《ミステリウム・トレメンドゥム》
・この感情は全ての宗教感情のうちで最も深いもの
・救いの信仰や信頼、愛以上のもの
（と、オットーは言い切っている。自分の感情に基づく論述であり、特に論証はしない）
「畏るべきもの」（tremendum）という要素
（※何らかによって引き起こされた勘定、その「何らか」を語っていく）
・自然的感情とは全く異質のもの（「自然的」とはキリスト教の文脈だから「作られたもの」「有限の世界に存在しているもの」という意味。自然的感情の恐怖、たとえば「犬がこわい」とかとは違うという意味）
・宗教的な畏怖（※ヌミノーゼによって引き起こされるような感情）
・「妖怪的なもの」（※なお、これは私たちの感情反応の話であり、妖怪がいる、いないといった話とは全く関係ない）
・前段階は「デーモン的畏怖」（※宗教的感情まで至っていない場合、「デーモン的」となる）
・さらにその傍系として「化け物に対する恐ろしさ」という感情がある（怖い話をするとゾーッとする。その感情反応は宗教的感情反応とある種共通するところがある、ということ）
この「妖怪的なもの」を言い換えると、「薄気味悪いもの」と言える。
《薄気味悪いもの》
・太古の人々の心の中に現れた「薄気味悪いもの」という感情（→全ての神々やデーモンの根）
・神話的解釈や空想（→この感情の具現化）
・この感情こそが全宗教史を貫く根本要素、根本衝動
・この薄気味悪さこそが、神秘的なものの最初の発動、気配
・通常の自然的領域の外に立てられているカテゴリーによる最初の価値判断（「価値判断」＝「これは自然的領域にはない！」という価値判断）
・神秘的な感情は、キリスト教の礼拝、「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな」という形式で人の心を強烈にとらえる。その際に、「被造物感」が呼び起こされる（つまり、マッハーの言う「被造物感」は畏れの感情の後に来るものである）
Ω ＜「薄気味悪い」という感情が神話を作るのだよ！
Ω ΩΩ＜な、なんだってー！
《ヌミノーゼの畏るべき（tremendum）という要素》
『絶対接近不能』（我々の側からは近づけない。だから怖ろしい）
『力』『威力』（圧倒的力を持つものには恐れおののき近付くことができない）
↓
『優越』（ヌミノーゼは畏るべき優越）
↓
『畏るべき優越』
・「畏るべきもの」「優越」は「エネルギッシュなもの」という第三の要素を内臓（「エネルギッシュなもの」というのはエネルゲイヤを匂わせてるらしいが良く分からん）
《神秘（mysterium）》
・全て他者に属する（私の元にないもの）
・理解できないもの、説明しがたいもの
・宗教的に神秘的なもの、純粋に驚異的なもの
↓
『絶対他者（das Ganz Andere）』（ドイツ語のニュアンスだと「すっごく他なるもの」くらいの意味）
・これは、慣れているもの、理解できるもの、親しめるもの、したがって精通しているものの領域から全く抜け出ていて、人間の心情を驚きをもって満たすもの。
（以上がヌミノーゼの反発的要素であり、次からはヌミノーゼの誘因的要素）
《ヌミノーゼの誘因的要素》
・ルター「わたしたちは畏れをもって聖所を拝すると同時に、そこから逃れようとしないで、さらに近付こうとする」（善きわざについての説教、第一の戒め）
・この対立要素の調和、ないしはヌミノーゼの二重の特徴が『デーモン的畏怖』（「怖いものみたさ」ともいえる）
・その前でひれ伏し、畏怖すると同時に我が物としようとする衝動
・そこには心を混乱させると同時に心を捉え、ある場合には一種のエクスタシーに導くもの、すなわち、ディオニュソス的なものが存在する。
↓
『魅惑するもの』（das Fascinans）
『目が見もせず、耳が聞きもせず、人の心に思い浮かびもしなかったもの』（『コリントの信徒への第一の手紙2・9』
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