【9/27】レビュー「芸者vs忍者」


 「芸者vs忍者」観に行ったよー。面白かった!

<あらすじ>

 サムライを追いかけ、剣術勝負を挑む謎の芸者……。サムライは彼女の父の仇だった! サムライに一蹴されるが、それでもサムライを追いかける芸者の前に、様々な強敵が立ちはだかる! 以下、登場順、敵一覧。


・浪人
・忍者
・くノ一
・坊主
・炭焼場のおやじ
・山伏
アイヌ
・サムライ


 ア、アイヌ、浮いてるなあ…………


<感想>

 ストーリーほぼ全くなし! 全編の8割はアクションシーンです。面クリア型のアクションゲームのような感じで、一人の敵を倒して先へ進むと次の敵が出てきます。傷を負ったはずの芸者が、次の敵が出てくると同時に全回復してる辺りもゲームっぽいです。アクションパターンも豊富だし、これ、ゲーム化したら面白いんじゃないかなあ。

 アクションシーンは「日本最高レベルのアクション映画」を自称するだけあり、素晴らしいクオリティ。ほとんど戦ってばかりなのに飽きさせません。また、芸者が坊主に腕ひしぎ十字固めをしたり、アイヌが芸者にスープレックスをしたりと、主体が芸者やアイヌというだけでアクションシーンがとてもシュールになります。そういう意味では、芸者によるソードアクションよりも芸者による肉弾戦の方が面白かったですね。芸者のミドルキックは新鮮でした。

 しかし、この映画は日本よりも海外でウケそうな気がします。タイトルは「GEISHAvsNINJA」ですが、他の戦いも横文字にしてみたら……、

・GEISHAvsRONIN
・GEISHAvsKUNOICHI
・GEISHAvsBUDDHIST MONK
・GEISHAvsOLD MAN
・GEISHAvsMOUNTAIN PRIEST
・GEISHAvsAYNU
・GEISHAvsSAMURAI

 ほら、すごく面白そうじゃないですか? 主演の女の子も可愛いし、アメリカ人のオリエンタリズムを刺激できると思うなー。


<ネタバレ感想>

 父の仇のサムライは、実は父の剣術道場の高弟だった……! サムライは父の奥義を受け継ぐことを拒否し、父と斬り合ったのであった。

サムライ「私は師匠を尊敬していますが、師匠の奥義はまやかしの剣です。これを継ぐことはできません」

 娘の芸者に受け継がれた、剣の奥義とは果たして……!?


 そして語られる、更なる驚愕の事実――! 実はこれまでの刺客たちも、すべて剣術道場の門下生だったのだ!

 浪人、忍者、くノ一、坊主、山伏、アイヌ……。お、お父さん、ちょっとフリーダムに門下生を集めすぎじゃないでしょうか……。すっごい色モノ道場なんですけど……。


 彼らは師の奥義を封じるため、奥義を伝える者を抹殺しようとしていたのだ――! そして、いま奥義を伝える者は娘の芸者ただ一人。芸者とサムライの最後の戦いが始る!


 サムライと立ち会った芸者は、こっそりと、手にした刀の目釘を外した。そして、切り結ぶ際に勢い良く刀をフルスイング。その瞬間、すっぽ抜けた刀身がサムライの腹部を切り裂いたのであった! なんというスペツナズソード! 飛び出す日本刀!


 うん……。この奥義は確かに封印したいかもですね……。この奥義を受け継ぐのは確かにお断りです……。サムライが実際に奥義を受け継いだとして、将来、彼に弟子ができたとしましょう。


弟子「師匠! 私はあなたの下で十数年に及ぶ厳しい修行に耐えました。私に奥義を授けて下さい」
サムライ「あ……、う、うん。いいけど……。あの、怒らずに、聞いてね……」
弟子「…………???」
サムライ「えっと、まず、目釘を外して……。それでね、敵に向かってフルスイングするとね……」
弟子「…………師匠、ふざけないでください」
サムライ「あ、いや、ふざけてる訳じゃなくって……。あの、ね、目釘を外してね……。フルスイングを、ね……」
弟子「……………………」
サムライ「あの……、怒ってる……? ご、ごめんね……。ごめんね。ホントにごめんね……」
弟子「……………………」


 こんな状況が容易に予想されます。

 奥義がこんなものだと知った門下生たちも苦悩したでしょうね。


サムライ「なあ、奥義、こんなんだったんだけど……。どうする……?(´・ω・`)」
忍者&くノ一&山伏「………………(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)」
アイヌ「あたし……。もう5年も修行してたのに……(´・ω・`)」
坊主「わしなんて12年じゃよ(´・ω・`)」
おやじ「なんつーか、オレたちの人生の汚点だよな……(´・ω・`)」

サムライ「あの……、誰か、この奥義、継ぎたい人いる?(´・ω・`)」
山伏「おいおい、冗談はやめてくだされよ、サムライどの(´・ω・`)」
くノ一「ねえ、これ、マジな話。他の人にバレたら、マジ恥ずかしくない?(´・ω・`)」
坊主「バレたら、わし、死にたい(´・ω・`)」
忍者「オレたちだけの秘密にしましょうよ(´・ω・`)」
おやじ「もし、この恥ずかしい奥義を受け継ぐものがあれば……」
サムライ「協力して抹殺しようか(´・ω・`)」
坊主&忍者&山伏「そうだね……(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)」


 と、いう感じで、彼らは芸者を襲っていたのだと思われます。なんという悲しい話だ。でもさー、逆に考えると、坊主、山伏、忍者、アイヌを門下生にした道場なんだから、奥義がこのくらい色モノでも、ある意味、自然っちゃ自然だよねー。

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