【6/10】2009年28号のジャンプ感想(まとめ)


リボーン

・対決形式の人気投票

 やめて! ヒロイン対決はやめて! 京子ちゃんが無惨なことになりそうで見てらんない!


 …………ハル>>(超えられない壁)>>京子は世界共通認識でいいんだよね?


・トリカブト「ぐぴゃー」

「ああ、やっぱり真6弔花は一人残らず愉快な人たちなんだなあ」って思った。


・通常のビルの20倍以上の強度の高層ビル

 こんなこと言われたら、ビルが壊れなかったのが、トリカブトさん本体が幻術だったのか、ビルの強度が凄まじかったのか分かんないよー。先週の奇襲はすごく良かったのに、トリカブトにダメージがあるのかどうかすら不明なこの描き方は残念です。何が起こってるのー?

 ていうか、炎とボックス兵器と幻術が全部一緒に出てきたらオーバーフローしちゃうなあ。それでもなんとなくは分かるんだけど、しっかりと理解できないのでいまいち乗り切れない。僕の理解力の至らなさが残念。


ナルト

 ナルトを出迎えてキャッキャ言う群集を見たときに、

「プッ」

 という、すごく皮肉な笑いが起こってしまいましたのことよ。「ああ、ついにナルト教が完成した」みたいな。みんなの「ナルト信じてる」がついにここに極まったか、っていう感じ。

 いやあ、話の流れ的には全然間違ってないし、少年時代のナルトの目標が念願叶った瞬間だってのに、なんなんだろうね、この気持ちは。主人公が努力の果てにみんなの信頼を勝ち取ったというよりは、途中から主人公の周りにいる人たちが操作系能力で操られ始めて、ついに全員の操作が完了しました、みたいな感覚。なんでこんなことになってるんだろう。本当に残念な漫画だよなぁ。


 *** 

 ……うん、書いてて思ったんだけど、これは作中描写に「ナルトは皆からの信頼を勝ち得るに値するキャラですよ」という説得力がなかったせいじゃないだろうか。その一方で、岸本先生は話の都合上、いろんなキャラにナルトを信頼させていって、そこに読者との温度差が生じた結果ではなかろうか。

 それで、なぜナルトの「信頼性」に説得力がなかったかといえば、ナルトが前線兵としての優秀性しか描かれていないことと(コンビネーションが取れないから前線兵というより『高威力爆弾』というべきか)、日頃の口の利き方や短絡的思考から人間的な成長が感じられなかったためかな。岸本先生はナルトに「バカで熱血で真っ直ぐな主人公」としてのキャラ付けをすることに必死だったけど、それが裏目に出て、「皆から信頼されるキャラクター」には描けなかったんだと思う。そういった主人公描写の拙さが、今回の空虚感に繋がってるのかな、と。

 そして、これは続くダンゾウのシーンにも関係あるんだけど、力量も足らず、人間的にもいけすかねえ主人公がなぜか周りから信頼されまくるという怪奇現象の中で、唯一ナルトに敵対的姿勢を取っていたのがダンゾウさん。いわば理性を失い狂信に走ったナルト信者たちの中で、彼だけがまともな思考をしていると見なされ、読者からも「ダンゾウさんは今の僕たちの気持ちを代弁してくれるのでは?」と期待されていたダンゾウさんが、実は自己の栄達しか考えていないただのクソだったことが判明し、これでナルト世界の深みは本格的に失われた気がするのですよ。

 後半のダンゾウさん自己主張シーンも、彼が「冷徹ながらも木ノ葉の未来を真剣に憂う現実主義者」であれば、「現実主義者としてのダンゾウさん」と「理想主義者としてのナルト」の間での深い葛藤を読者に想起させることができたと思うのです。しかし、岸本先生の思惑とは異なり、ナルトが「教祖ナルトとその信者たち」と化してしまい、ダンゾウさんが「利己主義のクソ」になってしまった以上、今の構図は「教祖」と「クソ」の葛藤という、本格的にどうでもいい争いへと発展している気がするのです。うん、本格的にどうでもいいな。せめて岸本先生の狙い通り、ナルトが「信頼される理想主義者」になっていれば、ダンゾウさんが「ただのクソ」でも、シンプルながらも「善対悪」の少年漫画的な構図にはなってたんだけどなあ。


 ***

 あと、大名様は政治能力が低すぎる気がするんですけど、そういえば火影といっても傭兵軍団の頭にすぎないわけで、ナルトがどーこー言っても大名たちの頭が悪ければ戦争はなくならねーよなーと思いました。


ワンピース

・やられては復活を繰り返す4人の獄卒獣達

 これは彼らが極めしドMであるという前提ですが、家畜化された上にノックダウンしているところを女王様に鞭を振るわれ、文字通り叩き起こされて再び戦場に駆り立てられている今はすごく幸せな時間ではなかろうか。……彼らが真のドMならばね!


・裏切った看守長シリュウ

 ついに「裏切った」と明言されましたね。ということは、黒ひげさんの軍門に降ったか、何らかの利害関係が一致したってことでしょうか。黒ひげさんがここに来た目的が、シリュウさん的にも良い話だったとか。後のマゼランさんの脅威を押しても裏切ったということは、黒ひげさんの目的は達成さえすれば「マゼランなど恐るるに足らぬ!」的なものなんだろうか。プルトン的な古代兵器がインペルダウンに隠されているというのも、さもありなんな話に思えてきたぞう。


・マゼランvsイワンコフ
 
 展開の速さは申し分ないけれど、ここはもうちょっとだけ丁寧に描いて欲しかったかな~。イワさんはルフィ一行の中でも重要な立ち位置のキャラで、キャラの格としてはクロコダイル、ジンベエに匹敵するものだったために、マゼラン戦でこのようにあっさりと敗北を描かれると、逆にマゼランさんの強さが現実味のないレベルに思えて、あまり強く感じられないんですよね。

 でも、黒ひげ一行が(毒をかわさなかったのではなく)かわせなかったのだとしたら、マゼラン署長は本当に大将クラスの圧倒的な強さだったりするのかもしれない。


・船爆破作戦

 この一手は素晴らしい……! マゼラン署長有能だなあ。自分が最優先する目的のためにはそれ以下の損害は省みないという。いま一番大切なのは何か、が分かってるってことだよなー。「敵のイゼルローン要塞を落としたいなら、味方のガイエスブルク要塞をぶつければいいじゃない」といった時のラインハルトみたいだぜ。こういうところで敵が最善手を打ってくれると物語的にも俄然盛り上がるー。

 ……贅沢を言えば、これがハンニャバルさんの指示であったなら、彼の覚悟と有能さがさらに感じられて、マゼランさんの先週のアツい言葉もさらに響いたんだけどね。まあでも、マゼランさん有能。


・Mr.3

 あああああ、カッコイイ……。本当に最近の尾田先生はどうしたんだろう。この上なくベタなシーンなのに、この上なくカッコイイ。ルフィの主人公としてのキャラ付けと、Mr.3の心境変化が完全に納得できる形で連関している。「よかった! お前ら無事だったのか!」のたった一言でだよ! 岸本先生ができなかったことをさらりとやってのけたなあ。そして、毎週毎週、律儀に最終ページに盛り上がる展開を配置してくれるマメさも嬉しい。今の尾田先生は脂が乗りまくっている。


いぬまる

 園長先生、素材は良かったのか…………。

 本編は真剣ゼミのくだりが一番良かったです。大石先生はこういう仕事が得意だよなー。


AKABOSHI

「いいか、まずは足の指で矛を挟む!」
「は、はぁ……」
「そして、矛を地面に突き立て、竹馬の要領で飛び上がる」
「(えええぇ……)」
「最後にこの巨岩を持ち上げれば完成だ。さあ、貴様もやってみろ」
「あ、あの、王進さま……。今日のところはこちらで勘弁して頂けませんか……」
「賄賂だと! 貴様、私に腑抜けた軍を作れと!? 私には最強の軍を創り上げる責務がある!」
「(ダ、ダメだ、こいつ……。早くなんとかしないと……)」

 ところで、終盤の髪留めあたりの云々がさっぱり意味分からないんですが、この時代の中国では髪型で官位をあらわすとかそういう風習があったんですかね。


サイレン

 しょぼい……。しょぼいよ、碓氷さん……。もう老い先も短いだろうに、あんな娯楽もない世界で、少数のコミュニティで崇められて、一体何が嬉しいんだろう……。碓氷さんに比べると、WISEのみんなはちゃんと大それた目的を持っていてえらいなあと思いました。寿命をどうにかしよう、という発想があるところがWISEはえらいよね。碓氷さんは、なんだか黒猫のクリードさまみたいだ。

 あと、碓氷さんは今週の描写を見る限りでは何も悪いことしてないよね。武力を持つことで秩序を回復し、生産手段も確保して、流通も成立させているよ。愚民どもとか言ってるけど、何気に立派なマキャベリストなんじゃなかろうか。階級化してるらしいから、その辺りで虐げられる人もいるんだろうけど、これ、碓氷さんを倒したりしたら、救われる人よりも困る人の方が多いような気がします。まー、そこらへんは岩代先生が巧くやってくれるんだろうけど。

 どうでもいいけど、ブレインビーストの一番右側の人がマトリョーシカみたいでかわいい。中からちっちゃいのが出てきそう。


銀魂

 やっぱりギャグやってると普通に面白いなー。前も股間がドライバーになってた気がするので、今回もあの時の宇宙人の仕業かしら。


黒子

 津川くんは、これトラウマになるんじゃなかろうか。マークしてる相手がいつの間にか視界から消えてるとか、普通の人なら視神経の異常を疑うよ。

 それから黒子くんも少しばかりはシュート練習をするべきだと思う。ゴール下ノーマークからパスを出すってどうなんだぜ。


バクマン

 恋愛パートの展開は良かったけれど、しかし、相変わらずサイコーはキモイなーw こいつ、亜豆ちゃんが異性と二人で食事に行ったら、絶対、後でグチグチ言うタイプだよー。まあ、中学の頃のサイシューがいけすかねえ中二病患者だったように、これもリアル高校生を描いてるだけでそのうち成長するんだろうか。

 後半の打ち切りうんぬんの話から分かるのは、11週打ち切りになっちゃう作品は本当に最初の3~4話の反応で打ち切りが決まっちゃうことと、逆にスタートの遅い作品は順位が悪くても11週打ち切りにはならないということ。前者は前々から聞いていた事だけど、後者は初耳。でも、言われてみれば納得の話ですね。最初の数話ですぐに判定されるってことは、逆に言えば最初の数話の時点で編集部も打ち切りを決めなきゃいけないってことですから。フープメンとか、これで2クール続いてる可能性もあるのかと思うと切ないけど……。

 しかし、港浦さんの言うことを真に受けないとか、読者人気を視野に入れて今後の構成を見直すとかは、そこらへんはシュージンにこそ考えて欲しかったところ。どっちかというと、そういう世渡り的なところはシュージンが得意とする分野のはずだと思うんだけど。今に始まったことじゃないけど、この二人だとサイコーの方がイニシアチブ取ることが多いよね。やっぱり満たされているシュージよりも童貞のサイコーの方が、自分たちの状況にシリアスに立ち向かえるということなんだろうか。もうやることは一通りやっているであろうシュージンと違い、サイコーは失敗すると会うことすらできないんだもんな。

 後は細かいところだけど、蒼樹さんは殴る蹴るを導入して連載に漕ぎ着けたのか、それとも殴る蹴るを入れずに質の向上により編集部を説得できたのかが気になります。亜豆ちゃんはやり方に妥協せずに目標を追う方向にしたわけですが、蒼樹さんはどっちを選んだんだろう。サイコー+亜豆と中井+蒼樹の関係を対比させるなら前者だろうけど、ここで両者を対比させる必要もない気がするし、蒼樹さんには後者の方向で実力を見せて欲しいものです。

追記:そういえばこんなスレがあったよ。


四ツ谷先生の会談

 受けたイメージとしては「洗練されたムヒョ」って感じ。三村先生が犯人という点はさっさと経過して、彼を追い詰める部分をメインに持ってきたところは工夫が見られて良かったです。ちょっとこの学校には変態が集まりすぎだろう、とか、踏み切りに逃げたところでそんな都合よく電車が来るのか、とか、その辺りでリアリティが失われているのが残念でしたが(たとえば「弥生ヒナノは三村先生が追い詰めていたら偶然轢かれた」くらいのニュアンスにすれば大分違ってくる。けど、そうすると、中島真の追体験による状況解説が描けなくなるんで、これは展開上仕方ない気もしなくはない)、でも、全体的には高いレベルにあったんじゃないかな?

 それにしても、自分に与えられた能力を女子中学生を怖がらせるためだけに使っているとか、四ツ谷先生は本当に毎日楽しそうだなあ。僕も毎日女子中学生を怖がらせて生きていきたいよ。


スケット

 ボッスン過去編は賛否両論あったと思うけど、そこらへんを踏まえながらも、基調であった日常編に支障なく溶け込ませようとする作者の努力と気遣いは称えたいです。僕もすごいニヤニヤできた。


こち亀

 小悪党行為により自業自得の憂き目とあった両さんがいつも通りのダメ人間のように描かれていますが、「4人生贄を用意しろ」と言われて素直に4人を選別した中川の方が怖かった……。まるでアイヒマン実験のようだ……。新商品開発という大義名分があれば、中川もこのくらいのことはするのか。


TO LOVEる

 これは言語を絶するものがあるなぁ…………。

「標的は猿山くんに変身した宇宙人」というところまでは想定どおりでしたが、その後の収め方がすごかった。殺し屋が今から標的を殺そうと思っていたら、大宇宙の意志により近くの女の子が裸になって、その近くの男子が胸を揉みしだいたりしたら、うん、まあ、殺す気なくなるかもなぁ……。メタ的な話をしていいなら、トレインも悟ったんでしょうね。「オレがカーメロンを殺そうとしても、何らかの強大な力が働き、他の女が裸になったり股間に顔を突っ込んだりするだけだ」と。普通の漫画で考えたら1ミリの説得力もないのに、TO LOVEるに限っては説得力のあるまとめ方だったと思います。


フープメン

 最近のスポーツ漫画の中でも、主人公の上昇過程がもっとも巧く描かれている漫画の一つだと思います。「楽しみながら試行錯誤」っていう、これ以上なくバスケが素敵に見える描き方。天衣無縫の極みもそうだけど、楽しむのってすごく重要だと思うし、読んでて共感できるんですよね。苦痛に耐えて忍びながらする努力よりも、楽しみながらやった結果が努力になってたって方が見てる方も気持ちいいし。前も書いたけど、アイシールドのデスマーチは「こいつらスゲー」とは思っても自分ではやりたくないんですよ。でも、こっちはバスケの練習がなんだかすっごく楽しそう。ユーホくんの急成長も理解できるし、急成長して欲しいとも思えてくる。

 でも、いい描写なんだけど、やっぱり地味なんだよなぁ……。これはジャンプじゃ無理なのかなー。いい漫画だとは思うんだけど、みんなに受ける漫画とも、やっぱり思えないんだよなぁ……。


ブリーチ

 鬼道は効くのかー。なら、これは単純な相性問題じゃないですかね? ぶっちゃけ、山本総隊長が代わってくれれば良かっただけの話のような。

 砕蜂隊長が卍解を使わなかったのは、矜持に反する(=OSRが下がる)という意味だったようで、OSR理論的には納得いく話。しかし、後だし有利の原則が頑なに守られている漫画だよな。


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