【1/8】2009年6、7合併号のジャンプ感想(まとめ)


ナルト

 おおっ! 信じられんことにナルトに信頼感を感じる! ナルトというか、ナルトの乗ってるカエルへの信頼感かもしれんが。

 チョーザが倒したペインが復活しちゃったのは二重の意味で残念。せっかく里のみんなが一丸となって敵戦力を削ってたのに、これじゃ結局、主人公vsペインでしかなく、他のたくさんの忍たちの存在意義が薄れます。次に、帰還した主人公が一撃で敵を倒すというパワーアップを劇的に感じられるシーンのはずが、いかんせん相手が再生怪人であったために格が落ちていること。どうせならみんなが苦戦して倒せなかった相手を一撃で倒せばいいのにね。そいつ、チョーザも一撃で倒してたよ。

 ナルトの背後に自来也さまと四代目の影が重なる演出は反応に困っちゃうなあ……。いや、うん、百歩譲って綱手様やカエルさんたちがそれを感じたのは良しとしよう。でも、僕たち読者は自来也さまの背中も四代目の背中も頼もしく感じたことなんてないんだ。特に四代目は過去話の中で活躍を聞いたことしかなく、ナルトとダブって見えたと言われても、うん、反応に困るんだ。


 ***

 漫画家だって忙しい時もあると思うし、体調も崩すかもしれない。だから、巻頭にも関わらず仕上げが間に合わないことだってあると思うんだ。だが、それはそれとして、絵が乱れるとナルトの話がこれほど理解しにくくなるとは思わなかった。びっくりした。


ワンピース

 Mr.3がレベル2ってことは、バギーはMr.3より格下扱いなのか……。まあ、そんなもんか。バギーの能力が主に移動手段に使われており、攻撃面では大したことないあたりは良かったです。うん、彼はこんなもんだよね。ナミとかが活躍しすぎなんだよ。

 しかし、Mr.3まで出てきたってことは、レベルごとにかつての敵を仲間に引き入れながら進むんでしょうか。レベルごとに門番がいたらだるいなあと前回の感想で書いたけど、今回のような地獄紹介と懐かしキャラ再登場の繰り返しならアリかなー。ところで、インペルダウンって何なんだろうね。紅蓮地獄って拷問目的ならともかく、そうでないとしたら一体何を目的とした施設なんだろう。特に意味はないけど、刃物の葉っぱに囚人を放り出したら面白そうとか、そんなニュアンスに感じちゃうぜ。「魔方陣グルグル」で特に意味もなくキタキタおやじに奴隷がよくやるアレ(重そうな棒を押して円周上をくるくる進むやつ)をやらせてたのを思い出しました。


トリコ

 スーパーリラクゼーションは「これさえあれば猛獣相手は楽勝だな」と思ってたのにwww 今回、バトルフレグランスを持ってくる理由がどこにあるってんだ。でも、「どこ? どこ?」ってやってるし、ひょっとしてスーパーリラクゼーションと間違えてバトルフレグランス持って来たってオチかな。まあ、便利すぎるスーパーリラクゼーション対策としては悪くない展開だけど、それならリンはもうおうちに取りに帰れって感じもするね。彼女はスーパーリラクゼーションなしだと何ができるんだろう。


リボーン

ベル:仲間を殺そうとする
フラン:死んだフリで敵を本拠地に通す
ルッスーリア:己の職務に励んでいたが、↑のせいで巻き添えになる
レヴィ:上司に無視される
スクアーロ:上司に困らされる

 こうして見ると、大体上司か同輩に迷惑を掛けるか、掛けられているかでヴァリアーには本当に入りたくないなと思いました。社会的に見ればマフィアという時点で反社会的存在だし、マフィア社会から見ても中学生と跡目争いで戦って敗れてる訳で、色んな観点から見ても救いどころのない組織だと思います。フランは何を思って加入したんだろうか。


新春4コマ祭り

ワンピース △:可もなく不可もなく
こち亀 ○:意味不明すぎて斬新だった
ぬらりひょん △:小ネタに頼りすぎだが、企画モノなので悪くはない
ブリーチ ◎:久保先生は本当に才能の使い方を間違っている
ネウロ ×:こち亀に完敗。面白さもない。松井先生への期待が大きすぎたか。残念
アスクレピオス △:内水先生なりにがんばってるとは思う。こういうの苦手なんだろうな
アイシールド △
To Loveる △
マイスター △
銀玉 △:面白いが正月分が低い
スケット ◎:ネタ、ファンサービス、正月分と全てが高水準
黒子 ×:狙いは分かるがエンターテイメントになっていない。マイスター共々、始まったばかりでキャラが育ってないから不利は仕方ないが。
リボーン △:正月から幼児虐待はちょっと……
サイレン △:心情的には×を付けたい。なぜアゲハとヒリューくんの位置を逆にしないのだ? 岩代先生はファンの期待を理解してないのか!!?
ぼっけさん △
トリコ △
バクマン ×:正月企画を放棄してる点で心情的にマイナス。ネタも面白くない
いぬまる ◎:大喜切も併せて大変巧い
ナルト △
ジャガー ○

 個人的には、久保先生の異才を確認するための企画だったと思います。久保先生は本当になぜブリーチを描いているのだろうか。


スケット

 すごく面白かったです。中盤のベジータ、GTロボ、新妻エイジの流れはちょっと卑怯だったけど(ていうか、新妻先生が出てきたら笑わざるをえないよ)、最初のすげえダサイ格好が本当にダサかったのが良かったです。あれは本当に一部の隙もないダサさだった。

 しかし、完成体振蔵のカッコ良さを見るに、新妻先生もファッションと髪型を整えたら、あのくらいカッコ良くなるのだろうか。いや、新妻先生は内面がカッコ良すぎるので見た目などどうでも良いけれど。


ダブルマメダイチ

 冒頭のロッカーシーンはシューズにいたずら書きをされたショックなのか、それともラブレターへのショックなのか戸惑っちゃったぜ。「オレは****、高校二年生。趣味はナントカカントカで~」という、お決まりの導入を避けてキャラ説明をするには面白い実験だったと思うけど、ちょっと分かり辛かったかなー。

 中身的には普通に面白かったけど、んー、なんかコメントし辛いな。フラれちゃった小桜くん、関くんも含めて、みんなで楽しく遊んでるみたいでほんわかした。妹はレイトン教授だって言ってた。


バクマン

 うーん、サイシューのプロ根性は評価されるのかー。これは前々からみんなが言ってる「売れるためではなく描きたいものを描く」価値観に対するアンチテーゼなのかもなー。まあ、従来の「描きたいものを描く」価値観よりも、「売れるために描く」価値観を称揚した方が読者に与えるショックが大きいし、「バクマン」自体のエンターテイメントとしては確かに適切な選択かもしれない。

 漫画の影響力をさほど危惧しているわけではないけれど、でも、あえて言うと、プロ根性の称揚ってあんまり好ましくないのが本音。単純な話で、描きたいものを描いてる人が仕事しにくくなるので。サイシューだって描きたいものを描いてバンバン人気が出るならその方がいいに決まってるし。まあ、しかし、その価値観の対極には新妻先生がいることだし、一方的に新妻先生が負けるようなことにならなければバランスは取れるのかな。

 現状のバクマンを整理すると、描きたいものよりも売れるものを描く「プロ根性派」の旗手がサイシュー。その対極にあるのが、描きたいものを描きたいように描く「アーティスト派」の旗手が新妻先生。僕たち読者にとって、作家とは本来「アーティスト派」に属するものというイメージで、編集部は「プロ根性派」に位置して作家のアーティスト性を阻害する、いわば読者の仮想敵というポジションだったわけです。なので、「アーティスト派」の新妻先生が仮想敵である編集部をけちょんけちょんにすることで僕たちはカタルシスを感じていたわけですが、逆の立場にある「プロ根性派」のサイシューは今のところ編集部をむしろ味方に付けているわけですね。つまり、これからのバクマンの流れは「プロ根性派」と「アーティスト派」との戦いと、そのように見る感じかなと、今週で思いました。


いぬまる

 ネタが練られており、密度があり、ラストの流れも美しい。大石先生、いい仕事してるなー。

 でも、一番笑ったのがヘビコラムだったのは内緒だ!


黒子

 影が薄くて気付かないだけで、ショボイだの、バスケできるの?だの、もう少しまともな選手が出てくるかと思ったが、だのと彼らは一体何を言ってるのだろうか。この世界では存在感とバスケテクの間に明確な相関関係が成立しているのだろうか。

 というか、主人公の高校はそもそも結構なレベルのはずなのに、相手に無理して主人公たちをナメさせなくてもいいのにと思いました。無理してるから「存在感がないからバスケがヘタ」みたいな訳の分からん論理になるんじゃないかな。あと、いつの間にかマネージャーも「コッチにも黒子君と火神君がいるとはいえ」とか言って、上級生たちのことももう少し信用してあげようぜ。


アベル

 先週の感想で問題視していたアベルの殺意問題は時間が解決してくれました。違和感を覚えるため記憶を保持するには2週間は長すぎた。

 あと、この漫画はヒノ君が眠狐神化しなければ面白いと思いました。今週で言うとハンコの人をサイコキネシス的なもので足止めして逃げてる辺りがとても良かったです。どきどきした。願わくばこれからもずっとこんな感じで戦って欲しいんだけどなー。


マイスター

 説得済みの新キャラのフォローにさらに一週設けるのか……。今週も別に悪い話じゃなかったし、丁寧な進め方と言えるのかもしれないけど、いや、でも、やっぱりこのスロースタートはいくらなんでもヤバイんじゃないかなあ……。今週の内容は地味すぎでしょう。この辺りでアンケが揮わないのは致命的な気がするんですが……いやいや、そんなこと僕が考える必要はないか。


こち亀

 流れ自体はシンプルでオチの弱さは相変わらずだけど、ネタの密度と出世双六的な構成は見事。こち亀の特徴である「普通の人が知らない世界を見せる」点をクリアーしつつも、ただの「金持ちの世界」紹介に留まらず、上のグレードに少しずつ昇っていく姿を共感的に描けていてます。こち亀読んでドキドキできたのは久しぶりだぜ。秋本先生、まだまだやればできるじゃないか。なんだか秋本先生がやる気を出してくれただけで、ちょっとうるうるしてきたよ。いつもこのレベルで、とは言わないから、この8割くらいの力を出して欲しいなあ。


サイレン

 サイレンはもう完全に劣化ハンターだけど、即死攻撃が即死攻撃として機能しているところは評価したい……です……。ああ、でも、生きてんだろうなあ……。死んだ気しないなあ。生きてたら即死攻撃が機能しているとは言い難いような。まあ、でもボス格を一撃撃破できたというあたりは評価できるかな。……撃破したのかなあ、ホントに。

 僕は即死攻撃受けたら即死して欲しいんですよ。どんな強キャラでも重要キャラでも。だって即死攻撃ってそういうモンじゃん?


ぬらりひょん

 リクオの「I.Z.K.」(「いつからいたの!?全然気付かなかった!」)が炸裂。リクオの先行は無策と敵にも読者にも思わせて、実は固有能力というのは巧い展開。

 というか、これは総力戦を描くに最上の能力ではないかと、そこまで誉めてしまいたいよ。この漫画は、まず、乱戦をきちんと描けてる。代表五名による1対1の勝ち抜きバトルとかしない。それで、双方共に「敵首領を討つ」ことをちゃんと考えてる。玉ちゃんは犬神を刺客に差し向けて暗殺を企んでるし、リクオも混戦の中、真っ直ぐに玉ちゃんを目指してる。リクオの能力が「敵陣への単騎潜行」であり、また、「敵首領を討つ」ことが最善の選択であるからこそ、「ボスキャラ同士の1対1バトル」というのを無理なく成立させてるわけですよ。ヤクザ同士の抗争だって組長同士が白兵戦なんてしないでしょうからね、普通は。それを成立させるには実に良い能力だと思います。その上、妖怪ぬらりひょんのキャラに立脚した性能なんだよなー。実に良く出来ている。


ブリーチ

 新年あけましてOSRバトル。

 虫も殺せぬ虚閃を耐えた一護にウルキオラが言います。

「力をつけたな。グリムジョーを倒した所為か」

 敵を倒したら耐久力が付くとか、RPGでもあるまいし一体何を言っているのかと通常なら正気を疑うシーンですが、これもOSRバトルであればこそ納得です。ここの意味は差し詰め、「敵幹部を撃破することでOSRを上げたな」程度の意味でしょう。

 それを例証するかのようにウルキオラが続けます。

「それとも、その女の為か」
「或いは、この塔の下で戦い続ける仲間とやらの為か」

 これは「そのOSRは女か、それとも仲間から補給されているのか」ということでしょう。「守るべきもの」「信頼する仲間」などは、どれもOSRアップの定番要因です。一護打倒を図るウルキオラが、まず一護のOSR源を潰そうとしたのは当然の戦術と言えるでしょう。

 そして、ウルキオラは一護のOSRは織姫依存であると考えました。「守るべき織姫」を裏切り者であるとし、一護から「守るべき理由」を奪い、OSRダウンを謀ったのです。もしも、一護のOSRが「グリムジョーを倒したこと」であれば、「あいつは古傷が癒えてなかった」など言ってOSRを下げたでしょうし、「奮戦する仲間のため」であれば、「やつらは既に葬討部隊に討たれた」などと言ってOSRを下げにかかったことでしょう。

 ウルキオラの戦術はOSRバトルとしては初歩的なものですが、しかし、最後の一護とウルキオラの舌戦を見る限り、今のところ一護不利の様子。次回、一護は厳しい戦いを強いられるでしょうが、その反面、すぐ目前にいる織姫を使ってOSRを下げにかかったウルキオラも長期的視野で見れば軽率であったかと思われます。今後、織姫の動き次第でOSRを逆転される恐れがあるからです。元々、織姫はOSR操作に特化したユニットですから、その織姫を使ってOSR操作を謀ったのは諸刃の剣と言えるのではないでしょうか。


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