【10/20】バクマンファイト・全エントリー作品編集部講評&予選アンケート開始!


 バクマンファイト全エントリー作品のまとめと編集部の講評です。「続きが読みたいな」と思った作品があれば、こちらのアンケートフォームに投票お願いします。一人何票でも投票可能です。〆切は金曜23時までです。全作品に目を通さなくても、パッと見て良さそうなら気軽に投票して頂いて構いませんので、たくさんのご投票お待ちしています!

『超・爆漢女!(ちょう・ばくおとめ)』 ぽこぺん 85%

大富豪の家に生まれたアキラ(15)は先祖代々の教えにより高校時代を男子として過ごし、そこで婿を見つけなければならなかった。だが、アキラはバカだった。
編入から数日で正体がバレて逃げるように転校する事数回、ついに両親から最後通告が出された。今度の転校先でバレたなら家から放り出す。親の財力以外にとりえの無い彼女にとってそれは破滅を意味した。今度こそは男子のふりをして卒業まで頑張るぞと気合と共に最後の転校先に向かったアキラ。だが、男子高のはずのそこには女子高生がいっぱい。実はこの生徒達、オネエ系タレントが表に出てきた昨今の風潮を受けて誕生した「男の娘芸能学科」の生徒、そう全員男子だったのである。女装男子に混じれば大丈夫かもしれないという両親の粋な計らいに感謝するアキラ。めざせ逆ハーレム!隠せ正体!次回に続く。

主人公がバカという設定は斬新。問題はその設定を活かしたまま物語を進められるか。展開の必要性に負けて主人公が賢い行動を取るようでは設定倒れ。バカを貫く覚悟が欲しい。容姿逆転で逆ハーレムという設定は昨今のニーズに適っているが、萌え漫画としてはやや読者層が狭いか。


『ぶっとばせ!紙見高校ボーリング部』 ゆめの 99%

第一球・ボーリングは団体競技だ!!

俺達『紙見高校ボーリング部』は、3人戦ボーリング専門のボーリンガー。

俺、球転 直心(たまころがし ぢきしん)主人公。
曲がった球が嫌いで、真っ直ぐしか投げないぜ。
親友の、曲馬 透(きょくば とおる)、背面投法という後ろ投げを使う、トリッカーで、バウンドボールから、様々な変化を出す事ができる。
3人目、盆暗 成実(ぼんくら なるみ)、腕が悪い、足手まとい。でも金を持っているんだよな。
ゲームはいつもこいつの驕りだぜ。

今日の地元の大会も盆暗がしくじり、ビッグフォー(左右2本づつ残し)という状態で、俺の番に回ってきた。
だが俺の必殺、『ビックバン』で、ピンを炸裂させてスペア!その後、透のアシストもあって優勝したぜ!

みんな、これから俺達の活躍、みてくれよな!

主人公トリオのキャラの立て方が巧く、全員に個性が感じられる。だが、展開はありきたりで第二話を読みたい気になれない。また、主人公の必殺技がさっぱり想像できない点もマイナス。


『練馬ノミコン』 ロケット商会 90%

「暗黒世界から帰還した男、ハワード・P・ラブクラフトと、
 海から来た邪神・クトゥルフは、練馬区にアパートを
 借りて共同生活をはじめることになった。

 通販で家具を購入し、部屋に荷物を運びいれようとする二人。
 だが、ラブクラフトは『休憩』と称して頻繁に煙草を吸うわ、
 重たいものを二人で持つときにあんまり手に力を入れないわで
 作業は難航し、クトゥルフはラブクラフトに怒ってへそを曲げてしまう。

 『人間ハ ナンテ 愚カ ナノダ!!』
 これは人類の危機・・・!
 反省したラブクラフトはなんとかクトゥルフを笑わせ、
 機嫌をなおしてもらおうと、一発芸の練習をはじめるのだった!!」

ラブクラフトとクトゥルフの個性が活きている。掛け合いも面白い。しかし、クトゥルフ神話のスピンオフであるため、作者の実力ではない点は自覚すべき。ラブクラフトが一発芸を磨こうとする展開には期待が持てる。


『変身!シヌマン』 大統領、起つ! 80%

時は現代。世界は、突如として現れて破壊の限りを尽くし、また突如として消え去る、通称「ヒビワレ」に苦しめられていた。世界各国は対策に乗り出すが、神出鬼没なヒビワレに有効な手だてを見出せずにいた。

深夜、人気のない通りを歩いているミキ。そしてそこに出現するヒビワレの集団。
そこへ助けに現れる謎の青年。超人的なパワーで、傷つきながらもヒビワレの群れを駆逐していく青年。だがボスヒビワレの力は青年よりもさらに強く、青年はトラックやクレーンを駆使して戦うも追いつめられてしまう。だがその時一筋の閃光が迸った!光が消えるとそこには謎のバトルスーツをまとった青年の姿が!青年は圧倒的なパワーでボスヒビワレを倒して変身を解く。
しかしミキがお礼を言おうと駆け寄ると、青年はおびただしい量の血を吐いて昏倒してしまう。

実はこのバトルスーツは、大きな力の代償に、肉体に決して消えることのない破壊をもたらし、死に至らしめるものだったのだ!

変身したがらない変身ヒーロー!一大王道バトル漫画!シリアス!次回に続く!!

変身に制限を設けることで従来の変身ヒーローものから一線を画した点は評価したい。トラックやクレーンで怪人(?)と戦う点は高評価。この設定をどこまで活かせるか。しかし、ヒビワレの数、容姿、脅威度が全く想像できない点は残念。


『デビルフィッシャーツレル』 ワカメ 80%

平凡な釣り好き高校生、かずゆきは学校帰りネットで見つけた穴場の釣りスポットに赴いた。
意気揚々とロッドを投げるかずゆき。だが釣れたのは、この世のものとは思えないほど大きくて禍々しい魚だった。
かずゆきに襲い掛かる大きな魚。「もうダメだー!」その刹那どこからともなく釣り糸が飛んできて、魚はこま切れにされた。
かずゆきが後ろを振り返ると、そこには光り輝く釣竿を掲げた一人の男が立っていた。
「フン・・・穴場と聞いてきたが、とんだ小魚だったな」
彼の名は坂奈ツレル。彼の家は代々続く釣り一族「釣人(ちょうじん)」の家系。
彼の宿命は、闇の海より生まれし邪悪な魚「魔魚(マギョ)」を一匹残らず釣りつくすことだった。
平凡な高校生かずゆきはこの日を持って、釣人と魔魚との血塗られし運命に巻き込まれることとなる・・・

いきなり細切れにして魚を釣る気が全く感じられないツレルのキャラ設定は巧い。日常と隣り合わせの恐怖が巧みに描かれており、今後に期待。


『徒然草(トゼンソウ)』 名無しの狐 80%

ある日、莢(サヤカ/16)の元に一通の封筒が届く。
中には「Give your blood」と書かれた手紙と小さな黒い種。
それは最近流行っている都市伝説「徒然草(トゼンソウ)」と同じだった。

血を与え花が咲けば望みは叶うが、血を与えなかったり与えても花が咲かなかったりすれば死ぬ。
莢は好奇心から自らの血を種に与えるが、種に変化は起きない。

「都市伝説の種なんだから、いきなり芽でも生えると思ったのに」

翌日、親友の美由(ミユ)からクラスメートの卓(スグル)が突然転校したことを聞かされる。
自然、生徒の話題は徒然草へと向かう。

「ふふ、私も転校するのかしら?」

莢は信じてもいない空想への期待感を増していった。
放課後になり、一人帰路についている莢の前に今日転校したはずの卓が現れる。

「お前も徒然草を育ててしまったんだな。その身が穢れる前に同級生のよしみで浄化(ころ)してやろう」

突如卓の手に剣が生えてでくる。

都市伝説を主題にすることで目を引く導入に仕上がっている。莢の望みにも期待。敵味方も分からない展開は次への興味を惹く。


『コーンガーリック伯爵のピッツァ』 豆 85%

近所でも評判の好々爺であるこんがり爺さん。その正体は「めちゃ悪老人会」の首領コーンガーリック伯爵その人だった!コーンガーリック伯爵は衰え知らずの脳細胞(国立オランダ大学出身)と年金を武器に画期的な改造人間を生み出し、歪んだ福祉制度に立ち向かう。
かつてベテラン自宅警備員として名を馳せ、今なお伝説の自宅警備員である通称ピッツァの活躍の前に数十体の改造人間が葬られ、幾つもの計画が失敗に終わるも、失敗に学び技術を向上させてゆく伯爵。しかし失敗に伴い資金は枯渇。飛躍的な技術の向上とは裏腹に改造人間のスペックダウンは避けられないものだった。
失意のコーンガーリック伯爵の体を不治の病(寿命)が刻々蝕む。残された時間はあと僅か。

「例のプロジェクトにすべてを託す――最強最後の改造人間、こんがりピッツァだ」

最後の戦いに立ち上がる「めちゃ悪老人会」。果たして彼らの改造技術は資金の疲弊速度を上回る事が出来るのか!?

年金の枯渇という経済的問題と直面しながら、正義のヒーローとの戦いを忘れない老人の活躍という観点は面白い。だが、年金生活者とニートのおっさんの戦いはあまりに地味過ぎないだろうか。キャラの地味さはストーリー展開で補って欲しい。

視スラー:社会保障とは何かを問う問題作。作者の結論に興味


『ヴァイオレンス探偵』 のーじぃ 70%

サークルの合宿で行った雪山のロッヂで密室殺人事件が起きた。
犯人は誰なのか?疑心暗鬼。壊れていく信頼関係。パニック寸前の中一人の男が口を開いた。

――足を折って全員動けなくすればいいじゃないか

その発言に全員が息を飲んだ。

――いっそ拷問するか……?

その言葉と共にヴァイオレンス探偵はおもむろに留学生のホワイトに向かってローキックを放った。
「おう黄色猿が白人様にカテルトオモッテルンデスカ? ボクシングは白人様が作り上げた最高の格闘技デース」
ヴァイオレス探偵に元ボクシング全米チャンピオンの拳が襲う。
「スポーツマンが探偵に逆らうな!」
ヴァイオレンス探偵の拳がホワイトの拳を砕いた。
ロッヂには悲鳴が響き渡った。
「俺はフェミニストだから安心しろ」
その言葉が意味するものは?
後日警察の捜査により事故死と判明。ヴァイオレンス探偵には緊急避難が適用された。

次号『パンク侍登場』

推理モノにて誰もが考えるヴァイオレンスな方法を実践した点では好感が持てる。フェミニストの意味は第二話以降で明かされるのだろうか。もしくは意味を明かさずこのまま不条理漫画でいくのか?


『戦闘破壊学園 ダンゲロス』 何かの吸い殻 90%

屈田 退(さがる) は高校入学を控えた春休みに自分が魔人であると通知が国から届く。
しかも魔人は希望崎学園というのに通わないといけないらしい。
元々ゲームや漫画が大好きな退は嬉々として希望崎学園に入学する。
そこにいる生徒や職員も魔人ばかりで、波瀾万丈の高校生活が待っていた。

この先、DANGEROUS! 命の保証無し!

スピンオフ作品なので、舞台の世界観などは既に用意されており想像しやすいが、元となったゲームを知らなければ描写が簡便すぎて意味が分からない。また、第一話の内容が学校に入学するだけで特に事件なども起こらず、これだけでは面白いと思えない。


『○○で興奮して何がいけねーんだ!』 たつき 90%

 倉田忍は、優しかった。
 誰にでも手を差し伸べる優しい少女だった。

 ある日、男子生徒「親芯・真」が『トイレットペーパーの芯に興奮する類の変態』であることが発覚してしまう。
 彼をイジめる声が大きくなる中、一人の少女の泣き叫ぶような慟哭が教室に響いた。
「そうね、トイレットペーパーの芯に興奮するのは、確かに変態だわ。
でも、どうしてそれをあなたたちが否定するの!
彼はただ芯を、ただ芯を握り締めたかっただけなのに……」
 そう言って、クラスメイトたちを説得する倉田忍。
 しかし、それで彼を許そうとするクラスメイトは誰もいなかった。
 結局、彼は退学処分となり学校をさることになった。

 忍は何も言わず学校を立ち去る彼の後ろ姿を見て、自分の無力さをかみ締めていた。

「私は誰かを守るため、変態を守るため、そして自分を守るため。
変態たちを擁護し続けよう。そして、変態たちに優しい世界を作ろう」
 そう、誓うのであった。

変態を擁護し続けるという展開には求心力がないが、それを巧く描けるかがカギか。第一話がトイレットペーパーの芯マニアというのは、マニアすぎて共感できない上に地味すぎはしないだろうか。しかし、変態を擁護する少女という設定はマニア心をくすぐる。


『嵐の学び舎』 ぜろ 80%

全寮制の高校で班ごとに大掃除での清掃場所が割り振られた。

男女四人の主人公たちの班に振られた場所は『第四音楽室』。知らない場所だった。

担任に尋ねるが、不自然な態度で拒まれてしまう。学年主任の教師に訴えるが反応は変わらないどころか、もしサボるならと、退学までちらつかされる。
結果、第四音楽室を探すことになる。

図書館閉架部分や、音楽準備室に忍び込んで手掛かりを探るうちに、変色した書類に、第四音楽室という言葉が。だが場所は明記されておらず、ただ横に『N-B4』という分類が打たれているのみ。

 他の教室の分類を見ると、職員室は『S-1』、視聴覚室は『N-4』
職員室は南校舎の一階で、視聴覚室は北校舎の四階。
このBとは、 まさか。

半信半疑のまま四人は北校舎へ。一階階段を下って倉庫となっている地下部分へ。
薄暗い照明の中、雑多な用具がうず高く積まれた倉庫を探るうち、部屋の壁が錆びついた防火扉であることに気づく。
荷物を押しのけてそれを押し開けた時、向こうには無明の闇が広がっていた……

身近な建物をダンジョン化したジュヴナイルモノということで、読者のニーズによく応えている。第一話はケチの付けようがない。これからの展開が楽しみ。


『アイスドラゴン』 えいと 80%

辺境の氷河の地、ここにはおよそ人口200人くらいの小さな村が存在する。
ごくまれにひとが訪れるが、たいていそれは観光目的ではなく、ある生物の調査が主である。
「幻のアイスドラゴン」。
「アイス『ドラゴン』」と呼ばれているが、目撃者によると外見は龍と言うよりはサンショウウオに近いらしい。
村ではそれは「雪の精霊」としてあがめられている。
ある日、氷河の地で雪が見られなくなった。
気温がものすごい勢いで上昇し、氷はとけていき、生態系にも狂いが生じはじめた。
そして温暖化現象は、氷河の地にとどまらず、またたくまに世界に広がっていった。
村の長曰く、「龍になにかが起きている」そうな…。
そこで村の意向として二人の若者に調査をさせることになった。
ロバートとジニーである。
ロバート(なぜオレとジニーが…?村長の考えることはいつもわからん。オレに言わせれば、龍の存在自体あやしいというか…。)

人口200人の村でのサンショウウオ探しは主題として地味すぎる。また、温暖化現象と龍の関係性は村長がボケているだけとしか思えない。これも伏線だとしたら、次回からの展開が楽しみだが……。


『幼妖乱舞エミリ』 サハリン 90%

人間と魔族が不可侵条約を結び数百年。
とある小国の幼姫エミリ(9歳)は、兄である王子と平和な時代を謳歌していた。
だがその幸福な日々は、突如として破られることとなった。
魔族の軍勢が王国に進軍を開始したのだ。
率いるのはデスパライアエレメント12人衆が一柱、邪炎将軍サラマンデス「ぼあああああ!」
咄嗟に妹を庇い、消し炭になった王子。爪に引き裂かれた王妃。逃げ遅れて焼かれた国王。
サラマンデスは嘲う、これで勇者の血脈は絶えたと。
「よくも、おにいちゃんを!」誰もが絶望したその時。
エミリは憎悪によって覚醒し、半眼の魔剣士となる。
兄の形見となった血に染る剣を構え、一振り。
サラマンデスは為すすべもなく一刀のもとに切り裂かれたのだった。
遁走する魔族たちを狂ったように哄笑し、紅い涙を流して切り捨てる上半身裸のエミリ。
それを陰から見、ほくそ笑む謎の人物。「ククク…」
今ここに、古より続く壮絶な運命の輪が回り始めた―――

敵幹部12人のうち1人をあっさり殺してしまったのは今後の展開が不安。そのうち4~5人まとめて殺したりしないだろうか。ありきたりな展開だが、幼女が裸という点だけは評価できる。


『音姫庵』 坂男ボンボン 50%

「うそ!?ここって学校のトイレでしょ!?」
その日、休憩時間にいつも通りトイレに行った月野アンネ(16)
いつもと変わらず用を足す…前にいつもと変わらず音姫のスイッチを
押した。
何一つ変わらない行為だったが、その日だけは違っていた。
スイッチを押したその瞬間世界は暗転。
気がつくときらびやかなお城の前に立っていた。
「突然呼び出してしまい申し訳ありません、月野アンネ」
そう言ったのは、その城の主、音姫。彼女は続けてこう言う。
「今、世界の女子が危機に曝されています。
女子トイレに巣喰う魔物を退治出来るのは貴女しかいません…
どうか、世の女子に安息のトイレを取り戻してあげて下さい!」
「意味が分からない…魔物って何なの?それに、どうしてアタシなの!?」
…今、女子トイレの安住を掛け、アンネの戦いが始まる。

トイレをきっかけに異世界へ迷いこむ展開は面白い。だが、第一話だけではトイレの必然性が分からない。これからどれだけトイレをフィーチャーできるかが課題だろう。


『アカイツキ』 いたう 80%

普通の高校2年生の剣道部員新城は、放課後忘れ物を取りに教室に戻った所、同じく忘れ物を取りに来ていた剣道部で幼馴染の夏樹と、用事で残っていた文芸部の高槻の二人の女子に出会う。
まだ残ると言う高槻に強く促され、先に帰ろうとする二人。
しかし教室の扉を開けた所で眩暈に襲われる。ふと目を開くと、目の前の景色は一変していた。古びた木造の廊下。外は既に闇に沈んでいた。
驚く新城と夏樹。振り返ると高槻の姿はなかった。

事態を理解できず混乱する二人は高槻や他の人を探すが、
教室も校舎周辺の様子が変わっており明かりも無かった。
一旦外に出たが、辺りに民家の気配も無く、仕方なく校舎に戻ろうとした時、外から

「ズルリ」

と音がする。
僅かな月明かりが照らしたソレは人に良く似た別の「何か」だった。

慌てて教室の中に逃げ込む二人。しかし校舎の中からも妙な音が。
恐怖する二人。「せめてバットか木刀があれば・・・」と探索を決意する・・・」

ホラーものとしては及第点だが、導入が唐突過ぎる。なぜ異世界へ迷い込んだのか、その理由をもう少し匂わせて欲しい。また、登場人物が三人だけというのもパニックものとしては寂しくないだろうか。


『Don't! ジョヴァンニ』 あさくさ 
舞台は中世。屋敷の中で石像に殴られ、食器棚をブチ壊しながら倒れる美青年。
「ジョヴァンニ様!」と石像の後ろで泣き叫ぶ美少女「ジョヴァンニさま!悔い改めなさいまし!」
「エルヴィーラ!ボクからそれを奪ったら、何が残るというんだい?!」
石像に足首をつかまれ、笑いながら割れた床下の地獄へと沈んでいくジョヴァンニ。
場面は変わって現代の日本。
さえない中学生、霊法玲(れいほうれい)は、今日も喧嘩と恋に破れたばかり。
神社の跡取りだが、不良、チビ、口下手と三拍子そろった彼に救いはない。
同級生の貧乏メガネ美少年、白野勉三(しらのべんぞう)は、ラブレターの代筆が唯一のお小遣い。
そんな二人の前に、地獄に落ちた色男、ドン・ジョヴァンニの幽霊が現れる……!
「泣かした女は数知れず、イタリアじゃ640人、ドイツで231人、スペインではなんと1003人だ!」
肩をすくめる勉三と、兄貴と慕う玲。果たして玲はモテるのか?!

恋愛モノだろうが、第一話で可愛いメインヒロインが出てこなかったのが痛い。しかし、勉三とのBL漫画であれば話は別だ。今後の展開に期待したい。

視スラー:安易なハーレム物へのアンチテーゼ。どんなモテテクが出てくるのか?


『たかし23歳無職の華麗なる就職活動』 ひかりこ 80%

「たかし23歳無職、お前が直人を殺したんだろ!」

僕、たかし23歳無職は、直人が暮らしていた3階建てマンションの屋上のフェンスに縛り付けられていた。

「大きな誤解だ!俺はその時お前の部屋で、お前と一緒にゲームをしていただろう!?」

僕、たかし23歳無職の悲痛な弁明も、我を忘れた山本には届かない。

「問答無用。直人の苦しみをお前も味わえ!」

復讐に狂う山本は、僕、たかし23歳無職の周りの古くなった金網ごと、寒く暗い夜空へ突き落とした!

浮揚感とともに迫り来る地面。脳の構造の不思議な事に、まるでビデオのコマ送りの様に感じる。

(―――こんな事で死んでたまるか!)

僕、たかし23歳無職は頭の中で高速展開する走馬灯から、必死に事件を思い出す―――。

たかしは無事に謎が解けるのか?そして無事に生還出来るのか?それから就職出来るのか?

走馬灯探偵たかし23歳無職の快進撃が始まる!

走馬灯探偵というアイデアは面白いが、清涼院の影響を感じる。また、就職も取って付けたようで必然性が感じられない。あと、3階から落ちても人は滅多に死なないため緊張感に欠ける。


『GOKUU』 ナンバー5 80%

人々の死を司る神のような傭兵、死忍。人知れず、この世界は死忍によって左右されてきたのだ。
世は大死忍時代。死忍はグルメを求めるグルメ死忍、賞金稼ぎをしたりするブラックリスト死忍、まだ見ぬ動物を求める幻獣死忍などが世界を冒険などしていた。
さて、主人公悟空は大食いである。
大食いが高じて、『超技の種』と呼ばれる特殊能力を得られる物質を食べたおかげで手からエネルギー波を出す事のでき、まるでラバーのように体が伸びる体質になる。
彼はその能力をいかし、死忍の跋扈するこの不思議たっぷりの世界で、自らも死忍になり、幼いころ生き別れになった父親を求めていた。
同じ里で育ったベジータは親友とも呼べる仲であったが、里の民に家族を迫害され、復讐を誓う。
ベジータは、妖怪を死忍化させる禁術を使って、里、ひいては世界の滅亡を企てたのだ!
悟空は、旅をし、父を探しながら、ベジータに反抗することができるのか!?

ワクワクドキドキのジャンプの新星、ここにスタート!

どこかで聞いたような設定ばかりで名作のパッチワークのような印象を受ける。昔の偉い人が言っていた。「もっと個性を!」


『脅威の山形』 山田バイヤス 75%

とある町。
日常とはかけ離れた、異色な光景がその町を襲った。
怪人「ゲェヘヘヘヘヘ!!テメーら全員食ってやるぜ!!!!
ゲェヘヘヘヘヘヘ!!!!」
なんと、怪人が人間を襲っていたのである。
おお、なんという事だろう。周囲の人々は泣き叫び逃げ出した。
ところが一人逃げ遅れた少年が田舎特有のコンクリ段差につまづき、転んでしまった。
怪人「しめた!テメーを食うぜ!!」
少年「わあああああ!!!!!」
少年はもう駄目だと思った。自分の人生はここで終わりだと…。
少年が自分の運命を悟り目を閉じた。
その時!
???「待て!!!」
怪人「ヤだよ!」
少年は食われてしまった。
???「あーあ。食われちゃった」
怪人「食っちゃったー。ところでお前誰?」
赤田「俺は山形レンジャーのリーダー、山形レッド!!!!!!」

第一話・参上!山形レンジャー

怪人「なんだその山形レンジャーって…」
赤田「何って地球の平和を守るために結成された、ヒーロー戦隊だよ」

山形レンジャーの活躍や如何に!!!
果たして怪人を灰燼と帰すことができるのか!?
続け

シリアスな世界観でヒーローものを描こうという意気は良いが、舞台が山形でヒーローがご当地ヒーローである点以外は見所に欠ける。もう一工夫欲しいところ。


『BENKISH!!(ベンキッシュ!!)』 ソイソース佐藤 90%

BENKISH-
1. 糞好きの。尻穴がこった。
2. 息苦しい。ウンコ臭い。
3.(軽蔑して)ウンコの。

時は正に近未来。
度重なる健康ブームの末に快便が尊ばれるようになったその時代は今正に脱糞ブーム。
飯を食い、如何に華麗に───如何に健康的にウンコをするか、は最早競技にまで発展していた。
そして脱糞で生活する彼ら、その中でも世界トップクラスのウンコアスリート達を人々は畏敬をこめて───
ベンキストと呼んだ。
主人公───墳春 運行(フンバル ウンコウ)もまたベンキストを目指す少年の一人。
ライバル留学生───フンバルト・モレデールや、脱糞部に通う親友…尻唐 鰤人(しりから ぶりと)達と
お互いの技と健康を磨きあっていた。
だがある日、運行の元に一つのチャンスが舞い降りる。
彼の脱糞の才能を見初めた、”脱糞を司る天使”…ヴリエルと名乗る男が現れ、運行を一つの大会へと誘う…
それは、ベンキストに成れる可能性を持つものたちが集まる脱糞トーナメント───
通称『ボットンの坩堝』と呼ばれる裏世界への入り口であった…!!!!

主題はとにかく下品だが、子供ウケを考えた良く計算された作品といえる。だが、その計算高さが多少鼻につく。ありきたりな能力バトルにならないよう工夫して欲しい。


『戦花戦将(センカセンショウ)』 ぬるい 82%

不動院将(フドウインマサル)は、
由緒正しい家柄といえば聞こえはいいが名前しかない旧家の一人息子。
先祖には護国の為に殉死した猛将も居たらしいが今は没落の一途。
全てにおいてやる気の無い将は今日も学校の屋上で授業をサボり、
幼馴染の桜子(サクラコ)に怒られていた。

しかしそんな日常は、突然空に現れた戦闘機の幻覚を見た瞬間に一変。
鳴り響く轟音、学校が揺れる。
跳ね起きた将の目の前には、軍服に身を包み刀を構えた美少女が立っていた。
彼女は、自分を不動院菊理(フドウイン・ククリ)と名乗り、将を弟と呼ぶ。

菊理は戦時中かつてこの地を守った軍人であり、
将の曾祖父の姉──紛うこと無きご先祖様であった。
学校に建てられた慰霊碑で自らが死んだ事になっている事実を知り、
将の家で年を取り老人になった実弟と出会った菊理は、
軟弱な将を一から鍛え上げようと決意。
将が気になる桜子はそんな菊理にライバル宣言をする。
将の戦いの日々が今始まる――

軍服軍刀の美少女は読者のニーズをよく研究して作られている。美少女ハーレムものとしては良好な滑り出しだろう。読者のニーズに応えた魅力的な美少女キャラを次々投入できるかがカギとなるだろう。


『今ならキミも"ギリギリ"間に合う! "ゼミ"なら期末で9教科ゼンブ+10点アップ!』 珪素 90%

中学に横行する、テストの点数が低い者が確実に死ぬ『闇のゲーム』。

サッカー部に所属する少年、進は、
学力死天王に勝負を挑まれていた幼馴染の舞子を助ける。
代わりに『闇のゲーム』を受ける進。だが舞子は言う。

「無謀よ。あなたは学年54位。
 彼らは全員が10位以内の強豪ランカーだというのに」
中間試験は10日後。迫る死。

「先輩、『ゼミ』を紹介してくれ」
サッカー部の先輩。元エースにして2ndランカー。
堕ちた英雄。かつて学力戦争に敗北し四肢を失った彼は、拒絶する。
「あれは全てを奪う禁忌の力だ」
避けられぬ学力対決。口に鉛筆を咥え気力で問題を解くも、力尽きる先輩。
かつての2ndは、もはや54thにすら勝ち得ぬ体だった。

死天王の一人、4th。『瞬間記憶』の山下に挑む進。しかし。
「あなた如きが死天王と戦えるとでも?」
新手。9thランカー、『天才』のユリアIQ300式。
まだゼミはない。対決の小テストは、わずか2日後。

能力バトルを勉強に持ち込み、生死まで賭けさせる展開は秀逸。過去に四肢を失った先輩を出すことで闇のゲームの痛烈さも演出できている。また、主題となるべき『ゼミ』の存在を匂わす程度に抑えているのも好印象。

視スラー:知・学力が支配するのは我々の社会も同様。風穴を開けられるのか?


『散る花さくら』 めそぽん 80%

桜は5歳のときに大好きな幼馴染に言われた言葉、「人間は外見じゃなく中身だよ」を信じ、15歳の誕生日を迎えた。そしてその日から彼女は幼馴染の言葉に従い、「綺麗な中身」を求めて人を襲い、中身を取り出しはじめる。綺麗な中身を食べれば自分の中身も綺麗になると信じて。しかし何人もの中身を引きずり出すものの、どれも彼女の望む『綺麗な中身』には到底及ばない。
時を同じくして、彼女の幼馴染は町に跋扈する殺人鬼を捕まえることを決意する。

少年少女の純愛と怪奇サスペンスを並立させた意欲作。しかし、幼馴染の少年がなぜ殺人鬼を捕まえることを決意したのか、その動機が不明。次回以降で詳細な説明が欲しいところだ。


『ヒトツキ!!』 フーマッハ 80%

「武器を持つ」これは言ってしまえば敵との距離を置いて一方的に攻撃するという
状況を作り出すための行為である・・・・・・
気を込めることで伸縮する金属が発見され「超伸槍」と呼ばれるヤリをドンぐらい伸ばすことが出来るか?が武人達の優劣を決める現代。主人公群々伸(ぐんぐん のびる)も代々超伸槍の技を磨いてきた道場の跡取り息子である。そんな彼の目的は父(記録415m24cm)を殺した遠巻突貫(とおまきとっかん・記録417m75cm)への仇討ちである。
遠巻からの刺客モノホシ竿の近藤(記録358m77cm)を返り討ちにした伸(記録374m23cm)
伸「あれ?なんか重いな?遠くてよくわかんないけど」
引き戻してみると近藤以外にも団子状に5人ぐらい刺さっていた、そして真ん中にいたのは伸にベタ惚れで特に断る理由も無いので3日前から付き合っていた閂アリスだった。
アリス「痛いよ…伸くん…でもこんな立派なもので貫かれて私幸せ・・・ガクッ・・・」
伸「まぁ本人がいいって言ってんだから別にいいか」
特にこの事を負い目に感じる事も無く伸は打倒遠巻に向けて決意を新たにするだが伸は知らない世界は既に前人未踏の500m時代に向かおうとしている事に__

長く伸ばした方が強いという、斬新かつシンプルな設定で、第一話からヒロインが死ぬなどドラマチックな展開は評価。しかし、単純に「避ければいいのでは?」という疑問が浮かんでしまう。こういった粗をどうカバーするかが今後の課題。


『トムの奇妙な冒険』 納豆 95%

どこにでもいそうな貧弱な男トムは幼馴染のキャサリンに告白するも「貧弱な男は嫌いなの」の言葉で振られてしまう
キャサリンに振られ失意のまま日々を暮らすトム
そしてある日何気なく見ていた雑誌でトムは何かを見つける…
トム「見つけた!これだ!」

その日彼は『運命』に出会った───

『アイソトニックTとアイソメトリックTで僕は生まれ変わる…』

『1dayわずか5minutes…1week5daysだけだったら貧弱な僕でも…』

半年後──

一体トムが出会ったのは何だったのか
半年でトムがどうかわったのか…
全ては来週あかされる──

─君はこの冬生まれ変わる─

次号『ブルワーカー 後編』

一話完結モノのホラーだろうか。だとすれば、この内容では二話に分ける意味が感じられない。もっと内容を詰めて一話で表現すべきではないだろうか。


『Lost』 idola 70%

「それ」はある日突然-
一瞬の、出来事。

何が起きたのか。「それ」を理解できた者はこの世界には存在しなかった。
そこにはただ地獄のみが在り、堕ちた者達の叫び声のみが響いていた。
「それ」から逃れ得る人間など、この星のどこを探しても
見つからぬに違いない。

誰一人として、「それ」の原因がわかった者などいなかった。
しかし、誰しもが「それ」によって自分に何が起こったのかだけは、解った。
感覚的に、本能的に--理解した。

失ったのだ。
ある者は「腕」を失った。
ある者は「眼」を失った。
またある者は「感覚」を失い、
またある者は「存在意義」を失った。

肉体的なもの、感覚的なもの、概念的なもの―
その違いはあれど、
人類は、皆等しく、「一つ」「何か」を失った。

老いも若きも、男も女も、奴隷も支配者も。
区別など一切なく、ただ動物として、ただ生物として。
人類は、皆等しく、「一つ」「何か」を失った。

忌まわしき日から4年後。
「記憶」を失った少女ソフィアは、
「人としての姿」を失った従者ジジとともに失われたものを探す旅を続けていた…

「何かを失った」者たちの旅という設定は面白いが、それをどの程度物語の本筋に活かせるかが勝負か。単なるギミックに終わらせず、この謎を中心に話を展開して欲しい。


『夜桜倶楽部』 らららのオヤジ 65%

『今宵、桜は月に照らされる』

……――『夜桜倶楽部』
数十年前から世間を騒がしていた都市伝説である。
街を転々とし、満月の出る夜に
「お悩みなんでも解決します」
と書かれた看板を桜の木の下に掲げ、悩みを持つ人間を導いては、たちまちその悩みを解決するという。
しかしこの数年の間は消息が絶たれている。
そしてここに、とある少女がいた。名を宍戸レミという。
元来、明るく元気なJKであったが、親友の謎の死をきっかけにふさぎこんでしまった。
11月のある日、未だに事件は未解決である。そんなレミの前に夜桜倶楽部を名乗る男が現れ
「お悩みですか?あなたの悩み…満開になる前に私が散らして差し上げましょう」
そんな言葉を残し去っていった。
噂が本当なら……淡い期待を胸にレミは満月の夜、季節外れの桜の木へと赴くのであった。
そこにあったのは噂通りの看板と、なぜか八分咲きの桜。そして男は言う
「私は人間ではない」
桜の木の下で明らかになる、夜桜倶楽部の正体。そして親友の死の真実とは……

ミステリーに都市伝説を加えることで雰囲気は出せている。だが、第一話は本当に導入だけで内容が薄い。今後の展開に期待か。


『地は月、天に我』 ズヴァングリャルム 80%

痩せた白猫がいた。
それは細く、どこまでも細く。
毛一本乱れるだけで崩れそうな、危ういバランスで此の世に存在しているかのように見えた。
猫は白地に金の斑で覆われていた。いや、模様ではない。
鈴だ。体中のいたるところに、無数の鈴が飾り付けられていた。
しゃらん。しゃらん。しゃら。しゃららん。
多すぎる鈴は、しかし、予想に反するほど、静かな―――だが、確かな―――音を響かせていた。

此方を見ている。眼は―――異眼(オッド・アイ)。――魔性――。
少年は猫に誘われて、歩みだした。
猫は、しるべ。
救世の道標―――。

瑪瑙の螺旋屋根をそなえた、貝殻のような材質で建てられた家々の立ち並ぶ都市。
少年は迷いながら進む。猫を目指して。
いずれ、少年は騎士となり、猫に追いつくだろう。
月は照る。
ああ、猫に釣られて、少年は見つけてしまう。月の魔剣を。
運命と絆を同時に両断する。魔性の神具―――。

久保帯人のフォロワーだろうか。独自の世界観は表現できているが、第一話は主人公がネコと追いかけっこをしているだけで中身が全くない。しかし、2015年にもなって久保帯人のニュアンスを表現しようとした意欲は買う。


『ANAL-SYNDROME』 かいわれ 100%

第一話 -男爵喪失アナル喪失-


「おい、辰巳ぃ!」

「いえ、私は架神恭介です」

「うるせー、お前のアナルは頂いた!!」

「はわわっ!」


その日、男爵ディーノの管理人
架神恭介はアナルを奪われ死んだ。

こうして空席となった男爵の地位を巡り、
人々は血みどろの争いを繰り広げ始めた。


「我が名はぽぽ! 男爵の地位は頂かせてもらう!」

「うるせー!」

ぽぽと名乗る紳士は颯爽と現れたと同時に巨大な棍棒でアナルを貫かれ死んだ。

「ぐへへ、俺の名はDQNのバラキ! 男爵の地位は俺が頂いたぜぇ~」

ぽぽのアナルを奪った大男を見て、人々がどよめく。

「うわぁ、バラキが男爵になったら、感想サイトの人々はみんな殺されてしまうー!」

皆が落胆する中、突如謎の男が現れ、バラキに浣腸を放った!

「おるぁー!」

「ぬぅ、中々の浣腸だなぁ。しかし、DQNだぞ俺様はぁ!」

「お前がDQNなら、俺は一ノ瀬だ!」

「一ノ瀬じゃとッ!?」

「長老、知っているんですか!?」

「あやつは・・・アナルハンターの一ノ瀬じゃ!!!」

「アナルハンターッ!?」

つづく

ボボボーボ・ボーボボのフォロワーだろうが、内容が下品な上に内輪ネタしか書いていない。小学生のラクガキのような作品。ジャンプは小学生の自由帳ではない。


『遠い海』 モリ 80%

2047年・夏 午後1時30分
その日のTVニュースの話題は、スポーツでも芸能人のスキャンダルでもなく
1人の科学者の発表だった・・・
「木星の周りを周回する惑星エウロパは、太陽系で唯一全てが氷で包まれた惑星であります」
「氷があると言うことは水があり、水があればそこには生命の存在する可能性があったのです」
「そこで我々が8年前に打ち上げた無人惑星探査機が先日、木星の衛星エウロパから帰還しました」

そう言うと彼は、特殊なケースに入っている小さな氷の塊を出した。そして一言・・・
        「我々人類は、この宇宙で孤独ではありませんでした」

氷の中には、肉眼でようやく見えるほどの虫のような生命がいたのだ。

そして発表は続く

「そこで我々は更なる発見のために、エウロパまでの有人探査を行うことを決定しました」
「現在研究員、宇宙飛行士、エンジニアを含めたクルーの30人中26名は決定しております」
「そこで今回エウロパの海に潜るプロダイバーを民間から募集することになりました。」

第三次世界大戦以降の環境悪化で、魚の数が急激に減少したと同時に優秀なダイバーの数も減ったため
民間から選出という、苦渋の選択だったのだろう

しかしこの放送を誰よりも真剣なまなざしで見つめる青年がいたのだった・・・・

地球の海が死んだのなら人は新しい海を捜し求めるしかない
はたして地球から遥か8億キロメートル先にある暗闇の海は、彼が求める海なのだろうか

SFモノとしては面白い滑り出しだが、王道ゆえに力量の問われる作品。今後の展開に期待したい。地味にならないよう読者の興味を保つことがキーか。


『麻雀戦士』 鯖味噌 80%

突然、空を覆う巨大な麻雀卓。
麻雀を具現化する能力を持った宇宙人「麻雀星人」が突如として地球に来襲した。
麻雀王子の放った「龍一色(リューイーソー)」の声と共に巨大な龍が現れ人類は絶滅の危機に。
麻雀星人を倒すには麻雀で勝つしかない。

一方、主人公ショウイチ(16才)は高校にも行かず雀荘に入り浸っていた。
ある日ショウイチは黒服の男テツヤに人生で初めて麻雀で負ける。
家族を麻雀星人によって殺されたテツヤは麻雀星人への復讐を果たすパートナーを探していたのだ。

手を組んだショイチとテツヤは麻雀将軍、血対子(チートイツ)と戦う。
将軍が血対子を繰り出す度に血まみれになっていく2人。
最終局、親の将軍がチンイツチートイツダブルリーチを繰り出す。
絶対絶命かと思われた、その時ショウイチが静かにつぶやく。
「そいつだ」
ショウイチの「血和(チーホー)」が炸裂し見事に将軍を倒したショウイチとテツヤ。
地球の運命は若き2人の麻雀戦士に委ねられたのだった。

麻雀でバトルをする設定は面白いが、血対子の攻撃力などが分からない。また、麻雀漫画ながら心理戦でもトリック戦でも能力バトルでもなく、勝ち負けの基準が勢いだけしかない。勝敗に説得力を持たせる物語構想が今後の課題か。


『彼女は首だけ』 かぼちゃ 80%

車を操る主人公、アフロ松田。隣のシートには「だから貴方は変態なのよ」などと毒を吐いている金髪ツインテールの生首が落ちていた。彼女は呪いにより四肢はおろか胴体すら奪われてしまった毒舌少女 A・マニュ。
責め苦を受けることにより快感を覚える松田はその毒を吐く生首を拾い、言葉攻めにされることによる快感の対価として体集めの協力をしていた。

手首の情報を聞きつけた二人はある町へと向かう。町では卓球の強弱により序列が決められる制度が存在し、ルールに則り戦いながらついに町最強、炎の卓気使いヒダルマとの決戦に持ち込む。
苦戦する松田! それをなじるマニュ! 責められる興奮により松田の持つネクロマンサとしての力が覚醒した!!
秘儀「死霊の盆踊り」に加え、執拗にコンプレックスを刺激するマニュの毒舌によりヒダルマの精神を粉砕する!

手に入れた両手首を渡すと、闇がマニュを包んだ。
「見なさい松田、バボちゃんよっ!」
そこには頭から手の生えたマニュがいた。

美少女育成アドベンチャーここに開幕!!!

美少女育成という点に着目したのは時代の流れを読めているが、生首、身体集め、言葉攻め、卓球、ネクロマンサなど、要素が多すぎて過剰供給気味。要素を集めただけの表面的な物語となっている。もっと骨太の展開を期待したい。


『くろまじょ!』 エジソン 80%

 ――街で、「怪しげな装束の美形が暴れまわる」「布団に頭を突っ込んだまま悶え死にする」といった怪死事件が頻発している。
 そんなある日、カノウ ハルカが住んでるマンションの部屋に突如として現れた青年が、一冊のノートを手にこう言い放ったのだ。
「お前には、日本の平和を守るために協力して戦ってもらうぞ! 黒魔法少女ブらック・ハルカよ!」「ギャアアアアア! そのノートは!」
 そう、そのノートこそは彼女が中学生時代に書き記した黒歴史ノートであった。青年は自らを「妄想の神の使い」と名乗り、この作品の設定を説明台詞で語りだす。
 極限まで高まった日本の妄想力が暴走し、ノートに記されて明文化しちゃうほど強大な厨二妄想が具現化してしまったのだ!
嫌がるハルカをロープです巻きにして連れまわす青年。彼の行く先では、「氷の剣士カイン」なるうっわあな美形が暴れていた。
 青年の取りだしたステッキで無理やり変身させられるハルカ。そして彼女は、キュートでゴスな黒魔法少女ブらック・ハルカへと変身を果たすのだった!
 ――が、恥ずかしすぎて吐血し、その場で気絶するのだった。どうするどうなる次回へ続く!


冒頭を怪奇なテイストでスタートしながら、一話の間にネタ晴らしと設定説明を終えたのは見事。できればカイン撃破まで描いて欲しかったが……。黒歴史ノートは読者全員にとって身近な恐怖であるため題材としては巧い。

視スラー:これはイイ!厨二の概念を逆手にとったメタ厨二マンガ。後になるほど大変なことに!


『神は死んだ』 ミスタ 80%

神が神である所以は何か?それは、人類を創造したことである。創造主という立場であるからこそ、神は神と名乗ることができるのだ。主人公である神は、自らの神という立場を脅かす【無から人間を創り出す技術】を人類が得ることがなきよう監視していた。もし自らを脅かすような技術を人類が得ようとすれば、即座に【天罰】を下す。今までに四度、つい12000年前にも人類の文明を崩壊させたばかり。
神は今日も下界を、監視天使ラグエルを通じて監視していた。
突如、超高速でラグエルに接近する物体。回避行動を取らせようとした直後、ラグエルは爆破四散した。
「ラグエルを破壊可能な技術…」
神は、人類が自らを滅ぼしうる技術を得たことを確信した。

過去4度の文明崩壊を受け、人類は習得していたのだ。自らの技術を隠蔽する術を。神の軍隊、天使を破壊する術を。そして、神の技術を破る術を。
「お前が神である時代は終わった。次は人類が神となる」
今、神と人類の戦争が始まる。

神との真向勝負を描く気迫は素晴らしい。問題は神をどう描写するかで、今後の神との戦いにリアリティを持たせられるかが勝負か。

視スラー:人類の苦難は神が与えた試練とするキリスト教的「弁神論」を真っ向から否定!


『マイ・スタント・ヒーロー』 ナランチャ・ギルガ 80%

とある街で、銀行強盗が現れる。強盗は金を盗んで逃亡、無事犯罪を成功させた。
帰り道、強盗は一人の人間と出会う。
「任務成功」
その顔はなんとこの銀行強盗と同じ顔をしていた。
強盗はその男から盗んだ金の何割かを受け取る。
「これ、報酬な」
報酬をもらうと、最初の男は突然、赤い飴玉を吐き出した。
「やっぱ、男の依頼じゃ、まずいぜ」
すると、なんと男の顔が別の顔に変化した。

「リアル・スタントマン」
それは現実世界において、あらゆる困難や危険な任務を代行する人間のこと。
主人公、酒留飛呂彦もその一人だった。
政府が開発した特別な飴玉、これを依頼者に舐めさせ、自分もその飴玉を舐めると
飴玉を舐めている間、顔や体系がその依頼主にそっくりになるというモノ。
これを使って任務を遂行するのだ。

帰り道、飛呂彦に一本の電話がかかって来る。
それは新たな任務の依頼だった。

アイデアは悪くはないが主題にするほどのインパクトがない。また、主人公はわざわざ顔を変えずとも自分で銀行強盗をすれば丸儲けなのでは? 強盗のアイデアだけを提供するなら、顔を似せられることは本来の銀行強盗にとってもマイナスでしかなく、リアルスタントマンの存在に必然性が感じられない。

視スラー:悪事をはたらいてるのにタイトルがヒーローとは?作者に勝算アリと見た


『ミルキー原』 御暗 80%

「クチャクチャ」とは!
それはガムをクチャクチャする音に己の生き様・熱きソウルを乗せるワイルドなメッセージ!
今、ソウルフルなクチャリスト(クチャクチャする人)達による己のプライドと魂を賭けた物語が幕を開ける!

『クチャックチャチャクチャァー!』
『クッチャクチャァチャークチャアン!』
この街有数の袋小路「ゴミだめ」では、今日も今日とて2人のクチャクチャがロックの様に響き渡る。
原 卓規。ボーカル担当。
パワー・技術ともに優れ、「モストソウルフル」の呼び声も高いクチャリストだ!
遊木 信次郎。ベース担当。
真っ白になったマイガムを腰にいくつもぶら下げ、「技の遊木」として原の片腕を担う凄腕クチャリストだ!

『クチャクチャチャア、クチャクチャクチャッチャアン!』
そこへ突如、今流行りの歌詞重視のクチャクチャが乱入!
突然の先クチャ(先制クチャクチャ)に動揺しつつも、なんとか自尊心を保つ原と遊木!
しかし、先刻の女性クチャリスト増尾(ボーカル担当)の口から2人にとって因縁深いある男の名が告げられる!

クチャクチャで音楽という一発ネタに頼りすぎており、また、第一話にしては内容が薄すぎる。ソウルを表現できるかどうかがカギとなるだろう。


『新本格農業闘争 ファーム!!』 ツキ 90%

西暦20XX年,未曾有の大災害が人類より多くの営みを奪い去り,食糧自給者「農家」が支配する世界.

必然として訪れた乱世.
農産物を無法により搾取する暴徒をしとめるため,「農家」は農業のムーブより
闘争農法体系F-Arm(ファーム)を編み出した.

「オレ,F-Armで世界中を牧場にして,お腹を空かせた人たちに腹いっぱいオレのミルクを飲ませてやりたい!」

そんな争いの絶えぬ時代にあって,酪農「農家」有栖牧場の少年,有栖 酪闘 (アリス ラクト) はF-Armで皆を幸せにできると信じていた.

しかし,ある夜牧場に訪れた男が全てを変える.
男の低水準LD50の前に倒れる暖かだった父・母・姉.
ラクト必殺の搾乳ムーブ,ブラザーフッド・ミルカー・ランゲージも男には全く通じない.

倒れ伏すラクトに男がつぶやく,
「わが名はスイデン,全ての穢れをヌトリへと」
そして,牧場は男のF-Armにより業火に包まれた.

ただ一人生き残ったラクトは自問する.
F-Armとはただの虐殺の農具なのか?
それとも救世の種モミなのか?

「農業」を問うラクトの旅が今始まる.

農業を主題にした点は新しい。農業アーツも斬新。だが、肝心のF-Armがまったく想像できないなど描写に乏しい。

視スラー:金融至上主義に真っ向から反発。テーマ性がタイムリー


『黒翼と灰色の銀貨』 チェンバーメロン 72%

1st Story -堕天(フォール・ダウン)-


背中が疼くのは、あの日キミを失ったから?
業?そんな言葉では片付けられない。

春斗、キミの原罪って――何?

精彩を欠いた春斗の瞳に写る一人の少年、涼華が問う。

原罪・・・? そうだな、俺自身が原罪だ。

涼華はクスりと笑い、空を見上げた。
そして呟く。

僕は・・・空が憎い

乾いた風が吹くダルゴの丘に、二人は立っていた。
虚空を見上げる眼差しは閉じた標本じみていて、
その髪は風を受けて竪琴の様に肩を滑っていく。

ああ・・・刻が零れ落ちていくね・・・

折れた翼の少年は呟く。
その音色は、ともすれば悪魔(じぶん)すら許してしまう危うさを孕んでいた。

春斗、もう行かなきゃ。僕は・・・!

瑠璃色の瞳孔(め)に涙を溜めたまま、涼華は唇を噛む。

この翼が、太陽(ぜつぼう)に溶かされてしまいそうだ

それでもお前は行くんだろう?

うん・・・

なら・・・俺も行く

春斗!!

二人は折れた翼を広げ、天へと旅立っていく。
失った自分を取り戻しに―

久保帯人のフォロワーであろうが、やはり内容が薄すぎる。人が二人丘から飛んだだけでしかなく3ページもあれば事足りてしまう。


『タガタメ』 バラック 95%

冴えない大学生の多田野忠人は、ある日、押しに弱い性格から「幸運の壺」を怪しい行商人に売りつけられてしまう。自分の情けなさに嫌気が差しながらも、使い道の無い壺を、カップラーメンの重石に活用して悦に入っていると、壺の中から魔人が出てきた、魔人が言うには自分に現金を供えれば、その金額によってはどんな願いでもかなえてくれると言う。

試しにうまい棒を一本要求してみると300円がサイフの中から消えていた。
ファンタジーな存在に出会ってまで運がない。
と不貞腐れながらテレビを見るとなんと近所の銀行に強盗が立てこもっている。

人質の中にはサークルのアイドル花園華香が。いてもたってもいられず現場に駆けつける多田野。現場に着くと、魔人に今月の残りの生活費を供えて銀行の中に入り込むことに成功する。テンパリと人生初の運のよさで、強盗のカバンの中の現金を供えることが出来、強盗の撃退に成功する。
花園華香が礼を言いに着たその刹那、事情聴取の為、連行される多田野だった。

大学生という貧しさと、法外に高い代償のバランス感覚が良い。しかし、強盗のカバンの現金を供えることができたのが「人性初の運のよさ」というのにはご都合主義を感じざるをえない。


『おしんくろ』 ホタホタ 70%

主人公、保科太郎17歳。あだ名はホタロー。
成績は下の下、運動もからっきしな典型的なダメ少年。
ある日交通事故にあう。
死んだと思ったら奇跡的に復活。
お約束の超能力開眼。

ホタローが得たのは、
『自分と他人の“尿意”を同調(シンクロ)させる』能力。
自分のおしっこ我慢度合いをそっくりそのまま相手にうつすことができるチカラ。

彼が自分のチカラを自覚したのは予想以上に早かった。
事故による四肢骨折でシビン生活を余儀なくされたのだが、なぜか彼のおしっこを手伝う看護師さんが相次いでおもらしする事件が起きたからだ。

『他の人にはない、ボクだけのチカラ・・・
ボクはいま、人間を超えた。
このチカラを使い、世界の頂点に立つ!』

これはホタローが世界的英雄になるまでを綴った壮大な物語である。

アイデアは他作品と比べても頭一つ抜けている。だが問題はここから話を転がせられるかどうか。本当にこの能力だけで世界を獲れるのか??


『暴食い(バクグイ)』 ミヤケンサウンド 70%(遅刻あり)

ある日の晩、九位倒太郎の家に隕石が墜落、そのなかで奇跡的に太郎だけは助かった。
しかし、その隕石の中には未知のウイルスがあり、太郎はそのウイルスに感染してしまう。
そのウイルスには意志があり、太郎は必然的に二重人格となる。「もう一人の太郎」は名を、「E」と名乗った。
Eに感染したことにより、太郎は生き物の力を体内に取り込むことができるようになった。
だが、条件があり1、自分で殺したと認識する。2、それを食べる。3、同族を食べるとどうなるか分からない。(ので禁止)
と言うことだった。Eは三日に一回は血を欲しがる。
そして、恐ろしいことにEは太郎の体を太郎の意志と関係なく一日の内2~3分だが強制的に操ることができるのであった。
太郎は気がつくと鳥や猫を殺していてそれを食べていた。生き物を殺すということに精神的に追い詰められていく太郎。
そんな中、太郎は街中で死んだはずの父親を見つける。しかし、それはEとは違うウイルスに乗っ取られた父親の肉体だった!
次回、急展開!父親の能力とは・・・バトルが始まる・・・・!

隕石まで落としておきながら、鳥や猫を殺しているというのは展開として地味すぎないだろうか。だが、鳥や猫の能力で戦う地味バトルには好感が持てる。これからの展開に期待。


『POP TAXIs!!!!!!』 イン・ポ 80%

ついさっきまで何をやっていたかわからないのにニューヨークのような場所に立っていた。
それを神楽は夢を見ているのだと知っている。

なぜならチラシが大量に貼られた古びた看板に「夢にようこそ!!!現実の女から目を背けるよ!!!」と日本語で書かれているからだ。
「夢か、夢なら三次元でも二次元のキャラに会えるはずだ。」
しかし、通りにはアメリカ人のような金髪で肌が白く、鼻が高い人が通り過ぎていく。
「そうだよな。夢でもアメリカだったらアメリカ人いなかったら変だよな。」

呟きいていると、さっきの看板からひとつの紙切れが落ちてきた。
神楽はその紙を手に取ると、
「タクシー運転手の人手が足りません。運転歴一切問わない。出会いを求めているあなたにピッタリ。」
「そうだ。夢なら2次元のキャラに会えるじゃないか!」
その求人情報の紙を握りしめ、歓喜しながら主人公はタクシーに乗り込んだ。
「ここ!ここお願いします!」
タクシーは走り出し、ついた場所は5人しかいないタクシー会社だった。

いきなり夢ということが分かっているのが興を削がれる。夢と割り切っている割には行動がタクシーの運ちゃんというのも展開として地味すぎて次を読みたい気になれない。


『ひろいもの』 ポチ2世 80%

 気がつくと美しい少女がこちらを見ていた

 「ここは、どこ・・・?」そして「自分は・・・?」

 状況が理解できない自分に少女が告げたことは、雨の日に行き倒れになっていた自分をこの少女が
拾って介抱してくれたということ

 少女に名前を訊かれ、今までの記憶がまったくない事に気づく
  
 色々尋ねた自分に、少女は顔をしかめながらも質問に答えずにこう言った

「拾ったのだから最期まで責任を持って飼うわ」
「名前も思い出せないのなら『ポチ』でいいでしょう」と

「最期」「ポチ」いろんな意味であまりにも非道い

 抗議する自分に少女は条件を出した

「私、何でも屋を経営しているの。あなたが今日受けた依頼の『猫さがし』を私の代わりにちゃんと
果たせたら人間扱いしてあげるし、記憶が戻るための手伝いもしてあげる。どう?」
 
 右も左も自分が誰なのかもわからないが引き受けるしかなかった

 そうして、過酷な「猫さがし」が始まるのだった

美少女に飼われる、という点で狙いはあざとく好感が持てる。しかし、初めての冒険?が「猫さがし」で、他に情報がほとんど提示されないのでは興味を保ちにくい。


『アンドロイドは泡沫の夢を見るか』 デスシャドウ 85%

時は二十三世紀。
超高度に発展し、宇宙へと進出した人類は、三百年前に成立した統一政府の下、繁栄を謳歌していた。
物語は、テラ=フォーミングの完了した太陽系第四惑星「火星」で始まる。
アマゾネス通り脇小路地から十五分ほど歩いたところにある低所得者向けのアパート郡。
その一室で、青年、ディアン=アローは一人、求人広告誌と顔を突き合わせていた。
荷物運びやらゴミ掃除。つまらない「仕事」で溢れかえったその誌面の中に彼は一つの記事を見つける。
「いなくなったアンドロイドを探しています。見つけたものには10万ドル」
その夜、不法投棄で溢れたゴミ処理場に彼は居た。
非合法のルートを通りここに廃棄された物達の中には、稀にお宝が紛れている。
彼は毎晩のようにここに訪れ、それの売却で生計を立てていた。
その晩も廃棄物の中を彼は一人歩いていた。いつもと違ったのは、星明りのみの暗がりの中見つけたもの。
それは、端正な顔立ちをした少年だった――。

舞台設定を丁寧に描いている点は他と比べても高評価。だが、アンドロイドを拾っただけで終わってはやはり地味すぎる。もう少し展開が見たかった。


『世紀末童貞伝説タケフミ』 オークマスク 90%

ちょい悪風の高校生、志堂武文には悩みがあった。
学業は並、ルックスも悪くない、運動神経は祖父に中国拳法を仕込まれたおかげで超高校級。
しかしそんな彼にも打倒できないものがある。

『童貞を捨てたい』

武文は高校生のうちに脱童したいと願い続けていた。
だがある日、おっぱいのことを考えれば夜も眠れない日々が続く武文の前に、二人の美少女が現れる。

一人はバナナのことが好きかしつこく問いかける女…安樹。
一人は肉切り包丁をカバンに忍ばせるは嗜み…麗子。

メンヘラとヤンデレの出現に当惑するタケフミ。
彼の童貞だがそれなりの学生生活は一変し、闇色に染まり――刃傷を匂わせ始めた。
地雷を踏むことと引き換えに童貞を捨てるか?どちらかに殺されるか?
そんな彼をただ一人支えるのは、髭の巨漢……志堂関羽であった。
「兄者、拙者のことも愛してほしいでござる…」
妹の告白を受け――志堂武文は決意する。

「第一話もう男でもいいかもしれない」

うらやましくないハーレム物としてはなかなかの作品。しかし、メンヘラの描写が少し弱く、ヤンデレの描写もステロタイプすぎて個性がない。もっと具体的描写で二人の狂気を引き出して欲しい。そんな中、妹キャラ関羽の存在感は一線を画している。


『ピューと吹かない!ジャン』 やまいち 80%

あの伝説的笛タンク漫画「ピューと吹く!ジャガー」の中で主人公ジャガージュン市の最強のライバルとして人気を博したジャン・ポール・ニルスの少年期を描いたスピンオフ作品!

第1笛 運命の出会い
ペタンク発祥の地、港町ラ・シオタ生まれのジャン少年は毎日ペタンクの腕を磨いていた。ある日の帰り道、日本人らしき少女がたたずんでいるのを見かける。
ジャン(あの日本人(ジャポネ)の少女、笛を持っている‥‥?)
日本少女「そいやー!」
ジャン(って投げたー!! ガビーン)

そして紆余曲折多々ツッコミあって少女の名前が笛子だったり、ルールの分からない読者の皆さんはジャンプの41号から46号のジャガーを読みなおせばいいんじゃないかということがわかったりした。

笛タンクなんて子供騙しだというジャンに対し、私は笛、君はボールで戦って私が勝ったら笛タンクを始めろという笛子。12対0でジャンが圧倒的優勢(13点先取で勝利だよ!)だったが、笛子による笛の投擲の際になんかうまい具合に空気が笛に入り込んだことにより偶発的に奏でられた曲「笛タンクへの序曲(笛(プエ)リュード)」に心を打たれ、ジャンは自らの負けを認める。こうして彼は笛を握る(そして投げる)ことになったのだ。

いろいろ置いといてほとんどジャガーそのままなのでどうかと思う。


『こちら第三惑星入出管理局』 キントレスキー 85%

物足りない日常を過ごしていた平凡な高校生、日比野新。
ある夜、別世界より現れた妖精が新を勇者と呼び、勇者として私達の世界を救って欲しいと頼んでくる。乗り気で妖精に付いて行こうとする新だったが、謎の美女の妨害により妖精を見失ってしまった。
女性は自分を「第三惑星入出管理局」の職員と名乗り、新に事情を説明する。
この星の少年少女は高い素養を持っており、異世界人や宇宙人は隙あらば彼らをさらい、己の世界の救世主にしようとしている。女性はこういった素養の青田刈りを防ぐために日々活動する職員なのだ。
突如ドラゴンを連れ戻ってくる妖精、無理に新を連れて行くつもりだったのだろうが、女性は素手でドラゴンを殴り倒し、妖精も元の世界に送還してしまう。
女性は新に、機会は待つものではなく作るものだと言い残し、名も名乗らずに去ってしまった。
数年後、立派な青年となった新は「管理局」の入り口の前に居た。
自ら新たな機会を作る為に――

一話の中で展開に盛り上がりを用意しているのは評価できる。ワンピースの第一話を思い起こさせる設定。


『桃太郎と呼ばれた男たちの挽歌』 スガワラ 90%

 昔々、あるところに・・・
お決まりの文句で始まるお決まりの桃太郎の物語。しかし、このよく知られた童謡の裏側で男達が死闘を繰り広げ、表舞台から消えていったことを知る人は少ない。
祖父母会系桃組の若頭である太郎(28)は、数年間続く同じ祖父母会系鬼組との派閥争いに頭を悩ましていた。
ある日、自宅で、妻(25)や一人娘(3)と食後の家族団らんを楽しんでいると、太郎の携帯に電話がかかってきた。聞き覚えのある声。相手は、かつての太郎の盟友であり、一年前、鬼組の凶弾に倒れたはずの「狂犬」犬垣(29)であった・・・
童謡の裏舞台で繰り広げられるもう一つの桃太郎伝説が、今、始まる!

桃太郎を任侠物に見立てたアイデアは面白いが、桃太郎の必然性を残しつつストーリーを展開できるかどうか不安。


『エンキリ』 ガーデルマン 90%

その外見に全くそぐわないスラムな町並みの中を、極めて普通の女子大生である丈並比良
(たけなみ・ひら)は、パワーエサを求める黄色いアレばりに逃げ回っていた。

半年前に別れた元彼からの激しいアプローチから逃れる為、噂で聞いた「どんな縁でも切って
くれる」という「縁切り屋」にすがるような思いで連絡をとったのが昨日。

そして今日、不安と期待を胸に駅を降り、指定された事務所へ向かう途中、悪そうな奴は大体
トモダチ、とでも言いたげなステレオタイプ的チンピラに絡まれ、その場は何とか逃れたものの
、次々と似たような連中に絡まれ、ついには行き止まりに追い込まれてしまう。

絶体絶命!と思ったその時、突然目の前に背の低い、スレンダーな、どこか短い鉛筆を思わせ
る黒髪の美女が降ってくる。

周囲の状況などお構いなしに、開口一番、彼女は言った。

「あなた、随分イヤな色の“縁”を結んでるわね」

この瞬間、比良と彼女―忌逆契(いみさか・けい)の“縁”は結ばれてしまった。

不良に絡まれて美女が現れるだけでは内容が薄すぎる。縁切り屋という主題も地味すぎる。


『セオリアル・コミック・シティー』 もぬ 85%

それなりに平和でそれ故に退屈な街、混ッ区。
だが、平凡な日常は第1話の開幕と共に音を立て崩れ始める。
最近市街をうろつく黒ローブの男、鎧武者、その他は、明らかにこの町の人間ではない。
そんな折、いつものように不良にからまれていた太一少年(14)は、通りすがりの謎のツンツン頭に助けられた。
彼は、「見開きを自由に展開することで攻撃の威力を上げる」能力を使い、不良をデコピンで吹き飛ばしたのだ。
この街には彼のような「セオリー使い」が集まってきている。
果たして、奴らの目的とは!?

メタフィクション物としては悪くはないが、やはり内容が薄すぎる。第一話の開幕と共に平和が崩れる描写はとても良い。


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