【10/28】2008年48号のジャンプ感想(2)


金未来杯受賞作決定

「あれ?? 最近、金未来杯なんてやってたっけ……??」

 と思って見てみたら納得。「べるぜバブ」「アルバイター金太郎」「格闘王子」「クロガネ」の時のやつか。今回の金未来杯は全部揃ってどうでも良かったんだよな。べるぜバブ連載すんのかなー。


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・「新連載!! テニプリトリビュート4コマ放課後の王子様」(ジャンプSQ12月号

 ぐう~~。4コマかぁ~~~。微妙。激しく微妙っ!


To LOVEる

・P269

 スカートをはいている女の子のぱんつが見えるのは当然として、ズボンをはいている女の子のぱんつが見えるというのは、もうなにがなんだか……。いや、見えるよ。短パンはいてたって見える可能性は確かにあるよ。でも……、でもさ……。なんていうかさ……、短パンでパンツを見せることの意味って一体なんなんだい!?

「科学はどうでもいい。問題はパンツが脱がせられるかどうかだ」

 昔、このような有名な言葉がありましたが、To LOVEるも「ぱんつを見せる」という至上命題の前では他一切の要因など全くどうでも良いことなのかもしれませんね。もう彼女たちはズボンの上からぱんつはいて生活すればいいんじゃないかな!


バクマン

 前半の恋愛パートは、「良く分かんねーけど、中学生の恋愛ってこんなもんだったっけなー?」って感じ。岩瀬さんの「手を繋いだから付き合ってる」は中学生でもありえない気がするけど、進学先が異なることを知っての「さようなら」の方は、なんだかリアル中学生っぽい気がしたよ。大人になったら学歴って本気でどうでもいいんだけど、中学・高校の頃って「進学先」が個人にとって大きなファクターになってるからねー。いまになって思うと、いかに中学・高校生に対して周囲が競争を強いているかが分かるよなー。まあ、あのくらい強迫観念的に競争を強いなきゃ教育水準も保てない気がするけれど。子供の頃の勉強ってホントにダルイもんな。

 閑話休題。後半の「編集部の裏側」パートは面白かったです。「ジャンプっぽいかどうか」という判断基準の話も出てきましたね。僕も大学生くらいまでは「面白い/面白くない」でしか漫画を判断しておらず、「雑誌のカラー」という観点は欠けていたので、これは(特に知らなかった人には)面白い情報なんじゃないでしょうか。

 でも、主人公のキャラ作りってホント難しいよね。脇役とか敵役の方がまだ簡単。主人公はある程度まともな人間にしなきゃいけないけど、まともにするとキャラが面白くない。まともな方向で好感度を得るのは正攻法だからこそ難しい。ギャグ漫画は主人公がまともじゃない程ウケるからともかく、ストーリー漫画はホントに難しいと思う。これに関しては冨樫先生すら成功しているとは言い難い状況ですしね(板垣先生のバキも成功してない)。以下、個人的な現行ジャンプの主人公評価。

(◎:とてもよい ○:よい △:良くない ×:悪い ?:評価できない)

・ぬらりひょん(リクオ) △⇒○(良くなった)
・ワンピース(ルフィ) ○
・ブリーチ(一護) △(一貫して面白味がない。×に近い)
・ナルト(ナルト) ○⇒△(個性が散漫化した)
・リボーン(ツナ) ○⇒△(個性が薄くなった)
・銀魂(銀さん) ◎
・トリコ(トリコ) ◎
・こち亀(両さん) ?(◎だが素直に評価したくない)
・いぬまる(いぬまる) ◎(ちんこ一点突破)
・アスクレピオス(バズ) △(すぐ死にそうになる点を評価)
・アイシールド(セナ) ○
・To LOVEる(リト?) ?(◎だがそういう漫画じゃないので)
・ハンター(ゴン) △⇒○(ピトーの一件で上昇)
・スケット(ボッスン) ○(地味だがそれを逆手に取ったので)
・チャゲチャ(チャゲチャ) ×
・ネウロ(ネウロ) ◎(主人公を弥子と考えても◎)
・サイレン(アゲハ) △
・バリハケン(団吾) ○
・バクマン(サイコー&シュージン) ○(◎に近い)
・ジャガー(ジャガー) ◎
・ディグレ(アレン) ?(この漫画自体、良く分からない)

 ありゃ? こうしてみると意外とみんながんばってるなー。もっと△とか×ばっかりかと思ったのに。逆に言い換えると、ジャンプは(他の週刊漫画誌もだろうけど)主人公のキャラ立てだけはしっかりやっているということなのかも。

 特別な能力を持たないキャラはサイコー&シュージンと、いぬまる、リト、両さん、団吾だけかな。両さんと団吾は普通とは言い辛いので除外するとして、残るはサイコー&シュージン、いぬまる、リトだけ。「普通の人間」を主人公にしてる漫画ってこんなに少ないんだなー。この点をもっと言うと、初期のサイレンを僕が評価してたのは、アゲハ達が何の能力も持っておらず「ジャンプっぽくなかった」からかもしれません(ジャンプの中で「個性があった」という意味で)。しかし、キャラに個性が加わる(暴王の月修得)ことで作品としての魅力が薄れる(他のジャンプ漫画の中で没個性化する)というのは、サイレンは皮肉な結果だなー。服部さんが「そんな漫画ばかりじゃダメなんだけど」と言ってる通りだぜ。

 やっぱり特殊な能力を持ってないと個性って付け辛い訳で、それを考えると、ライト君はデスノートこそ所持していたもののそれだけに頼らずにキャラをキッチリ確立していたんでスゴイんじゃないかな。そして、逆に言うと、死神にならなかった場合、本当に何も残らなそうな一護はよくジャンプで連載できたなぁと思ったり。必殺技も普通に飛び道具だし、強化手段(仮面化)は他キャラも使ってるし、性格的にも特に目立ったところがないし、久保先生はよくこんなキャラを主人公で使ってるよな。逆にたいしたもんだぜ。

 もっかい閑話休題。最後に連載を目指す志を見せたサイコー。しかし、クソくだらねーこと言うけど、彼らはもう少しのんびり描けばいいのになーと思ったり。だってさー、連載ってモロに商業活動だよー。お仕事だよ、お仕事。今はせっかく親がメシ食わせてくれんのに、今のうちから働こうとしなくてもいいだろうにと思うんだけどね。プロになったら好きなように描くことなんて出来ないんだから、もうしばらく思うままに作品描けばいいのに。同じ力量を持っているなら、プロよりアマチュアの方が良い作品作れるんだぜ? でもまあ、彼らは最初から商業上の成功を目的にスタートした訳だし、そんなこと言っても今更だよなー。夢を追っているといえばカッコイイけれど、ちびっこがガツガツ連載目指してると、正直、ちょっと職業訓練に思えてくるぜ。


 ***

 全然関係ない話だけど、今はネットのおかげで「好きなように描いた作品」を発表する環境が整ってるので、これは本当に素晴らしいことだと思います。IT社会っていいなー。


スケット

・「日常でこんな場面はないだろうか。40~50m離れている元気のない友達を励ましたいと思ったことは」

 ↑すごい笑った。

 単発ネタだけでなく、最後で全てまとめる構成力はすごいなー。


サイレン

 WISEに星将なんてものが出てきて、どうにも微妙な展開の最近のサイレン。さらに今週のカプリコには作者の「まあ、美少女にうーにーとか言わせとけばいいんじゃねえの?」的な思考が感じられて、正直、非常に不愉快な気分になったのだけれど、うん……、まあ、でも、うーにーって言ってるし、いいかなァ……。


「やだなぁ……。捕まえるのは僕の仕事じゃなくてあなたの役目でしょ☆」
「今回、あなた達は本当に運が良かった」
「次会う時は次元の違いを見せられるよう取り計らいますので」

 しかし、彼らに次はなかった。アゲハたちが現代において結成中のWISEを襲撃し、事態を未然に防いだからである。

シャイナ「ちょ、ちょっと待って。過去に戻って歴史を抹消!?!? ちょ、なにそれ……。あの、文字通り次元が違うんですけど……」

 やっぱ殺せる時には確実に殺しておくべきだよねー。WISEの皆さん、ほんとにかわいそす(´・ω・`)


ダストシューターズ

 うん、まあ、そこそこ笑えるところがないでもなかった。

 ですが、なんといいますか、笑いの方向性が既存の漫画をなぞってるだけって感じでした。「くだらない競技とくだらない戦い」「なんでも知ってる委員長」「ヘボイ肩書き」といった、既存のギャグ漫画のテンプレートを敷いた上で、それにそこそこのギャグを当てはめて作ったような「量産型ギャグ漫画」って感じ。オリジナリティが感じられないのです。

 僕がこういう作品を嫌いなのは「そこそこ面白い」ことで、何も挑戦していない「現状維持」「微調整」の作品でもそれなりに楽しめちゃうんですよね。「現状維持」や「微調整」はそれなりに楽しいから安牌なんですよ。でも、冒険しない安牌には、冒険しかしてないテニスのような感動は望むべくもない訳です。その意味では、面白くなくても挑戦的な姿勢を崩さなかった大石先生の「メゾン・ド・ペンギン」は結構好き。それをもっと突き詰めると漫画太郎先生になるのだけど。

 しかし、新人の人の読切バトル漫画には没個性なテンプレ作品が多いけれど、ギャグ漫画も没個性でテンプレしてるってのは悲しい話だ。この漫画がどうこうというのではなくて、ギャグ漫画ですらテンプレート化の傾向にある現状がなんとも悲しい。

 そういうわけで、僕はこれをあまり評価していないのだけど、それでも巻末コメントはいくらなんでも卑屈すぎると思うんだ。サイコーとシュージンは佳作すら取ってないけどもっともっと態度デカイよ。五十嵐先生もがんばって……!


ヘタッピマンガ研究所R

 やっぱり村田先生の描く河下先生はすごく可愛いな……。地味なファッションにナチュラルな反応、家でゲームしてる自然体の姿と、なんといいますか、華はないけれどすごく安心感のある女性ですね。とても付き合い易そうな感じ。西野や東城よりも河下先生とお付き合いしたいお。


ブリーチ

 砕蜂とヴェガの実力差が明らかに描かれた今週のOSRバトル。

「俺を止めた瞬間に瞬歩で近づけば勝負はついてた。俺ならそうしてる」

 とはヴェガの談。しかし、それは下策も下策ですね。このタイミングで本気を出すバカがいますか。しかし、一方の砕蜂はさすがの隊長格。OSRバトルのいろはを心得ていました。

 まず、彼女は先週、敵に先んじて始解を使用します。これには一部読者からも「先に本気を出して大丈夫なのか?」という懸念が寄せられましたが問題はありません。彼女にはまだ瞬閧が残されており、始解の段階では本気とは言えないからです。そして、砕蜂は本気を出さないことで相手の慢心を誘いました。ヴェガはこれに乗せられてうっかりと帰刃。結局、先に本気を出させられたのはヴェガの方なのです。この戦いの趨勢はもはや見えましたね。結果を見るまでもありません。

 一方、大前田戦。こちらも終始大前田ムードで展開されます。序盤戦、安い挑発で相手の本気を引き出すことに成功した大前田。もうこの時点で勝ちは確定なのですが、用心深い大前田はさらに、「他人を見かけで判断しちゃダメなんだぜ」、この台詞まで引き出したのです。マムートの人は何を考えていたのでしょうか。こんな台詞を吐いてしまえば勝てるはずがありません。マムートからすれば、「これでOSRアップしてダメ押しだ」くらいに思っていたのででしょうが、それはあまりに浅慮。よりによって大前田相手にこんな台詞を吐いてしまえば、「どうぞ逆に利用してください」と言ってるようなものです。子供にも分かることですよ!?

 OSRを高めた大前田は容易にマムートの後ろを取ります。後頭部に刀を突きつけ、勝負はあったかに見えました。しかし、大前田は真に用心深い男。止めを刺すチャンスを捨ててまでここで名乗りを挙げ、「鈍い訳が無えだろう」とダメ押しのOSRアップ。これにより始解が可能になり、マムートに致命打を与えたのです。

 砕蜂も大前田も戦闘経験の差がはっきり出た戦いでしたね。破面側は個々の実力はともかく、OSRバトルの経験値が少なすぎるのが問題だと思いました。

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