【1/19】2010年7号のジャンプ感想(あねどきっ最終回)


 業務連絡です。ダンゲロスプレイヤーの田中申さん、アイナさん、おっさん、ここをご覧になられてましたら、works★cagami.net(★→@)までご連絡下さい。

 また、薬岡さん、ユメジにはメールorメッセージを送っておりますので、ご返信よろしくお願いいたします。


表紙

 白蘭さんの憐れむべき弱体化を知っている僕には、「死ぬ気のバトル――今、開始!」してるのは白蘭さんの方としか思えないのです。一分後には平行世界の白蘭さんが約900回の交通事故に晒されるんだもんな。毎分ごとに交通事故だけでも900回の死の危険を乗り越えなきゃいけないんだから、常時死ぬ気で頑張ってるのは白蘭さんだと思うんだ。


黒子

 カントクはバスケ部員全員が全裸で次々と自分に告白に来るという光景を、わずかでも想像したことがあるのだろうか。バスケに賭けた高校三年間の彼女の思い出が凄まじい形で凝結することになるのだが。

 ……というか、外部の女の子にアレをやったら普通に犯罪なので、良識あるバスケ部員たちとしては代わる代わる己の一物をカントクに見せつけに行くしかないわけで、しかも、(自分で言い出したばかりに逃げ出せない)女子高生に対して両者同意の上で堂々と一物を見せつけられるわけだから、これは見方を変えればむしろご褒美と取れるかもしれない。あーいや、でも、カントクに全裸で告白ってのもそれはそれで勇気いるよなー。

「キチッ…MAXで12か。ゴミめ……」
「火神くんはミルトポウ……。まるでお話にならないわ」
「MAX30オーバー……。ゴクリ……。さすがね、黒子くん。合格よ」

 とかなって付き合うことになってもそれはそれでイヤだよなー。


トリコ

 う~ん……。少年漫画としては全く正しいんだろうけど、グルメSPさんを足蹴にするボギーさんの無理矢理な悪人描写はいただけないなあ。悪人は悪人でいいんだけど、たとえばグルメSPを足蹴にして、滝丸が「やめろー」って来たところで、「掛かったな! グルメ騎士は扱い易いぜ!」とかやるならいいと思うんですけどね。そういう卑劣さなら全然アリなんだけど、今回のとか本当に無駄に感情を発露してるだけだもんな。「おいおい、生死を賭けた戦いの最中に何やってんの……」としか思えないもん。卑劣とか邪悪とかじゃなくてプロ意識が感じられない。

 逆に良かったところは、ボギーさんの宿借り能力が人外の特殊能力ではなく、これまでの調理経験の中で培ってきた人間レベルの能力であったこと。いや、全然説明になってないし、十分人外なんですけどね。それでも「一応人間の範疇で説明しようとしてる」辺りが好印象でした。あれは全く別の、異次元の能力原理でやってんのかと思ってたけど、突然、異次元の能力原理が出てきたら興醒めだからね。

 しかし、ほぼ同じサイズの人間の中に入ってるってのは訳分からんぜ。体積的に無理だと思うんだけど、あれは「身体が柔らかければイケる」という理屈なんだろうか。


サイレン

 一方、こちらの悪人描写は素晴らしかった……! 遊坂さんの悪人描写は無理がない。確かに遊坂さんのあのパーソナリティなら「伝えるかバカ」が当然だと思うもん。そして、射場さんと弥勒さんの間の僅かな人間的交流があるからこそ遊坂さんの悪人描写も映えるわけですよ。今回の一件で射場さんと弥勒さんはキャラ性が豊かになり、一方、遊坂さんはベクトルを絞ってキャラ性を深めたと思います。全てのキャラがお得な感じ。ウィン・ウィンの関係ですね。

 あと、この漫画はアゲハのキャラ性もあって、主人公が人間相手にも容赦なく即死攻撃撃つのがスゲーなと思いました。まあ、今回は相手が死ななかったし、最終的には死なないのかもしれないけど。遊坂さんもまさか普通の男子高校生があれほど躊躇いなく即死攻撃を放つとは思わなかったらしくビックリしてたけど、なんとここからはさらに容赦のないキチ宮さんが参戦ということで、遊坂さんは二度ビックリすることであろうな。アゲハとキチ宮さんに挟撃されるとか、普通の悪役なら同情心しか起きないところだぜ。テニスで言えば真田くらいのレベルでなければ生き延びられる気がしないもん。


・遊阪「ずっと退屈な監視役を任されて苦労したけどな」

 ひょっとして、遊坂さんは生きていたらWISEの中でドルキさんと張り合ってたんじゃなかろうか。何気にHPが高いのかもしれん。

※HP:ヒリューポイント


ハンター

 すげえ。ハンターすげえ。おもしれえ。クソおもしれえ。久しぶりすぎて僕ですら冨樫先生を過小評価してたくせえ。こんなに面白かったのかハンターめ。

 まず、以前に出てきた「感謝の正拳突き一万回」。先週寄せられた感想にも「あんなキチガイみたいなことやってるキチガイだからラストで萌え萌えキュンしてもおかしくないよね」というのがありましたが、あの所業がそのままキチガイ沙汰として作品で取り上げられて、「合理的な道筋ではたどりつけない場所」と評されました。

 それに加えて、今週でようやく明らかになった百式観音の正体。「傀儡の拳」「型通りの動作しか出来ぬ」ということで、百式観音とはネテロ会長の「型」を強化/具現化したものと見ました。以下、武術とか良く分からんくせに適当に書きますが、僕が思うに武術というものは無限にある人間の行動選択肢から、より合理的、効果的な行動をピックアップして洗練させる行為であると考えます。つまり、相手を攻撃する際には「正拳突き」という選択肢もあれば、「適当に暴れる」という選択肢もあるわけですが、武術は「適当に暴れる」よりも「正拳突き」が効果的であると位置付け、それを高める行為とも言えるわけです。無限の可能性を有限の選択肢に絞る行為とも。言ってしまえば武術とは「合理的行為」なわけです。

 であれば、ネテロ会長が狂気を持って高めた正拳突きとは何か? それは「可能性を絞る」という合理的行為が、合理性を突破したものであると考えることができます。それが形となったのが百式観音。ネテロ会長の高めた「武」、つまり「型」は、「型」として至高に至ったために観音という神々しい姿を取ったのではなく、合理的であるべき「型」が合理性を突破したために神々しくなったと取れるわけです。合理性の突破は宗教的領域――、つまり神の領域ですからね。もっとシンプルに言えば「キチガイが極めた拳は神々しい」ということです。

 そして、百式観音はおそらくその名の通り百通りの型(+1?)しかないのでしょうが、「無限の行動可能性を100通りに絞る」というところがネテロ会長の「武」であり、また念能力的に言えば誓約であるとも考えられます。ネテロ会長は「武を極める」ことにより、「行動可能性を100通りに絞り」――逆にいえば、それ以外の攻撃モーションは不要と切り捨てることにより、その代わりに100通りのモーションの精度アップに努めたと言えるわけです。その信念が百式観音として具現化したと考えれば実に分かりやすい。

 それに対する王の対策法も実に面白い。ネテロ会長は「無限の行動可能性を100通りに絞り」、次に100通りを組み合わせることで「(ほぼ)無限に等しく」しているわけですが、しかし、組み合わせの可能性が無限にあれど人間は有限なわけで、王はそこを突こうと考えています。ここで軍儀が伏線となっていたのには驚きです。

 一方、ネテロ会長の奥の手は「百式の零」。これまでの流れを考えれば、己の我を殺して(=有限性を超えて)技を繰り出す、つまりテニスで言えば「無我の境地」的なものかとも思われますが、これまでが全て掌打であったことから、「百式の零」=「正拳突き」という可能性もあるかと。そろそろ有効打を与えないと打つ手なくなっちゃうしね!


 ***

 ……と、まあ今週書いたようなことは大体僕の妄想ですが、こういった妄想をバンバン膨らませてくれる辺り、やっぱりハンターはクソおもしれえなと思いました。冨樫先生自身もすげえ妄想しながら描いてると思うんだ。あと、うまく言語化できないんだけど、今週のやり取りはたぶん格闘ゲームからすごく影響を受けてるなと思いました。


ナルト

 今週のナルトは合間合間の描写をバンバン飛ばしていけば面白いだろうになあと思いました。動けないサスケのフォローに香燐が向かうシーンも「動けないのか?」と気付いたら即座に動いてダンゾウに吹っ飛ばされるくらいでいいのに、「立ち上がる」→「走る」→「飛ぶ」→「ダンゾウがエネルギー消耗を考える」→「吹っ飛ばす」とかやってるから非常にリズムが悪い。ここをタラタラしないだけでもずっとスタイリッシュになると思うのに勿体無いなあ。


ブリーチ

藍染「良い斬撃だが場所が良くない。首の後ろは生物の最大の死角だよ。そんな場所に何の防御も施さず戦いに挑むと思うかい?」


 知るかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


バクマン

 中井さんは本当にダメな人なんで田舎に帰ってリンゴ作ってサイコーにたくさん送ってあげればいいと思うんですが、それはそれとして高浜さんの可哀想っぷりが一線を超えてた気がします。中井さんに同情する余地があるなら、その同情心は少しでも高浜さんに向けてあげるべき。もしくは白蘭さんでもいい。


リボーン

 そう、問題はその白蘭さんだよ。


・白蘭「そう思って連れてきたんだよ。もう一人の自分を他のパラレルワールドから♪」

 なんという恐るべき白蘭さん完全包囲網!

 死因を交通事故死に限ったとしても、白蘭さんは毎分900回の死の危険に晒され、無論、彼の脅威はそれだけではなく、その他、疾病、怪我、アクシデントにも見舞われるのだけど、それら全てを乗り越えてなお訪れる最大の試練……!


 それは平行世界の自分……! 


 自分とほぼ同じスペックを持った人間が、平行世界の向こうから生死に関わる世界跳躍を強要してくるとか、あまりにもクソゲーすぎるし無理ゲーすぎる。ホント白蘭さんはこれまで生きてこれたこと自体が奇跡だよな。そして、その奇跡を起こす自分こそが最大の敵なんだぜ。なんという永久循環。


 ***

 ところで、平行世界の白蘭さんの誰か一人でも死ねばゲームオーバーというこの状態で、さらに白蘭さんが一人増えるっていうのは、サイレンで言うところの「弱点の珠をわざわざ2コもつけてるヤツなんて初めて見た」状態なんじゃなかろうか。堂々と前線に送り込んでる場合じゃないってばよ。


銀魂

 カレーチャーハン食べながら読んでたんですけど、銀魂なのでウンコやゲロが出てくるくらいは覚悟してて、まあそんくらいなら問題なく読みながら食えるかなと思ってたんですが、クソッ……、まさかGとは…………。前回の展開からして予測してしかるべき事態だった……。


こち亀

 秋本先生、変に政治批判なんかしなきゃいいのに……、と思いながら読んでたんだけど、今回は意外とまともに風刺漫画してる……! 「せっかく集めた金だから絶対返金したくない」の辺りとかすげえ的確だよなぁ。「もらった予算が多すぎたけど、使い切らないと次回から予算削られるから無駄に使う」ってのは良く聞く話だもんね。「公用にお金を使ったと見せて私用で使う」というカラクリも子供相手に分かりやすく伝えられてたと思います。ベンツのところとか「町会長が憧れの目で見られるから」と僅かながらも正当性のある意見で、盗人にも三分の理がある辺りもちゃんと示してる。デフォルメしつつも要素は外してない感じで、今回はいい仕事したなあ、秋本先生。


スケットダンス

 すっげー面白かったです。もて王の木嶋剣と吉下千里もそうだったけど、脇役同士の意外な恋愛模様は面白いのだろうか? あ、でもパンツ100%の小宮山とちなみの関係はゴキブリのクソほどにどうでも良かったな。


いぬまる

 今週ラストのたまこ先生とのプレイがあまりに上級者向けすぎて、よい子のみんながマニアックな性癖に目覚めてしまわないか大変心配です。…………僕はもう手遅れだ。たまこ先生ハァハァ。


彼方

 こういうテクニカルなことされるとそれだけで僕がニヤニヤしちゃうよー。すげー面白かったです。クソー。


リリエンタール

 なるほど。うさみちゃんと思わせててつこが犯人展開、か……。だが、ここでさらにどんでん返しで桜くんが犯人というのもありうるのではなかろうか。リリエンタールに「くだらねーこと」を吹き込むうさみちゃんに女の恐ろしさのようなものを感じて、それが具現化したのがあの暗黒魔人とか。……んー。まーでも普通にうさみちゃんを恐れるてつこの心が原因かな。

 それはそれとして、たとえ女の子を怪我させてでも最善の選択肢を選ぼうとする桜くんが色んな意味でイケメンすぎました。「おまえがやりたくねーならおれがやってもいい」って、嫌がるてつこに精神的負荷をかける(=てつこに暴力を振るわせる)くらいなら、オレが汚名も責任も引き受けてやんよ、ってことですよね。てつこは「まんが達人」なので一発殴れば綺麗に気絶させれるんだろうけど、素人の桜くんが気絶するまで女の子を殴るって相当なことですよ。余計なケガとか言ってるけど具体的には内臓破裂とかじゃなかろうか。女の子をそこまでギタギタにしてでも、嫌がるてつこのために汚名と責任を引き受けようってんだからカッコ良すぎでしょう、これ。惚れる。桜くんを義弟にしたい。雪ちゃんと結婚したい。


あねどきっ

 知っていたはずなのに……。河下先生は終盤になると正気に戻り、普通の漫画を描くって分かってたはずなのに……。

 しかし、なんだろう。胸を吹き抜けるこの一抹の寂しさは……。半年間に渡り僕たちを翻弄し続けてきたあねどきっが、まさかこんな終わり方を迎えるなんて…………。


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