【11/3】2009年49号のジャンプ感想(2)


トレジャー新人漫画賞

「なつきは先の読めない行動で独特な魅力を醸しだしている。しかし、こうしたキャラは気をつけて描かないと「単なるわけのわからないキャラ」となってしまい、読者が共感できずに混乱するだけとなってしまう。それを防ぐ1つの方法が「視点キャラ」だ」

「不思議な雰囲気を持っているなつきと違って、洸太は「普通」なので読者が共感できる。不思議なキャラの隣には、こうした共感しやすいキャラを置いてやると非常に読みやすくなる。読者は洸太の視点から、物語に入っていけるのだ」

 待て待て待て待て、待ってくれ、待って下さい、待ってくれませんか。
 
 
 あの…………。それ、本気で解決できてると思ってるんですか…………???


こち亀

「1000円冊入れれば5000円になるぞ!」
「よし、やるぞ!」
「おれも」
「おれも!」
「金額が少ない! 1万円なら5万円にすると言ってる!!」
「えっ、5万円になるの!」
「ちゃんと魔法の箱が言ってる!」
「よし、じゃあやってみる」

 すごいな……。新葛飾署の人間には知性がないのか……。


バクマン

1、どうすればいいか分からない
2、感情的問題で顔合わせたくない
3、とりあえず家帰ろう

 ↑この流れがすごくリアルで良かったです。うん、こうなったら家帰るよね。


・蒼樹さん

 中 井 さ ん w w w w

 先週、ついに目が出てきたかと思われた中井さんが、今週にはさっくりと冷静かつ論理的に却下されました。うん、全く蒼樹さんの言う通りだと思うな。偏ってるし読者層に近くないし、また調子に乗るよね。うん、却下されるべくして却下されておる。

 しかし、中井さんよりも断然可哀想なのは「生理的に嫌」などと言われてしまった山久さんだよなぁ……。確かに山久さんは下心丸出しではあったけれど、少なくとも仕事中は真剣だし有能だし蒼樹さんの才能を評価して蒼樹さんの才能が活かせるように取り計らってくれてたってのに。酷い話だよなぁ。


・おおっと 岩瀬さん

 まさかの再登場というか、いずれは再登場する予感はあったというか、石沢君の再登場から当然予知すべきであったというか。まあ、とにかく岩瀬さんが再登場です。しかし、おそらくはシュージンの気持ちを知りたくて問うたであろう「なぜマンガなんですか」。この問いに蒼樹さんは「マンガが好きだから」と答えたけれど、でも、シュージンは「金儲けの手段」としてマンガを選んでるんだよな。今後、この辺りで何か食い違いが起こったりするのでしょうか。

 しかし、「金儲け」という視点から考えると、確かに…………。確かにシュージンは頭が良かった。それは認めざるを得ない。金を稼ぎたいなら小説家よりも漫画家になるべき。そして、金を稼ぎたいならジャンプで連載すべき。それは確かなんですよねー。たとえばジャンプの発行部数は公称280万部ですが――、まあ公称なんで実際の購読者数は5割水増しとしてもそれでも140万部。つまり、少なくとも140万人に対して自分の作品の宣伝ができるってわけですよ。僕のブログのユニークユーザーはたぶん14000人くらいなので、単純計算してジャンプには100倍の宣伝能力があるわけです。僕が単行本を一冊出す時の宣伝量に比べて、ジャンプ作家は100倍の人の目を引くことができるということですね。(実際は口コミとかの相乗効果があるのでもっと遥かに大きい)
 
 もうこの時点でジャンプは強すぎるわけです。もちろん、あのメンツの中で生き残っていくのは大変だと思います。ですが、それでも20作品中15位くらいまで喰らい付ければ、小説を単発で発行するよりも遥かに大きな宣伝効果と、それに伴う大きな実入りが期待できるわけですよ。一度連載まで漕ぎつけてしまえばとてもリターンの大きなバクチが打てるわけです。だから、「金を稼ぎたいから」「マンガを描いて」「ジャンプで連載する」、この論理自体は非常に正しい。中学生の時からこれに気付いていたのだとすれば、シュージン、恐ろしい子……!


・「つくづく駄目だな、港浦さん」

 港浦さんが送ってきたギャグ漫画教科書本ですが、まあこういうの、あるんだろうなとは思いつつ軽く検索したところ、「笑いの教科書」「笑いの方程式」あたりはサクッとヒット。しかし、こういうのって誰が読むんでしょうか? 読んだら、まあこれはこれでためになるのかもしれないけど、なんかこういうのって拒否反応示しちゃうな。なんていうか、自分が面白いと思ってやることを分析して理論化してからやってしまうと自分的に面白くなくなってしまいそうな、そんな怖さがあるんですけどね。…………ところで、検索かけてる過程で「深見東州のギャグ大爆発!」なんてものを見つけてしまい、僕は少し困惑しているのですがジャンプ感想とあまりに話題がズレるのでそれは置いときましょう。

※ちょっとだけ言うと深見東州という人は「ワールドメイト」という新興宗教の教祖で、なんでそんな人がお笑いの本を出しているのか不思議なんですよね……。そういえば、小林正観氏も「笑いつつやがて真顔のジョーク集」という本を出していますし、新興宗教のカリスマ型教祖には「笑い」の要素が強くあるのかもしれません。なお、落語の起源は仏教法話という説もあり…………と続けていくとキリがないので止めましょう。

 閑話休題。しかし、サイシューの「つくづく駄目だな、港浦さん」は、なんと言いますか、自分の非を認めたくないばかりに問題点を全て港浦さんに押し付けてるような気がしなくもありません。港浦さんもカッとなってあんなことを言ったんだろうけど、サイコーも後で「ギャグでもいい」と心変わりするところを見るに、彼も少なからず意地になってたと思うんですよね。だから、サイコーももうちょっと反省してもいいんじゃなかろうか。まあ、そこで反省しねーからサイシューなんだけど。

 それはさて置き、「10位はイマイチだからもう一度試す」っていう方向は建設的だと思いました。これ、本当は先週の時点で言い出した方がカッコ良かったと思うんですけどね。先週の「思ったより全然悪かったけど」「9位だからまあいっか」ってのはちょっとビックリしたもんなー。


・蒼樹さんとシュージン

 ふと思ったんだけど、河下先生は一体誰から男性の気持ちを聞いているのだろう……。

 いやいや、まあそれはそれとして、この展開は岩瀬さんと見吉も含めて四角関係になるんでしょうか。最近のシュージンは女目当てで大学に通おうとするところもあり、見吉との関係にもそろそろ亀裂が入りそうな雰囲気がなくもなし。そんで、本格的に関係がこじれた頃に見吉が言い出すわけですよ。「私のお腹の中にはあなたの赤ちゃんがいるのよ……!」と。

 …………うん、まあ、ないよね。青年誌なら当然の展開だけどジャンプだからないな。


ブリーチ

 足を一本斬られてなお手加減…だと…。バカな……、なんというOSRだ。

 あと、マユリ様が呼び捨てにされて怒ったのも仕方ないと思います。だって一護ったら、卯ノ花隊長にはさん付けなんですもん。これはマユリ様が「一護に軽く見られてる」と思っても仕方ないよなー。でも、一護の中では多分マユリ様は雨竜以下の格付けになってるんだろうからやっぱり呼び捨てなのも仕方がない。


トリコ

 おおお、今週はすごくいいなあ。これまた箇条書きで。


1、衣装と見分けの問題を解決

「みんなライタースーツ着ちゃったら、みんな真っ黒だからキャラの見分けが付き難くならね?」ってずっと思ってたんですけど、オウ、なるほど、スーツの上から服を着るんですね。「なんだそりゃ(笑)」って感じだけど、すげー納得しました。ホント、現実に照らし合わせて考えると全く意味が分からないけどなw


2、自然が普通にキツイ

 ザコ同行者たちがばたばた倒れていくことでちゃんと自然のキツさが感じられるのが好印象。どんなにいい耐寒スーツを着てても、こんな過酷な環境、小松あたりは耐えられねーだろと思ってたら、しっかり小松が倒れてる辺りもグッドでした。そんな中、一人でビバークの外に立ち見張りを続けるトリコもすげーカッコイイ。まあ、これも常識的に考えると、武力が高いからって寒くないわけがないんですが、とにかく格の高さはしっかり表現できてます。これは後の美食會もそうなんだけど、なんで強かったら凍ったまま寝れるんだろうね。でも、あれもちゃんと格付けに成功してる。


3、美食會大盤振る舞い

「マスクの彼がボギーウッズ」という、おそらく大方の予想を覆して美食會幹部三名を投入という大盤振る舞い。「マスクの彼」の謎は残しつつ、新キャラ2名の顔見せに既出キャラ1名の新能力お披露目。ヤドカリ好きのボギーウッズさんが「寄生能力者」っていうのはうまい展開だし、凍りながらも気にせず寝ていたバリーガモンさん、ツンドラドラゴンをいつの間にやら屠っていたトミーロッドさんとキャラ立ちも十分。1~3合わせて、今週のトリコはお腹いっぱいですよ。


サイレン

・ハルヒコ「レベルが違う。全然役立たずじゃねーか、俺…」

 いやいやいやいやいや! あなた、先週キーマンだったじゃないですか! 何を言ってるんですか!!

 ていうか、そういうこと言うと悲しむ人が出てくるからホント止めて下さい。世の中にはハルヒコさん程に活躍できない人だっているんだからね! ほら、ヒリューくん、泣いちゃダメ……!


・WISEのみなさん

 躊躇わず人を殺すような冷酷な男であろうと、すぐに暴力に訴える乱暴で直情的な男であろうと、しかし、ロリコンというだけでジュナスさんにも好感が持ててしまいます。げに恐ろしきは幼女なりけり。

 あと、弥勒さんとグラナさんがバトりそうな展開はベリーグッドでした。主人公の前に立ちはだかる悪の軍団もですね、実はそれまで必死にがんばってそういう状況を作ってきたんですよ、っていうのはすごく心惹かれちゃうんです。幾つもの死線を潜り抜けて、ヤバい賭けも何度も乗り越えて、そうして結果として彼らが巨利なり組織なりを獲得したのなら、それはそれで感情移入できちゃうんですよね。ハンターのG.I.編で、ボマー3人組がそれなりにリスクを犯して、長年耐え忍んで、あの計略を培ってきたと知ると途端に彼らにも感情移入できるようになったように。だから、今回、命懸けでグラナ獲得に動いた弥勒はとてもグッドでした。こんなに頑張ってあの状態を作ったってのに、どこぞに潜む能力者が過去に遡って歴史改変しようとしている(実際はしようとしてるわけじゃないけど、結果的にそうなってる)んだから、そりゃ弥勒さんも大変だよな。

 ちなみに、もしラスボス側のこれまでの活動を仔細に描くのであれば、たぶん一番苦労してて一番共感できるのは白蘭さんだと思います。あの人があそこまで状況を整えるのはホントに大変だったと思うよ。8兆マイナス1個の世界を征服するとかホントにキツかったろうなあ……。


あねどきっ

 ちあきとなつきが出てこないだけで普通に読むことができた! びっくり!!


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