僕の新作が出たのでちょっくら宣伝です。ジャンプ感想は自著の宣伝のためにやってるところもあるので、興味なくても軽ーく宣伝に目を通してもらえると嬉しいな。
で、今回の作品は「完全教祖マニュアル」。簡単に言うと、宗教から神秘的なヴェールを剥ぎ取って、僕たちパンピーにも理解可能なレベルにまで引き下げて解説している本です。なので、この本を読んでこの本の解釈を使うと、「宗教ってメチャクチャ素晴らしいものでもないけど、無闇に恐れるものでもないのね」って感じになると思います。中道、中道! 宗教知識の入門書としてもたぶん日本一分かりやすい本だと思うので、お気軽にご一読下さい! 価格は税込777円。お求めはアマゾン、もしくは全国書店にて!
ねこわっぱ
なんというアラレちゃん。あと、オヤビンいい人。ところで最近の「悪そうなヤツは大体いいヤツ」は読んでてほっこりできて、「良さそうヤツは大体巨悪」よりも全然イイんですが、しかし、これもそろそろテンプレ化してきた気がしなくもないですね。いや、そんなこと考えているのは僕だけかな。まだまだこの流れは気持ちいいんだから、そんな批評家面して言うようなことではないですね。ちなみにオヤビンは子分を助けたところよりも、見ず知らずの子供の風船を取ってあげようとしたところの方が好感持てました。
あと、これも本来は文句言うところじゃないんですが、誘拐犯が子供相手に銃をブッ放すとか、アジトにマシンガンを隠し持ってるとかは、あまりにリアリティがなくて大人読者的にはイマイチでした。いや、子供読者的には全く文句言うところじゃなくて、そしてジャンプは子供のための雑誌だからやっぱり文句言うところじゃないんですけどね。
「悪の組織」の実際における拳銃の扱い方はリリエンタールのサングラス組くらいがリアリティあると思うんですが、まあ、ねこわっぱみたいにブッ放した方がそりゃ派手だよなぁ。でも、絵柄が可愛いから誤魔化されてるけど、幼女相手にマシンガンはこの漫画の作風に合わないくらいガチな残酷描写だとも思うんだ。
保健室
何があるのか分からないから裏を調べるってのは教育者としてまあいいとして、元凶が病魔かどうかも分からないのに、ハデス先生たちが虎穴に飛び込むのはどうなんでしょうか……。「子供たちが麻薬の取引に関ってるらしい」「それは囮捜査をするしかありますまいな」みたいな話に思えたんだけど……。
ま、それはそれとして、次回の展開は普通に楽しみです。病魔にしてはデジタルっぽいし、全然毛色の違う病魔が出てくるのかなー?
べるぜバブ
適当に殴り合って投げ技でエンド。ふつうだなー。なんかろくでなしBLUESでしばしばこういう展開を見てたような気がします。
まあ、特に特殊能力を使うわけでもない普通の不良のケンカなんだから大技ったってバックドロップくらいがせいぜいだよな。仕方ないっちゃ仕方ないんですが。
わじマニア
わじまさとし先生の成長が著しい! 巨大ぶどうのドライフルーツとかすげー笑った! そりゃそうだよな! 干せばいいよな、確かに!
リリエンタール
は、は、は、は、は……。リリエンタールの順位が落ちておる……。な、なんてこったい……。
「ユンボル」の時は、「クオリティ高いなあ。クオリティ高いけど、これ、打ち切りだろうなあ」と思ってたし、実際に打ち切りになっても「まあ打ち切りだよなあ。クオリティ高かったけど」と思ったものですが……。リリエンタールは「確かにジャンプにそぐわない」「でも、クオリティは高い」「これがジャンプ読者に通用して欲しい」という戦いをしていて、しかし、実際に通用しそうにないという現実。厳しい。あまりに厳しいぜ……。ここから巻き返してくんねえかなあ……。
今週の話も幽霊はケーキの幽霊を食べるとか、発想はすごく面白いと思うんですけどね。その分、後半はそのネタで通しちゃってるので、てつことリリエンタールたちの間の微妙な空気感の推移を楽しめなければ見所がないとも言えるのはネックだけれど。いや、しかし、これは個人的なことですが、僕はゆきちゃんのことが大好きになったので今週はホントごちそうさまでした。幽体離脱という何の安全も保証されない怪奇現象に「なんだか楽しそうだから」というだけで軽く一歩を踏み出せる精神性がステキ。惚れた。
鍵人
「ツバメよ、お前は私を倒すのに『マスターキー』が必要だと思っているようだが、別になくても倒せる」
即死攻撃がニコ・ルーラーにもたまたまヒットしてたら実は勝負アリでしたーってのは面白かったです。てか、シリウスさんって、ひょっとしてクーデターの最大のチャンスだったんじゃないの? あそこでニコさん殺ってたら詰みだよね? いや、その気がなかったなら別にいいんですけど。
バクマン
・シュージン「東大!? すっげーっ!!」
あ、あれ……? こいつ、昔、「東大出身の漫画家はカッコ悪い」とか言ってなかったっけ……。あ、そうですね……! 成長なされたんですね……! いつまでも中ニのままじゃないってことですよね。
・シュージン「でも男なんてそんなもんですよ。もちろん相手が許容範囲で好意の持てる人ならですけど」
リアルすぎるwwwwww
・蒼樹「理想的な恋愛だと思います」
ねーよwwwwwww
いかんいかん、見え透いたツッコミどころにまんまと突っ込んでしまった。いや、しかし、ここの蒼樹さんは面白かったなー。
・岩瀬「どう考えても文化として上ですよね?」
岩瀬さんSUGEEEEE!!!!! この子、「どう見ても朝鮮人より欧米人の方が上ですよね」とか言いそうだぜ……!
ちなみに僕は、
映画・ドラマ<アニメ<演劇=音楽<ゲーム<漫画<小説
だと思ってます。といっても、別に文化としてのランク付けじゃなくて費用対効果の話ですが。だって小説って、一人が2~3ヶ月かけて作った作品で消費者は一人あたり2~6時間くらい楽しめるわけですよ。その点、映画は何十人も何百人もが何ヶ月も費やして作って、それで一人あたり2時間程度しか楽しめないんですから費用対効果は低いと思うんですよねー。ま、別にだからって小説がイイとか映画が悪いとか言うわけじゃないんですが。読むのに時間の掛かる難解な小説がいいってわけでもないですしね。ただ、人間が「小説でも映画でも同程度の感興を得られる」のだと仮定すれば、小説の方が効率的とは思います。
あと、クオリティに関して理念的に言うなれば、
映画・ドラマ<アニメ<音楽=ゲーム<演劇<漫画<小説<<(超えられない壁)<<同人小説、同人漫画、同人音楽、同人ゲーム
くらいだと思ってます。これは純粋に「自由にやれる度合いの差」で、とにかく間に人の手と規制とスポンサーの事情が入れば入るほど個人の才能は潰されていくので、理念的に言えば商業作品が同人作品に勝てるはずがありません。「無尽蔵の資金と傑出した才能の持ち主が、売れることを一切考えずに全力を出し切った同人作品」が、おそらく「全世界の人間の0.0000...1%くらいにとって」最高の作品になると思います。
ま、それはそれとして、蒼樹さんにとってはあまり面白くないであろう岩瀬さんを、蒼樹さんが一つの人間類型として自己の作品の参考にしようとしているところは良かったです。これ、蒼樹さんは「自分の作品のため」というクッションを挟んではいるけど、他者評価を相対化し始めてるよね。気に食わない岩瀬さんのことも、「気に食わない女性キャラ」として受け入れているということです。これは一種の成長ではなかろうか。
・「自分から見せてきたりはダメです。自然に偶然に見えるのがいいです」「でも、風でっていうのもワンパターンだし……」
↑模範解答
***
サイコーの表情がいやらしかったので、セリフをちょっといじってみた。
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