を爆発させる能力とか、宇宙一セックスが巧い能力者とかが何十人も山のように出てきて、彼ら彼女らが大真面目に敵を殺すべく頭使って能力バトルしてるんですよ!?ハンターハンターが好きで、かつエログロに耐性のある方にはお薦めしたいです。間違いなく傑作。

>> ダンゲロスおもしれー。特に作戦部分は何度も読み返したくなる。全陣営が目的のために全力で策を練ってて、なにより基本ハメ技で一方的に潰そうとしてるのがすげえかっこいい。禁止カード無視して作ったガチデッキ同士のデュエルみたいだった。

 こんな感じですが、どうぞよろしくお願いします。

【送料無料】戦闘破壊学園ダンゲロス

【送料無料】戦闘破壊学園ダンゲロス
価格:1,785円(税込、送料別)


新テニス

 今月は許斐先生がいっぱいテニス描いてくれたー!!!!


・跡部王国(あとべキングダム)

 ネーミングも凄まじいが能力も凄まじいな……。レントゲン能力と来ましたか。これまでの「氷の世界」が"相手の(視覚上の)死角を認識する"というものだったのに対し、「跡部王国」は"人体構造上、反応できない死角を認識する"という能力。これは相手が人間である限り有効な万能能力と言えるでしょう。……といっても、無我一族やシンクロ使いなどは同じ人間とも思えないので、あいつらに対してどこまで有効なのか少々疑問だけれど。

 あと、問題は遠山金太郎。あいつ、後逸したボールを空中回転で追いかけますからね。人体構造上明らかに捕球不可能な位置に飛んでるボールを取っちゃうんだから、金太郎相手に跡部王国しても「いや、それは取れねーはずだろ、何取ってんだよ」ってなりそうな気が。また、そもそも返球不可能な能力、たとえば波動球や雷、黒ジャックナイフなどを喰らえば死角が見えてても仕方ないし、手塚ファントムや手塚ゾーンで破られるのも「氷の世界」と同じ。その点では進歩したとは言いがたいですね。あと、搦め手対策もできてない。お笑いテニス辺りでも下手すると負けそう。なんだ、意外と穴の多い能力だな……。


・入江「ボクがキミの心を透かして見れるように、キミはボクの骨格レベルまで……」

 これまでのスポーツ漫画においても「心を読む能力者」は出てきただろうけど、「心を見透かす能力者」と「骨格を見透かす能力者」が戦うってのはスゴイ話だな……。「お前はオレの心を読めるかもしれないが、オレはお前の骨格を見透かすことができる」っていう。おい、一体なんだそれはww


・跡部「…なるほど、迫真の演技じゃねーの」

 しかし、結局、入江さんの演技には何の意味があったのだろう。あれなんかね。たとえば格ゲーとかで一本目をあっさり取られて、「なんだ、相手弱ぇーじゃん」って思って、緊張の糸が切れたところを逆転されて二本取られて負ける、みたいな? ……んー、ちょっとよく分かんないや。読者に対するフェイントとしてはすごく機能してたけど、跡部さま相手には実際どういう効果があったんだろう。


・入江戦決着

 ステータス見ると分かるんだけど、入江さんのスタミナって実は2点しかないんだよね。何が言いたいかというと、スタミナ負けってのは納得のいくオチだったなー、と。でも、それも演技なんだよな~。となると、じゃあスタミナ2ってなんなんだよ、って感じはする。


・亜久津さんwww

 数ページ前で伏線を張り、木手や師範を差し置いて颯爽と登場した挙句に鬼先輩にあっさり出番を奪われた流れを見て、在りし日の遠山金太郎を思い出しました。許斐先生、こういうフェイント好きだよな。読者をその気にさせるだけさせといて、「てめーに出番はねーけどな!」っていう。


・武井利夫さん

 今回、鬼先輩にあっさり喰われた武井利夫さんだけど、この人、よく見るとすごいキャラ立ってるよね。なんだこの貴族然とした顔立ちとヒゲは。仲間からは「バロン」と呼ばれてそうだ。旧3番コートは常時演技モードの入江さんに、テニスロボットの外道さん、オネエ言葉の松平さんと川の流れのように大和祐大、そしてバロン武井がいたのか……。よく考えると凄まじい色物コートだったんだなぁ……。


・革命軍

 今月のラストページはスゴかった……。こういうところで全力で遊んでくるから許斐剛はたまんねえよな。田仁志様がダイエットに成功したことは不幸にもネタバレで知ってしまってたんだけど、乾先輩が当たり前のようにミイラ化してるところや、野性味溢れるリチャード坂田など、とにかく凄まじい衝撃だった……。リチャード坂田はパッと見、ドリフで爆発した博士みたいになってるのかと思ったけど、よく考えたら、この人、元からこういう髪型だったよね。それでもジワジワ来るよな、リチャード坂田め。


・ペアプリ:負け組メンバーの特訓予想

 またムチャな募集を……。だってこれ正解がさ、「鷹に追いかけられながらムーンサルト」とか「徒党を組んでダンジョンに挑み、肉と酒をかっぱらう」とかじゃん。編集部は読者に何を期待してんだよ。


ライトウイング

 これはうまいなー! 秀逸な予想の裏切り方だ!! 誰もが「佐治はまとめ役」と思っていたのに、そして劇中では本人さえもそう思ってたのに、実は180度正反対。メイジが管理するのに対して皇帝はみんなに支えられるのか。そりゃあんな変態シュートを試合中にズバズバ決められるプレイヤーがいたら、みんなパスしたくなるよな。僕だってできる限り佐治さんにパスして、変態シュート決めてもらいたいって思うもん。

 「何てことだ、気付かなかった……。あの11番!!」「天才!!」ってのもスゴかった。「しまった、あいつが天才なことに気付かなかった」ってのは、ちょっとありえない展開だったと思う。「優勝してしまった」に近しいものを感じたね。しかし、佐治くんってば第一話ではなんであんなにクソ人間だったんだろう……。


ワンピース

 デッケンさんとホーディさんが手を組んでくれたのは、情報量過多に苦しむ読者的にもありがたーい流れ。単立勢力が多すぎて目眩がしてたけど、とりあえず敵対勢力が二つくっ付いてくれて大分整理しやすくなったぞう。で、あの時、デッケンさんが握手を拒んだのは「的にする」能力の成立条件が「相手に触れること」だからなんかね? だとしたら、しらほし姫にも以前なんかして触れてるわけか。えろいな。

 ウソップたちが大軍に囲まれながらも武力を頼りに平然と独立してるのは素直にカッコ良かったです。以前のウソップたちなら、「命を取られることはなさそうだし捕まっとこうぜ」的な感じだったろうに、武力を手に入れたことで理不尽には腕力で抗うことができるようになったんだね。思えばワンピースには今まで「理不尽に対して上位の腕力で抵抗する」って描写がルフィ以外にはあんまりなかった気がする。もとより暴力で成り立つ海賊稼業、今週のはスッキリ気持ち良かったし、この手の漫画には必要な描写なのかもしれないね。


トリコ

 サンダーノイズの理屈がさっぱり分からない……。振動ってのは重力に引かれて落ちるものなんだろうか。ん、そもそも振動ってなんだ?? たぶん音波のことなんだろうけど、考えてみたら音波って何なんだろう。ググったら音波は波動だって書いてあったけど、じゃあ、波動って、何……?? 口から出た音に指向性があることは分かるから上に飛んだとして、音の波動は重力に引かれて落ちるものなの……? ううん、よく分からん。あんまり考えて読むものでもないんだろうけど。

 冒頭の「ゼブラすげえ描写」は、バキの「範馬勇次郎が4km/h以上の速さで動くと全世界のカーナビがずれる」に近しいものを感じました。最初の占い師が恐怖の大王扱いしてるところは、この手の「やりすぎインフレ紹介」の中でも新機軸で面白かった気がします。


ぬらりひょん

 今度は杉沢村かー。冒頭の手持ちビデオ映像はブレア・ウィッチ・プロジェクトっぽいですね。コマ割りとか、かなり「それっぽさ」が出ててイイ感じだったと思います。この手の手持ち映像映画だと、最近は『REC』が面白いよ。『REC2』のことは忘れてくれ……。

 しかし、この映像、誰が動画投稿サイトにアップしたんだろう。行った本人たちだとすれば生き残りがいたということになるし、他のグループが拾ったのならそいつらは生きて帰れたことになる。妖怪たちがアップロードしてるというのも、絵面は面白いけど雰囲気台無しになっちゃう。花開院兄の口ぶりからしても、本来は誰かが作ったネタ映像だったのが、そこから噂が畏を帯びて妖怪化したとか、そういうペルソナ2的な話なんだろうか。


ブリーチ

 一護はそろそろ自分が修行の名目で暗殺されかかってるんじゃないかと疑った方がいいと思う。そんくらいムチャだろ、これー。

 早速、買出し要員として活躍しているチャドさんにはすごくほっこりしました。


月・水・金はスイミング

 うむむむ……。非常に品のいい漫画だなぁ……。やっぱり福島先生は風雲ななな城とかやってる場合じゃなかったんだ。

 しかし、本当に品が良くて、ノーストレスで読める良作ではあるのだけど、すごく面白かったかと言われればそんなことはないし、続きが読みたいかと言われるとそんなこともない。うん、どう評価されるべきなんだろうね、これ。


スケット

 何はともあれ受験勉強中のルミちゃんがミイラにならなくて良かったと思いました。ところで、モンファン廃人前のボッスンのダラダラした姿を見る限りでは、ひょっとしてモンファンにハマってた方が有意義に冬休みを過ごせて良かったのでは?と思わなくもない。結果的に見れば、いまいち疎遠だった弟と冬休みを使ってしっかりゲームして遊んだわけで、うん、有意義なんじゃね?


リボーン

 まだ守護者を若干残して真相が判明したのだけれど、これって、黒幕がデイモンだと分かった今となっても、シモンファミリーの皆さんを許す理屈はないような気がするなあ。彼らは短慮と確認不足により牙を剥いたんだから、これは弁護できないよね……。特に炎真くんなんかは「キミは自分に都合の悪いことは何も信じようとしないんだね!」とか言ってたから、真相を知ったら恥ずかしさのあまり爆発したくなるに違いない。今にして思えば「風でメモが飛んだ」→「許せない」辺りの短慮っぷりからも、今回のこの流れは象徴されていた気がする。非があるとすればI世が部下を掌握しきれてなかった点だけど、それにしたってツナたちの問題じゃないしなあ。

 ラストの展開はサプライズな感じで良かったけど、これで死んで幕引きとなってもなんだかなーだし、これで死なないというのもなんだかなーな感じで、ここからどうやって転がすんでしょうね。鈴木さんと加藤さんの回想シーンはわずか1Pの中に必要な情報量がキッチリ盛り込まれててとても良かったと思います。


いぬまる

 オチがすごい面白かった……。特に気の利いたことは言えないんだけど、オチがすごく面白くって爆笑した。僕はダチョウ倶楽部に甘すぎるのかもしれない。


黒子

 花宮くんが急に真面目にバスケし始めてちょっとガッカリ。「ラフプレーも伏線」ってのは、非常に納得のいく話ではあったけれど、あのですね、僕は納得のいくバスケ漫画ではなくてですね、もっと頭の悪いバスケ漫画をですね……。

 しかし、先週は「ウッソでーす!」とか言ってたけど、相手がキセキどもだとまともにやっても勝てねーうんぬんってのは、あれ、実はホントだったんじゃないかなあ。だって、今週のスティールだって、「パスコースは完璧に読めるけど、パスするやつが見えない」とか、「パスコースは完璧に読めるけど、どこからでも100%で3P決めてくる」とか、「パスコースは完璧に読めるけど、どうやってもドリブルを止められない」とかが相手じゃあどうにもなんないよね。あんな化物どもを相手にIQが高い程度で立ち向かおうとするんだから、なかなか気の毒な人だとは思うんだ。


こち亀

 女子プラモ部の態度も大概だったけど、女子というだけで偏見バリバリの両さんが大変見苦しかったので、相対的に女子プラモ部の方が人間出来てるように見えました。そして、あれだけの頁数を使って「女子でもプラモ作れるんだ」と両さんの偏見をある程度崩した後で、なぜか180度回転して、また偏見バリバリのBL展開に持ち込む辺りの不可解さはやはり秋本先生か。まあ、戦車の下りにしたって、「歴女と同じだ」とか言ってて十分アレなんだけど。


バクマン

 七峰メソッドは僕のやり方といよいよ似てるなー。んで、「プロとしてやっていきたいなら」「プライドが無さすぎる」はサイシューの考え方が狭すぎると思いました。問題はそれで安定した製作環境を整えられるかであって、そこさえ解決するならどのようなメソッドを使おうが、イイ作品さえ作れるんならそれでイイと思うけど。

 ただ、七峰くんのやり方の問題点は50人の固定メンバーが固定しすぎているのことで、これが崩れた時にどうなるか分からん点。あと、50人の中で個人が立ちすぎるのがネックだと思う。どんな優秀な50人でもその50人の中で優劣は生じてくるわけで、そうなると互いに僻みが生まれたり、下手すると恋愛感情に発展してイザコザ起こったりして、漫画製作以外のよく分からない理由で立ちゆかなくなりそうな気が。いつまでボランティアでやってくれるのか、ってのも問題だし、他でネタバレされる危険性もある。一方、僕の場合はネタバレもクソも、企画会議からオチまで公開でみんなに考えてもらってるし、その辺りの問題点は解決されていると自負してるのだけど。将来的に連載取れるようになったら毎週ラジオで公開会議して、みんなでストーリー作りたいって結構本気で思ってる。

 ちなみにこれが以前このサイトでやった短編小説の企画会議掲示板。「エロと暴力の規制が厳しいiPad向けに短編小説を書くにはどうすればいいか」というテーマで、プロットからオチまで全部この時の公開会議で決めてます。それで出来た作品が「ダンゲロス・ベースボール」。七峰メソッドはちょっと危なかっしい感じがするけど、僕のやり方なら全然問題なくできると思う。

 あとは、「4人に意見してもらって書く」の方は、これは邪道でも何でもなくごくごく当たり前のことで、描いてる途中で人に見てもらって意見を聞いて修正するなんて、むしろ、当然やるべきこと。やらない方がどうかと思う。

 それと、担当の注文と違う方向性で直して、それでも圧倒的クオリティで押し通すってのは、これはクリエイターとしては理想の姿だと思います。担当は「売れるかどうか」を考えるのが仕事だから、その担当を押し通せたということは「こっちのが売れると認めさせた」ということ。そうなると、これはもう七峰くんのワガママではない。押し通せなかったら、ただの人の話を聞かない子だけど、押し通せた以上は彼は社会人としても成功してると言えます(ちゃんとビジネスとして成り立たせている)。そもそも新妻先生もそれで成功した人物として描かれているわけで、今更バクマンの作中でそれを否定する展開はないと思うんだけど、これで失敗するとしたら人間関係じゃねーかな。50人の中での人間関係か、もしくは担当との人間関係か。担当をリスペクトした上で自分の意見を押し通すのはアリだと思うけど、担当へのリスペクトがないのはどうかなーと思う。

「それこそアマチュアの作品になる……。その50人はアマチュアなんだから」

 その50人がアマチュアであっても、七峰くんがプロであれば問題なくって、さらには文字通りのプロ(それで生計を立てている)である担当が最後にチェックすれば、作品がアマチュアになるはずはないんだけど、七峰くんは最終チェックラインである担当をスルーしてるからなあ。それでも担当を納得させられるんなら何の問題もないわけだけど、問題は担当が納得しなくなった時(商業的に通用しない作品になった時)に七峰くんがどう出るか、か……。


「まあ、あのやり方じゃ上手くいっても最初だけだと俺は思うけど」
「なら、いいんだけど」

 そして、さらっと人の失敗を期待する辺りはいつも通りのサイシュー節。おまえらホント変わんないよなwww


★宣伝:ダンゲロス↓は公開会議ではないけど、10人くらいに意見聞きながら書きました。みんなで作った方が基本的に面白くなると思う。どうぞよろしくー。

【送料無料】戦闘破壊学園ダンゲロス

【送料無料】戦闘破壊学園ダンゲロス
価格:1,785円(税込、送料別)


【過去ログ】

【カテゴリー】

TOPアドレス
当サイトのTOPアドレスは
http://dansyaku.cagami.net/
です。
管理人:かがみ
パンクロッカーで作家。忙しくてもジャンプは読むよ。許斐剛先生を尊敬してます。

好きな漫画:テニスの王子様
好きな映画:テニスの王子様
好きなアニメ:テニスの王子様
【僕の本】

kaiketu_mini.jpg

[NEW!]
ダンゲロス1969
HP / amazon


kaiketu_mini.jpg

怪傑教師列伝ダンゲロス
amazon


bakadark_mini.jpg

戦慄怪奇学園ダンゲロス
amazon


bakadark_mini.jpg

ダンゲロス・ベースボール
amazon


bakadark_mini.jpg

「バカダークファンタジー」としての聖書入門
HP / amazon


jingi_mini.jpg

かわいい☆キリスト教のほん
HP / amazon


jingi_mini.jpg

作ってあげたいコンドームごはん
(amazon


jingi_mini.jpg

仁義なきキリスト教史
HP / amazon



飛行迷宮学園ダンゲロス
HP / amazon



新装版完全パンクマニュアル
HP / amazon



戦闘破壊学園ダンゲロス
HP / amazon



もしリアルパンクロッカーが
仏門に入ったら
HP / amazon



完全教祖マニュアル
HP / amazon



よいこの君主論
HP / amazon



テニスの王子様
[全国大会編]
爆笑・恐怖・激闘
完全記録

HP / 販売サイト



完全恋愛必勝マニュアル
HP / amazon



完全HIPHOPマニュアル
HP/amazon



完全覇道マニュアル
HP/amazon




完全パンクマニュアル
HP/amazon

amazonならびに全国書店にてひっそりと販売中。
【最新のエントリ】


誰でもどこでもLINK FREE!