【7/8】2009年32号のジャンプ感想(まとめ)



ナルト

 今週は窓を突き破って飛び降りる雷影さまが面白かったです。


・「説教こそ助言だ」

「本当の忍の才能を持つ立派な忍者で、あなたほどの忍はいませんからね」や、「お前の役目はオレの創り出す平和のために犠牲になるというのが正解なのだ」など、岸本先生の特異な言語センスはこれまでも幾度か話題に上ってきましたが、今回もまた変な台詞が来たもんだなぁ……。まあ、言いたいことは分かるけれど……。

 あと、根気と婚期をかけるためにやってたんだろうけど、長十郎のことを根気がどうこういうのはまったく的外れな説教だよなーと思いました。


・ナルト「サスケ殺しちまったら、今度はオレの仲間が黙ってねーかもしれねェ!」

 待て、ナルト。落ち着くんだ。言いたいことは分からんでもないが、お前のやってるのは、それ、脅迫だ。

 あと、「気の済むまでオレをぶん殴ってくれ」も、ナルトの気持ちは分からんでもないけど、ボコボコにされたナルトが帰ってきて、「雲隠れのやつらがやったのよ」とサクラあたりが吹聴したら、木ノ葉の皆は「おのれ、雲隠れめ」「よくもオレたちのナルト様を」となって憎しみの連鎖がスタートするんじゃなかろうかと思いました。

 しかし、ナルトは往時に比べれば流石に成長が見えるけれど、本質的解決案を示せないところは、まだ発展途上というか、あんまり成長していないというか。前回のナルトは巧く話題を逸らしたりして、現実的問題にも実際に対処しようという態度が見えたんだけど、今週でまた元のナルトに戻っちゃったなあ。3歩進んで2歩下がってる感じ。


ワンピース

 黒ひげさんガチでやられてた……!

 これはいいですね! だって、マゼラン署長の格が落ちないもん。そして、シリュウさんは正義だのなんだの言ってたから、正義バカかと思いきや、同僚の看守も切り捨て始めたので、正義バカのフリをした快楽殺人鬼かと思いきや、真相は立身出世を企む野望の男だったということでしょうか。その割には無駄に囚人を斬り殺して幽閉されるなど、少々キャラクターに一貫性がない気がしますが、逆に考えると、幽閉されているうちに心境が変化したのかもしれませんね。

 その後のバギーのアレコレですが、これは先週で脱獄囚たちが、「帰ったら真面目に暮らすんだ~」とか言ってたアレの続きでした。あの脱獄囚の台詞だけで、「凶悪な犯罪者を世に解き放った」ことの免罪符とするなら、それはあまりにムシの良い話だという意見が掲示板にもありましたが、これはまったくとんでもない筋違いで、尾田先生的にはあれは改心などではなく「惰弱」だったのです。ルフィたちが解き放った犯罪者たちは、バギーの演説を受けて「凶悪な犯罪者の心意気」を取り戻しました。「主人公が自分の都合で凶悪な犯罪者を世に解き放ったら、彼らは凶悪なことをしようとした」っていう逃げも隠れもせぬ展開。尾田先生、ハラが据わってるぜ! しかし、ワンピースは本当にピカレスクロマンだったんだなあ。

 しかし、今この船は「白ひげ打倒」と「エース救出」のほぼ正反対の目的を持つニ勢力が同乗しているわけですよね。ジンベエさんがバギーを放置しておく理由は良く分からないんですが、まあ小者だし、白ひげにとってはカスみたいなもんだから放置しても別にいいかなって感じなんでしょうか。現実問題、覇気一発で倒せそうな気もするしね。ただ、今回でも明らかなように、バギーはなんだかんだいっても脱獄組の中ではただ一人、「頂点を目指す」という気概を自分から示したわけで、彼はあれで何気に覇気があるような気がしなくもありません。覇気に耐えれるかどうかの問題だけならバギーも結構なんとかなったりするんじゃなかろうか。


スケットダンス

 そういえば、僕も昔やっていたよ、ビリー! 今週のスケダン読んだら何だかまたやりたくなってきちゃったぜ。最近、おなかがぷよぷよしてきたもんな。

 あと、ビリーやってた時にそれなりに付いてきてた腹筋が、いま触ってみたら跡形もなくなっててちょっとガッカリした。


バクマン

・初版10万部!

 すげーな、オイ。10万部がどのくらいスゴイかって、これもう初版の時点でベストセラーとかの勢いですよ。いや、漫画の世界は良く分かんないけど、文章の世界だとそんな感じです。いいなー、10万部とか売れてーな。

 最近、当たり前(?)のことに気付いたんだけど、やっぱりジャンプで連載されるってのはスゴイことなんですよね。ていうのも、ぶっちゃけ、いい作品なんてのはこの世に掃いて捨てる程あるわけです。なのに、いい作品のAとBでは、売り上げが天地の差ほど違ったりするのですが、両者の何が違うかっていうと純粋に宣伝量が違うわけです。その点、ジャンプはジャンプ自体が単行本の広告みたいなもんだから、ここで人気を取ればある程度の売り上げが確約されます。ジャンプに掲載されている作品はこの世界では上澄みとはいえ、それでも20作品程度。その中で上位5作品辺りに食い込めれば大ヒットできるんだから、勝負の環境としてはすごく優秀なわけです。購入するまでが大変だけど、買いさえすれば高い確率で当たる宝くじみたいな。

 なので、お金が欲しい人や、メガヒットしたい人は、他雑誌じゃなくてWJジャンプでの連載を考えるのが、やっぱりベストなのかもしれないですね。


・「てめー、下請けに出してマージン取ってんのか!! 気に入った、3000円にアップだ!!」

 今週のバクマンで一番好きな台詞。いいね、僕も安岡くんみたいなやつ大好きだよ。福田さんも自力でガリガリやるタイプだから、こういう人とはウマが合うんだろうなー。


・サイコー倒れた

 人気アップも過労でブッ倒れるのも何事につけても展開の速い漫画だよなー。そして、服部さんは一緒に病院に行っただけなのに、服部さんが一緒というだけでこの安心感はどうしたことだろう。港浦さんだけなら不安なのに、服部さんも一緒となると社会人として間違った態度は取らないだろうという絶対の安心感があるぜ。実際にシュージンや真城母に対する対応は完璧だったしね。

 ところで、サイコーはこれからイップスに陥るんじゃなかろうか。そんで、五感を失いつつも、無我夢中で漫画を描こうとしたところで天衣無縫の極みに目覚め、平丸さんに「楽しんでる?」とか言いながら漫画を描くんだよ。ペン入れとか早すぎてスローで確認しないと見えないの。

 ……とまあ、それは冗談としても、これで一旦漫画家を休業して、高校生活をしばらく普通に送ってみて、「今まで適当に過ごしてきたけど、高校も得るものが色々あるな」みたいな展開を希望してます。今まで「さっさと辞めればいいのに」と思いながらも通い続けてきたんだから、ここらへんで逆に有意義なファクターとして機能させて欲しいなー。


あねどきっ

 家にビッチがやってきた。


ブリーチ

 浮竹&享楽隊長瞬殺(死んでないけど)はともかく、その後の流れのなんという予定調和。ハルベリさんが氷に包まれ、バラガンさまが爆煙でもくもくしている辺りから、この展開は誰もが予想してたと思いますが、仮面の軍勢の皆さん集合まで何の驚きもない展開で、読んでるこっちが逆にびっくりしました。

 ところで、あのデッカイのが炎をかき消して「厭な匂いやなぁ」のシーンって、なんだかでっかいお尻がおならしたみたいですよね。


トリコ

 ……3ヵ月後かよ! 美食會のロボ回収フェイズと、ギドさんの死相の結末を確認したかったんだけど、これは次シリーズでの美食會モノローグで消化するんでしょうか。「ロボを回収に行ったギドはとうとう帰ってこなかった」とか。オブサウルスかわいいです。

 グルメ界が魔界的な場所じゃなくて、ただの未探検地域という設定は、物語のリアルさが損なわれないという意味では良かったと思います。でも、この設定も微妙だよなあ。トリコがガララワニを捕まえに行ったところなんかも、「人間が暮らす土地」なんて風には思えなかったし。あと、「人間界で採れる数少ないグルメ界の食材」って、それ、普通に人間界の食材なんじゃないの?


めだかボックス

・阿久根「俺、生徒会やめちゃダメかなー?」

 阿久根さんの弱音が本気で残念すぎる。おまえのめだかさんラブはそんなものか。キョンなんてエンドレスエイトでもう600年以上ハルヒに振り回され続けてるってのにさ。ホントにまったくキョンは羨ましいやつだよなー。


・男子生徒へのハンデ

 ハンデは男子にじゃなくて、めだかさんにこそ必要なものだと思うんですが……。作中最強戦力がハンデを付けずに参加するってヒドイ話だよなぁ。まあでも、このゲームは優勝による追加予算を目指すよりは、全員で一致団結して生徒会の足を引っ張りまくるのが正解な気がするので、参加者たちがそこに気付けば、生徒会vs他全員の構図になってイイ勝負ができるんじゃないかな。……やっぱできないかな。相手バケモノだし。


リボーン

 哀れな敵役の代名詞となりつつあった幻騎士さんですが、しかし、今回のエピソードにより、「幻騎士さんが憐れ」→「白蘭が邪悪」とシフトしたので、まだ救いがあったような気もします。ドルキさんとか本当に純粋に本人が実力不足だと分かっただけだったもんな。

 ところで、今回の件を見ていると、なんだか幻騎士さんを騙してヒドイ目に遭わせたのは全部白蘭さんのような気がしてきますが、実はその大半はむしろ入江正一くんだということを僕たちは忘れるべきではないでしょう。

白蘭:自分に心酔している部下に仕掛けを施しておき、敗北時は抹殺する。
入江:実は裏切り者で、ツナたちを鍛えるために部下を差し向けて、部下が敗北するまで何度も連戦を強要する。

 入江くんは「これが僕たちが戦っているミルフィオーレの……白蘭サンの正体だ……」とか言ってるけど、幻騎士さんが憐れな理由の半分はやっぱり入江発だよなー。ミルフィオーレのジンジャーやアイリスはきっと、「あれが入江正一の正体だ……」とか言ってたに違いないよ。


ジャガー

 やっべ。超おもしろい。笛タンク超えた。最後のミザリーオチまで含めて最高。ジャガーでこんなに笑ったのはじめてかも。

 しかし、残念なのが、柱や巻末コメントでのフィクションの強調。上等な料理に蜂蜜をブチ撒けるがごときだよ。特に柱さー。百歩譲っても巻末コメだけでいいじゃん。もうちょっと余韻に浸らせろよなー。なんでこういうのってみんな過度に気にすんだろうね? みんな事実オタクなのかね? 信じちゃった人は一生信じてりゃいいじゃんって思うんだけどさー。空知先生はサイボーグになったし、うすた先生は監禁されたし、冨樫先生は作者急病でお休みしてるんだよ!


黒子

キタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!☆

 いやー、今週の黒子すっごいイイですね。話の流れも超うまい。「えー、緑間くん、3Pが100%って、その程度なのー?(´・ω・`)」と読者を一度ションボリさせておきながら、段階的に盛り上げての真の能力お披露目。この流れは作者もたぶんずっと前から何度も脳内シミュしてたと思うなあ。間に日向くんのエピソードを挟むのも巧かった。

 しかし、いいなぁ……。すごく、イイ。攻略法が思いつかないところがとてもイイ。妥当に考えると、「流石の緑間も3Pライン付近でなければ100%では入らない」だろうけど、ここはそういう惰弱なことを言わずに、本当にどこからだろうと3Pは100%で決めて欲しいです。でも、そーなるとホントに攻略法が分からないや。柱を砕いて屋根の高さを下げるとか、そんなアイデアしか浮かんでこないぜ。どーすんだろ、これ、すっごい楽しみ。


AKABOSHI

 うん……。本当にAKABOSHIは良い意味で予想を裏切ってくれることが一切ないな……。戴宗はともかく、林冲は大好きな王進を守るためなんだから、先週のチェックメイトの時点で確実に殺っとこうぜ。関勝さんもさぁ、林冲が敵前で土下座とかしてるんだから襲いかかろうよ。隙だらけじゃん。なんつーか、この漫画は本当にブリーチ……というか、これ、黒猫だよなあ。うん、黒猫だ。ポスト黒猫漫画。

 後は必殺技のダサさとか、憑依モードのダサさとか、敵前での作戦会議とか、粉塵爆発とか、全編驚くほどの軽薄さで今週は実につまらなかったです。「何も考えずにバトル漫画描いてみました。てへっ☆」って感じ。林冲や王進の心情描写はともかく、バトルの流れだけなら、これ、中学生が描きそうなレベルだもん。


 ところで今週の粉塵爆発は、あれで粉塵爆発が起こるなら、戴宗と林冲が家屋を破壊しながら戦ってた時も爆発してたんじゃねーかなと思いました。しかし、それにしても、木屑ねぇ……。そりゃ木屑でも粉塵爆発起こるけど、林冲は粉塵爆発が起こるくらい細やかに木材を砕くスキルを持っていました、とかいきなり言われても困っちゃうな。刃物を振り回したら木材が小麦粉くらいの細やかさに砕けて、しかも指向性を持って相手の方に飛ぶんだよ。そんなこと言われても「ハァ?」って感じになっちゃうし、このくらいのムチャを言われると積極的に騙されようという気にもなれないです。林冲は普段から木材を細やかに砕く練習でもしてんのかよ。

 つーか、これ、単純に家から小麦粉持ってきて関勝に振りかければ良かったんじゃね? そりゃ技を使った方が二人の合体技みたいな感じになるけど、どっちにしろ林冲は木材を砕いただけなんだしさー。言い換えれば小麦粉持ってりゃできることなんだから、わざわざ技を使ってやる意義は感じられないですよ。いや、ていうか、やっぱ小麦粉でいいじゃん。むしろ小麦粉を使って欲しいよ。環境利用闘法だよ。こういう「なんとなく技でやってみました」的なところからも僕は軽薄な印象を受けちゃったんだろうなあ。

 ちなみに粉塵爆発の実際はここのページが分かりやすいです。


TO LOVEる

 なんというドライブ感……。ケータイのメールを巡る誤解という二次元レベルのエロテーマから、唐突に割り込んでくる湯上りララの裸体という三次元エロの侵食。古手川さんでなくとも頭がクラクラしてきたぜ……。

 しかし、今回の件はそれでもリトくんの自業自得な感じがしてしまうのは、たとえ相手が猿山くんだとしても、リトくんは完璧に聖人君子してなければならないってことですね。リトくんも大変だよなあ。


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