【6/8】2009年28号のジャンプ感想(1)


リボーン

・対決形式の人気投票

 やめて! ヒロイン対決はやめて! 京子ちゃんが無惨なことになりそうで見てらんない!


 …………ハル>>(超えられない壁)>>京子は世界共通認識でいいんだよね?


・トリカブト「ぐぴゃー」

「ああ、やっぱり真6弔花は一人残らず愉快な人たちなんだなあ」って思った。


・通常のビルの20倍以上の強度の高層ビル

 こんなこと言われたら、ビルが壊れなかったのが、トリカブトさん本体が幻術だったのか、ビルの強度が凄まじかったのか分かんないよー。先週の奇襲はすごく良かったのに、トリカブトにダメージがあるのかどうかすら不明なこの描き方は残念です。何が起こってるのー?

 ていうか、炎とボックス兵器と幻術が全部一緒に出てきたらオーバーフローしちゃうなあ。それでもなんとなくは分かるんだけど、しっかりと理解できないのでいまいち乗り切れない。僕の理解力の至らなさが残念。


ナルト

 ナルトを出迎えてキャッキャ言う群集を見たときに、

「プッ」

 という、すごく皮肉な笑いが起こってしまいましたのことよ。「ああ、ついにナルト教が完成した」みたいな。みんなの「ナルト信じてる」がついにここに極まったか、っていう感じ。

 いやあ、話の流れ的には全然間違ってないし、少年時代のナルトの目標が念願叶った瞬間だってのに、なんなんだろうね、この気持ちは。主人公が努力の果てにみんなの信頼を勝ち取ったというよりは、途中から主人公の周りにいる人たちが操作系能力で操られ始めて、ついに全員の操作が完了しました、みたいな感覚。なんでこんなことになってるんだろう。本当に残念な漫画だよなぁ。


 *** 

 ……うん、書いてて思ったんだけど、これは作中描写に「ナルトは皆からの信頼を勝ち得るに値するキャラですよ」という説得力がなかったせいじゃないだろうか。その一方で、岸本先生は話の都合上、いろんなキャラにナルトを信頼させていって、そこに読者との温度差が生じた結果ではなかろうか。

 それで、なぜナルトの「信頼性」に説得力がなかったかといえば、ナルトが前線兵としての優秀性しか描かれていないことと(コンビネーションが取れないから前線兵というより『高威力爆弾』というべきか)、日頃の口の利き方や短絡的思考から人間的な成長が感じられなかったためかな。岸本先生はナルトに「バカで熱血で真っ直ぐな主人公」としてのキャラ付けをすることに必死だったけど、それが裏目に出て、「皆から信頼されるキャラクター」には描けなかったんだと思う。そういった主人公描写の拙さが、今回の空虚感に繋がってるのかな、と。

 そして、これは続くダンゾウのシーンにも関係あるんだけど、力量も足らず、人間的にもいけすかねえ主人公がなぜか周りから信頼されまくるという怪奇現象の中で、唯一ナルトに敵対的姿勢を取っていたのがダンゾウさん。いわば理性を失い狂信に走ったナルト信者たちの中で、彼だけがまともな思考をしていると見なされ、読者からも「ダンゾウさんは今の僕たちの気持ちを代弁してくれるのでは?」と期待されていたダンゾウさんが、実は自己の栄達しか考えていないただのクソだったことが判明し、これでナルト世界の深みは本格的に失われた気がするのですよ。

 後半のダンゾウさん自己主張シーンも、彼が「冷徹ながらも木ノ葉の未来を真剣に憂う現実主義者」であれば、「現実主義者としてのダンゾウさん」と「理想主義者としてのナルト」の間での深い葛藤を読者に想起させることができたと思うのです。しかし、岸本先生の思惑とは異なり、ナルトが「教祖ナルトとその信者たち」と化してしまい、ダンゾウさんが「利己主義のクソ」になってしまった以上、今の構図は「教祖」と「クソ」の葛藤という、本格的にどうでもいい争いへと発展している気がするのです。うん、本格的にどうでもいいな。せめて岸本先生の狙い通り、ナルトが「信頼される理想主義者」になっていれば、ダンゾウさんが「ただのクソ」でも、シンプルながらも「善対悪」の少年漫画的な構図にはなってたんだけどなあ。


 ***

 あと、大名様は政治能力が低すぎる気がするんですけど、そういえば火影といっても傭兵軍団の頭にすぎないわけで、ナルトがどーこー言っても大名たちの頭が悪ければ戦争はなくならねーよなーと思いました。


ワンピース

・やられては復活を繰り返す4人の獄卒獣達

 これは彼らが極めしドMであるという前提ですが、家畜化された上にノックダウンしているところを女王様に鞭を振るわれ、文字通り叩き起こされて再び戦場に駆り立てられている今はすごく幸せな時間ではなかろうか。……彼らが真のドMならばね!


・裏切った看守長シリュウ

 ついに「裏切った」と明言されましたね。ということは、黒ひげさんの軍門に降ったか、何らかの利害関係が一致したってことでしょうか。黒ひげさんがここに来た目的が、シリュウさん的にも良い話だったとか。後のマゼランさんの脅威を押しても裏切ったということは、黒ひげさんの目的は達成さえすれば「マゼランなど恐るるに足らぬ!」的なものなんだろうか。プルトン的な古代兵器がインペルダウンに隠されているというのも、さもありなんな話に思えてきたぞう。


・マゼランvsイワンコフ
 
 展開の速さは申し分ないけれど、ここはもうちょっとだけ丁寧に描いて欲しかったかな~。イワさんはルフィ一行の中でも重要な立ち位置のキャラで、キャラの格としてはクロコダイル、ジンベエに匹敵するものだったために、マゼラン戦でこのようにあっさりと敗北を描かれると、逆にマゼランさんの強さが現実味のないレベルに思えて、あまり強く感じられないんですよね。

 でも、黒ひげ一行が(毒をかわさなかったのではなく)かわせなかったのだとしたら、マゼラン署長は本当に大将クラスの圧倒的な強さだったりするのかもしれない。


・船爆破作戦

 この一手は素晴らしい……! マゼラン署長有能だなあ。自分が最優先する目的のためにはそれ以下の損害は省みないという。いま一番大切なのは何か、が分かってるってことだよなー。「敵のイゼルローン要塞を落としたいなら、味方のガイエスブルク要塞をぶつければいいじゃない」といった時のラインハルトみたいだぜ。こういうところで敵が最善手を打ってくれると物語的にも俄然盛り上がるー。

 ……贅沢を言えば、これがハンニャバルさんの指示であったなら、彼の覚悟と有能さがさらに感じられて、マゼランさんの先週のアツい言葉もさらに響いたんだけどね。まあでも、マゼランさん有能。


・Mr.3

 あああああ、カッコイイ……。本当に最近の尾田先生はどうしたんだろう。この上なくベタなシーンなのに、この上なくカッコイイ。ルフィの主人公としてのキャラ付けと、Mr.3の心境変化が完全に納得できる形で連関している。「よかった! お前ら無事だったのか!」のたった一言でだよ! 岸本先生ができなかったことをさらりとやってのけたなあ。そして、毎週毎週、律儀に最終ページに盛り上がる展開を配置してくれるマメさも嬉しい。今の尾田先生は脂が乗りまくっている。


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