>> イエスはそこをたち、ティルスとシドンの地方に行かれた。すると、この地に生まれたカナンの女が出て来て、「主よ、ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」と叫んだ。しかし、イエスは何もお答えにならなかった。そこで、弟子たちが近寄って来て願った。「この女を追い払ってください。叫びながらついて来ますので。」イエスは、「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」とお答えになった。しかし、女は来て、イエスの前にひれ伏し、「主よ、どうかお助けください」と言った。イエスが、「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、女は言った。「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです。」そこで、イエスはお答えになった。「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」そのとき、娘の病気はいやされた。(マタイ15章21-28)
「異郷人のイヌが! てめえなんか治すかよ、ファック!」とイエス様が仰ったひどい話がここのエピソードですが、どうも、これには当時のアスクレピオス信仰が関わっていたらしいです。なんでも、「その土地の人を誰が治すか」ってのは一種の特権であって、この土地はアスクレピオス神のシマであったから、イエスが勝手に治したら権利侵害になるとか、そういう話みたいです。そんでイエスは躊躇したんだって。
アスクレピオスは病治しの神で、イエスも同じく病治しをやっていたわけですが、その後、キリスト教は権勢を拡大し、ギリシア系の神々を駆逐します。いわば、アスクレピオス教とキリスト教はライバル関係で、それが対決によりアスクレピオス側が破れたわけです。
で、何が言いたいかといえばジャンプの「アスクレピオス」で、上記のような流れを考えると、バズがアスクレピオスを名乗って病治してるのは、体を切って人を治すとかそういうレベルの問題ではなくて、間違いなく異端者じゃねえかなあと思ったわけです。以前に倒したライバルの名を使って、草の根布教活動をしてるようなものですから。そりゃあ教会としては放っておけないですよね。本人は医療活動のつもりかもしれませんが、協会側としてはアスクレピオスを名乗ってる時点で宗教活動であり、古代宗教の復権運動なのですから。これ、もしかすると、アスクレピオスさえ名乗らなければ新しい治療法としてもう少し認められたんじゃないかなあ。
結論:バズはアスクレピオスを名乗らなきゃ良かったんじゃね?
追記:バズの活動が信仰宗教団体の草の根布教活動だとすると、ポスターレ(仮面を被ってる怪しい協力者)の立場が推測できますね。ポスターレは現在の教会支配に代わって、他の宗教基盤による新しい権力構造を狙ってる一派なんじゃないかなあ。内水先生はこのくらいのことは考えてそうな気がする。
蘇る医神アスクレピオスの物語 | |
沢田 祐介 医歯薬出版 2001-07 売り上げランキング : 552244 おすすめ平均 面白くそして新鮮! 面白くそして新鮮! 面白くそして新鮮! Amazonで詳しく見る by G-Tools |