「儒教とは何か」読んだー。
要点：儒教は宗教だよ！
・昔は孫が祖父の頭蓋骨を被って祖父の魂をおろしたりしてた（招魂儀礼）
・なので子孫がちゃんと祀ってくれれば、ある意味永遠の生命
・親や祖先を大事にしよう（すると自分も大事にしてもらえて自分も永遠の生命！）
・つまり、孝は生命論であり、永遠の生命に繋がる考え
・これまでの祖先崇拝を理論化し、体系化したのが孔子（シャーマニズムの理論化）。孔子はそれまでの儒教思想のまとめ役。
・孔子の理論化とは別に民間におけるシャーマニズム（儒教の宗教的側面）はなお生き続ける。しかし、知識階級の礼教性と民衆の宗教性という儒教の二側面はどんどん分離していく。
・農業は基本的にワンパターンで繰り返し。年中行事もあるけど繰り返し。なので、やり方を良く知ってる長老とかが敬われる。儀礼に熟達した長老が尊敬され、儒教における「聖人」とされる。
・儒教では「礼」を勉強すれば、聖人（人間の理想像）になれる。
・儒教の徳治政治とは、人々がこの「聖人」の言動を模倣すること。
・孔子の思想は「常識の肯定」（ex.親を大事にしよう、近親者が死んだら悲しもう）
・その愛情や悲しみを形として表し、共通の規則、慣行として守ろう→礼
・儒教とは人間の常識を形（数量、大小）にして表現すること
・とはいえ、大事なのはあくまで心からそう思うこと。形だけ愛してたり悲しんだりするふりをしてはいけないと孔子も言ってるが、礼は形式に流されやすく、老子などから批判される。
・仏教は中国で誤解されて広まった。中国人はこの世を永遠の苦と考えてなかったので、「また人間になれるなんてすばらしいじゃん」と受け取った。
・輪廻転生には魂の不滅が前提であるから、仏教を批判したい儒家は「魂は死んだらなくなるよ！」って言い出した。この頃は大分、儒教の礼教性と宗教性が懸け離れていったので、儒家が儒教を誤解し始めた。
・朱子学でも鬼神（死者の霊）の取り扱いに苦労することになる。
・中国では仏教・道教・儒教の三すくみになる
・仏教・道教は宇宙論・形而上学に強かったが、儒教は政治論（現実的応用）に強かった。
・儒教も宇宙論・形而上学をがんばろうとして出てきたのが朱子学。大極図とか五行とか。
《まとめ》「親を大事にしよう」とかのアイデアは人は普通に持ってるもの（常識的感覚）。古代中国人は先祖の霊を呼び寄せたりしてた（招魂儀礼）。孔子は常識的感覚を生命論に結び付けて理論化した。儒教とは常識的感覚を礼によって形で表現するもの。これをしっかりできる人が聖人となる。礼が固まっていったり、朱子学が宇宙論とかを説いていくと、最初からあった儒教の招魂儀礼の側面とは乖離していき、「民間ではワケの分からん変な宗教的儀式やってるけど、オレら（知的な儒家）はそんなん知らないよ」ってなっていく。
＜その他メモ＞
・「親から貰った体を傷つけない」は儒教のアイデアっぽい
・儒家は僧侶の出家に対して、「出家したら祖先の祭祀できないじゃん！」と批判
・呪術、祈祷師、拝み屋などは絶えることはない。民衆が最も望むものだから。
・死への対策は、仏教が輪廻転生、儒教が招魂再生、道教が長寿延命
※個人的メモ
この本で言われている「儒教の宗教的側面」は道教と混合してるかもしれない。ひょっとすると、一般には「道教」と呼ばれるものかも？？
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