仏教儀礼に内在する王権のイメージ(2)
・マンダラと王宮
《マンダラとは何か?》
・サンスクリット語で「飾る」「丸いもの」を意味する
・仏教におけるマンダラとは仏の境地を示す美術表現の一形式である
・マンダラは灌頂儀礼の間、本尊の力を宿す場として作られる
・日本仏教の代表的マンダラとしては金剛界マンダラと胎臓界マンダラがある
金剛界マンダラ 金剛頂経 男性原理
胎臓界マンダラ 大日経 女性原理
《チベットのマンダラ》
・日本では大日如来を本尊とした結縁灌頂(大日如来とご縁を持たせてあげますよ程度のもの)と、伝法灌頂(本格的な修行に入る方)の二つしかないが、チベットでは本尊の数だけ灌頂があり、その数だけマンダラがある(※wikipediaでは「弟子としての資格を得る」のが受明灌頂で、「阿闍梨位を授ける」のが伝法灌頂と書かれていて、なんかちょっと違う。上で書いたのは伝法じゃなくて受明かも)
・マンダラの形態も素材によって
(1)絵画マンダラ
(2)砂マンダラ
(3)立体マンダラ ※模型みたいでカコイイ
(4)五穀マンダラ ※容器に穀物を入れただけ、ショボイ
(5)印で作るマンダラ(ムドラー)
《マンダラは何をモデルとしているか》
・仏の境地という抽象的なものを示すために、スメール山頂上にある転輪聖王(金輪王、ヒンドゥー教では帝釈天にあたる)の宮殿をモデルにしている
・マンダラの中心部をアップにすると宮殿であることが分かる(※四階建ての宮殿。これを立体化したのが立体マンダラなので、立体マンダラはお城のプラモみたいでカッコイイ)
・マンダラが東西南北を四色に塗り分けるのはスメール山世界の反映(※スメール山は東西南北の斜面が別の宝石でできてるから、大地に反射する光の色が違うんだって)
・チベット仏教の僧院や王宮はほとんどが立体マンダラの形式で建てられている(※ある意味、1/1プラモ)
・ポタラ宮はカーラチャクラの立体マンダラ
・チベット初の僧院、サムエ寺はスメール山世界の立体マンダラ
※清朝の宮殿内にある雨華閣や頤和園(いわえん)の四大部州はこのサムエ寺のコピー建築
《マンダラの表すもの》
・仏の意識(智)
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