【8/19】1999年29号のジャンプ感想(2)


こち亀

「こち亀がおかしくなった」と感じ始めたのが、ちょうど早矢や右京、左京が出始めた頃だと感じていたんですが、1999年の時点で既に早矢たちは登場していたことにビックリ。「おかしくなった」と思ってから、既に10年が経過していたのです。10年ってことは、「最近のこち亀はつまらない」というのは間違いで、「10年くらい前からこち亀はつまらない」が正解なのか……。

 中川の「変な関西弁やめて下さい、先輩」は、「パンおいしいねん」を知る僕たちからすると感慨深いし、今回最終コマの「わしにとって右京がますます好きになってしまった初夏の出来事だった」という両さんのモノローグも、右京がさっぱり登場しなくなった今からするとやはり感慨深いものがあります。

 そして、秋本先生の「なんとなく感動させよう」な作風は既にこの頃から始っていたことを知って、少し悲しくなりました。


リーダー伝たけし

 ネタがなくなったので1ページギャグでお茶を濁す話。半分くらいをアシスタントに描かせてるんだけど、全体的にすげえつまらなかったです。いや、ホントに酷い。ポセイドン学園並につまらない。ただ、しまぶーが本当にネタが尽きてて、本当に困っている姿がリアルに想像できる辺りはロックといえるかもしれない。なんていうか、作品から「読者に対する申し訳なさ」がひしひしと感じられるんだ。

担当「自分は打ち合わせもしねーで麻雀ばっかやってんだろーが、このネギマ!!」
しまぶー「おまえが打ち合わせしたくねーっつってんだろが、このタン塩!!!」

 という会話の後者の方は、雷句先生のゴタゴタを見た後だと、うん、やっぱり感慨深いなあと思ったり。


I''s

 ……あ、うん。一貴に真中と同じものを感じるよ。

 意外とアレだなぁ。真中が特別にクソという訳ではなく(いや、クソであることに違いはないが)、この手の恋愛漫画の主人公はどうしてもクソになってしまうものなのだろうか。そう考えると、リトくんのキャラクター造形は奇跡的といえるかもしれない。同じように妄想して、同じように好きな子がいるのに、不快感が段違いだよ。


マッハヘッド

 昔はこんな暴走族漫画があったのか……。まったく記憶にないぜ。あ、でも、この横に付いてるちっちゃい子には見覚えあるかもしれない。今回の話を読んだだけだと、このちっちゃい子の必然性が全く理解できなかったけれど。

 内容的には、かつての仲間を助けに行って、ヤンキーらしき相手をワンパンでブッ倒してました。なんだかジャンプ漫画とは思えないほど本気で暴走族漫画やってて、マガジンみたいな感じ。そして、横の小さな子は特に何もせず、ただ横にいるだけ。ずっと横にいるのにセリフも3コマしかなし。一体、この小さい子はどういう立ち位置なんだろうか……。キャラの浮き方からして、ヘタすると主人公な気がするんだけど、でも、ホントに何もしてねえんだよなあ。


邪馬台幻想記

 矢吹先生の「邪馬台幻想記」最終話。最終話にもかかわらずペラーと読める感じがさすがの矢吹節。薄い。実に薄い。なんて薄いバトルなんだ。

「ぐっ、何だこの力は…」
「オレには絶対に負けられない理由がある」
「お前を倒してオレは『最強』を目指す!!」

 なんだか面白いくらいにテンプレートで、流石は矢吹先生って感じでした。


FW陣

 2コマ目いちばん左の人の顔が面白すぎるんですが…………。高橋先生はこんなキャラを本当に活躍させたのだろうか。蛮勇といわざるをえないぜ。

 でも、後世の人から見たら、「か、樺地……。こんなキャラを活躍させたのか……。許斐剛、正気じゃねえぜ」って感じかもしれないね。いや、許斐先生が正気でないのは紛れもなき事実だけど。


ダイスキング

 ダイスキングって道元先生の作品だったのか……。もはや「道元=説教」という方程式が脳内にインプットされているわけですが、今回たまたま見ることになった本作でもかなりの説教が含まれており、なるほど、説教漫画と言われるにはそれだけの理由があるのだなと思いました。例えば、今回は体の大きな人を女性コーチ(?)がキーパーに仕立て上げる話だけど、

「これからあなたに2つの未来の景色を選ぶチャンスをあげるわ」
「1つは試合後、6人の仲間と笑っている、あんたがいる景色」
「もう1つは足手まといとわかっているのに顔色伺いながら仲間のふりをしているあんたがいる景色」

 これとかもう選ぶチャンスなんてないよ。事実上の一択じゃん。「今からスポ根すっから、死んでも付いて来いよ、ブタ」って話じゃん。

「ふぎゃあ!!」
「何回痛い思いをしたらできるようになるのかしら」
「まず目を開けてボールをよく見ること。それから捕るために手を伸ばす」
「む…無理です。ダメです…。もうイヤです…」
「そう? だったら辞めるのね? この練習と同時にハンドボール部も!」

 バッティングセンターで90キロのボールを受け止めさせて、「この練習がイヤなら部活も辞めるか、アァン?」な女コーチ。今の時代では決して受け入れられないであろうベタなスポ根ですね。この手のやつは最後に結果を出せるから爽やかな感じが出せるものの(結局、彼もキーパーとして活躍できるようになる)、過程だけ見れば強制労働させられてるようなもんなんだよなあ。あと、「この練習はイヤだ」⇒「じゃあ部を辞めろ」と、スポ根的な過酷な特訓以外に選択肢がない辺りも酷い。

「今の自分に満足できないのなら、変わるように努力するのよ」
「まず理想の姿を思い浮かべて次に現実を考える。そして、その差を努力で埋めていくの」
「他のスポーツよりも運動動作が多く、敏捷性を必要とするハンドボールのコートであんたの居場所はないわ。でも、キーパーならできる」
「横3m縦2mのゴールを守るのなら、運動能力で劣っていても頭脳面でかなりカバーできるの! その大きな体も生かせるのよ!」
「でも、それにはまず痛みに慣れ恐れないこと。さらに自分から挑んでいく果敢な勇気!」
「もっと手を伸ばしなさい! あんたがなるキーパーは恋文(※キャラ名)達のゴールを死守する最後の砦であり、速攻で最初のパスを送る一番目の攻撃者なのよっ!!」
「心を決めれば強くなれるのっ! 欲しいものは自分で手を伸ばさないと誰もくれないわよっ!」

 そして、延々2ページにも渡る説教マシンガン。この間、体の大きい人はボールがバコバコ当たって、「ふぐあ!」とか「うぐう!」とか言ってるだけですよ。なんという説教漫画。これが「説教の道元」か…………。

I”s 1 完全版 (1) (ヤングジャンプコミックス)
I”s 1 完全版 (1) (ヤングジャンプコミックス)桂 正和

おすすめ平均
stars名作です。
stars読んだことのない人はもちろん、昔読んだ人も、改めて読んで欲しい、そんな作品です。
stars王道中の王道 未だに色あせない5人の「I」の物語
stars観点がすごい
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